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「国家安全保障会議(日本版NSC)」関連法案を閣議決定 官邸主導で安保政策立案へ

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日本版NSC法案を閣議決定 官邸主導で安保政策立案へ
産経新聞2013.6.7 09:53
 政府は7日午前の閣議で、首相官邸主導で外交・安全保障政策を立案する「国家安全保障会議(日本版NSC)」を創設するための関連法案を決定した。同日中に国会に提出するが日程的に26日の会期末までの成立は厳しく、政府は衆院で継続審議とした上で秋の臨時国会での成立を目指す。
 NSCは首相と官房長官、外相、防衛相の4大臣会合を定期的に開催し、外交・防衛計画の基本方針を決定する。有事やテロなどの緊急事態では状況に応じて参集する閣僚をあらかじめ指定する。防衛計画の大綱など国防の重要事項については現行の安全保障会議の枠組みを残し、9大臣で審議する。
 NSC担当の首相補佐官を常設し、NSCの事務局体制として100人規模の「国家安全保障局」を内閣官房に新設する。政府機関の情報一元化に向け、関係省庁に情報提供義務を課し、特定の情報については収集を要求できる規定も盛り込んでいる。
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情報集約・分析どこが担う? 警察vs外務、日本版NSCめぐり綱引き
産経新聞2013.5.29 01:30
 国家安全保障会議(日本版NSC)の組織編成をめぐり、政府内で「情報集約・分析機能」をどこが担うかが最大の論点となっている。内閣情報調査室(内調)へのヒューミント(人的情報)部門の新設案は内調の権限強化を目指す警察庁が主導する。一方、外務省は対外情報の集約・分析部門をNSCに置くことを求めていて、「情報」の所管をめぐる主導権争いは激しさを増している。
 「外務省の焼け太りだ」「警察庁は権力の亡者か」
 中央省庁が集まる霞が関では、こんな言葉が飛び交っている。
 NSC事務局の組織編成で攻勢に出たのは外務省だ。北東アジアや国防戦略といった地域・テーマ別の「分析官」を事務局に置く案を主導、「同省の組織体系を踏襲した」(首相官邸筋)という。専門知識を備えた職員を分析官として送り込むことも想定する。
 分析官の配置は、NSC事務局が「情報集約・分析機能」を持つことを意味する。これに異を唱えるのが内調トップの内閣情報官を歴代独占する警察庁だ。
 警察庁側には、NSCが情報部門も持てば内調の存在意義が失われるとの危機感が強い。そこでNSCの機能を政策立案に限定するための理論武装も進める。また、NSCは官邸主導による外交・安全保障政策の立案を目指すための組織だとして「都合よく情報を『加工』させないよう、政策部門と情報部門は別組織とすべきだ」(幹部)と外務省案を批判する。
 平成20年に策定した情報機能強化検討会議の報告書も、政府の保有する全情報の「総合分析」結果を官邸に報告する役割は内閣情報官と明示しており、警察庁側に有利な材料となる。
 ただ、内調には弱点もある。各省庁は内調を経由せず官邸に直接報告することを認められている。1月のアルジェリア人質事件では、各省庁が官邸詣でを繰り返した。
 首相周辺は「組織新設で省益争いはつきものだ」と語るが、権限と機能の切り分けを明確にしないとNSCは単なる「屋上屋」となりかねない。(半沢尚久、峯匡孝)
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NSC事務局は内閣官房に 内閣法も改正へ
産経新聞2013.5.28 01:30
 政府は27日、首相官邸主導で機動的に外交・安保政策を立案する「国家安全保障会議(日本版NSC)」の事務局を内閣官房に新編するため、内閣法を改正することを決めた。28日にNSC創設に向けた有識者会議を開き、安全保障会議設置法改正案とあわせて内閣法改正案も提示する。両法案は近く国会に提出されるが、成立は参院選後の秋の臨時国会以降になる。
 第1次安倍晋三政権が平成19年4月に提出した旧設置法改正案(廃案)では、事務局は内閣官房から独立したNSCの下に位置付けられていた。それを今回、内閣官房に置くのは、国家安全保障強化担当を兼務する官房長官の権限で、各省庁が個別に首相や官房長官へ報告する傾向のある機密性の高い情報を事務局に集約させる狙いがある。
