【首相靖国参拝】冷静な反応目立つ東南アジア諸国
産経ニュース2014.1.3 21:05
安倍晋三首相らによる靖国神社参拝をめぐり、中国と韓国は年初から機関紙の論評や会見で安倍首相批判を行ったが、第二次大戦で日本の占領統治を受けるなどした東南アジア諸国では、安倍首相の立場に理解を示す冷静な論調が目立った。
インドネシアで最も影響力のあるコンパス紙は、12月28日付の社説で安倍首相の参拝について、東シナ海の領土をめぐる日中の緊張が高まっているこの時期に行ったのは「適切なタイミングでなかった」としつつも、「(靖国問題で)自らを被害者と位置付ける中韓の主張は一面的な見解だ」とクギをさした。
その上で、今回の参拝は戦死者の霊に祈りをささげ、日本国民が再び戦争の惨禍に苦しむことのないように取り組む決意を伝えたとする「安倍首相の見解」を紹介した。
同紙はさらに、「靖国神社には、現在は戦争犯罪者と見なされている数百人だけでなく、戦争の犠牲となった(各国の)約250万人も祭られている」と指摘し、国に命をささげた人々のために参拝することは日本の指導者として当然だとする安倍首相の立場にも言及した。
一方、シンガポールのストレーツ・タイムズ紙(12月27日付)は、安倍首相が参拝に踏み切ったのは、これまで摩擦を避けようと終戦記念日や春秋の例大祭で参拝を見送ったにもかかわらず中韓が強硬姿勢を崩さず、「冷え切った中韓との関係に改善の見込みは少ないと見切ったためだ」との分析記事を掲載。中韓の敵視政策が逆に参拝の呼び水となったとの見方を示した。
また、ベトナムやインドは政府声明などで参拝の是非に言及せず、対話による問題解決を促すにとどまった。
日本の「軍国主義化」を非難する中韓のように、先の戦争の文脈で参拝そのものを批判したのは、これまでのところ、台湾と、中国系の人口が大半を占めるシンガポールだけで、一部で主張されるような、靖国問題を含む歴史認識問題で「日本がアジアで孤立する」といった事態は想定し難いという事実が改めて浮き彫りとなった。
日本は、敗戦後の1955年にインドネシアのバンドンで開かれた「アジア・アフリカ会議」で国際社会に本格復帰してからは、欧米の過酷な植民地支配からの独立を果たしたアジア諸国の経済発展に貢献し、「平和国家」としての揺るぎない信頼を築いた。
安倍首相も就任1年足らずの昨年11月までに東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟全10カ国を訪問し、ASEANを地域協力の「最も重要な基軸」に据える立場を明確にした。
ASEANも中国との南シナ海領有権問題などを念頭に、日本との安全保障協力の強化を目指している。
中韓が今年、靖国問題でもASEAN切り崩しの外交攻勢をかけてくるのは必至だ。日本は、これに対抗し、アジアの友邦諸国と結束を固めていくことが一層重要となっている。(黒瀬悦成)
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◇ 靖国参拝 豪紙「日本のオウンゴール」/インドネシア紙「タイミングは適当ではなかった」 2013-12-29 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
◇【首相靖国参拝】豪紙「日本のオウンゴール」
産経ニュース2013.12.29 00:21
安倍晋三首相の靖国神社参拝に対する海外からの批判が止まらない。28日には静観していたアジア太平洋諸国の有力メディアからも“火の手”が上がった。日米と安全保障協力を進めるオーストラリアの有力紙オーストラリアンは同日付の社説で「日本のオウンゴール」との表現で、自ら招いた外交的失点と指摘した。
同紙は安倍氏が憲法改正など安保戦略の抜本的見直しを進めていることについて「日本の軍国主義に苦しんだ(フィリピンなどの)国々からも支持を取り付けている」とする一方、他国の反発を招くような行動を続ければ「支持を失いかねない」と苦言を呈した。
日本の友好国インドネシアの有力紙コンパスも28日付社説で、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏や尖閣諸島問題で緊張が高まっている中、参拝が行われたことに言及し、「タイミングは適当ではなかった」と論評した。(共同)
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【首相靖国参拝】台湾「隣国の国民感情を傷つける行動すべきでない」
産経ニュース2013.12.26 17:39
台湾の外交部(外務省に相当)は26日、安倍晋三首相の靖国神社参拝に関し、「日本政府や政治家は史実を正視し、歴史の教訓をくみ取り、隣国の国民感情を傷つける行動をすべきではない」とする声明を発表した。(台北 吉村剛史)
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【首相靖国参拝】冷静な反応目立つ東南アジア諸国〜インドネシア/シンガポール/ベトナム/インド
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