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中国がTPP参加を検討/アメリカ政府が中国に参加を働きかけていた

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中国がTPP参加検討を公表
NHK NEWS WEB 5月31日 17時3分
 日本が7月から交渉に参加するTPP=環太平洋パートナーシップ協定について、アメリカ政府が中国に参加を働きかけていたことが明らかになり、これを受けて、中国政府は参加の可能性を検討していることを公表しました。
 世界第2のGDP=国内総生産の規模を誇る中国が、TPPに参加することになれば、交渉の行方に影響を及ぼしかねないだけに、中国政府の最終的な判断が注目されます。
 中国政府の関係者は、アメリカ政府がことし3月以降、中国を訪問した元高官などを通じて、中国政府に対してTPP=環太平洋パートナーシップ協定へ参加するよう働きかけていたことを明らかにしました。
 これを受けて、中国政府内部では、李克強首相が、TPPへの参加した場合の中国経済への影響など、具体的な検討を進めるよう担当者に指示をしたと言うことです。
 これに関連して、中国商務省の報道官は31日までに、「中国のTPPへの参加の可能性について分析する」とするコメントを発表し、参加の可能性を検討していることを公表しました。
 アメリカが中国にTPPへの参加を働きかけた背景には、世界第2の経済大国を加えることで、巨大な自由貿易圏を築き上げ、自国の輸出拡大につなげる思惑があるものとみられます。
 一方、これまでTPPについて、自国産業への打撃を懸念して「研究する」という対応にとどめてきた中国側が前向きな姿勢に転じた背景には、日本も交渉参加を決めるなか、中国抜きでアジア太平洋地域の貿易の自由化のルールが決められていくことへの危機感があるとみられます。
 実際に中国が参加することになれば、TPPの存在感は大きく増すことになりますが、交渉の行方にも大きな影響を与えかねないだけに、中国政府の最終的な判断が注目されます。
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中国、TPP「参加の可能性を分析」 自国外しを警戒、首脳会談で意見交換か
産経新聞2013.5.31 13:38
 中国商務省の沈丹陽報道官は30日、一部メディアと会見、「環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加する可能性を分析する」と述べた。新華社が31日までに伝えた。昨年3月、当時の陳徳銘商務相も会見で、TPP交渉に参加する可能性を「研究している」と述べたが、中国が交渉参加に前向きな姿勢を見せたことはない。TPPは貿易自由化のレベルが高く、中国の参加は難しいとみられている。
 ただ、中国は自国を外した形でアジア太平洋地域の貿易ルールが構築されることを警戒。沈氏は、貿易自由化交渉は透明性を確保すべきだと強調し、「TPPのメンバーと交渉について情報交換したい」と述べて交渉内容に関心を示した。6月7日からの習近平国家主席とオバマ米大統領との首脳会談でTPPについて意見交換したい考えとみられる。
 沈氏はまた「中国はTPP交渉の進展状況に注目しており、国内の各部門と産業界の見解を常に聞いている」と述べた。(共同)
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日本参加を中韓は牽制 露はEU挟み撃ち警戒
産経新聞2013.5.26 23:52
 日本が7月から環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉に参加し、日米主導でアジア太平洋地域の経済ルール構築が進むことを警戒しているのが、TPP不参加の中国と韓国だ。両国では日本の交渉参加を牽制する論調も目立つ。同じく不参加のロシアは旧ソ連域内の基盤固めを優先している。(上海 河崎真澄、ソウル 加藤達也、モスクワ 遠藤良介)
■中国
 「日本がTPPに参加すれば、北海道や新潟のコメに重大な影響が出る」「日本の農業人口が146万人減少する」
 ペルーでのTPP拡大交渉会合が終了した24日、中国共産党機関紙、人民日報系の「環球時報(電子版)」などはこんな論評を伝えた。会合自体の報道は目立たないものだったが、日本の交渉参加を否定的にとらえる点は共通していた。
 中国は経済力をバックに中国主導による新たな国際秩序形成の野望を抱いている。このためTPPでの日米のタッグを「貿易による東西冷戦」(経済専門家)と表現するなど、対抗心をむき出しにしている。
 中国は韓国との自由貿易協定(FTA)交渉を先行させようとしていたが、日本がTPP交渉参加を決めると、日中韓3カ国FTAにシフトした。尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐって日中関係が緊張する最中の今年3月に交渉開始にこぎつけたのも、日本をつなぎとめておく必要があると判断したからだ。
 中国は日中韓FTAで土台を固めたうえで、東アジア包括的経済連携(RCEP)に拡大し、最終的には、アジア太平洋経済協力会議(APEC)全域を網羅するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)をつくろうという構想を持つ。
 中国もTPPに真っ向から反対しているというわけでもない。中国商務省はFTAAP実現に向けた環境整備にTPPが重要になるとも言及している。ただ、それも「中国がTPP参加で影響力を行使し、アジア太平洋地域の成長を取り込む」(関係筋)ことが目的だ。
 中国は来年、APECの議長国となる。TPP交渉が年内に妥結するか見極めながら、来年に向けた戦略を練ることになりそうだ。
■韓国
 米国とFTAを締結するなど、日本よりも貿易連携では先行していた韓国でも日本のTPP交渉参加への関心は高まっている。これまで多国間交渉は難航必至とみて静観していたが、円安による韓国の輸出停滞を受け、国際貿易での日本の立場が強まることに神経質になっているからだ。
 韓国内では歴史認識に絡む安倍晋三首相バッシングが連日続いているが、これも円安がもたらした“被害者意識”と無縁ではない。
 18日付韓国紙、朝鮮日報は、「日本はTPPへの参加表明など、米国との関係維持に国の命運をかけている」と指摘。歴史問題などで「日本が態度を変えざるを得ないような国際政治の流れをつくり出すことが、より重要だ」との韓国政府高官の発言を紹介した。
 韓国がこれまでTPPに消極的な姿勢をとり続けてきたのは、工業製品の輸出拡大を進めつつ農林水産業を守ることが基本政策だからだ。米国は朴槿恵大統領の5月の訪米前に「TPPへの交渉参加は自然だ」と“決断”を促したが、朴氏は明言を避けた。
 朴氏は6月の訪中で中国との経済関係強化を図ろうとしている。新たに駐米大使に着任する安豪栄(アンホヨン)氏は23日の記者会見で「TPP加入をあせるべきではない」と語った。
 この発言について韓国の経済紙、ソウル経済は「中国を刺激したくないためだ」と分析した。韓国にとって最大の貿易相手国の中国は米主導のTPPよりRCEPを優先させている。韓国がTPP加入を表明することで「中国の機嫌を損ねるわけにはいかない」との判断があるようだ。
 一方で「日本を牽制するためにも中国に気がねせずTPP交渉に参加すべきだ」との論調も出ている。韓国は米中という大国の板挟みの状態になっている。
■ロシア
 ロシアは隣国のベラルーシ、カザフスタンと形成している「関税同盟」の拡大など旧ソ連圏の経済統合を優先課題としている。西の欧州連合(EU)に続き、東でTPPという大経済圏が構築されれば、ロシアは挟み撃ちの形になる。さらに中央アジア諸国で中国の影響力が強まっていることへの危機感もある。
 ロシアは開発の遅れた自国の極東・東シベリア地域が“中国経済圏”と化しつつあることを強く懸念している。日本をはじめアジア太平洋諸国との経済関係拡大を目指している。関税同盟とベトナムの間のFTA締結に向けた交渉に入っており、東南アジア諸国連合(ASEAN)にFTAを広げたい考えだ。
 ロシアとしても、将来的にはTPPとどう向き合うかが問われることになる。
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