 この変更は、今年1月のアルジェリア人質事件で外務省や防衛省、警察庁などが個別に現地情勢を官邸に報告し、情報一元化がうまく機能しなかったことを教訓にした。菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は「(NSCで)調整した上で情報を長官に上げることが必要だ」と指摘する。
 設置法改正案にはNSC担当首相補佐官の常設も盛り込むが、権限は会議での意見表明や首相への進言にとどめる。政府内には、補佐官の権限強化を求める意見もあるが、官房長官の職務と重複することから見送られる見通しだ。
 法案は今月29日の自民党NSCに関する特命委員会にも諮り、了承を得た上で国会に提出する。
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日本版NSCの司令塔会合に統幕長も
産経新聞2013.5.14 10:26
 礒崎陽輔首相補佐官は14日午前の自民党部会で、政府が創設する国家安全保障会議(日本版NSC)の4大臣会合に、自衛隊制服組トップの統合幕僚長を加えることを明らかにした。4大臣会合は、首相や官房長官、外相、防衛相で構成し、外交・安全保障政策における重要事項の基本的な方向性を示す司令塔機能を担う。
 礒崎氏は、NSC事務局が軍事機密を取り扱う観点から、自衛官を起用する方針も明言した。
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日本版NSC、地域・テーマ別で分析官 「北朝鮮・中東」「テロ・不拡散」 設置法案素案も発表
産経新聞2013.5.10 08:04
 米国の国家安全保障会議(NSC)をモデルに、安倍晋三政権が創設を目指す日本版NSCの組織編成の概要が9日、分かった。軍事的脅威が高まっている北朝鮮と中国を担当する北東アジアや、テロの危険性が増す中東・北アフリカなどの「地域分析官」を配置。国防戦略やテロ、核不拡散といった機能・テーマ別の分析官も置く。政府一体での情報集約・分析と政策・対処方針決定を効率化、首相の意思決定につなげる。
 政府は9日、NSC創設に向けた有識者懇談会を官邸で開いた。首相はあいさつで、「我が国を取り巻く情勢が厳しさを増す中、外交安全保障体制の強化は喫緊の課題だ。NSCは司令塔として強力に機能していくものにしなくてはならない」と強調した。
 政府は有識者懇でNSC設置関連法案の要点を提示した。それによると、NSCでは首相と官房長官、外相、防衛相の4者会合を定期開催し、外交・防衛計画の基本方針を決定する。NSC担当の首相補佐官も常設ポストとする。有事やテロなど緊急事態では状況に応じ他の閣僚も集め、防衛計画の大綱など国防の重要事項では財務相ら8人を参集させる。
 NSC事務局は内閣官房に設置。官僚出身者を充てる事務局長、官房副長官補2人を兼務させる局次長2人を任命する。政府機関の情報一元化に向け、関係省庁に情報提供義務を課し、特定の情報に関し収集を要求できる規定も盛り込む。省庁側に情報連絡官をそれぞれ置く。
 政府は6月上旬までに関連法案をまとめ今国会に提出、参院選後の臨時国会で成立を目指す。
 組織編成案の地域分析官は、北東アジアと中東・北アフリカが中核。外務省や防衛省が収集した情報を一元化し分析する。北朝鮮と中国の軍事動向、テロの兆候を継続的に分析することで首相の政策決定や外交方針に生かす。
 機能別では国防戦略担当を設け防衛大綱策定を官邸主導に移す。テロ対策担当も置き、地域ごとの視点では把握しきれない組織の動向を監視。海洋、宇宙、サイバー担当も検討する。
 緊急事態では、NSCは最初期の対処方針のみを決める。自衛隊など関係機関のオペレーションには踏み込まず、内閣危機管理監やその都度立ち上がる対策本部に委ねる。
 事務局は100人規模の態勢を目指すが、当初は数十人規模で来春に発足させる。スタッフには省庁や自衛隊で専門知識を蓄えた人材を起用する。

諜報活動(インテリジェンス)に関わる専門家の育成 / 日本の情報収集の弱さは、以前から指摘されてきた 2013-06-06 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉 
