「山口 周南 金峰 5人殺人・放火事件」容疑者確保の1分後、飼い犬死ぬ 山口の放火殺人
朝日新聞デジタル 2013年7月29日7時37分 【寿柳聡】
山口県周南市金峰(みたけ)の連続殺人・放火事件で、1人に対する殺人と放火の疑いで逮捕された無職保見光成(ほみこうせい)容疑者(63)が自宅で飼っていた犬が、26日午前9時6分に死んだ。保見容疑者が山中で身柄を確保された時間の1分後だった。
犬はゴールデンレトリバーのオス。推定年齢7〜8歳で、保見容疑者はオリーブという名をつけていた。子犬だった7〜8年前、捨てられていたのを周南市内の女性が保護。里親募集の張り紙を見て保見容疑者が引き取った。
事件後、容疑者宅にいる犬の姿がテレビで流れ、周南市に「かわいそう」「どうなるのか」といった声が連日十数件寄せられた。25日、警察、周南市を通じて市内の動物愛護団体が保護。「事件を知らない飼い主の元で穏やかに暮らしてほしい」と別の団体に預けられ、新たな飼い主を探すことになっていた。
25日午後には元気だった。翌26日朝に調子が悪い様子を見せたため、動物病院に連れて行ったが死んだ。心臓発作だったという。
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◇ 山口 連続殺人・放火事件 保見光成容疑者送検 「女遊びも、無駄遣いもしなかった。仕事の腕も良かった」 2013-07-27 | 社会
山口「八つ墓村」容疑者に衝撃証言 夜でもグラサン、マイカー偏愛…
ZAKZAK 2013.07.27
山口県周南市金峰(みたけ)の集落で5人が殺害された連続殺人放火事件で、県警周南署捜査本部に殺人などの疑いで逮捕された同じ集落の無職、保見光成(ほみ・こうせい)容疑者(63)。同容疑者が二十数年前、川崎市でタイル工などをしていた当時の知人らが夕刊フジの取材に応じた。昼夜問わずにサングラスを掛け、マイカーに異常な愛情を注ぎ、思い通りにいかないとヘソを曲げる…。そんな男として知られていたという。
横溝正史の長編推理小説で映画にもなった「八つ墓村」。周囲を恐怖のどん底に陥れた猟奇事件は発生から6日目の26日、一気に解決へと向かった。
現場周辺の山中で捜査本部に身柄を確保され、逮捕された保見容疑者は、山本ミヤ子さん(79)に対する殺人と非現住建造物等放火容疑を認め、他の4人の殺害と2軒の放火についても「私がやりました」と認めているという。捜査本部では事件の背景に人間関係の軋轢があるとみて慎重に捜査している。
保見容疑者の自宅は、集落のほぼ中心に位置し、川沿いにへばりつくようにして建っている。
川崎市に住む男性(70)は事件発生後、テレビに映し出されたこの家に目がとまり、思わず声を上げた。
「写真で見たワタルの家だ」
保見容疑者がかつて「これ、オレが建てたんだよ」と言いながら、誇らしげに写真を見せてくれたことを覚えていたからだ。
保見容疑者は、中学卒業後の15歳で上京し、1994年の帰郷直前まで、川崎市で過ごしていた。男性は友人の紹介で同容疑者と知り合った。
当時、同容疑者は名前を光成ではなく中(わたる)と名乗っていたという。「自己紹介するとき、マージャン牌の『中』にひっかけて『どうもチュンです』なんて言ってた。見た目はいかついけど根はいいやつだった」と男性は振り返った。
JR南武線稲田堤駅から北西に約1キロメートル離れた住宅街にある2階建てアパートで1人暮らしをしていた同容疑者。付近の工務店でタイル工としてしばらく働き、独立開業した同僚の会社に合流する。当時、仕事上のパートナーとなった元同僚はこう話す。
「6〜7年付き合ったけど、女遊びも、無駄遣いもしなかった。金はかなりためてたみたい。仕事の腕も良かった」
行きつけの居酒屋で仕事仲間と酒を酌み交わすこともしばしば。周囲の信頼を得て都会暮らしになじんでいたようだが、こんな一面もあった。
「妙なこだわりがある男でね。昼夜問わずサングラスを掛けっぱなしにしていた。もともとはっきりモノを言うタイプだったけれど、酒が入ると理屈っぽくなる。そのせいか、酒の席でケンカになることがよくあった」(元同僚)
先の男性は、自家用車に並々ならぬ愛情を注ぐ保見容疑者の姿も覚えている。
「車には相当金をかけていた。改造した四輪駆動車に乗っていて、ホコリひとつないぐらいに磨き上げていた」。愛車には、携帯電話が普及していない当時にしては珍しく、車載電話を設置していた。
保見容疑者は、事件の舞台となった自宅を、裸のマネキンを使って自作したオブジェなどで飾っていたが、この装飾趣味は川崎時代からうかがえ、「自宅アパートにも複数の置物を配していた」と先の男性。
過疎化が進んだ集落で孤立を深めて暴発した保見容疑者だったが、過去には町おこしを提案したり、住民の手伝いをしていたことも。だが、最近では犬をめぐるトラブルや大音量でカラオケをして、近隣住民らとの衝突が絶えなかった。
先の男性は「親の介護のために帰郷するぐらいだから、悪いやつじゃない。こっちにいるときも、いじめられた仲間をかばったり、正義感のあるやつだった。ただ、思い通りにいかないとヘソを曲げることもあった」と語り、こう続ける。
「あいつが故郷に帰る前日に『明日田舎に帰るから今晩飲みませんか』と誘われたんだ。でも、どうしても都合が悪くて断った。そしたら次の日、『気をつけて帰れよ』って声を掛けたのに知らん顔しやがった。そういう所があるんだよな」
心に抱えた闇の解明はこれからだ。
【山口連続殺人放火事件】 事件は21日から22日にかけて起きた。21日午後9時ごろ2軒の民家から火災が発生。集落西寄りの貞森誠さん(71)と妻、喜代子さん(72)の自宅で2人の遺体を発見。約80メートル離れた山本ミヤ子さん(79)宅でもほぼ同時に出火し、山本さんの遺体が見つかった。
その山本さん宅の隣に、保見光成容疑者(63)の自宅があり、玄関脇の窓には「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」との不気味な貼り紙があった。
捜査中の22日正午ごろには、同じ地区の河村聡子さん(73)宅、石村文人さん(80)宅でそれぞれ河村さん、石村さんが遺体となって見つかった。司法解剖などで5人はいずれも鈍器で複数回殴られ、ほぼ即死。河村さんと石村さんは体にも複数の外傷や骨折があった。
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父を懸命に介護、犬可愛がる一面も 山口・放火殺人事件
朝日新聞デジタル 7月27日(土)7時14分配信
山口県周南市で起きた連続殺人・放火事件で26日、殺人などの疑いで逮捕された保見光成容疑者(63)。父を懸命に介護し、犬を可愛がる一面を知る人は、凶悪な容疑との落差に戸惑う。
「この犬は、父の生まれ変わりだと思った」
数年前、保見容疑者に捨て犬のゴールデンレトリバーを引き取ってもらった女性は、容疑者の言葉が忘れられない。関東での左官の仕事をやめ、地元に戻って介護していた父親を亡くしたばかり。心の支えを求めているようだったという。
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