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「中国は、北朝鮮との関係を見直して南北統一を促進するか、核保有しない親中的政権の樹立を」?聿文

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北朝鮮の放棄を考える中国? 日本はいかに備えるか 世界潮流を読む 岡崎研究所論評集
WEDGE Infinity 2013年04月03日(Wed)岡崎研究所
 中国共産党中央党校機関紙の副編集長である?聿文 (Deng Yuwen)が、北朝鮮は核兵器を中国恫喝に用いるおそれがあるので、中国は、今までの北朝鮮との同盟関係を見直して、南北統一を促進するか、核を保有しない親中的政権の樹立を目指すべきである、との論説を2月27日付FTに寄稿しています。
  すなわち、北朝鮮による三回目の核実験は、中国にとって、金王朝との長年にわたる同盟関係を見直す良い機会である。中国が北朝鮮を諦め、朝鮮半島再統一の圧力をかけるべき、いくつかの理由がある。
  第一に、イデオロギーに基礎を置いた国家間の関係というのは、危険である。中朝はともに社会主義だが、両国の相違は、中国と西側の相違よりも大きい。
  第二に、中国の戦略的安全を地政学的同盟国としての北朝鮮の価値に置くことは、時代遅れである。冷戦期に北朝鮮が有用な友邦であったとしても、今日でもそうであるかどうかは疑わしい。米国が北朝鮮に先制攻撃をするようなことがあったならば、中国は戦争に巻き込まれかねない。そうであれば、緩衝地帯としての価値を論じる意味はない。
  第三に、北朝鮮が改革を実行して世界に向かって開国することはないであろう。一旦、改革が始まれば、北の体制は崩壊する可能性がある。中国が、遅かれ早かれ失敗に直面するような体制、国家との関係を維持すべき理由があろうか。
  第四に、北朝鮮は、中国から離れて行っている。中国人は、北朝鮮との関係を、現実ではなくて、朝鮮戦争における犠牲の共有ということを通して見たがるが、北朝鮮のほうは、全くそうではなく、中国の軛から解放されることこそ、独立と自治の表れと見ている。
  最後に、一旦、北朝鮮が核兵器を持ってしまえば、金体制が中国に対して核を用いた恐喝をする可能性を排除し得ない。金正日は、米国が援助の手を差し伸べてくれるならば、北朝鮮が中国に対する最強の要塞となっても良いとも示唆している。
 中国は、北朝鮮を放棄することを考えるべきである。北朝鮮を諦める最上の策は、南北統一を促進するイニシアチブをとることである。朝鮮半島の統一は、米国と日本および韓国との間の戦略的同盟を弱体化させるのに役立ち、北東アジアから中国への地政学的圧力を緩和し、台湾問題の解決にも助けとなるであろう。
  次善の策は、中国が影響力を行使して、北朝鮮に親中的政府を樹立し、それに安全保障を与え、核兵器を放棄して正常な国に向かうよう圧力をかけることである、と論じています。
                   ◆         ◆          ◆
  北朝鮮による3回目の核実験を受けて、中国側から北朝鮮への不満の表明が増えていますが、この論説は、そうした中でも、驚くべきドラスティックな内容を含んでいます。仮に、論説が説くような政策が、中国政府によって国家政策として取り上げられれば、東アジアの国際政治情勢は一変する可能性があります。
  従来は、中国政府はいかなる場合でも北朝鮮政府の存続を危うくする程度までの制裁は行わないというのが常識でした。それは、中国は二十一世紀最大の問題は台湾をめぐる米中対立と捉えており、自由民主主義勢力が鴨緑江まで迫るのを阻止しておくのが戦略的利益と考えているだろう、と推測されたからです。
  しかし、いみじくもこの論説が指摘しているように、イデオロギーだけが国家関係を律するものではなく、自由民主主義国である韓国が、米韓同盟、日韓友好関係から離れられないということさえも、真実でないかも知れません。中国が朝鮮半島の平和的統一支持に踏み切った時は、心理的に親中反日である韓国が中立路線をとり、米国との同盟から離脱する可能性は排除できません。その場合、中国は平和的手段によって、その東北辺の安全保障を達成することになります。
  それは、日米同盟そのものにも影響を与える可能性があります。日米同盟は、日本防衛の他に朝鮮半島と台湾の安全を守ることが目的であり、朝鮮半島問題が消えれば、台湾をどうするかということに議論が集中されます。そして、その時の米国の政府、議会の反応は、東アジアの情勢如何によって予断が許されなくなる恐れもあります。
 ただ、現在のところ、中国の対北朝鮮政策は、北朝鮮の体制転換に至るようなことは避けるという方針に変わりはないようです。この論説の真意も、北朝鮮への最大限の警告ということかもしれませんが、筆者が共産党中央党校機関紙の副編集長であることなどを勘案すれば、この新戦略は、中国の選択肢の一つに入っていると考えた方が安全でしょう。
  これに対して日本は如何に備えるかが大問題です。まず、民族の統一には絶対に反対してはいけません。日本が少しでもこの点で曖昧な態度を示せば、新たに百年の遺恨を遺すことになります。
  日本が持つ最大の梃子は、膨大な額に達すると予想される、統一経費の負担です。その負担に際しては、米国と密接な協議の上、統一戦線を組んで、核の廃絶、出来れば米韓同盟の存続などの条件の達成を図るべきです。核の廃絶については、中国との協調も必要となるでしょう。
