「ガルパン」人気で11万人超! 自衛隊富士火力演習に応募殺到 “戦車萌え”で町おこし、国防への関心まで!?
産経新聞2013.8.19 23:35
25日に行われる陸上自衛隊の実弾射撃訓練「富士総合火力演習」の一般見学の応募者数が11万人以上で過去最多になったことが19日、分かった。牽引(けんいん)役は戦車人気で、起爆剤となったのは戦車で戦う女子高生を描いたアニメ。戦車を紹介する教養DVDも異例の売れ行きを記録している。
富士総合火力演習は東富士演習場(静岡県御殿場市など)で開催され、戦車やヘリが実弾射撃を行う。
今回は一般見学用の5875人の入場券に約11万6千人が応募し昨年の約8万7千人から急増、倍率は14・8倍から19・7倍に。陸上幕僚監部広報室は「戦車人気の影響」と分析する。
火付け役はアニメ「ガールズ&パンツァー(ガルパン)」。陸自最新の「10(ひとまる)式戦車」が登場し、女子高生が戦車を使った武道「戦車道」を学ぶストーリーで、昨年10月から今年3月までのBS放映で人気が広がった。
アニメをきっかけに戦車も脚光を浴びた。陸自が制作協力し、10式を紹介するDVD「よくわかる!陸上自衛隊〜陸の王者!日本を守る戦車の歴史〜」が5月に発売されると、1週間で1万5千枚以上売れ、オリコンの週間ランキングで総合首位に。カルチャー・教養ジャンルのトップ獲得は平成11年のランキング発表開始以来初めてだった。
町おこしという波及効果も生んだ。ガルパンの舞台は茨城県大洗町で、ガルパンでは商店や街並みも描かれているため、実際に足を運ぶファンが急増した。
同町が7月13〜15日に主催したイベントに10式を動員すると、昨年の5倍の約3万2千人が訪れる人気ぶり。東京電力福島第1原発事故の風評被害などで観光客数が落ち込む中、同町は「ガルパンの『聖地』という観光資源は復興に寄与している」と歓迎する。
防衛産業も活気づく。動画サイト「ニコニコ動画」が4月に幕張メッセ(千葉市)で主催した「ニコニコ超会議2」に陸自は10式を出展。10式を開発した防衛産業担当者による異例のトークショーも開き、多くの来場者が耳を傾けた。
陸幕広報室長の大塚裕治1佐は「自衛隊と防衛産業は車の両輪。実際に見て聞いて触れて、どんな装備で日本を守るか感じてもらえれば」と話す。国防への関心も高めてもらうため、陸自ホームページでは7月2日から離島侵攻などでの戦い方を紹介する動画を公開している。
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富士総合火力演習 陸自による国内最大規模の実弾射撃訓練で昭和36年から毎年開催。昨年は隊員約2400人と戦闘車両約80両、航空機約30機の陸自装備に加え海自のP3C哨戒機、空自のF2戦闘機も参加し、離島侵攻に対する制圧・奪還作戦を披露した。
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