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【尖閣国有化1年 国境の島が危ない】いつ戦争起きても不思議でない 日本漁船の拿捕を狙う中国 (1)

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【尖閣国有化1年 国境の島が危ない】「いつ戦争起きても不思議でない」 尖閣周辺で日本漁船の拿捕を狙う中国 ★(1)
 zakzak 2013.09.03
 中国が、沖縄県・尖閣諸島に対する領土的野心をあらわにしている。中国海警局の艦船を連日のように周辺海域に侵入させて、日本漁船の拿捕(だほ)を狙っているうえ、同国初の強襲揚陸艦を上海で建造しているのだ。これに対し、安倍晋三政権は日本の領土・領海を断固守るため、自衛隊の離島防衛態勢を強化し、海上保安庁も巡視船や人員を増強する方針を打ち出している。危機迫る尖閣の現状について、地元・八重山日報の仲新城誠編集長が迫った。 
 昨年9月11日の尖閣諸島国有化後、領有権をめぐる日中の対立は激しさを増す一方だ。中国は「日本が国有化で挑発した」と、日本に責任があるかのような主張を展開。「国有化は原爆投下のようなものだ」とまで非難する政府高官もいる。
 しかし、石垣島から見ると、中国の「反発」などポーズでしかない。なぜなら、中国の攻勢は、国有化後に突如として始まったのではないからだ。
 「中国が教科書問題に反発している」
 石垣島で冗談交じりにそう言われたのは2011年8月24日。中国の監視船が尖閣周辺で初めて領海侵犯した日である。
 前日、尖閣が日本の領土であることを詳述した育鵬社版の中学校公民教科書が、八重山地区(石垣市、竹富町、与那国町)で選定され、地元マスコミは大騒ぎした。国有化の1年も前だ。
 さらに、中国当局者は国有化の半年も前に「日本の実効支配を打破する」と公言。石垣市議会はこの発言に抗議決議したが、中国は何の反応もしなかった。
 尖閣周辺での調査船の出没、石垣島近海での潜水艦の領海侵犯…。日本が尖閣の実効支配強化を怠ってきた間に、中国の動きが活発化する兆候は至るところにあった。地元住民は「中国はいずれ、国力を充実させた時点で尖閣を取りに来る」とうわさしていた。
 そして今や、中国のGDP、軍事費は日本を凌駕し、世界第2位の水準に達した。時は来たわけだ。国有化を知った中国は内心、「これで尖閣強奪の口実ができた」と、ほくそ笑んだに違いない。中国にとって、国有化とは好機到来だったのだ。現在、中国公船はほぼ連日、24時間体制で尖閣周辺を航行している。
 今年8月7日、領海侵犯した中国海警局の船4隻は、尖閣周辺を航行していた石垣島の漁船、高洲丸に急接近。スピーカーで「ここは中国の領海だ。ただちに退去せよ」と警告した。さらに「海警」は高洲丸と対峙し、過去最長の28時間、領海内に居座り続けた。高洲丸を拿捕するため、船内のボートを海に下ろそうとする示威行為も見せたという。
 高洲丸に被害がなかったのは、海上保安庁の巡視船約10隻が必死の警護を続けたからだった。乗船した石垣市議の仲間均氏は、国境が踏み荒らされている現状に「いつ戦争が起こっても不思議ではない」と危機感を募らせる。
 日本人が「国有化が危機を引き起こした」と罪悪感を抱いていては、対応が後手に回るだけだ。中国の野心こそ危機の原因であることを直視し、今後の対応を考える必要がある。
 ■仲新城誠(なかあらしろ・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に石垣島を拠点する地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県の大手メディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に「国境の島の『反日』教科書キャンペーン」(産経新聞出版)など。
 *上記事の著作権は[zakzak]に帰属します
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    zakzak2013.05.14
 「これから尖閣で漁をするときは中国国旗を掲げないと、地元漁船の安全は保障されないかも」
 石垣島の漁業者、名嘉全正さん(54)は、中国公船による「浸食」が続く尖閣諸島海域の現状をこう嘆く。日本の実効支配は大きく揺らいでいる。
 自身が船長の「第11善幸丸」は今年2月18日、尖閣海域で、領海侵犯した中国の海洋監視船3隻と鉢合わせし、1時間半にわたって執拗(しつよう)に追跡された。尖閣領海で日本漁船を拿捕(だほ)して「領有権」を主張するのが中国の狙いだ。
 海上保安庁の巡視船が割って入り、第11善幸丸をガードしたため、名嘉さんは何とか石垣島へたどり着いた。
 しかし、「事件」はこれだけでは終わらない。4月23日には、民間団体の釣りツアーが地元漁船9隻に乗り組み、尖閣海域に向かったところ、中国の海洋監視船や漁業監視船10隻に待ち伏せされ、追跡と威嚇を受けた。海保の避難勧告でツアーは釣りを中止し、石垣島へ引き返した。尖閣海域で日本漁船が中国公船に追い払われたことになる。
 実は、このツアーは当初は10隻で、エンジントラブルのため1隻が出港を見合わせた。中国当局は、あえてツアーの漁船と同数の公船を派遣し、漁を妨害させたのだ。
 石垣島の漁業者は「中国公船が領海侵犯するのは、地元漁船を駆逐するためだ」と指摘している。報道されるのは氷山の一角だ。どうも中国当局は、尖閣に出航する地元漁船の動きを事前に察知しているらしいのだ。
 2012年9月の尖閣国有化後、今月までの7カ月で、中国公船による領海侵犯は40回以上に及んでいる。領海侵犯には至らなくても、領海外側の接続水域には、ほぼ毎日、中国公船が姿を現し「パトロール」と称して存在を誇示している。
 すでに尖閣海域では、漁業者が安心安全に操業できる環境は失われていると言っていい。
 尖閣には「石垣市登野城(とのしろ)」という地名がついており、まぎれもなく石垣市の一部だ。中国の傲慢さに、多くの市民が、土足で裏庭を荒らされているような腹立たしさを感じている。
 しかし、市民の思いとは裏腹に、全国紙や地元紙で領海侵犯のニュースは扱いが小さくなる一方だ。領海侵犯が日常化し、日本人がいわば「慣らされて」しまっているのだ。
 国境の島が侵食されている現実に、日本人が無感覚になる。それこそ、連日、尖閣海域に出没する中国の思うつぼではないか。
 *仲新城誠(なかあらしろ・まこと)
 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に石垣島を拠点する地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。同県の大手メディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に「国境の島の『反日』教科書キャンペーン」(産経新聞出版)など。
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