 「スパイ」国が育成 和製ジェームズ・ボンド誕生? 情報収集力強化で
 中日新聞 《 特報 》2013/06/06
 日本にもジェームズ・ボンドのようなスパイが誕生するのか? 安倍政権が、諜報(ちょうほう)活動(インテリジェンス)に関わる専門家の育成に乗り出そうとしている。「国家安全保障会議」(日本版NSC)の創設に合わせ、対外情報の収集能力を高める狙いがあるという。だが、諜報部門の新設に問題はないのか。(上田千秋、小倉貞俊)
■日本版NSC創設 合わせ
 「相手国、相手方の内部情報の収集は極めて大事だと思っている」
 菅義偉官房長官は五月二十九日の記者会見で、諜報活動に関わる人材育成の重要性を強調。「専門的、組織的な情報収集の手段や体制のあり方について、研究を深めている」と述べた。
 政府高官など特定の地位、立場にいる人物に接触し、自国の利益となる情報を得る諜報活動は、「ヒューミント」と呼ばれる。政府が念頭に置いている諜報活動もこのヒューミントで、一般的なイメージの「スパイ」とは異なり、人とのつながりを重視した合法的なものという。
 日本には、米国の中央情報局(CIA)や、英国の秘密情報部(SIS)のような対外的な諜報活動を行う専門組織はない。
 国内の情報の収集は、警察や公安調査庁が担う。内閣官房に置かれている内閣情報調査室(内調)は、内閣の施策に関する情報の収集・分析に当たるセクションで、国内、国際、経済の各部門に分かれる。主に扱うのは公開情報が中心で、人員もあまり多くないとされる。検討されているヒューミントの専門部署はこの内調に設置される可能性がある。
 ヒューミントの必要性を指摘する意見は、日本版NSCの有識者会議でも出ていたという。
 安倍政権は、外交・安全保障政策の司令塔と位置付ける日本版NSCの創設を目指している。首相と関係三閣僚による「四大臣会合」を常設し情報を共有化。事務局として数十人規模の「国家安全保障局」を内閣官房に置きサポートする。近く関連法案を閣議決定し、国会に提出。秋の臨時国会での成立を目指している。
 海外での日本の情報収集の弱さは、以前から指摘されてきた。今年一月に起きたアルジェリア人質事件や、二〇〇三年のイラク戦争の際には、日本政府は現地の情報を得られなかった。
 日本政府はイラク戦争で、米英両国への支持を同盟国の中で真っ先に表明。大量破壊兵器を隠し持っていることが戦争の大義名分だったが、後に情報は誤りだったことが判明した。
 ヒューミントの重要性は、第一次安倍内閣が設置した「情報機能強化検討会議」が二〇〇八年にまとめた報告書の中で言及した。
 報告書は「情報収集の対象国や組織は閉鎖的で、内部情報の入手が困難」と課題を指摘。「質の高い情報を収集するため、研修強化や知識、経験の蓄積を通じて対外人的情報収集に携わる専門家の育成」を求める。
■防諜と対外諜報 役割が混在
 外交ジャーナリストの手嶋龍一氏は「イラク戦争の誤りは、日本にはヒューミントがないことのツケが回った結果だった」とヒューミントの重要性を強調。「日本では、情報が入ってきたとしてもそれを分析し、国家に役立てるような例はないに等しい。主要国(G8)の中で、正式な対外情報機関を持っていないのは日本だけ。そんな経済大国はない」と専門組織の必要性を指摘した。
 日本経済大の菅沢喜男教授(インテリジェンス マネジメント)も「新聞やテレビのニュースなどオープンになっている情報ももちろんあるが、最終的にその情報が正しいかどうかの確証は、人間から得るしかない。外交関係の中でヒューミントは極めて重要」と唱える。
 安倍政権の目指すヒューミント部門に問題点はないのか。
 インテリジェンスに詳しい元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏は、「ヒューミント部門の位置付けが曖昧で、有効に機能するとは思えない」と話す。
 インテリジェンスには二種類ある。一つは、自国内で他国への情報漏洩を防ぐカウンターインテリジェンス(防諜)で公安警察などが担当している。もう一つは、他国が隠している情報を入手するポジティブインテリジェンス(対外諜報)で、主に外交官が担う。
 「そもそも、内調の本来の役割は防諜であり、ヒューミントは対外諜報だ。米国のFBIとCIAのように、各国ではどこも防諜と対外諜報は別々の機関が受け持っている。複雑な業務を一緒に内調で担当するのはナンセンスだ」
