【オウム法廷再び】「平田被告に1千万円渡した」 元信者が証言
産経ニュース2014.1.17 13:41
平成7年の目黒公証役場事務長の仮谷清志さん=当時(68)=拉致事件など3事件に関わったとして逮捕監禁罪などに問われたオウム真理教元幹部の平田信(まこと)被告(48)の裁判員裁判の第2回公判が17日、東京地裁(斉藤啓(ひろ)昭(あき)裁判長)で開かれた。元信者の女性が出廷し、地下鉄サリン事件後、平田被告に「『しばらく逃げないといけないのでお金をもらいたい』といわれ、1千万円を渡した」と証言した。
女性は交際していた中川智正死刑囚(51)とともに出家。教団の付属医院に勤務し、教団が省庁制をとった後は「法皇内庁」に所属していた。サリン製造に関与したとして実刑が確定、すでに出所している。
証言によると、7年4月上旬ごろ、平田被告に「大蔵省」大臣から受け取った500万円の束を2つ渡した。女性は「何らかの事件に関わっていて逃げないといけないからだと思った」と説明。3月初旬ごろには富士山総本部道場(静岡県富士宮市)の焼却炉で、平田被告と中川死刑囚が何かを燃やしていたとし「不審に思った」と証言した。
検察側は、拉致事件後の3月4日、平田被告と中川死刑囚が、仮谷さんの遺体焼却作業の際に着用した作業着などを焼却炉で処分した、と主張している。
また、弁護側からの質問に女性は、「平田さんは幹部だとは思わない」と話した。裁判員からは「なぜ出家したのか」などの質問が出た。
証言台と傍聴席の間にはついたてが設置され、被害者参加した仮谷さんの長男、実さん(53)が検察官の横の席で尋問を見守った。
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【オウム法廷再び】仮谷さん拉致「平田には説明した」 平田被告第2回公判 元幹部の中村受刑者出廷
産経ニュース.1.17 21:14
平成7年の目黒公証役場事務長、仮谷清志さん=当時(68)=拉致事件など3事件に関わったとして逮捕監禁罪などに問われたオウム真理教元幹部の平田信(まこと)被告(48)の裁判員裁判の第2回公判が17日、東京地裁(斉藤啓昭(ひろあき)裁判長)で開かれた。松本サリン事件などで無期懲役が確定した元幹部、中村昇受刑者(47)が出廷し、拉致事件前に平田被告に「(仮谷さんを)教団施設に連れてくると説明した」などと証言。拉致は「教祖の指示」とも話した。
拉致事件について平田被告は「(拉致の)認識の共有はなかった。見張り役はしたが、その後は知らない」と起訴内容を一部否認している。
中村受刑者は「拉致という言葉は使っていないが、平田被告は拉致だと理解したと思う」と説明。「平田被告は非合法活動に従事したことがなかったので、出来る限り分かりやすく話したつもりだ」と述べた。
また、脱会しようとした仮谷さんの妹の居場所を探すため、元教祖、麻原彰晃死刑囚(58)=本名・松本智津夫=が「お兄さんに聞くしかないよな」と話したと証言。「教団施設に連れてきて聞くしかないので、イコール拉致だと思った」と話した。
この日午前の法廷には元信者の女性も出廷。平田被告に「『しばらく逃げないといけないのでお金をもらいたい』といわれ、1千万円を渡した」と証言した。
女性は交際していた中川智正死刑囚(51)とともに出家。サリン製造に関与したとして実刑が確定し、すでに出所している。
証言によると、7年4月上旬ごろ、平田被告に「大蔵省」大臣から受け取った500万円の束を2つ渡した。女性は「何らかの事件に関わっていて逃げないといけないからだと思った」と説明。3月初旬ごろには富士山総本部道場(静岡県富士宮市)の焼却炉で、平田被告と中川死刑囚が何かを燃やしていたとし、「不審に思った」と証言した。
検察側は、拉致事件後の3月4日、平田被告と中川死刑囚が、仮谷さんの遺体焼却作業の際に着用した作業着などを焼却炉で処分した、と主張している。
元信者の尋問では、証言台と傍聴席の間にはついたてを設置。被害者参加した仮谷さんの長男、実さん(53)が検察官の横の席で尋問を見守った。
20日の第3回公判では、中村受刑者への反対尋問が行われる予定。
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【オウム法廷再び】平田被告とは「仲良かった」
