◆日経平均反落 終値8962円67銭/ トヨタ 国内生産9万5000台に影響2011-03-17
日経平均1015円安、3番目の下落率 原発事故を嫌気
日本経済新聞2011/3/15 19:22
15日の東京株式市場で日経平均株価が急落した。終値は前日比1015円34銭(10.55%)安の8605円15銭。下落率はリーマン・ショック後の2008年10月に続く歴代3番目の大きさとなった。原子力発電所事故が深刻さを増していることを嫌気し、内外の投資家が保有する日本株を売った。
東京証券取引所第1部に上場する97%の銘柄が値下がりするほぼ全面安の展開。終値は10年9月以来、約半年ぶりに9000円を割った。
朝方から売りが優勢だったが、放射線量の異常な上昇などが伝わると動揺した投資家が保有株の換金売りを急いだ。午後に入って日経平均の下げ幅は1400円に迫り、8200円台に下落する場面があった。
みずほフィナンシャルグループの下落率が10%を超えるなど、主力株は軒並み急落した。1部に上場する1700弱の銘柄のうち1000超の銘柄が昨年来安値を更新した。売買株数は57億株を超え、連日で過去最高を更新した。
東日本巨大地震が発生した11日以降、15日までの日経平均の下落幅は1800円強となった。市場では「株式相場は原発事故次第で先行きの見通しがまだ立たない」(大手運用会社)との声が出ている。
-------------------
特報 13:04更新 日経平均、一時8300円割れ
日経平均先物8000円割れ、原発緊迫化で「日本売り」−停止措置
3月15日(ブルームバーグ)
大阪証券取引所の日経平均先物6月限に売り注文が殺到し、午前11時以降に2度のサーキットブレーカー(一時停止措置)発動となった。取引が再開された後も売りは止まらず、8000円割れまであった。
同先物は11時8分に8620円(制限値幅840円)で1回目、続いて11時25分に8200円(同1260円)で2回目が発動された。11時40分から取引が開始されたが、今後は値幅制限なし(下限)となる。大阪証券取引所取引管理グループの松井佳彦氏が明らかにした。
日経平均株価の午前終値は8999円。菅直人首相は午前11時すぎから記者会見し、福島第1原子力発電所の事故に関連し、さらに放射性物質が漏えいする危険は高まっているとの認識を示した上で、これ以上の爆発や放射性物質の漏えいが出ないよう全力を尽くす姿勢を強調した。この後、大証やシンガポール市場で日経平均先物の急落基調が強まり、下げ幅が一気に1000円を超えた。
東京電力は15日、同2号機と4号機で単数または複数の爆発が起きた可能性があると発表した。さらに核燃料に損傷を与えた可能性も否定できないという。現在、4号機の建屋4階から出火しており、米軍と自衛隊に消火活動を要請した。
明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリストは、「海外投資家は地震の影響そのものよりも、原発事故の方を懸念している」と指摘。放射能漏れや4号機爆発などで悪化はさらに加速しているとし、「社会的な不安心理が高まっている。ヘッジファンドによる『日本売り』の様相となってきた」と述べた。
更新日時:2011/03/15 12:04 JST
----------------
【自動車産業ニュース】
トヨタ系工場再開見えず 東日本大震災で中部経済にも打撃
2011年3月15日
東日本大震災による交通網の寸断や漁港の被災で、中部地方の小売店にも影響が出始めた。トヨタ自動車は国内全工場での生産を16日まで延長。関連部品メーカーでも操業停止が相次いでおり、長期化による経営圧迫の懸念が強まっている。一方、中部の大手工作機械メーカー各社は、震災で被害を受けた顧客企業の機械設備の復旧に乗り出した。
震災に見舞われた東北地方には、トヨタ自動車子会社の関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)や、セントラル自動車宮城工場(宮城県大衡(おおひら)村)がある。関自は「16日までに設備の確認を終えたい」と言い、操業再開には電力や交通網などの復旧を待つ方針だ。
セントラルは、宮城工場の電力が復旧していないことから相模原市の本社から発電機数台を送った。車を搬出する仙台港は「安全確認を始めたところ」(同県港湾課)で、操業再開の見通しは不明。
