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軋む世界 米中 新たな火種 【?】南スーダン/資源・安保で覇権争い(激しさを増す資源争奪や情報戦)

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軋む世界 米中 新たな火種 【?】南スーダン/資源・安保で覇権争い
中日新聞2011/07/26Tue.
 「中国の方々から毎日、油田開発のオファーがありますよ」。今月9日、アフリカ54番目の国として誕生した南スーダン。建国の興奮冷めやらぬ中、南部政府の高官は、本紙の取材に、既に中国側の熱烈な営業攻勢を受けていると明かした。
 北部スーダンの3倍に上る油田を抱え独立した南部。道路や水道、電気などインフラ整備への支援の申し出が、中国側から続々と届く。「全てわれわれから石油開発(参入)への協力を取り付けるためだ」と、意図を高官は見透かす。
 舗装道路の総延長がわずか60キロ、電気や水道も未発達という国で、中国の存在感は際立つ。地元の記者によると、首都ジュバは中国系ホテルが10軒余に急増。「政府役人の大半の家は、中国企業が特別価格で建設したという話だ」と記者は声を潜めた。
 中東の衛星放送アルジャジーラなどによると、分離前のスーダンは、1983年から20年余に及ぶ南北内戦が続き、米石油大手シェブロンが撤退。国際テロ組織アルカイダの指導者ウサマ・ビンラディン容疑者(今年5月に米国が殺害)が91年からスーダンを拠点にしたのを受け、米国は93年、スーダンをテロ支援国家に指定し、経済制裁を科す。欧米勢と入れ替わるように進出したのが中国国営石油会社だった。
 「走出去(ソーチューチー・海外に出よう」。中国政府は今世紀に入って、自国企業に海外進出を一段と促す。国策と一体の企業はリスクや政治問題を度外視し、実利優先んで事業を拡大するのが強み。日量約50万バレルとされる南北スーダンの石油生産の3分の2が、中国向けとされた。
 2005年、南北和平合意が実現し、黒人キリスト教徒の多い南部でアラブ系イスラム教徒中心の北部からの独立の機運が高まると、中国は北部ばかりか南部の有力者へも接近を開始する。
 南スーダンの当局者によると、09年、南部の幹部候補らが多数、北京へ招かれ、研修を受けた。「その大半は、今や新政府の指導的立場。中国は親中派を育てようとしたのだろう」
 この資源豊かな新国家で、覇権争いに名乗りを上げたもう一つの大国が、米国だ。
 南北和平合意の後、スーダンにインフラ整備や食糧支援など60億?(約4千8百億円)もの資金を投入。「アメとムチ」と言われる見返りと圧力の両面で、北部バシル政権を揺さぶり、南部分離を認めさせた。
 南スーダンは、アフリカ北部イスラム圏と中部キリスト教圏との境にあり、地政学的に重要な位置を占める。中東・アフリカのイスラム圏を中心に「対テロ戦争」にあえぐ米国にとって、この地域で親米国家を獲得する意味は、安全保障上も大きい。
 9日の独立式典に駆けつけた米国のライス国連大使は「独立は、与えられたのではない。あなた方が勝ち取ったのだ」と持ち上げてみせた。だが、米外交の勝利ともいえる。
 長い内戦を経て、悲願の新国家樹立に沸き返る南スーダン。グローバル経済と対テロ戦争での勝利をもくろむ大国の思惑が、激しくぶつかる最前線となりつつある。(カイロ・今村実)
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 23日の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)でも、焦点の南シナ海領有問題をめぐり米中両国は歩み寄りの姿勢を示さなかった。激しさを増す資源争奪や情報戦など、世界各地での2大国の新たな火種を探った。

軋む世界 米中 新たな火種 【?】欧州/中国、国債購入 武器に 欧米の足元を見透かしたような中国の経済戦術 中日新聞2011/07/27Wed.


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