バンカメが中国建設銀への投資から撤退へ、最大15億ドルで株式売却
REUTERS 2013年 09月 4日 06:15 JST
[香港/ニューヨーク 3日 ロイター]米銀大手バンク・オブ・アメリカが中国建設銀行の株式20億株の売却に乗り出した。ここ数年進めてきた中国建設銀への投資縮小の最終段階となり、同行への出資を完全に引き揚げる。売却額は最大15億ドルになる見通し。ロイターが入手したタームシートで明らかになった。
バンカメは今回、中国建設銀の香港上場株20億株を1株当たり5.63─5.81香港ドルで売却する。3日終値(5.93香港ドル)に対して最大5.1%のディスカウントとなる。中国建設銀の香港上場株は年明け以降4.7%値下がりしている。
バンカメは2005年、中国建設銀の9.9%を30億ドルで取得。その後、保有株数を256億株まで増やしたものの、資本基盤の強化に向け、方針を転換。2009年以降、売却を進めてきた。今回の売却は持ち株のロックアップ期間が前月で終了したことなどに伴う。発表を受け、バンカメの株価は午前の取引で一時1.6%上昇した。終値は0.9%高。
バンカメは金融危機以降、バランスシートの改善に取り組んでおり、国外の富裕層向け事業をスイスのジュリアス・ベアに売却したほか、カナダやスペイン、英国のクレジットカード資産を銀行やプライベートエクイティに売却するなど、近年は海外部門の合理化をとりわけ積極的に進めてきた。
中国の金融セクターへの投資をめぐっては、期待した戦略上の恩恵が得られなかったとの理由などから欧米金融機関の間で撤退する動きが出ており、米ゴールドマン・サックス・グループは今年、中国工商銀行(ICBC)の株式を全て売却している。
一方、中国交通銀行の株式19.9%を保有する英HSBCホールディングスや、中信銀行(CITIC銀行)の株式15%を保有するスペインのBBVAなどは出資を維持している。
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【中国経済】バンカメが中国建設銀への投資から撤退へ、最大15億ドルで株式売却
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