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「突入した世界戦国時代」 韓国/キプロス/サイバー攻撃&無人機の脅威/サイバー、無人機、ロボット

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【突入した世界戦国時代】北の軍事的恫喝に脅える弱腰韓国 経済危機で崖っぷち… ★(1)
zakzak2013.04.16
 北朝鮮の暴走が止まらない。ミサイル発射を宣言して日米韓を威嚇するだけでなく、核攻撃まで口にしている。北朝鮮が日本の安全保障にとって脅威であることは言うまでもないが、実は、北朝鮮が最も強烈に脅迫をしているのは韓国である。
 ところが、韓国の朴槿惠大統領は「北朝鮮との対話」ばかりを口にして、敢然と立ち向かう姿勢に欠けている。完全な弱腰外交である。李明博前大統領も、46人が犠牲になった韓国哨戒艦撃沈事件(2010年3月)について、「北朝鮮の魚雷攻撃で沈没した」との調査結果が出たにもかかわらず、具体的な報復攻撃を行わなかった。
 なぜ、韓国は「太陽政策」一辺倒で、北朝鮮の軍事的恫喝に屈服するような態度を取っているのか。ズバリ、理由は「韓国経済の危機」である。
 韓国の中央日報は11日、「韓国経済は瀕死状態」「景気回復のシグナル見えず」という記事を掲載した。昨年来、韓国経済は著しく停滞してきたが、朝鮮半島危機の拡大で先行きはさらに暗くなっているのだ。
 記事によると、「雇用・消費・投資・輸出・株価のどれを見ても景気回復のシグナルは見られない。北朝鮮リスクまで重なり、経済心理は重く沈んでいる」「1−2月の設備投資は16・9%減り、建設受注は49・4%減少した」とある。
 株式市場も下降し、15歳から29歳の雇用率は38・7%と、29年ぶりの低水準だという。李前政権が財政均衡策に固執し、財政支出を抑制しながら、韓国中央銀行は金利引き下げを躊躇してきた。輸出は振るわず、内需が低迷しているところに、北朝鮮が全面戦争までチラつかせたため、韓国経済は崖っぷちに立たされているのだ。
 日本経済は、安倍晋三首相のアベノミクスや、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁の大胆な金融緩和策で復活しつつある。これに伴う株高・円安が、輸出主導型の韓国経済を追い詰めている。このため、北朝鮮から理不尽な脅しを受けても、韓国は軍事的に対抗できない。
 朝鮮半島でわずかな軍事紛争が起きれば、撤退ムードにある外国資本は韓国を完全に見捨てる。地政学的リスクの高まりから、韓国経済は世界経済のネットワークから脱落してしまう。
 一方、ロイター通信は先月末、「中国税関の統計によると、2月の中国の北朝鮮向け原油輸出実績はゼロだった」と報じた。事実だとすれば、北朝鮮も本当は追い込まれていることになる。
 こうしたなか、私が注目するのが、ロシアによる天然ガス輸出用のパイプライン計画だ。この1つに、朝鮮半島を縦貫し、日本の北九州に至るルートがある。北朝鮮は開国さえすれば、パイプラインによってエネルギーと外貨を獲得できる。合理的解決への道は残されているのだ。
 ■藤井厳喜(ふじい・げんき) 国際政治学者。1952年、東京都生まれ。早大政経学部卒業後、米ハーバード大学大学院で政治学博士課程を修了。ハーバード大学国際問題研究所・日米関係プログラム研究員などを経て帰国。テレビやラジオで活躍する一方、銀行や証券会社の顧問、明治大学などで教鞭をとる。現在、拓殖大学客員教授。近著に「超大恐慌で世界の終わりが始まる」(日本文芸社)、「米中新冷戦、どうする日本」(PHP研究所)
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【突入した世界戦国時代】キプロス預金封鎖で急騰 仮想通貨ビットコイン ★(2)
zakzak2013.04.17
 EUは3月25日、キプロス金融危機への対策を最終決定した。ところが、これは救済ではなく、金融立国であるキプロス経済を潰すことを決定したものである。キプロスでは、すでに預金封鎖と取り付け騒ぎが起き、ペイオフまで行われることが決定してしまった。欧州危機は続いている。ユーロは今後、暴落しそうだ。
 キプロスでは10万ユーロ未満の預金は全額保護されるが、10万ユーロ超の預金については、凍結されたうえ、銀行の経営状態により、最大限80%までの預金没収が行われる。従来のギリシャやスペインの金融危機では、預金没収とペイオフは行われなかった。
 今回、EU首脳部は金融危機対策の根本方針を180度転換したと言ってもよい。今まで恐れられてきた、預金封鎖とペイオフが現実に起きてしまったのだ。
