興正寺、宗派離脱撤回 住職罷免 取り消し求める
中日新聞 夕刊 2014年1月20日 (Mon.)
高野山真言宗から罷免され、宗派離脱を宣言していた八事山興正寺(名古屋市昭和区)の梅村正昭住職が、総本山の金剛峯寺(和歌山県高野町)を訪れ、離脱を撤回して処分の取り消しを求めたことが分かった。
興正寺は2012年、隣接する中京大にキャンパス用地として貸していた6万6千平方メートルを約100億円で売却。高野山真言宗の規則では、不動産などの財産処分には宗派代表である管長の承認が必要だが、興正寺は本山に売却を伝えず、売却額が1千万円を超える場合、その3%を本山へ納める「礼録」も支払っていなかった。
関係者によると、興正寺側は17日、金剛峯寺を訪れて宗務総長ら執行部幹部と面談。規則違反を認め、礼録の支払いに同意した。宗派を離脱して単立の寺院になるとの主張も撤回したという。
興正寺の広報担当者は「協議中なので詳細は答えられない」と話している
◎上記事の著作権は[中日新聞]に帰属します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
興正寺住職を罷免 総本山金剛峯寺、土地売却で対立
中日新聞 2014年1月9日 10時47分
高野山真言宗の総本山、金剛峯(こんごうぶ)寺(和歌山県高野町)が八事山興正(こうしょう)寺(名古屋市昭和区)の梅村正昭(せいしょう)住職(65)を罷免したことが分かった。両寺院は、興正寺が所有していた土地の売却をめぐり関係が悪化していた。興正寺側は「一方的で不公正な処分だ」と反発している。
興正寺は高野山真言宗の別格本山で「尾張高野」とも呼ばれ、尾張徳川家の祈願所とされた名刹(めいさつ)。
宗派内の懲罰などを決める審査委員会が6日開かれ、梅村住職の罷免を決定した。金剛峯寺総務課は「梅村住職は興正寺の財産である土地を勝手に売却し、宗規や宗教法人法に違反した」と説明している。
関係者によると、興正寺は2012年、隣接する中京大へキャンパス用地として貸していた6万6千平方メートルの所有地を売却。宗派の規則では、寺院が不動産などの財産を処分する際、宗派代表である管長の承認が必要だが、興正寺は本山に売却を伝えなかった。売却額が1千万円を超える場合、その3%を本山へ納める「礼録」も支払っていなかった。中京大は売買額を「非公表」としているが、関係者は約100億円としている。
宗教法人法では、財産処分の1カ月前に信者や利害関係人にその要旨を公告する義務が定められている。金剛峯寺は、興正寺がこれらの手続きも怠ったと指摘するが、興正寺側は否定している。
興正寺は昨年12月2日、「本山からいわれのない事に対して処分を下されることと、非常に多額の金員を納めなければいけないとの通告を受けた」ことを理由に、「包括団体である高野山との関係を解消する」との公告を境内に掲示していた。罷免の通知を受け、「8日付で本山に異議申し立ての文書を送った」と話している。
*07年以降に訴訟相次ぐ
興正寺をめぐっては2007年以降、複数の僧侶が「不当に解雇された」と寺を相手取った訴訟を相次いで起こし、いずれも復職を認める和解や、寺側が敗訴する判決が確定している。
08年には寺に出入りしていた関係者が、梅村住職と3人の元責任役員が実体のない納骨堂の販売促進の名目で1億4700万円を不正に支出したと主張し、4人を背任容疑で刑事告発。名古屋地検特捜部が捜査したが、09年に嫌疑不十分で不起訴となった。
昨年2月には、僧籍のない見習いの男性に1人で通夜を担当させていたことが発覚した。
*「処分ありき 不信感」
興正寺の梅村正昭住職らは8日、本紙の取材に応じ、中京大の土地売却は「財産の処分という認識はなかった」と説明した。要旨は次の通り。
中京大の土地は50年以上前から貸していた境外地。売却益は境内整備の原資に充てるので、宗派の定める「財産処分」には当たらないと認識していた。だから本山への申請や相談もしなかった。境内に売却の公告は出した。
昨年2月ごろ、本山の前執行部から「寺有地を売ったらしいが、規則に触れるかもしれない」と言われて初めて協議を始めた。ところが6月に執行部が替わると、処分ありきの対応に変わった。いきなり懲戒を突きつけられ、信頼関係が持てないので離脱を決めた。
高野山真言宗を離れても教義は変わらない。檀(だん)信徒には安心してほしい。
◎上記事の著作権は[中日新聞]に帰属します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 不正経理疑惑で揺れる八事山興正寺=名古屋地検特捜部 2009-09-28 | 社会
......................
↧
八事山興正寺 梅村正昭住職 総本山金剛峯寺に「住職罷免 取り消し」求める 「宗派離脱」も撤回
↧