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「史上最悪の宰相」菅直人氏、事情聴取を拒否 原発事故で業務上過失傷害容疑 検察当局、不起訴処分へ

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菅直人氏、地検の事情聴取を拒否! 原発事故で業務上過失傷害容疑
配信元:zakzak 2013/08/14 19:03更新
 東京地検が今月、東京電力福島第1原発事故の対応をめぐり、業務上過失傷害容疑などで刑事告発された民主党の菅直人元首相に、任意の事情聴取を要請したことが分かった。政治パフォーマンスで目立ってきた菅氏だが、聴取を拒否して書面で回答する意向という。
 菅氏は週内にも「対応に問題はなかった」などと告発容疑を否認する書面を提出する。聴取拒否の理由は、首相としての対応で捜査機関の聴取に応じる前例を作れば、今後の危機対応に悪影響を及ぼす恐れがあるためという。読売新聞(13日夕刊)や東京新聞(14日朝刊)が報じた。
 一昨年3月の原発事故では、原子炉格納容器の圧力を下げるベントが急がれたが、菅氏が現地視察を強行したため作業が遅れ、水素爆発を招いたとして、福島県の住民らが告訴・告発していた。
 菅氏は一連の事故対応で、東電幹部や経産省幹部らに怒鳴り散らすなどして「史上最悪の宰相」と呼ばれた。「首相」の肩書を失ったいま、地検検事相手に持論をぶちまける勇気もないのか。
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菅元首相ら原発事故の刑事責任否定 検察当局、9月末までに不起訴処分へ
産経新聞2013.8.15 02:00
 東京電力福島第1原発事故をめぐり、当時の政権幹部や東電幹部らが業務上過失致死傷などの罪で告訴・告発された問題で、菅直人元首相(66)ら事故当時に政権中枢にいた民主党議員らが検察当局に対し刑事責任を否定する主張をしていることが14日、関係者の話で分かった。検察当局は告訴・告発された全員について立件は難しいとみて、9月末までに不起訴処分とする方向で調整しており、議員側の主張も踏まえて最終的に判断する見通しだ。
 政治家で告発されたのは、菅氏のほか元経済産業相の海江田万里民主党代表(64)や、元官房長官の枝野幸男衆院議員(49)ら。
 検察当局は、事故直後の官邸内部の状況や幹部の事故対応の考え方を確認する方針で捜査を進めており、菅氏は14日、「対応に過失はなかった」との主張を記した書面を提出し、刑事責任を否定したもようだ。
 市民団体などは昨年8月以降に提出した告訴・告発で、菅氏ら当時の政権首脳が対応を誤ったことが事故を招いたと指摘。特に菅氏については、震災翌日の早朝にヘリで現地視察を強行したことが、原子炉格納容器の蒸気を放出する「ベント」の遅れにつながったとしている。
 菅氏は検察当局に提出した書面でベントについて、「ヘリでの視察前に東電に対してベントを行うことは了承していた。むしろ作業を積極的に進めさせたといえ、(告訴・告発での)遅れさせたという批判はあたらない」という趣旨の主張をしているという。
 検察当局は昨年8月以降、各地の地検で相次いで告訴・告発を受理。その後、東京と福島の両地検に案件を集約させ、東電の当時の幹部ら関係者100人以上から任意で聴取するなど約1年にわたって捜査を進めてきた。
 検察当局は地震や津波の専門家にも意見を求めたが、その結果、(1)事故前に東電が「15・7メートルの津波が押し寄せる可能性がある」と予想していたが、あくまで東電内部での試算にすぎず事故を関係者が予見していたと言い切れない(2)被災者らの体調不良と放射能漏れとの因果関係が明確に示せず、傷害に相当しない(3)特定の個人に責任を負わせることは難しい−ことなどから、罪に問うことは難しいとの判断に傾いているもようだ。
 *上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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◇ 『防衛省と外務省 歪んだ二つのインテリジェンス組織』 福山隆著 幻冬舎新書 2013年5月30日第1刷発行 2013-07-28 | 読書 
  (本エントリに関連部分のみ抜粋) 
p185〜