 キプロス経済は、ユーロ圏全体の0・2%を占めるに過ぎない小さな存在である。しかし、この預金封鎖のショックは、全ヨーロッパに瞬時に伝搬した。特に、経済危機に苦しむスペイン、イタリア、ギリシャでは、「明日はわが身か」とパニック的な心理が広がっている。
 キプロスは、主にロシア人富裕層のタックスヘイブン(租税回避地)として「金融立国路線」をとってきた。このため、銀行の総資産が、人口85万人のこの国のGDPの6倍から7倍にも達するという、いびつな金融バブル状態を呈していた。EU首脳が、過酷なキプロス危機処理案を決断したのも、このためである。脱税やマネーロンダリングなどの温床であるキプロスをたたいても、損害を被るのはロシア人に集中している。
 しかし、一方では、キプロス危機は連鎖反応を生んでいる。同様の金融立国路線を歩んでいたスロベニアでは、早くもバブル崩壊が始まり、逃避先を求めるロシアマネーは、非ユーロ圏のラトビア(バルト3国の1つ)に集中し始めた。
 キプロス危機が原因となり、オンライン上の仮想通貨ビットコインの相場が急騰した。1年前には1ビットコイン=4〜5ドルで取引されていたものが、4月10日には過去最高値1ビットコイン=260ドルをつけ、その後、急落、乱高下を繰り返している。
 キプロスでは、預金封鎖があったため、実際にビットコインの需要が急増した。ビットコインは2009年に中本哲史という日本人が創造した仮想通貨である。彼がいかなる人物であるかは謎に包まれたままだ。しかし、ビットコインに次いで、さまざまな仮想通貨が発行され、その発行量はますます増大する勢いである。
 仮想通貨市場は、巨大なものに急成長しつつある。裏金の洗浄なども、今後は仮想通貨市場で行われることが多くなるだろう。
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【突入した世界戦国時代】サイバー攻撃&無人機の脅威 日本の備えは大丈夫か? ★(3)
zakzak2013.04.18
 日本は現行憲法で「戦争を放棄する」と宣言しているが、戦争は日本を放棄してくれない。日本は北方領土と竹島の2つの領土を外国の軍事力によって占領され、今また、沖縄県・尖閣諸島が、中国の軍事侵攻の標的となっている。第2次世界大戦のような大規模な戦争はなくなっても、世界中から軍事紛争の種が尽きることはない。
 そして、戦争は時代とともに大胆に形態を進化させる。特に、技術の進歩は戦争の形を全く変えてしまう。約20年前、米国でRMA(軍事革命)が盛んに言われたが、新技術が着々と実現され、現在の戦争は、かつて思いもよらなかった新しい形に進化しつつある。実例を挙げよう。
 まず、米国と中国の間では、すでにサイバー戦争の火ブタは切って落とされている。
 オバマ米大統領は2月12日の一般教書演説で、「われわれの敵は、米国の送電網や金融機関、航空管制システムを破壊する能力を得ようとしている」とし、事実上、サイバー戦の宣戦布告を行った。
 同月18日、米空軍OB創業の米情報セキュリティー企業「マンディアント」が、中国のサイバー攻撃について、決定的なリポートを公表した。
 同リポートは、中国のサイバー部隊の中心を、人民解放軍総参謀部・第3部第2局(技術偵察部)の61398部隊と特定し、上海の所在地まで公表した。米企業115社が機密情報を盗まれる被害を受けていただけでなく、米社会のインフラである送電網や水道設備などのコンピューターにも侵入し、損害を及ぼす方法を探っていた。
 今後、日本のインフラも狙われていると思った方がよい。先月20日、韓国が北朝鮮によるサイバー攻撃を幅広く受けたことは周知の事実だ。
 「ドローン」と呼ばれる無人機の進化もすさまじい。
 米軍機に占める無人機の割合は、2005年は5%だったが、現在は30%を超えた。米軍は現在、約1万1000機の無人機を所有している。中国も米技術を盗用しながら、すでに作戦行動に利用できる無人機を10機種近く開発している。尖閣諸島の偵察では無人機が日常的に利用されている。尖閣が、中国の無人攻撃機の実戦デビューの戦場になるかもしれない。日本の備えは大丈夫か。
 しかも中国製無人機は、価格が米国製の数分の1と極めて安価であり、世界中の反米国家に輸出される危険がある。イランは現在、近隣の中東諸国に小型の無人機を輸出している。今後10年間で、無人機市場は890億ドル規模に達すると予想されている。
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【突入した世界戦国時代】サイバー、無人機、ロボット…軍事技術の後れ顕著な日本 ★(4)
zakzak2013.04.19
 軍事技術の進歩が、世界を「群雄割拠の戦国時代」に向けて、加速度的に変化させている。
 現在、米国とイスラエルの軍事技術が最先端にあることは確かだが、これに対抗する中国や北朝鮮も、部分的には侮れない高レベルの技術に到達している。ところが、日本の政治家や官僚の認識は、過去の常識に固定されており、革命的な技術進歩から遅れている。
