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【島が危ない 第1部 再び対馬を行く(3)】「バスもホテルも韓国優先に」

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【島が危ない 第1部 再び対馬を行く(3)】「バスもホテルも韓国優先に」
 産経ニュース 2014.1.21 11:16
 長崎県対馬市厳原(いづはら)町今屋敷に大規模な免税店がオープンしたのは平成18年6月1日。「売り上げについては企業秘密だから申し上げられない」(店長)というが、店内は、時計やバッグ、化粧品、装飾品、包丁などを買い求める韓国人観光客で満員電車のようだ。
 対馬の韓国人観光客が増え始めたのは、11年7月に韓国・釜山と厳原を結ぶ国際航路が就航して以降。13年4月に島北部の比田勝港と釜山港を約1時間20分で結ぶ航路も運航され、年間1600人程度だった観光客が急増、16年には2万人を超えた。
 その後も増加の一途をたどり、23年10〜11月にはJR九州と韓国資本の未来高速が相次いで釜山との間に高速船を就航。24年の韓国人観光客は一気に15万836人に跳ね上がった。
 対馬市商工会の浦田一朗会長(70)は「25年は、18万人までいくと思いますよ。船会社が3社になり、1日3便、多い時は4便くらいあり、ウイークデーでも(観光客が)来ます」と話す。
*経済効果を期待
 観光客が増えれば当然経済効果を期待する。対馬市がまとめた19年度分のデータによると、年間の韓国人観光客は6万5490人。島内消費額は、旅費や宿泊費、飲食費、お土産代などで21億6万4704円にのぼったという。
 「今では1・5倍ぐらいはあるんじゃないですか」。こうみている浦田会長は、島の歓迎ムードを代弁する。「韓国人が来ることに対馬の6割は賛成でしょう。来てほしくないという人は2割ぐらい。対馬は歴史の中で韓国との付き合いは長い。福岡とも付き合いはありますが、49・5キロという近いところにある韓国の経済を利用して商売をさせていただくということです」
 一般社団法人IIFG副理事長で対馬協議会の友納徹事務局長(64)も「釜山周辺では、力をつけてきている旅行会社が対馬に行きませんかと、PRしているから、対馬ブームはあと3年間は続くという声もある」と話す。
 観光客を乗せるバス業界も景気がいい。浦田会長によると、韓国人の団体観光客を扱うバス会社は4、5年前から増え始め、今では10社ぐらいになり、バスの総台数も40台ぐらいまでに増えたという。「1社で10台も持っとるところもある。運転手も仕事になりますからね」
 一方で、観光業界の関心が韓国人ばかりに向くことを憂慮する声も聞かれ始めている。「日本の旅行会社のツアーは3カ月前に予約するが、韓国がバスやホテルを押さえているので取れなくなるという事態にも陥っている。バスもホテルも韓国優先になってしまった」(友納事務局長)
*民家借り営業も
 対馬市厳原町の高台で主に韓国人観光客を相手にしていたホテルが昨年9月末、韓国人夫妻に売却された。夫妻は対馬で民宿も経営している。
 「厳原町で現在、韓国資本が入っている大きなホテルは2つ。民宿も含めると20軒以上はいくかもしれんでしょうね。泊まるのは韓国人観光客で、働いているのは島民。民家を借りて営業している韓国人もいっぱいいる」。対馬観光物産協会の江口栄会長(59)はこう説明する。
 厳原町の不動産会社社長は「観光客の増加が見込める以上、ホテル経営面では、対馬はまだまだ、価値があると思われとるんじゃないか」と分析する。
 そこで、何も手をこまねいていることはないと、対馬市主導で浮上したのが、新たなホテル建設計画だ。上対馬にある温泉「渚の湯」を活用したホテル建設だが、そこにも韓国資本の影が見え隠れする。
 国境離島活性化対策特別委員会委員長の長信義市議(64)が事情を語る。「ホテルを造ろうと公募しましたが、人口3万の島でホテルを造っていただくとなると、国内の企業ではなかなか難しい。だから、国内企業に限定せず、韓国まで広げた。手を挙げたところはあったが、書類審査などでうまくいかなかった。日本のホテルも手を挙げたが、どこかで折り合いがつかなかったようです」
 不動産の買収、飲食店の経営、ホテルや民宿の経営と、対馬市民の生活に韓国資本がしっかりと根を下ろし始めているのである。(宮本雅史)
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します 
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