 国家的なクライシスを迎えた場合、まず第1にやるべきことは情報の収集です。質・量ともに十分な情報がなければ、「次の一手」について正しい判断や決定はできません。尖閣諸島漁船衝突事件のような事態が起きた場合、国のトップは、外務省、防衛省、警察庁、内閣官房内閣情報調査室といった部署に「収集すべき情報は何か」を伝え、そこから上がってきた情報を総合的に分析した上で、意思決定を行うべきです。
 しかしあのとき、そういったことが迅速に行われた形跡は、少なくとも私の知る範囲ではありません。おそらく、日頃からそういった危機に備えた訓練もなされていないのでしょう。対外情報機関(日本版CIA)も、情報を一元的に集め処理する機関も存在しないので、いざというときに総合的なインテリジェンスをどのように機能させるかという準備ができていないのです。
 菅政権時代には、戦争にも匹敵する事態が起こりました。いうまでもなく、2011年3月11日に発生した東日本大震災と、それに続く福島原発の事故です。
 あのときに菅直人という政治家が首相の座に就いていたのは、国民にとって実に不幸なことだったといわざるを得ません。というのも、彼が総理大臣になってから初めて自衛隊幹部と面会した時の第1声は、こんなものでした。
p186〜
 「私が陸海空自衛隊の最高指揮官だそうですね。初めて知りました」
 国家を預かる最高責任者の言葉とは到底思えません。国家の安全や国民の生命、財産を守るリーダーとしての自覚を全く持っていなかったのです。
 私は防衛駐在官としてソウルに赴任中、朝鮮戦争時の英雄として知られる白善?(ペクソニヨプ)氏に親しくしていただき、いろいろなことを教わりました。韓国陸軍の創設に参加し、最初の陸軍大将に任じられた人物です。その白氏に、私はあるとき、「大軍の将はいかにあるべきでしょうか」と問いました。
 「大軍の将は、いま起きているありとあらゆることをすべてしらなければいけない」
 白氏は、そう答えました。つまり「インテリジェンスが大事」だということでしょう。
 戦場には、リーダーが知るべき情報が山のようにあります。例えば、現場の地形や気象、海軍なら、海の潮流や温度分布もそうです。潮流の具合によって音波の屈折も変わりますから、それがわからなければ敵を探知することもできません。
p187〜
 独裁的な権力を発動しなければならないのが「危機」
 そういった細かい情報をすべて知らなければいけないのが、「大軍の将」です。(略)
 これは、口で言うのは簡単ですが、なかなか実行できることではありません。自衛隊でも、指導力に欠ける人ほど現場で気づいた「小さなこと」をワーワーと隊員に指図します。
 「それではいけない」と白氏は言いました。「現場で兵隊を激励するのはいいが、感情の起伏をあらわにして騒ぎ立てると、前線の兵隊は臆してしまう。じっくり見た上で、何か本質的な問題があれば、後で中央から電報で全軍に布告すればいい。それが大軍の将というものですよ、福山さん」
p188〜
 ここで私が言いたいことは、もうおわかりでしょう。福島で原発事故が起きたときに菅総理が取った行動は、まさに「大軍の将」がもっともやってはいけないことでした。官邸に腰を据え、現場で起きていることをすべて把握するよう努めるべきところを、現場に乗り込んであれこれと口を出したのです。
 こうした失態は、もちろん総理の個人的な資質による部分も大きいでしょう。しかし、そこだけに原因を求めるわけにはいきません。どの政治家が総理のポジションにあったとしても、現在のインテリジェンスシステムでは同じようなことはいくらでも起こり得ます。日頃から危機に備えた準備や訓練を綿密に行い、さまざまな情報を統合的に管理するインテリジェンス機関がなければ、こうした事態に対応することはできません。
 日頃から実在するインテリジェンス機関を意のままに総合的に動かし、あらゆる情報を自分の下に集約できるシステムを構築し、タイムリーに適切な判断を下すのが、「大軍の将」としての総理大臣の役割です。その運営は、ある意味で全体主義国家に通じます。
p189〜
 戦後日本において、これはもっとも忌み嫌われるスタイルです。もちろん私も、平時は民主主義的な意思決定が重要だと思います。
 しかし民主主義的な手続きは、意思決定までに時間がかかるのも事実。国家的なクライシスにおける意思決定は1分1秒を争うものですから、平時と同じ手続きを踏んでいる余裕はありません。一定の範囲で「大軍の将」である総理に決定権をゆだね、独裁的な権力を発動しなければ、国や国民を守ることはできないのです。
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