 日本の防衛省がやっと「サイバー政策検討委員会」を設置したのは、今年2月である。今年度中にサイバー空間部隊を本格始動させるというが、人材不足は否定できない。中国で、米国をサイバー攻撃する部隊は1軍レベルだが、日本を攻撃する部隊は2軍レベルであるといわれている。
 イランは「米軍無人機のGPSシステムに侵入し、それを墜落させた」と主張している。中国や北朝鮮が、最先端兵器である米軍の無人機を、サイバー攻撃によって乗っ取り、米軍や同盟軍を攻撃するというような最悪の事態も考えられるのだ。
 中国はすでに、日本に対するサイバー攻撃において、電気、水道、交通制御などの社会インフラをターゲットとして狙い定めている。最悪の場合、国家機能が崩壊することすら考えられる。
 日本人は「ロボット工学においては、いまだに日本は世界一だ」と、漠然と考えているようだが、少なくとも軍事的応用に関しては、米国に大きく水をあけられている。
 米ボストン・ダイナミックス社が開発中のロボット兵士「PETMAN(ペットマン)」や、軍用ロボット犬「Big Dog(ビッグドッグ)」、その進化系である「Alpha Dog(アルファドッグ)」などの成果を見ると、まさにSF映画の世界が現実となりつつある。
 米レイセオン社の外骨格スーツの「XOSシリーズ」なども、極めて実用に近づいている。同社の荒れ地用の6本脚ロボット「RHex」を見ると、大型のゴキブリがはい回っているようで気分が悪くなるが、その機能には恐るべきものである。
 偵察用無人機としては、ノルウェーのプロクスダイナミクス社が開発した掌に乗る超小型ミニヘリ「ブラック・ホーネット」が、アフガニスタンにおいて、英軍に利用されて好成績をあげている。偵察スパイ用の無人機は、小型・大型・ヘリコプター型も含めて、すでに、多くのモデルが実用化されている。
 特に、米国・メキシコ国境地帯では、違法移民の監視のために、広範に利用されている。米国では、無人偵察機の過剰使用によるプライバシーの侵害が問題になっているほどである。
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【突入した世界戦国時代】日本人の食の安全どう守る ★(5)
zakzak 2013.04.21
 戦国時代化する世界の中で、日本人の生命を脅かすものは、外敵の軍事力だけではない。伝染病や健康に有害な輸入食品も大きな脅威である。そして、伝染病の最たるものが、現在、中国で急速に広がっている新種の鳥インフルエンザである。
 流行速度の速さ、範囲の大きさから見て、このウイルスはすでに「人から人へ」と感染するよう変異した可能性がある。その危険性がある以上、日本政府は、中国との人的交流を一時的に停止すべきではないか。国内で患者が発生してからでは遅すぎる。
 今後、このようなパンデミック(世界的大流行)が、中国発であれ、他国発であれ、日本を急襲することに常に備えておかなければならない。
 食品の安全性でも、中国産食品が危険であることは、同国の環境汚染や食中毒事案をみれば明白である。しかし、外食産業や大手スーパーはその安さから、中国産食品の輸入を拡大し続けている。日中韓FTAが締結されれば、危険な中国食品の日本流入には歯止めがなくなりそうだ。
 米国主導のTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で、問題の1つは「遺伝子組み換え食品」である。米国では、穀物や野菜ばかりではなく、家畜の遺伝子組み換えも行われ、クローン家畜まで生産されている。
 米国では、消費者が望んでいるにも関わらず、「遺伝子組み換え食品であるか、ないか」の表示が許されていない。日本では「遺伝子組み換え食品ではない」と表示することは合法だが、米国では違法である。つまり米国の消費者は、遺伝子組み換え食品の有無を知ることができないのだ。
 米政府は「遺伝子組み換え食品も、クローン食品も全く無害である」との前提に立っている。ところが、これらの食品が健康に害があるかないかは、まったく実証されていない。特に、長期的にこれらの食品を摂取した場合、世代を超えてどんな影響が表れるかについては不明である。慎重に判断すべき問題である。
 日本がTPPに加盟すると、国内で「遺伝子組み換え食品でない」という表示すら、非合法化されてしまう危険性がある。TPP条約に書いていなくても、いわゆる「ISDS条項」を利用することで、こういう表示が非合法化される危険性がある。ISDS条項とは、企業が相手国政府をビジネスチャンスを奪ったという理由で訴えることができる条文である。 =おわり
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