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「米国のシェール革命によって揺れる米中露のバランス」米中首脳会談〜心穏やかではいられない国々

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米国のシェール革命によって揺れる米中露のバランス 
2013年06月12日 08時00分 UPDATE [藤田正美,Business Media 誠]
 米国と中国の首脳会談。ワシントンではなくカリフォルニアの保養地という異例の場所で開かれた。そればかりでなくオバマ大統領と習主席の会談は合計8時間にも及んだ。世界の2大国が直接話すのだから、世界の平和と安定にとっては重要なことに違いないが、心穏やかではいられない国がいくつかある。
  そのひとつは間違いなく日本だ。安倍首相は米中サミットについて歓迎すると言いながら、「日本と米国は同盟関係」としきりに強調する。尖閣問題について、もっと米国が中国に強い姿勢で出てくれたらいいのに、と思っていても、そうは口に出せない。米国は米国で、領土問題については中立という建前を崩すわけにもいかないから、なかなか煮え切らない。
  かつての米ソ冷戦時代、日本は米国にとって地政学的に重要な位置を占めていた。ソ連の太平洋進出を防ぎ、「封じ込め政策」の要だった。だからこそレーガン・中曽根のときに、「日本は不沈空母」という発言が生まれた。しかし米国と中国は、少なくともまだ冷戦関係にあるわけではない。
  10年あるいは20年のうちに中国が米国を経済規模で追い越すようになると、中国が米国に正面から挑戦する可能性が生まれてくるかもしれない。そのときは、米国にとって日本が再び非常に重要な国になるときだが、それは同時に西太平洋に緊張が走るときでもあるから、日本は喜んでばかりもいられない。しかしそういう時代は必ず来るのだから、そこに向かってどうするかという問題を予習しておかなくてはなるまい。
資源国大国ロシアの地位が揺らいでいる
  もうひとつ心穏やかではない国はロシアだ。かつてのソ連は、米国に対抗して世界を分け合った国だった。今やその面影はほとんどないばかりか、ソ連だった国がどんどん西側に「寝返って」いる。しかも経済的には資源頼み。資源価格が上昇しているときにはいいが、将来的に価格が上昇するという見通しにはない。そして昇り龍、中国と長い国境線を接している。人口は中国の10分の1しかないし、工業化はいっこうに進まない。このままいけば、龍に呑み込まれる熊という構図になってしまう。
  しかもまずいことに資源国大国ロシアの地位が揺らいでいる。最大の要因は米国のシェール革命だ。要するに頁岩(けつがん)の層からガスやオイルを取り出す新しい技術によって、米国が資源の輸入国から一躍、輸出国へと変貌するということだ(日本が米国からガスを買えることになり、調達先の多様化がようやく進み始めた)。
  このため、米国へ輸出されていたガスが欧州に回っている。しかも値段が安くなってきた。欧州は、ロシアとウクライナのガス紛争のあおりを食って、ロシアからのガスの供給が止まったことがあり、ロシア依存が高まることを警戒するようになっていた。それだけに中東からガスが回ってくるのは「渡りに舟」。
  そうするとロシアは欧州にこれ以上売れないため、生産したガスを東つまりアジアで売らなければならない。その売り先は、中国と日本、韓国である。ロシアがアジアで市場を確保できないと、プーチン大統領にとっては国家財政が苦しくなると同時に、支持率がさらに低下する。長期独裁政権によって、強いロシアを復活させるというプーチン大統領のシナリオが大幅に狂うのである。
  アジアに売るといっても、中国に「独占的に」買われるのもロシアにとっては都合がよくない。それは価格決定権を中国側に奪われかねないからだ。世界経済の成長センターとなる東南アジアもロシアにとって期待できる市場だが、そこにガスを運ぶためには、南シナ海を通らなければならない。その南シナ海は、まさに中国が「覇権」を主張しつつある場所だ。つまり中国の台頭は、東アジアにおけるロシアの活動の障害ともなりかねない。その意味で、米国と中国というG2が手を組むことは、ロシアにとっては望ましくないということだ。