  いずれにせよ、中国が北朝鮮を放棄しないことを自明の前提条件とするべきではなく、日本としても、あらゆる想定に基づいて北朝鮮政策を考える必要があるということを再認識させてくれる論説であると言えるでしょう。
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北朝鮮の核を管理するには 調査研究本部主任研究員 笹島雅彦
2013年4月3日 読売新聞
 中国の北京市内に、小ぎれいなキャンパスを持つ中国共産党中央党校がある。
 党中央委員会に直属する高級幹部の養成学校だ。胡錦濤・前国家主席や習近平・国家主席も校長を務めたことがあり、党の指導理論を研究する場になっている。外国の研究機関と接触するようになったのは21世紀に入ってからで、筆者が同校を訪問したのは数年前のこと。繁華街の騒々しさとはうって変わって、大きな池の周りを散策できる庭園もあるなど、潤沢な研究予算をうかがわせていた。
■「中国のイニシアチブで朝鮮半島統一を」
 その中央党校の機関紙「学習時報」の?聿文・副編集長が、「北京は北朝鮮を捨てて、朝鮮半島再統一を進めるべきだ」という趣旨の論文(2月28日付・英紙フィナンシャル・タイムズ)を発表し、関係者の注目を集めた。ちょうど、北朝鮮が同12日、3回目の核実験を強行した直後で、国連安全保障理事会の追加制裁決議採択に向けて、米中両国が協議を進めていた時期。両国の妥協案がまとまり、3月7日、予想以上に厳しい制裁決議が全会一致で採択された。
 北朝鮮の核実験は、習近平氏が国家主席に就任する目前の出来事であり、中国側の圧力にもかかわらず、強行された。同副編集長は後日、「純粋に個人の意見を寄稿しただけ」と語っているが、これも習主席の北朝鮮に対する不快感の表れなのだろうか。
 ?氏の意見は次のような論理だ。
 イデオロギーに基づく国家間関係は危険である。地政学的同盟国としての北朝鮮の価値は、中国の安全保障上もはや時代遅れだ。北朝鮮は中国のような改革・開放政策を採らないだろう。また、金正恩体制が中国に対する核の脅しをかける可能性を排除できない。北朝鮮の核が我々に向けて発射されるとしたら、北朝鮮が中国の緩衝地帯として、どう有効だといえるのか?こうした疑問点を列挙した上で、中国のイニシアチブで南北統一を促進すれば、日米韓の戦略的同盟を弱めることができるし、台湾問題の解決にも役立つ、と利点を挙げる。
 ここには、中国人なりの現実主義的な思考がうかがえる。しかし、日本の中国専門家によると、「北朝鮮について、中国国内には様々な意見があることを対外的に示そうとした宣伝の一種であり、彼は従来の持論を述べただけだ」と、評価は低い。中国が国連安保理決議に基づき、これから本当に制裁措置を取るのかどうかも疑問符が付く。
■「北朝鮮緩衝地帯論」を疑問視した意味
 ただ、中国が北朝鮮の体制を維持したいと考える理論的根拠だった「北朝鮮緩衝地帯論」に対し、疑問の声が出てきたことは、将来、北朝鮮の核を国際社会が管理していくうえで、ヒントを与えてくれた気がする。
 北朝鮮は現在、挑発的な言動を繰り返した後、今度は米軍横須賀基地や三沢基地が射程内にある、と脅してきた。日米韓は冷静に対応しているが、北朝鮮の暴発や自壊シナリオにも備える必要がある。金正恩体制が崩壊するとき、北朝鮮の核施設やプルトニウム、濃縮ウランなどの核燃料を、米海兵隊や特殊部隊がただちに管理下に置き、国際テロ組織などに流出しないよう対策を取る必要がある。こうした作戦計画を米中間で事前に協議しておけば、無用な米中衝突を回避することができるのではないだろうか。
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「北朝鮮切り捨て」主張で解任、中国党機関紙の副編集長
産経ニュース2013.4.2 23:43
 韓国紙、朝鮮日報は2日、英紙フィナンシャル・タイムズに「北朝鮮を切り捨てるべきだ」と主張する寄稿をした中国共産党の幹部教育機関、中央党学校の機関紙「学習時報」の副編集長が解任されたと伝えた。
 寄稿した?聿文氏が朝鮮日報に電話で話した。寄稿文が掲載されると、中央党学校に中国外務省から強い憤りを示す電話があったという。?聿文氏は給与を得ているが、無期停職処分を受けたという。
 ?聿文氏は投稿で「いずれ失敗する政権となぜ関係を維持しなければいけないのか」「北朝鮮が核兵器を保有すれば、中国を脅す可能性も否定できない」と主張した。(共同)
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北朝鮮はなぜ反撃を受けて壊滅しかねない危険を冒してまで、好戦的な言動を続けるのか 古森 義久 2013-04-03 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉 
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「MAD(相互確証破壊)」な世界の限界を試す北朝鮮/核抑止の論理が通じない政権が存在するとしたら 2013-04-03 | 国際/中国/アジア 
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