産経ニュース 2014.1.17 21:29
平田信被告の公判に証人として出廷した中村昇受刑者は、目黒公証役場事務長拉致事件で仮谷清志さんを拉致した当時の様子を「後ろから抱きつき、ワゴンに入れようとした」などと証言した。
教団元幹部の確定判決などによると、中村受刑者は教団「自治省」の次官で、元教祖の麻原彰晃死刑囚らと共謀し、松本サリン事件などに関与。武道が得意で、拉致事件では事件前から仮谷さんの妹を出家させるための面談を行い、拉致の計画段階から関わった。
青いフリースにマスク姿で現れた中村受刑者。検察側の質問に答え、拉致事件に関与したとされる平田被告と井上嘉浩(よしひろ)死刑囚(44)との関係を「非常に仲の良い友人で、気軽に、悪口も含めて言えました」と振り返った。
拉致の状況については、役場から出てきた仮谷さんを見つけ、「ゴー」と無線で実行に踏み切る指示をしたことなどを説明。「仮谷さんは路上に倒れ込み、『助けて』と3回くらい大声を出し、手足をばたばたさせた」と述べた。
途中の休廷前には、手錠を掛けられた中村受刑者が平田被告に視線を向ける場面もあった。
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【オウム法廷再び】飛び交うホーリーネーム…裁判員理解難しく
産経ニュース 2014.1.17 21:23
本格的な審理が始まった平田信被告の第2回公判。検察、弁護側は現場写真や教団施設の見取り図などを使いながら「裁判員に分かりやすい立証」を目指すが、法廷には教団内の宗教名「ホーリーネーム」など、専門用語が頻繁に飛び交う。資料に目を落としたままの裁判員もおり、約2カ月の「長丁場」で、検察側はどれほど裁判員を納得させられるのか。
「…車にアーナンダ師、ウパーリ師が乗っていたのが見えた。突然、アーナンダ師から『クンダダーナ、すぐ帰れ』といわれた…」
弁護側が法廷で読み上げた教団関係者の調書には、信者らを指すホーリーネームが並んだ。さらに、検察側証人として出廷した中村昇受刑者は、検察側から平田被告との上下関係を問われ、「私は愛師長だが、平田被告は愛師長補で、教団のステージという意味では差があった」と、教団内の階級について説明した。
検察、弁護側が「アーナンダは井上嘉浩死刑囚のことです」と説明を入れながら進めたが、裁判員らはメモを取ったり、資料を見たり、せわしなく聴いていた。
審理対象の事件には複数の教団関係者が登場する上、検察側は教団の特殊な組織形態も事件の背景の一つとして主張しており、法廷である程度の専門用語が出ることは避けられない。
検察側は、中村受刑者に先立って出廷した元信者の女性に、在家信者と出家信者の違いや、ステージが決まる仕組みなどについても質問。検察幹部は「今後の審理の基礎となる、組織についての基本知識を説明してもらった」と話す。
今後も、死刑囚3人を含め、十数人の証人尋問が控える。
教団をめぐる事件で裁判長を務めた経験のある元東京地裁部総括判事、山室恵弁護士(65)は「古い事件で、証人の記憶は時の経過とともに薄れる傾向にある」と話す。さらに、「各証人の証言や調書の内容が食い違った場合、『どれが本当のことなのか』と見分けるのは、職業裁判官にとっても難しい判断」と指摘する。その上で、「検察側は丁寧に立証することが必要」としている。
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◇ オウム平田被告初公判 裁判員裁判 東京地裁(斉藤啓昭裁判長) 2014.1.16 Thu. 詳報 2014-01-17 | 死刑/重刑/生命犯 問題
◇ オウム平田信被告 第4回公判 中川智正確定死刑囚の証人尋問 2014.1.21 Tue. 2014-01-21 | 死刑/重刑/生命犯 問題
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オウム平田信被告 第2回公判 証人2名(元信者の女性/元幹部の中村昇受刑者) 2014.1.17 Fri.
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