池田信夫blog 2013年12月18日00:48
原発は今すぐ再稼動できる
きのうのニコ生でおもしろかったのは、「今、原発を再稼動することに賛成ですか?」という質問に、賛成が74.1%もいたこと。もちろんこのサンプルには片寄りがあり、母集団も658人しかいないので統計的に有意ではないが、「圧倒的多数が再稼動反対だ」と思っている政治家のみなさんには参考になろう。
何度も書いたように、定期検査の終わった原発は今ただちに再稼動できる。原子力規制委員会の行なうのは新規設備の安全審査であって、再稼動の審査ではない。電力会社が許認可申請のために運転を停止する義務はなく、安全審査は運転と並行して行なえばよい。
自民党の議連が今ごろになって、「再稼働は国家的急務だ」とかいう提言を出すらしい。内輪の会合では推進論をぶつのに公の場では何もいわなかった腰抜けの政治家は救いがたいが、これは錯覚だ。去年も今年も選挙でボロ負けしたのは、「脱原発」や「卒原発」で票を稼ごうとした無責任な党だった。
今からでも遅くないから、内閣は再稼動についての法的見解を明らかにし、問題がなければ(規制委とは無関係に)運転を許可すべきだ。これには閣議決定も国会審議も必要なく、安倍首相が記者会見すればいい。
◎上記事の著作権は[池田信夫blog]に帰属します *「午後のアダージォ」とのリンクは来栖
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◇ 小沢一郎氏が消えた。それが今回の選挙の「意味」である。「最後のご奉公です。文字どおり最後です」 2012-12-25 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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◇ 小沢一郎氏、再起期し本格始動 / 小沢氏に「サイレント・マジョリティ」の声は聴こえていただろうか 2013-03-27 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
〈来栖の独白 2013/3/25 Mon. 〉
安倍内閣の経済政策を「かつての自民党と同じ」と批判し、「夏の参院選で自民党が圧勝すれば、日本の前途は非常に暗い」と、「イメージ」で語る小沢氏。イメージ手法は、大手メディアの十八番である(「政治とカネ」、この戦略により小沢氏は政治生命を断たれた)。
昨年12月の衆院選挙で小沢氏は「反消費税増税」と「脱原発」を掲げ、敗れた。私の気になったのは、青森など原発関連施設のある選挙区候補者への配慮・対策、また地元岩手の刺客候補擁立の必然性などだった。加えて、選挙日間近になっての[日本未来の党]合流や選挙直後の同党離脱はお世辞にも上手とは言えず、私の中で小沢離れが進んだ。
憶測だが、小沢氏は先般12月の衆院選を「脱原発」を掲げることで勝てる、と踏んだのではないだろうか。それで、ドイツまで視察にも赴き、官邸前のデモにも参加したのではないか。氏には、原子力発電を過渡的エネルギーと見てきた自民党時代があった。そんな小沢氏の目に、毎週金曜日、官邸周辺で多数を結集して行われる反原発デモは「大勢」(世論)と映ったろう。「国民は多くが脱原発を望んでいる」、そのように映ったのではないか。
官邸周辺のデモは、私に安保条約反対のデモを思い起こさせた。あのときも多くの人が参集した。
渡部昇一氏と百田尚樹氏は対談の中で、「マスメディア」について次のように言う。(『Voice』4月号) *強調(太字・着色)は来栖
渡部 2012年から現在にかけては、脱原発運動の旗振り役になり、いかにも国民全体が「脱原発」の意見をもっているかのような記事を掲載した。しかし先の総選挙では、「日本未来の党」をはじめとする、脱原発政党は軒並み議席を減らしています。マスコミのいうことと、「サイレントマジョリティ」の意見は違うということが露呈しました。
百田 60年安保のときと状況はよく似ています。当時も日本全国が「安保反対」のような気運でしたが、自然成立とほぼ同時に岸内閣が倒れ、その数か月後に行われた総選挙で自民党が圧勝した。メディアの声はあくまでも「大きい声」にすぎず、それが大多数の声を代表しているとは限らないということです。
