G・ボクダンの世界の常識を疑え 「韓国の米国ロビー活動の実態」
月刊WiLL 2013年7月号
p30〜
住民の半分以上が韓国系アメリカ人という、ニュージャージー州の小さな町の小さな公園に、日本軍慰安婦記念碑が設置されたのは09年のことである。記念碑にある僅か50センチのプレートには「第二次大戦中、日本帝国陸軍により性的接待を強要された20万人以上の東アジア各国の女性に捧ぐ」と刻まれている。
ニューヨークにある日本領事館は、記念プレートを外すよう市役所に訴えた。この件について、地元新聞が「日本領事館は『プレートを外せば、公園に桜を植え、地元図書館に本を、市には金の寄付をする』と交渉した」と報じた。日本領事館は交渉を否定したが、この記事は最大手のNYタイムズ紙にも掲載され、小さな町の小さな問題は、いつの間にか日・韓・米政府を巻き込んだ大きな問題となった。
その後、韓国系アメリカ人の団体は二人の慰安婦を町に招いた。メディアを呼び、彼女たちに公園の記念碑の前でスピーチをさせ、マスコミの共感を得ようとしたのだ。
記念碑を設置したのは韓国系アメリカ人の市民団体だが、その裏にいるのはロビー団体である。
通常、外交政策は大使館や領事館などを通じて行われるが、韓国の場合は、アメリカ独自の政治圧力団体、いわゆるロビイストたちを雇っている。
NYタイムズ紙によると、韓国政府は今年に入ってから1千7百万ドルをロビイストたちに支払っているという。元CIA幹部、元大統領補佐官、元国会議員秘書官が率いる団体だ。これだけのロビイストの力をもってしても、米政府に圧力をかけるには至らないが、小さな町の議員やマスコミを動かして、慰安婦問題を世界にPRする力はある。
5月に入ってから米国会では、入国管理法の見直しが始まった。韓国政府は韓国人のためのビザの特例を求めており、朴槿惠大統領も米訪問の際、オバマ大統領と米議員に直接、韓国人用のビザの特例を訴えている。
NYタイムズ紙の調べによると、韓国に雇われたロビイストたちは、今年に入ってから数十回も国会を訪れた。慰安婦問題から始まり、米国の法律作りにまで韓国のロビー活動の圧力が強まっているのだ。
しかし一方で、活動が裏目に出る可能性もある。米国の政治家は、海外からの支援金を受け取ることを固く禁じられている。つまり、韓国政府がロビイストたちを通じてアメリカの政治家に手を伸ばすのは、法律のグレーゾーンなのだ。
「お金で買える外交」は一時的な成果は見せるが、長い目で見ると逆効果である。韓国はそのことに気づいているのだろうか。
*ギャルマト・ボクダン
1968年ルーマニア生まれのハンガリー人。千葉大学文学部歴史学科卒、千葉大学大学院デザイン学修士課程修了。放送・出版の翻訳・通訳に従事した後、東映アニメーション株式会社のプロデューサー。最新プロデュース作品は、3月30日公開の映画『ドラゴンボールZ 神と神』。
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