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Channel: 午後のアダージォ
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薄煕来元重慶市党委書記 中国では反抗すればするほど刑が重くなるのを承知で「闘争」を選んだ

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【産経抄】8月28日
産経新聞2013.8.28 03:31
 中国山東省の済南は戦前の日本人には忘れられない町である。南北の中国を結ぶ交通の要衝であり、商業や貿易が盛んな国際都市だった。昭和前期には約2千人の日本人も住んでいた。その日本人が昭和3年、中国の「内戦」に巻き込まれそうになる。▼南京政府の蒋介石軍が張作霖の北京政府を倒すため「北伐」に向かう。済南はその進撃路に当たり、ここで戦いが起きれば日本人に犠牲が出るのは必至だ。そこで日本は約6千の軍を派遣、蒋介石軍を追い返し日本人を保護した。済南事件とも山東出兵とも呼ばれた。▼北伐を邪魔された蒋介石は日本への恨みを深くしたという。戦後の日本でも出兵を批判的にみる史家は多い。しかし内戦に自国民が巻き込まれるのを座視するという選択は当時の世界にはなかった。実際、日本人が虐殺されたことが戦闘を激しくしたとされる。▼その歴史的町・済南で5日間行われていた薄煕来元重慶市党委書記の公判が結審した。収賄や職権乱用などの罪に問われたのだが、なぜか公判はその舞台とは関係ない済南で開かれた。薄被告支持派による妨害を避けるためと言われた。それほど政治色の強い裁判だった。▼公判での薄被告は徹底的に戦っていた。起訴内容はほぼ全面否認し、「証拠は捏造(ねつぞう)だ」と抵抗した。中国では反抗すればするほど刑が重くなるのを承知で「闘争」を選んだらしい。元政治局員の薄被告のイメージダウンをという検察側の思惑ははずれたようだ。▼それにしても裁判で垣間見えたのは、かの国の権力闘争の激しさである。権力側は今後も薄被告を政治的に葬るつもりだろう。だがその徹底抗戦は支持派の巻き返しを誘発するかもしれない。済南がまた歴史の発火点になるのだろうか。
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指導部の台本から逸れる薄熙来の「トラ」裁判 革命の子供たち、体制存続のために互いを攻撃 2013-08-26 | 国際/中国/アジア 
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