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作業をしているのはロボットじゃない『闇に消される原発被曝者』(八月書館)

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復刊した問題のルポ『闇に消される原発被曝者』著者が語る隠された福島原発事故の恐怖
日刊ゲンダイ2011年7月12日 掲載
●作業をしているのはロボットじゃない
  福島原発の事故以来、現場作業で被曝(ひばく)した労働者は何十人何百人に上るのか?
  東電は「特例上限の250ミリシーベルトを超えたのは6人だけ」と発表しているが、本当のところは誰にも分からない。いくらでも隠し事やゴマカシのきく世界が原発労働者なのである。
  世間から隔離され、隠されてきた原発労働者の実態を37年間追いかけてきたルポルタージュ問題作が復刊された。「闇に消される原発被曝者」(八月書館)だ。写真家の樋口健二氏が嫌がらせや妨害の中、体当たりで原発内部と被曝者に直接取材してきたものである。
  あらためて樋口氏に聞いた。
 「原発労働者の過酷な実態は、37年前から変わっていませんよ。東電協力企業社員といったやさしい言葉に置き換えられたけど、30万円とか50万円というカネで原発労働者が全国から福島に集められ、大量被曝が確実の原発に送り込まれている。テレビなどの報道では、高濃度の建屋内はロボットが作業していることになっている。あれはウソです。原発内はパイプが縦横に走り、高い場所での作業も必要。ロボットでは手に負えない。修理修復や放射能除去の掃除は人海戦術でやるしかない。人間であれば、息をする。こうしている間にも、次々と労働者は内部被曝しているのです」
  与えられた作業のノルマを達成しないと、労働者は賃金をもらえない。だから、線量計のアラームが鳴ろうと無視して作業を続ける。暑いし苦しいし見えづらいから、防毒マスクをはずして作業する労働者も少なくない。その結果、体が動かなくなり、やがてがん死。そんな人を樋口氏は何人も見てきた。
 「それでも昔は、上限が50ミリシーベルトだった。それが100に緩和され、今回の福島では250に上げられた。250という数字は死に直結するものです。労働者の声を聞こうと、私は福島に行った。でもJヴィレッジに隔離され、取材は禁止。取材したら罰則が待っている。なぜ、そこまで隠すのか。大変なことが起きているからでしょう。あと5年、10年したら、がんで死ぬ被曝労働者がどれだけ出ることか」
  闇に消される原発労働者は、いま現在も生み続けられている。それが現実なのだ。
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