百田 岸信介はいみじくも、安保デモを前に「私には国民の声なき声が聞こえる」と発言しました。それは正しかったんです。いくら国会を群集が取り囲んでも、私の両親のような大多数の庶民は、そのような問題に何ら関わりはありませんから。サイレントマジョリティの声を聞くというのは、政治家の大きな資質の1つだと思います。
「脱原発」を掲げることで衆院選は勝利できる、そのように小沢氏は読んだのではなかったか。「あなたが出てくれれば百人通る」と滋賀県の嘉田知事([日本未来の党]代表=当時)に言っている。
が、惨敗だった。小沢氏の読み違いだった。小沢氏に「サイレント・マジョリティ」の声が聴こえていただろうか。
小沢氏の手法として「選挙は川上から」とよく云われ、昨年の衆院選でも、氏はまず愛知県の寒村、豊根村から(『国民の生活が第一』の)応援演説を始めている。そのようにしながら氏の裡には、官邸周辺のデモの光景が強く在ったに違いない(嘉田氏との連携に向けた動きが並行してあった)。
「サイレント・マジョリティ」もそうだが、小沢氏にマイノリティの声は聴こえていただろうか。沖縄・辺野古の「地元の地元」の住民が実は基地移設を望みながら「反対」の大きな声に圧されて「賛成」の声を発せないでいるように、原発を抱える地元住民が原発の存続を望んでいる、そのような声が聴こえていただろうか。「川上から」というのは、そういった「地元の地元」の声、発せないでいる声なき声に耳を傾けることではないだろうか。
選挙直前直後の如何にも慌ただしかった[日本未来の党]との顛末(悪手)を思い起こすにつけ、官邸周辺から発せられる「大きな声」のみを小沢氏の耳は受信していたように思えてならない。消費税増税反対も反原発も、選挙のために掲げた看板に過ぎなかったのでは、と思えてくる。これでは支持は得られず、惨敗しても当然だった。
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◇ 憲法改正で「日本」を取り戻せ 誤った歴史観を広めるメディア・教育界に風穴を 『Voice』4月号 2013-03-24 | 読書
『Voice』4月号2013/3/9(毎月1回10日発行)
憲法改正で「強い日本」を取り戻せ いまこそ誤った歴史観を広めるメディア・教育界に風穴を開けるときだ
対談「渡部昇一(わたなべしょういち・上智大学名誉教授)×百田尚樹(ひゃくたなおき・作家)」
〈抜粋〉
■在日コリアンの影響下に置かれていた民主党政権
p44〜
百田尚樹 民主党は与党になってから2年以上、代表選で在日コリアンを含むサポーター(党友)にも投票権がありました(2012年より日本国籍を有する者に限定)。つまり日本の首相を選ぶに際して、外国人の票が影響力をもっているということです。こんなおかしなことはありません。
渡部昇一 それは明確な憲法違反ですね。さかのぼっていえば、民主党と在日コリアンの関係が密接であるのは、戦後の55年体制で最大野党であった社会党出身者も少なくない。社会党を支えたのがまさに在日コリアンなのです。たとえば1951年に日本がサンフランシスコ条約に署名し、国際社会に復帰した時には、強硬に反対したが社会党でした。占領下の日本は在日外国人にさまざまな特権を与えており、彼らにとって非常に居心地がよかったからです。闇市で食糧を調達するときも、日本人はすぐ摘発されるのに、彼らは警察に取り締まられることはなかったほどですから。
これは作家の吉屋信子が書いていることですが、戦後間もなく菊池寛と一緒に京都に向かう汽車の中で、菊池が「今度の選挙で社会党は金がなくて大変だろうな」と口走ったところ、たちまち屈強な在日コリアンの男たちに囲まれ、因縁をつけられたそうです。彼らの本質がわかるエピソードです。
百田 日の丸や君が代に反対する文化人は少なくありませんが、そのなかには在日コリアンがいるともいわれています。厄介なのは、彼らが「自分たちは在日である」ということを標榜せず、日本人のふりをして意見を述べているということ。本来、外国人に日の丸や君が代について意見をいわれる筋合いはないですね。
渡部 日本人風のいわゆる「通名」を名乗っているコリアンの人に「元の名前は?」と聞くと、「名誉棄損で訴えるぞ」と怒りだすそうです。祖国にプライドをもっているにもかかわらず、なぜ本来の名前を聞かれるとそうした反応を示すのか。その意味でも非常に屈折しているといわざるをえません。
p45〜
■サイレントマジョリティの声を聞けるか