  ただ中国がどこまで経済的にも軍事的にも台頭するか、その見通しが必ずしもはっきりしているわけではない。少子化や高齢化、それに伴う社会保障の増加、国内の東西格差、汚職、国有企業の整理、戸籍格差など難しい問題を抱えている。そういった国内の矛盾を解消しつつ、果たして西側諸国のような経済発展ができるのかどうか。それはまだ不透明だ。国内の不満が政治的な大変動につながる可能性も否定できない。そうなったら、すべてのバランスが変わってくるだろう。
  今後の東アジアはかじ取りが難しい。米中サミットはその難しさを浮き彫りにしたのかもしれない。
 *上記事の著作権は[Business Media 誠]に帰属します
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「インテリジェンス 闇に消える内調加賀美正人参事官自殺/米国における日本のプレゼンスの低さ」佐藤優 2013-04-17 | 政治
 情報界震撼、闇に消える内閣情報調査室幹部自殺 
 マスコミが報じない米国における日本のプレゼンスの低さ〜佐藤優氏
 2013.04.12(金) JBpress 「マット安川のずばり勝負」2013年4月5日放送
マット安川 ゲストに元外務官・佐藤優さんを迎え、北方領土をめぐる対ロシア外交の現状をはじめ、インテリジェンスの問題や日米関係の懸念点などを幅広く解説していただきました。
*北方領土交渉の流れに変化、12年前に戻る
佐藤 今年2月、森(喜朗、元首相)さんがモスクワを訪問したのは、安倍(晋三、首相)さんの訪露を準備するという意味では非常によかったと思います。
 プーチン(ロシア大統領)さんは昨年から北方領土問題について「引き分け」などと言っていましたが、それがどういう意味なのかよく分からなかった。それが、日露双方が受け入れ可能な形を考えようということだと分かりました。ロシアとしては、何も条件をつけないで話し合いをするのであれば、何らかの妥協はしましょうと。
 ただし具体的なものはありません。ですから、この4月の終わりに安倍さんが訪露を予定していますが、その時は、1年以内くらいを目処に動かしていきましょうというような合意しかできないと思います。
 双方の外務省が1年以内に十分な準備を行って何らかの合意ができれば、来年プーチンさんが来日する時に北方領土問題は動きます。逆に、合意できなければ、プーチンさんは来日しない。そういう意味では日本の外務省の責任はこれから非常に重くなります。
 北方領土問題は、2001年に当時の森総理大臣とプーチン大統領が署名したイルクーツク声明をベースに交渉すれば、再び動き出す可能性があります。要するに、12年前に鈴木宗男さんが森さんと一緒にやろうとしていた路線に戻るということです。
 ただ12年経って、日本はその時よりも弱くなり、ロシアは強くなった。この状況でどういう妥協ができるのか、非常に難しい交渉になると思います。
 私としてはちょっと愚痴をこぼしたくなるのは、鈴木さんと私はあの時、国賊だと言われて捕まったわけです。ところが、いま政府がやっているのはあの時の路線です。それならなぜ捕まったのかと。
 まあちょっと早すぎたのか、もしくは12年経ってみんなが理解してくれたと思えば、それほど腹も立ちませんが。いずれにしろ、北方領土交渉の流れが変わってきたということです。
*内調幹部の自殺で、日本のインテリジェンス業界に震撼
 いま日本のインテリジェンス業界を震えあがらせていることが起きています。この4月1日、東京都内のマンションの1室で、内閣情報調査室の幹部が自殺したんです。
 この人は外務省から出向していて、米軍の学校でロシア語を勉強して、そのあとモスクワにも勤務している。さらに外務省の国際情報統括官組織の課長級の幹部でした。
 こういう世界の人が自殺するというのはたいへんな話です。精神的にものすごく強い人が配置されるわけですからね。自殺は間違いないようで、何か追い込まれるような状態になったんでしょう。
 しかし、この問題が闇に葬り去られようとしています。外務省も内閣情報調査室も、本人の名前すら明らかにしていません。
 ただ、鈴木宗男さんのホームページを見ると名前が出ています。実はこの人は、かつて鈴木さんがやっていた北方領土交渉に反対して、やめさせようとしていた外務省の幹部なんです。
*NSCとインテリジェンスとは役割が違う
