前田元検事に懲役2年求刑=来月12日判決−特捜部証拠改ざん・大阪地裁
大阪地検特捜部の証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件で、証拠品のデータを改ざんしたとして、証拠隠滅罪に問われた元検事前田恒彦被告(43)の第2回公判が17日、大阪地裁(中川博之裁判長)で開かれた。検察側は「刑事司法の根幹を揺るがした」として、法定刑の上限の懲役2年を求刑。弁護側は「寛大な処分」を求めて結審した。判決は4月12日。
検察側は論告で、動機について「自己の評価の低下を恐れた」と非難。「検察や刑事司法全体の公正性に疑念を招いた」と指摘した。
一方、弁護側は最終弁論で「有罪を勝ち取ることを宿命付けられている特捜部の重圧に負けた」と背景事情を説明した。(時事通信2011/03/17-17:18)
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前田被告被告人質問やりとり要旨
2011年3月17日 13時35分
大阪地裁で17日午前にあった元大阪地検特捜部検事、前田恒彦被告への弁護側の被告人質問のやりとり要旨は次の通り。
―事件を起こした心境は。
「法と証拠を重んじる検察官としてやってはいけないことをした。何度死んでも罪は償えない」
―村木厚子さんをはじめ厚生労働省の文書偽造事件についての思いは。
「みなさまに申し訳ない気持ちでいっぱい。検察が築いた伝統を私の行為で破壊した」
―特捜部では。
「失敗は許されないという重圧があった」
―上司だった大坪弘道前特捜部長について。
「積極一本やりで、消極的なことを言えない状況だった」
―村木さんの逮捕、起訴は、証拠に基づいた合理性があったのか。
「間違いありません」
−上司に改ざんを認めたのは間違いないか。
「『6月1日を6月8日に変えました』と正直に言った」
―上司の対応は。
「部長、副部長の方針で、意図的な改ざんではなく過誤としてすり替えて、(検事正らに)対応するということになった。副部長は、私が自殺しないようにという思いや特捜部を守りたいという気持ちがあったのかもしれない。私にとっては従わざるを得ない重い足かせになった」
−改ざん前後のデータが入ったUSBメモリーをなぜ処分しなかった。
「逮捕されるのを覚悟していたから証拠は捨てなかった」(共同)
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前田元検事:「検察の伝統破壊した」公判で謝罪…大阪地裁
2011年3月17日 12時27分 更新:3月17日 13時18分
郵便不正事件の証拠品だったフロッピーディスク(FD)のデータを改ざんしたとして、証拠隠滅罪に問われた元大阪地検特捜部主任検事、前田恒彦被告(43)の第2回公判が17日、大阪地裁(中川博之裁判長)であった。前田元検事は弁護側の被告人質問で「法と証拠を重んじる検察官としてやってはいけないことをやってしまった。これまで検察が培った伝統を私の行為で破壊してしまって、本当に申し訳なく思っている」と謝罪した。
さらに前田元検事は「今回の件ですべての関係者のみなさまに申し訳ない気持ちでいっぱいです」と厚生労働省元局長、村木厚子さん(55)=無罪確定=らに対し、改めて謝った。
証拠改ざんを隠蔽したとして、元特捜部副部長、佐賀元明被告(50)とともに犯人隠避罪で起訴されている前特捜部長、大坪弘道被告(57)について聞かれると「積極一本やりだった。消極証拠を言うだけで報告を嫌った。後ろ向きの話をするのは避けたいという心理が働いていた」と話し、「(特捜)部外に相談を持ちかけるような態勢になっていなかった。相談する同僚もいなかった」と当時の状況を振り返った。
大阪拘置所で勾留されていた昨年11月に実父が亡くなったが、保釈を申請せず葬儀に出席しなかった心境について、前田元検事は「(私が出席して)父が喜ぶ(だろう)か……。顔向けができないと思った」と、涙で言葉を詰まらせながら話した。【苅田伸宏、北川仁士、久保聡】毎日新聞
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◆郵便不正事件証拠改ざん 死も考えた前田恒彦被告初公判 「ずっと支えたい」=妻の陳述書 2011-03-15
◆郷原信郎氏×魚住昭氏「特捜神話の崩壊」?東京地検の事件に飛び火していく
◆郷原信郎氏×魚住昭氏「特捜神話の崩壊」?俺だけ悪者にするのなら世の中に真実を全部バラす
◆郷原信郎氏×魚住昭氏「特捜神話の崩壊」?証拠の扱いに慣れてない特捜部
◆郷原信郎氏×魚住昭氏「特捜神話の崩壊」?指揮権発動なんてよくある話だよ
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検察側は論告で、動機について「自己の評価の低下を恐れた」と非難。「検察や刑事司法全体の公正性に疑念を招いた」と指摘した。
一方、弁護側は最終弁論で「有罪を勝ち取ることを宿命付けられている特捜部の重圧に負けた」と背景事情を説明した。(時事通信2011/03/17-17:18)
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前田被告被告人質問やりとり要旨
2011年3月17日 13時35分
大阪地裁で17日午前にあった元大阪地検特捜部検事、前田恒彦被告への弁護側の被告人質問のやりとり要旨は次の通り。
―事件を起こした心境は。
「法と証拠を重んじる検察官としてやってはいけないことをした。何度死んでも罪は償えない」
―村木厚子さんをはじめ厚生労働省の文書偽造事件についての思いは。
「みなさまに申し訳ない気持ちでいっぱい。検察が築いた伝統を私の行為で破壊した」
―特捜部では。
「失敗は許されないという重圧があった」
―上司だった大坪弘道前特捜部長について。
「積極一本やりで、消極的なことを言えない状況だった」
―村木さんの逮捕、起訴は、証拠に基づいた合理性があったのか。
「間違いありません」
−上司に改ざんを認めたのは間違いないか。
「『6月1日を6月8日に変えました』と正直に言った」
―上司の対応は。
「部長、副部長の方針で、意図的な改ざんではなく過誤としてすり替えて、(検事正らに)対応するということになった。副部長は、私が自殺しないようにという思いや特捜部を守りたいという気持ちがあったのかもしれない。私にとっては従わざるを得ない重い足かせになった」
−改ざん前後のデータが入ったUSBメモリーをなぜ処分しなかった。
「逮捕されるのを覚悟していたから証拠は捨てなかった」(共同)
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2011年3月17日 12時27分 更新:3月17日 13時18分
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さらに前田元検事は「今回の件ですべての関係者のみなさまに申し訳ない気持ちでいっぱいです」と厚生労働省元局長、村木厚子さん(55)=無罪確定=らに対し、改めて謝った。
証拠改ざんを隠蔽したとして、元特捜部副部長、佐賀元明被告(50)とともに犯人隠避罪で起訴されている前特捜部長、大坪弘道被告(57)について聞かれると「積極一本やりだった。消極証拠を言うだけで報告を嫌った。後ろ向きの話をするのは避けたいという心理が働いていた」と話し、「(特捜)部外に相談を持ちかけるような態勢になっていなかった。相談する同僚もいなかった」と当時の状況を振り返った。
大阪拘置所で勾留されていた昨年11月に実父が亡くなったが、保釈を申請せず葬儀に出席しなかった心境について、前田元検事は「(私が出席して)父が喜ぶ(だろう)か……。顔向けができないと思った」と、涙で言葉を詰まらせながら話した。【苅田伸宏、北川仁士、久保聡】毎日新聞
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