また、ハイブリッド車「プリウス」向け電池の一部を製造するプライムアースEVエナジー宮城工場(同県大和(たいわ)町)は生産設備の一部が損傷し、操業を停止した。復旧に向け、トヨタの応援も受けているが「電気がないので夜間作業ができない」事情もあって再稼働の時期は未定だ。
トヨタ紡織は、子会社のトヨタ紡織東北の3工場が操業停止中で、14日は復旧支援のため社員約20人を現地に派遣した。
アイシン東北(金ケ崎町)や豊田合成岩手工場(同)、フタバ産業子会社、フタバ平泉の工場(岩手県平泉町)も操業を停止している。
-------------
東日本大震災:福島第1原発爆発 高濃度放射能漏れ 4号機で水素爆発
◇2号機、格納容器損傷か 20〜30キロ圏、屋内退避指示
経済産業省原子力安全・保安院は15日、東日本大震災で被災した東京電力福島第1原子力発電所4号機で午前6時ごろ、大きな爆発音がして、原子炉建屋が損傷したと発表した。屋内にある使用済み核燃料プールで水素爆発が起きた模様だ。隣接する3号機付近で午前10時22分、一般人の年間被ばく限度の400倍に匹敵する400ミリシーベルトの放射線量を記録した。菅直人首相は同日、第1原発から半径20〜30キロの範囲内の住民に屋内退避するよう求めた。また、同原発2号機では、同6時14分ごろ、水蒸気を水に変える原子炉格納容器につながる圧力抑制プール付近で爆発音があり、格納容器が損傷した恐れがある。
保安院は「非常に厳しい値で、福島第1原発全体の原子炉の冷却作業が厳しくなる」との見解を示した。
東電によると、4号機の原子炉建屋は5階建てで、爆発により屋根が損傷し、午前9時38分には4階北西部付近から出火。正午前には鎮火状態になった。
4号機の燃料は、原子炉の定期検査のため、建屋の5階南側にある使用済み核燃料プールにすべて移されていた。午前4時38分、プールの水温上昇を確認。水素爆発はプール内の使用済み核燃料から発生した水素と酸素が反応して起きたらしい。
4号機では、シュラウドと呼ばれる原子炉を囲む構造物の交換作業中で、プールの水位が通常より少なかった。このため、プールの温度が上昇したと考えられる。
極めて高い放射線量が確認されたのは、3号機付近。4号機付近の放射線量は1時間あたり100ミリシーベルトだったが、枝野幸男官房長官は会見で「2号機での爆発の前後では放射線量に大きな変化がなく、3号機付近の放射線量の上昇は、4号機の爆発によって出たと考えられる」と述べた。
枝野長官によると、4号機の爆発当時、原子炉を冷やす注水作業のため、約50人の作業員が周辺にいた可能性がある。
人が短時間に極めて高い放射線を浴びると、細胞がそのエネルギーで破壊されたり、DNAが壊れるなど、深刻な健康被害が出る。放射線の被ばく量を示す単位はシーベルト。99年に茨城県東海村の核燃料加工会社「JCO東海事業所」で起きた臨界事故では、作業員が最大約20シーベルトの放射線にさらされ、2人が死亡した。1シーベルトは1000ミリシーベルト、100万マイクロシーベルト。
一方、400ミリシーベルトという放射線量は、原発作業員の年間被ばく限度量の8倍という極めて高い数値。一般の人の限度量では400倍にあたる。250ミリシーベルト程度で、白血球の一時的な減少が起きるとされる。
一方、東電によると、2号機では15日午前6時14分に爆発音がしたと報告があった。その後、「圧力抑制プール」と呼ばれる格納容器とつながって水蒸気を水に変える設備の圧力が3気圧から1気圧に低下した。
圧力抑制プールは格納容器内の圧力を下げるため、蒸気を取り入れて水に戻すための設備。圧力容器内の蒸気を外部に放出する際に放射線量を下げる役割もある。圧力抑制プールに穴が開いて水がなくなっていれば、圧力容器内の気圧を下げるため放出している空気中の放射性物質が水に吸収されず、そのまま外部に漏れる恐れがある。
2号機は14日、原子炉に冷却のための水を入れることができなくなり、同日午後6時半ごろから約2時間20分にわたって燃料棒がすべて水の上に露出した状態になった。注水を再開し水位が上昇したが、同日午後11時ごろから15日午前6時ごろまで、再び燃料棒(約4メートル)がすべて露出した状態になったとみられる。一方で爆発後に原子炉内の水位が回復し、露出部分は2・7メートルになった。爆発の影響で炉内の圧力が下がったためと考えられる。【足立旬子、関東晋慈、山田大輔、酒造唯】
........................