百田 同じように、戦後長らく左翼的な勢力が跋扈しているのが、新聞やテレビなどメディアの世界、そして教育界です。(略)
まずメディアについていえば、第1次安倍内閣は『朝日新聞』をはじめとする新聞やテレビに過剰なまでにバッシングされ、短い期間で残した実績が国民に十分に伝わらないまま、退陣に追い込まれてしまいましたね。
渡部 ベストセラーになった『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)で小川栄太郎さんが書いているのですが、昨年11月に亡くなった政治評論家の三宅久之さんは、かつて朝日新聞社の主筆だった若宮啓文氏に「どうして『朝日』はそこまで安倍さんを叩くんだ?」と尋ねたところ、「社是だからだ」といわれたそうです。
百田 ただ、いまでは「安倍たたき」をするか否か、メディアも少し慎重になっているようにもみえます。リベラルな論調を出すことで読者が減るのではないか、と懸念しているのでしょう。
渡部 1月にはアメリカの『ニューヨーク・タイムズ』紙が安倍さんを「右翼の民族主義者だ」と強く批判しました。『ニューヨーク・タイムズ』の東京支局は、朝日新聞社と同じビルにあります。これは邪推かもしれませんが、『朝日新聞』の記者が、自分たちの発言力が落ちていることに危機感を抱き、『ニューヨーク・タイムズ』の記者をけしかけて、社論を書かせたと解釈することもできます。
百田 ここ数年でインターネットが発達し、とくに若い世代を中心に「マスコミの情報が必ずしも正しいわけではない」という意識が芽生え始めたのも大きいですね。
p46〜
渡部 2012年から現在にかけては、脱原発運動の旗振り役になり、いかにも国民全体が「脱原発」の意見をもっているかのような記事を掲載した。しかし先の総選挙では、「日本未来の党」をはじめとする、脱原発政党は軒並み議席を減らしています。マスコミのいうことと、「サイレントマジョリティ」の意見は違うということが露呈しました。
百田 60年安保のときと状況はよく似ています。当時も日本全国が「安保反対」のような気運でしたが、自然成立とほぼ同時に岸内閣が倒れ、その数か月後に行われた総選挙で自民党が圧勝した。メディアの声はあくまでも「大きい声」にすぎず、それが大多数の声を代表しているとは限らないということです。
(略)
百田 岸信介はいみじくも、安保デモを前に「私には国民の声なき声が聞こえる」と発言しました。それは正しかったんです。いくら国会を群集が取り囲んでも、私の両親のような大多数の庶民は、そのような問題に何ら関わりはありませんから。サイレントマジョリティの声を聞くというのは、政治家の大きな資質の1つだと思います。
p47〜
■教科書には「事実」を記述すべき
渡部 第1次安倍内閣の果たした政策のうち、とくに私が評価しているのは、教育基本法の改正です。道徳や倫理観に関する基本的な教育方針を変えたことで、ようやく日本人が日本人であることに誇りをもてる教育ができるようになりました。
百田 日教組の教職員は子どもたちに、「日本は侵略戦争を行い、アジアの人々を傷つけた」「日本人であることを恥ずべきだ」ということを教えてきましたからね。そのような誤った知識を死ぬまで持ち続ける日本人も多い。広島県のある高校は修学旅行で韓国に行き、生徒たちに戦時中の行為について現地の人に謝罪をさせたとも聞きます。世界中を見渡しても、そのような教育をしている国はどこにもありません。
渡部 「日本が侵略戦争を行った」というのは、東京裁判の検察側プロパガンダの後継者です。しかし東京裁判以外に、日本を正式に批判した公文書は存在しません。マッカーサーもアメリカ上院の公聴会で、「日本が行ったのは自衛戦争だった」と証言している。東京裁判史観をいまだに尊重していることが、いかに意味のないものかがわかります。(略)
百田 「侵略戦争」といっても、日本人は東南アジアの人々と戦争をしたわけではない。フィリピンを占領したアメリカや、ベトナムを占領したフランス、そしてマレーシアを占領したイギリス軍と戦ったわけです。日本の行為を「侵略」と批判するなら、それ以前に侵略していた欧米諸国も批判されてしかるべきでしょう。
p48〜
渡部 私の娘はジュネーブの日本人学校で教えているのですが、日本から来た子どもたちが「日本人は悪いことをした」と洗脳されているのを解くのが大変だ、といっていました。「日本はほんとうは立派な国なのだ」と教えると、ほんとうに誰もが喜ぶそうです。
