【主張】対馬の森競売 国土保全の法整備を急げ
産経新聞2013.8.31 03:30
長崎県対馬市の広大な森林地が競売にかけられていた問題は、市が森林を購入することで債権者と合意し、競売の中止に至った。
絶滅危惧種の「ツシマヤマネコ」が唯一生息する森林として知られるが、深刻なのは国境近くの重要な離島において、大規模な土地が近隣諸国など外国勢力の手に渡りかねない懸念があったことである。
そうした事態を回避した市の対応は評価できる。この問題は離島や海岸、水源地、森林など、国土をいかに守っていくかという課題を政府に提起したといえる。
同様の事態は今後も各地で起こり得る。国土の保全に向け、法規制など抜本的な処方箋をまとめることが急務である。
私有財産である土地の取引は原則自由だが、国防や公益を阻害する恐れがある場合に歯止めをかけるのは当然、必要なことだ。
これまでにも、北海道の自衛隊施設近くの広い土地などを、外国資本が所有していた例が表面化した。水源地のある森林などが、外国資本に相次ぎ買収されたことも判明している。林野庁によると、平成23年末までに全国で49件、計760ヘクタールの森林が外資に買収された。転売の末、所有者不明の土地も多い。
国は昨年4月、森林所有者に届け出を義務づける森林法改正を行ったが、取引自体を止められるものではない。水源周辺を公有地化したり、独自の条例によって規制を強化したりする自治体の動きも広がっている。国と自治体との情報共有や連携が重要だ。
日本が米国などと異なるのは、世界貿易機関(WTO)に加盟するさい、土地取引に例外や条件を設けなかったことだ。このため、外資を対象とした規制はWTO規定に抵触しかねず、法規制を難しくしている面がある。
だが、国防に支障を来すような取引は、外資か否かを問わず認めない法規制なら整備できるだろう。生態系の保全など自然保護を理由とした土地の利用規制などは諸外国にもみられる。政府は検討を急いでほしい。
超党派議員らは「水循環基本法案」をまとめている。水資源を「国民共有の財産」として守る責務を国や自治体に求める内容だ。通常国会では廃案となったが、水源保全への第一歩として早期成立を図るべきだ。
*上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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【読者サービス室から】対馬の森売却 「国境守る基金の創設を」
産経新聞2013.9.6 13:29
長崎県対馬市の約260万平方メートルの森林地が競売入札に付され、韓国企業が関心を示していることを8月29日付の朝刊で報じると、「韓国人に島が乗っ取られないよう東京都の尖閣基金や新たな募金で対応できないか」(29日)▽「東京都の尖閣基金に寄付したが、この寄付金を入札に使ってほしい」(同)▽「国境の島々は国防の重要地域。都尖閣基金を充てられないか」(同)▽「全国に募金を呼びかけるしかない。年金生活だが協力する」(同)と懸念する声が相次ぎました。
反響の大きさもあり、金額などで折り合わなかった同市が購入を決めましたが、「今後も同様の事態に備えて、国民の支援で基金を作ったらどうか」(30日)▽「外国資本の買収に備えて沖縄を含む国境地域を守るための基金を作るべきだ」(同)という提案が寄せられました。
消費税増税を予定通り来春に実施すべきかどうかについて「国民だって仕方がないと思っている」などという声がある一方で、「末端の賃金が上がるまで2、3年待つべきだ」(9月2日)▽「デフレからの脱却、景気回復が課題だが、今増税しても景気は回復しないのでは」(同)という意見のほか、「増税より多過ぎる公務員の人数や給与を削減することで財政再建を図るべきだ」(28日)という指摘もありました。
貧しい暮らしの中で父親が土産に買ってくれた「ボンタンアメ」の口当たりや味を80年たっても思い出せると福島県いわき市の87歳の女性が、30日付の「談話室」に投稿。これに対し、川崎市の80代の男性から2日に、「鹿児島出身なので、好きで時々買う。東京なら、有楽町のアンテナショップかごしま遊楽館にある」と電話がありました。メーカーのセイカ食品(鹿児島市)によると、今も当時のデザインの外箱に1粒ずつオブラートで包まれて入っており、JR売店のキヨスクとスーパーのイオンなら、ほぼ全国で買えるそうです。(8月28日〜9月3日までの意見)
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対馬の森競売 国土保全の法整備を急げ / 対馬の森売却 「国境守る基金の創設を」
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