■半径30キロ圏の自治体
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)から半径30キロ圏の自治体は次の通り。
<全域かほぼ全域>大熊町▽双葉町▽富岡町▽楢葉町▽広野町▽川内村▽葛尾村▽浪江町
<一部地域>南相馬市▽飯舘村▽いわき市▽田村市
毎日新聞 2011年3月15日 東京夕刊
--------------------
◆東日本大地震と盲人・病者・高齢者・・・の方々、そして原発の恐怖2011-03-14社会
日本経済新聞2011/3/15 19:22
15日の東京株式市場で日経平均株価が急落した。終値は前日比1015円34銭(10.55%)安の8605円15銭。下落率はリーマン・ショック後の2008年10月に続く歴代3番目の大きさとなった。原子力発電所事故が深刻さを増していることを嫌気し、内外の投資家が保有する日本株を売った。
東京証券取引所第1部に上場する97%の銘柄が値下がりするほぼ全面安の展開。終値は10年9月以来、約半年ぶりに9000円を割った。
朝方から売りが優勢だったが、放射線量の異常な上昇などが伝わると動揺した投資家が保有株の換金売りを急いだ。午後に入って日経平均の下げ幅は1400円に迫り、8200円台に下落する場面があった。
みずほフィナンシャルグループの下落率が10%を超えるなど、主力株は軒並み急落した。1部に上場する1700弱の銘柄のうち1000超の銘柄が昨年来安値を更新した。売買株数は57億株を超え、連日で過去最高を更新した。
東日本巨大地震が発生した11日以降、15日までの日経平均の下落幅は1800円強となった。市場では「株式相場は原発事故次第で先行きの見通しがまだ立たない」(大手運用会社)との声が出ている。
-------------------
特報 13:04更新 日経平均、一時8300円割れ
日経平均先物8000円割れ、原発緊迫化で「日本売り」−停止措置
3月15日(ブルームバーグ)
大阪証券取引所の日経平均先物6月限に売り注文が殺到し、午前11時以降に2度のサーキットブレーカー(一時停止措置)発動となった。取引が再開された後も売りは止まらず、8000円割れまであった。
同先物は11時8分に8620円(制限値幅840円)で1回目、続いて11時25分に8200円(同1260円)で2回目が発動された。11時40分から取引が開始されたが、今後は値幅制限なし(下限)となる。大阪証券取引所取引管理グループの松井佳彦氏が明らかにした。
日経平均株価の午前終値は8999円。菅直人首相は午前11時すぎから記者会見し、福島第1原子力発電所の事故に関連し、さらに放射性物質が漏えいする危険は高まっているとの認識を示した上で、これ以上の爆発や放射性物質の漏えいが出ないよう全力を尽くす姿勢を強調した。この後、大証やシンガポール市場で日経平均先物の急落基調が強まり、下げ幅が一気に1000円を超えた。
東京電力は15日、同2号機と4号機で単数または複数の爆発が起きた可能性があると発表した。さらに核燃料に損傷を与えた可能性も否定できないという。現在、4号機の建屋4階から出火しており、米軍と自衛隊に消火活動を要請した。
明和証券の矢野正義シニア・マーケットアナリストは、「海外投資家は地震の影響そのものよりも、原発事故の方を懸念している」と指摘。放射能漏れや4号機爆発などで悪化はさらに加速しているとし、「社会的な不安心理が高まっている。ヘッジファンドによる『日本売り』の様相となってきた」と述べた。
更新日時:2011/03/15 12:04 JST
----------------
【自動車産業ニュース】
トヨタ系工場再開見えず 東日本大震災で中部経済にも打撃
2011年3月15日
東日本大震災による交通網の寸断や漁港の被災で、中部地方の小売店にも影響が出始めた。トヨタ自動車は国内全工場での生産を16日まで延長。関連部品メーカーでも操業停止が相次いでおり、長期化による経営圧迫の懸念が強まっている。一方、中部の大手工作機械メーカー各社は、震災で被害を受けた顧客企業の機械設備の復旧に乗り出した。
震災に見舞われた東北地方には、トヨタ自動車子会社の関東自動車工業岩手工場(岩手県金ケ崎町)や、セントラル自動車宮城工場(宮城県大衡(おおひら)村)がある。関自は「16日までに設備の確認を終えたい」と言い、操業再開には電力や交通網などの復旧を待つ方針だ。
セントラルは、宮城工場の電力が復旧していないことから相模原市の本社から発電機数台を送った。車を搬出する仙台港は「安全確認を始めたところ」(同県港湾課)で、操業再開の見通しは不明。
また、ハイブリッド車「プリウス」向け電池の一部を製造するプライムアースEVエナジー宮城工場(同県大和(たいわ)町)は生産設備の一部が損傷し、操業を停止した。復旧に向け、トヨタの応援も受けているが「電気がないので夜間作業ができない」事情もあって再稼働の時期は未定だ。