百田 だからこそ政府にいま求められるのは、日本人の歴史観を正しいものに変えるため、ロビー活動、啓蒙活動を行っていくことですね。
渡部 安倍さんは首相就任以前より、教科書問題に関心を抱き、大手出版社の社長に「こんなことを書いていたのか」と迫ったり、教育学者の藤岡信勝氏らが設立した「新しい歴史教科書をつくる会」で講演を行っていたと聞きます。安倍さんの改革によって、いまの教育界にさらなる風穴があくことを期待しましょう。
■日本の軍備がアジアの平和に繋がる
p49〜
百田 日本の人口1億人に対して、自衛隊の隊員数は25万人です。海外と比較をすると、スイス軍は人口780万人に対して、軍隊は21万人もいます。しかも現役を退いたら、60歳ぐらいまでは予備役として登録される。一家に1丁自動小銃が配布されており、日常は普通の仕事をしていても、事が起きれば戦場に赴く。歴史的には「永世中立国」として200年以上戦争をしていないわけですが、軍隊をもつことは、戦争に対するもっとも有効な抑止力であり、平和の維持にはそれだけの労力がかかることを理解しているわけです。
渡部 なかでも核兵器はもっとも有効な抑止力ですね。もし原子爆弾が開発されていなかったら、第3次世界大戦が起きていても不思議ではなかった。歴史上、2000年以上にわたって戦争が絶えなかったヨーロッパで、現在60年以上戦争が起きていないのは、1955年に西ドイツ(当時)がNATOに加盟し、アメリカとともに核兵器を発射できる資格を得たからです。そのため冷戦下で対立していたソ連も、西側諸国には手出しできなかった。逆にいま、もっとも戦争の危険性が高いのはアジアですが、日本が核兵器を保有していないことが大きいでしょうね。p50〜
■日本国憲法は「占領基本法」にすぎない
百田 だからこそ安倍政権では、もっとも大きな政策課題として憲法改正に取り組み、軍隊創設への道筋をつくっていかねばなりません。世界の約200か国のうち、軍隊をもっていない国は、モナコやバチカン市国、ツバルといった小国をはじめとする27か国しかない。日本のような経済大国がそれに当てはまるのは異常なことです。
渡部 同感です。安倍さんは第1次内閣で防衛庁を防衛省に昇格させ、内閣に安全保障の責任者が不在という歪な状態を解消させることに成功しました。第2次内閣では、さらにもう一歩踏み込んだ取り組みに期待したいですね。
百田 世間では、「憲法は神聖で侵さざるべきものである。改正するなんてもってのほかだ」という、「憲法改正アレルギー」のような意識が蔓延しているようにも感じます。しかし世界中のどの国も、憲法改正はごく普通に行っている。アメリカは18回、フランスは24回、ドイツは58回、メキシコに至っては408回も改正しており、世界最多の回数といわれています。(略)
p51〜
渡部 日本国憲法は「アメリカの占領が続く」という前提のもとに作られた、いわゆる「占領基本法」と呼ぶべきものなんです。もし1950年に朝鮮戦争が起きなければ、アメリカは50年ぐらい日本の占領を続けるつもりだったのですから。そのため日本国憲法の前文には、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」とある。日本人の安全と生存を諸外国に委ねるなんてとんでもない話であり、このような代物がほんとうの「憲法」であるといえるはずがない。
百田 アメリカも大東亜戦争で痛い目に遭っていますから、もう二度と日本が立ち向かえないようにした、ということですね。9条で「交戦権の放棄」を押し付けたのもそうです。いまの日本には自衛隊がありますが、9条を厳密に解釈すると、相手に銃を向けられて引き金に指がかかってもいても抵抗できない。向こうが撃ってくれば初めて反撃できますが、それも最低限のものに限られ、たとえば一発撃たれて十発撃ち返したら、過剰防衛として処罰される。こんな馬鹿なことはないでしょう。
p52〜
百田 ドイツも同じく、占領されているときに連合国軍に憲法を押し付けられましたね。でもドイツ人はそれを「憲法」とみなしておらず「ボン基本法(ドイツ連邦共和国基本法)」と呼んでいます。占領が解けてから50回以上も条文を改正し、自分たちの憲法をつくっていったのです。*強調(太字・着色)は来栖
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