 さらに佐藤氏は専門家の育成にも疑問を投げかける。「一定レベルの語学を習得するには、海外研修も含め数年は掛かる。加えて洞察力や記憶力など、必要不可欠な資質はそう簡単に伸ばせるものではなく、困難」とみる。
 東京工科大の落合浩太郎准教授(安全保障・インテリジェンス研究)は「これまで、内調をはじめとする日本のインテリジェンス機関はうまく機能していなかった。そうした検証をしないままに予算やポストを増やしてしまえば、省庁を太らせるだけだ」と危惧する。
 落合氏によると、内調の職員約二百人のうち、生え抜きのプロパー職員は半数。他は、外務省や警察庁などからの出向組だ。内調トップの内閣情報官は警察庁から、ナンバー2の次長は外務省などからと、幹部ポストは基本的に出向組で独占している。数年で出身官庁に戻っていくため、専門的な幹部がいない状況にあるという。
 警察庁と外務省の縄張り争いも激しいとされる。佐藤氏は「まともな対外インテリジェンス機関をつくりたいなら、縄張り争いに拘らずに全ての官庁を視野に入れ、現時点で最も活躍できる優れた人物を連れてくるべきだ」と話した。
 落合氏はこう強調した。「どんなに貴重な情報を入手できたところで、結局は時の政権がその情報を生かせなければ意味がない。『仏作って魂入れず』だ。政権の見識が問われるだろう」

日本版NSC 情報収集・分析力も強化せよ (5月24日付・読売社説)
 政府の安全保障会議の形骸化が指摘されて久しい。
 外交・安保政策を実質的に議論し、主導する司令塔づくりを急がなければならない。
 政府が国家安全保障会議(日本版NSC)設置法案の素案を明らかにした。首相と官房長官、外相、防衛相の3閣僚による会合を常設し、外交・安保戦略の実質的な決定機関とすることが柱だ。
 首相と8閣僚で構成する安保会議の枠組みは残し、安保政策の基本方針などを審議する。
 テーマに応じて、中核の4人に国土交通相や国家公安委員長などを加えた6、7人の閣僚会合も随時、開く。来月上旬の法案の国会提出を目指している。
 9人の会議で中身の濃い議論を行い、迅速に結論を出すのは難しい。従来も4人の非公式協議はあったが、法律上の正式機関と位置づけることの意義は大きい。
 NSC創設を機に、主要閣僚が2週間に1回程度、定期的に外交・安保問題を協議し、中長期的かつ総合的な視点で戦略・政策を立案する。関係省庁も連携し、NSCを全面的に支える。こうした体制を確立することが重要だ。
 同時に、官房長官や外相、防衛相には、常に実力者を起用し、一定期間は交代させないなど、人事面の工夫も求められる。
 緊急事態への対処など危機管理の実務は、NSC事務局でなく、従来通り、内閣危機管理監が率いる内閣官房が統括するという。
 NSCが国内の大規模災害などは扱わないのは当然だ。ただ、アルジェリアの人質事件や北朝鮮のミサイル発射など、外交・安全保障に関係する事態については、NSC事務局が内閣危機管理監と緊密に連携する必要がある。
 安全保障とインテリジェンス(情報)は、車の両輪の関係にある。安保政策の質を高めるには情報収集・分析能力の強化が欠かせない。インテリジェンスの専門家育成に本腰を入れるべきだ。
 素案では、外務、防衛、警察、公安調査など関係省庁に局長級の「情報連絡官」を置き、NSCへの情報提供を義務づけた。
 日本の情報機関は長年、「上がらず、回らず、漏れる」と揶揄やゆされてきた。重要情報が首相官邸に適切に伝わらず、関係機関に共有されずに、外部に漏洩ろうえいしがちだという問題点を指摘したものだ。
 イラク戦争開戦時の米国の失敗を教訓に、政策立案と情報分析の分離の原則は守りつつ、情報の迅速な伝達を可能にする仕組みを構築することが大切である。
(2013年5月24日01時02分 読売新聞)
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「インテリジェンス 闇に消える内調加賀美正人参事官自殺/米国における日本のプレゼンスの低さ」佐藤優 2013-04-17 | 政治
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[ 加賀美正人氏 インテリジェンスオフィサー自殺の闇〜外務省に問題はないのか ] 佐藤優 2013-04-21 | 政治
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