 現在、日本版NSC(国家安全保障会議)創設の議論がなされていますが、NSCとインテリジェンスは別ものであることがあまり理解されていません。NSCをつくって、ここで情報を集めるんだと勘違いしている。
 NSCは何をするところかというと、戦争をするかしないかを決めるところです。高度な政治決断を行うところであって、情報を集めてくるのは別の部局がやらなければいけない。このへんのポイントを理解せずにNSCの議論をしている感じがします。
 また、総合商社などによるビジネスのインテリジェンスと、国家安全保障のインテリジェンスも違うものです。
 国家安全保障では、時には経済的にマイナスになってもやらなければいけないこともある。乱暴なことを言うと、自国の国益に有害な人には死んでもらうこともあるわけです。
 ビジネスではそういうところまではやらない。そこまで踏み込まないといけないのが、インテリジェンスの真実の姿なんです。
 では、日本はどう対応すればいいのか。インテリジェンスをどうやって育成するのか。それは政府機関でやるしかありません。我われは陸軍中野学校などの伝統を持っていますから、そのへんを復活させればいい。
 ただ、現代的な民主的な統制の下でのインテリジェンスをどういうふうにやるかはなかなか難しい課題です。
 本当に秘密裡に処理しなければいけないことは、そのためにおカネもつけないといけない。おカネというのは、民主主義国家においては透明にしなければいけませんから、その中で完全な機密費をどうやってつくるかというのはけっこうたいへんな話です。
*安倍首相の訪米で露呈した日本のプレゼンスの低さ
 2月の安倍さんの訪米は、日本では成功だと言われています。ところが、東郷和彦(京都産業大学教授)さんという私の前の上司に聞いた話では、まったく違います。
 東郷さんは先日アメリカに行ってこられたんですが、アメリカにおける日本のプレゼンスがほとんどないというんです。例えば、安倍さんの訪米について、ワシントン・ポストは8面に掲載していたという。それはアフリカの国のトップが訪米した時のような扱いと同じです。
 また、中国軍のレーダー照射事件について、アメリカのエリート層の多くが、日本のでっち上げだと思っているというんです。
 中国はものすごくプロパガンダをやりましたから、事情をあまり詳しく知らないアメリカ人は政治家も含めて、日本のでっち上げだと見ていると。そういうことが日本には伝えられていません。
 これから日米関係を強化していかなければならないわけですが、いまアメリカで一番注目すべきことは「シェール革命」です。シェール層にある天然ガスや石油を採ることで、アメリカは2030年代くらいにはエネルギーの輸出国になります。
 その時にアメリカがどういう戦略を取るのか。再びパックス・アメリカーナということで、アメリカの影響力を世界中に広める方向でいくのか。それとも、世界から嫌われて面倒くさいから、例えば中東などから手を引くのか
 これまではエネルギーが必要だから中東から手を引けなかったけれど、自分のエネルギーを持てば手を引くこともできます。
 アジア地域についても、金持ちケンカせずということで、中国と住み分ける可能性が高い。
 すると日中の争いは勝手にやってくれ、我われは知らないよということになりかねません。すでにそういう感じに少しなっています。日米関係も、アメリカのエネルギーがどうなるかで大きく変わってくると私は見ています。
*佐藤 優(さとう・まさる)氏
元外交官、文筆家。インテリジェンスの専門家として知られる。第38回大宅壮一ノンフィクション賞などを受賞した『自壊する帝国』の他、『獄中記』『国家の罠−外務省のラスプーチンと呼ばれて』『3.11 クライシス!』『世界インテリジェンス事件史』など著書多数。
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核武装論のすすめ / 池田勇人首相(=昭和30年代)「やはり日本も、核を持たなくては駄目だね」 2013-03-25 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
核武装論のすすめ
産経新聞2013.3.23 12:00[名言か迷言か]
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