トヨタ紡織は、子会社のトヨタ紡織東北の3工場が操業停止中で、14日は復旧支援のため社員約20人を現地に派遣した。
アイシン東北(金ケ崎町)や豊田合成岩手工場(同)、フタバ産業子会社、フタバ平泉の工場(岩手県平泉町)も操業を停止している。
-------------
東日本大震災:福島第1原発爆発 高濃度放射能漏れ 4号機で水素爆発
◇2号機、格納容器損傷か 20〜30キロ圏、屋内退避指示
経済産業省原子力安全・保安院は15日、東日本大震災で被災した東京電力福島第1原子力発電所4号機で午前6時ごろ、大きな爆発音がして、原子炉建屋が損傷したと発表した。屋内にある使用済み核燃料プールで水素爆発が起きた模様だ。隣接する3号機付近で午前10時22分、一般人の年間被ばく限度の400倍に匹敵する400ミリシーベルトの放射線量を記録した。菅直人首相は同日、第1原発から半径20〜30キロの範囲内の住民に屋内退避するよう求めた。また、同原発2号機では、同6時14分ごろ、水蒸気を水に変える原子炉格納容器につながる圧力抑制プール付近で爆発音があり、格納容器が損傷した恐れがある。
保安院は「非常に厳しい値で、福島第1原発全体の原子炉の冷却作業が厳しくなる」との見解を示した。
東電によると、4号機の原子炉建屋は5階建てで、爆発により屋根が損傷し、午前9時38分には4階北西部付近から出火。正午前には鎮火状態になった。
4号機の燃料は、原子炉の定期検査のため、建屋の5階南側にある使用済み核燃料プールにすべて移されていた。午前4時38分、プールの水温上昇を確認。水素爆発はプール内の使用済み核燃料から発生した水素と酸素が反応して起きたらしい。
4号機では、シュラウドと呼ばれる原子炉を囲む構造物の交換作業中で、プールの水位が通常より少なかった。このため、プールの温度が上昇したと考えられる。
極めて高い放射線量が確認されたのは、3号機付近。4号機付近の放射線量は1時間あたり100ミリシーベルトだったが、枝野幸男官房長官は会見で「2号機での爆発の前後では放射線量に大きな変化がなく、3号機付近の放射線量の上昇は、4号機の爆発によって出たと考えられる」と述べた。
枝野長官によると、4号機の爆発当時、原子炉を冷やす注水作業のため、約50人の作業員が周辺にいた可能性がある。
人が短時間に極めて高い放射線を浴びると、細胞がそのエネルギーで破壊されたり、DNAが壊れるなど、深刻な健康被害が出る。放射線の被ばく量を示す単位はシーベルト。99年に茨城県東海村の核燃料加工会社「JCO東海事業所」で起きた臨界事故では、作業員が最大約20シーベルトの放射線にさらされ、2人が死亡した。1シーベルトは1000ミリシーベルト、100万マイクロシーベルト。
一方、400ミリシーベルトという放射線量は、原発作業員の年間被ばく限度量の8倍という極めて高い数値。一般の人の限度量では400倍にあたる。250ミリシーベルト程度で、白血球の一時的な減少が起きるとされる。
一方、東電によると、2号機では15日午前6時14分に爆発音がしたと報告があった。その後、「圧力抑制プール」と呼ばれる格納容器とつながって水蒸気を水に変える設備の圧力が3気圧から1気圧に低下した。
圧力抑制プールは格納容器内の圧力を下げるため、蒸気を取り入れて水に戻すための設備。圧力容器内の蒸気を外部に放出する際に放射線量を下げる役割もある。圧力抑制プールに穴が開いて水がなくなっていれば、圧力容器内の気圧を下げるため放出している空気中の放射性物質が水に吸収されず、そのまま外部に漏れる恐れがある。
2号機は14日、原子炉に冷却のための水を入れることができなくなり、同日午後6時半ごろから約2時間20分にわたって燃料棒がすべて水の上に露出した状態になった。注水を再開し水位が上昇したが、同日午後11時ごろから15日午前6時ごろまで、再び燃料棒(約4メートル)がすべて露出した状態になったとみられる。一方で爆発後に原子炉内の水位が回復し、露出部分は2・7メートルになった。爆発の影響で炉内の圧力が下がったためと考えられる。【足立旬子、関東晋慈、山田大輔、酒造唯】
........................
■半径30キロ圏の自治体
東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)から半径30キロ圏の自治体は次の通り。
<全域かほぼ全域>大熊町▽双葉町▽富岡町▽楢葉町▽広野町▽川内村▽葛尾村▽浪江町
<一部地域>南相馬市▽飯舘村▽いわき市▽田村市
毎日新聞 2011年3月15日 東京夕刊
--------------------
◆東日本大地震と盲人・病者・高齢者・・・の方々、そして原発の恐怖2011-03-14社会