【中国という“地雷”】「電子ゴミの終着駅」での水銀被害★(3)
zakzak2013.03.28
今年に入り、いきなり流行語大賞にエントリーされそうな勢いの「PM2・5」。中国の大気汚染と日本への越境汚染の問題が連日のように報じられているが、実は、水銀問題も相当深刻だ。
「世界の電子ゴミの終着駅」と化した中国において、その量は年間で数千万トン。これによる環境汚染と健康被害が激増している。電子ゴミの解体や金属の回収を、作業員が予防措置も付けず行うことも珍しくなく、「癌の村」まで出現した。
また、工場が集積する江蘇省の関係当局は、最近の水質検査の結果として、「魚類の41%に水銀、カドミウム、鉛など各種重金属が含まれていた」と公表している。
「水銀は大気中での寿命が長く、長距離輸送されるため、日本における水銀の沈着量を把握するには、東アジア規模の輸送を考慮する必要がある」と専門家も指摘。日本にとって“対岸の火事”では済まされない。
この数カ月、オランダやドイツ、デンマークなど欧州各国、そして、香港などを舞台とする「中国人による粉ミルク買い占め」事件が報じられたが、これも水銀の問題が関係している。
昨年6月、中国の食品安全リスク監視機構の検査で乳児用粉ミルクの一部に水銀混入が発覚した。これを契機に国内各メーカーの粉ミルク全商品を対象に検査を実施したところ、伊利実業集団有限公司(内蒙古)で生産された乳児用粉ミルクの一部製品に、水銀が混入していることが判明した。
同企業は北京五輪でスポンサー企業として名を連ねた、中国で最大手の乳製品メーカーの1社だ。メディアは「商品は緊急回収された」と報じたが、メラミンに続く水銀混入で、消費者の国内商品に対する不信感は再びマックスとなり、外国メーカーの粉ミルク買い占め代行ビジネスがにわかに起きたのだった。
日本で食される中国産ウナギも、水銀含有の可能性が否定できない。
国産と比べて廉価な中国産の養殖ウナギ(活魚)や加工食品(かば焼きなど)の依存度は近年、6割前後とされる。これまで「メチル水銀が含有されていた」「発がん性のあるマラカイトグリーンが検出された」など、日本で禁止、もしくは基準量を大幅に超える抗生物質や合成抗菌剤が検出された事実が次々と報道されている。
厚労省は、中国産ウナギの水銀検査を行っているが、モニタリングは検数の10%(中国以外の国は5%)の抜き取り検査であり、「安全・安心」なのかは疑わしい。
*河添恵子(かわそえ・けいこ)
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◆ 【中国という“地雷”】「ソーラービジネス」狙われる被災地復興補助金(2) 河添恵子 2013-03-27 | 国際/中国/アジア
◆ 【中国という“地雷”】“ドーピング豚”が表す食の安全崩壊(1) 河添恵子 2013-03-26 | 国際/中国/アジア
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【中国という“地雷”】「電子ゴミの終着駅」での水銀被害(3) 河添恵子
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