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中国雲南省 昆明駅 死者33人(犯人を含む)、負傷者130人以上の無差別殺傷事件 背後に新疆分裂派か

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 WSJ Japan Real Time 2014年 3月 03日 08:49 JST
背後に新疆分裂派か―中国昆明駅の無差別殺傷
 【北京】中国雲南省の昆明駅で1日、死者33人(犯人を含む)、負傷者130人以上に上る無差別殺傷事件が発生したことについて、イスラム教徒の多い北西部で長年くすぶっている分離主義者の運動が先鋭化したものであり、中国指導部にとって新たな課題になるとアナリストらはみている。
 国営メディアによると、昆明駅での殺傷事件は新疆ウイグル自治区から来た分裂派集団が実行したもので、北西部以外で発生した事件としては最も犠牲者が多い。
 犯行は大規模で、ある程度計画性もあることから、習近平国家主席と「国家安全保障委員会」にとって試練になるとアナリストらは述べた。同委員会は習主席が設置したもので、治安機関の間の調整強化が狙いだ。
 国営メディアによれば、長い刃物で武装した10人以上の集団が1日夜、乗客で混雑した昆明駅を急襲し、市民29人を殺害し、130人以上を負傷させた。一部の報道では、武装集団には男も女もおり、黒ずくめの服装だったという。
 国営メディアによると、警察は犯人4人を射殺、1人を逮捕し、5人の行方を追っているという。この事件は、5日から北京で全国人民代表大会(全人代)が開催されるのを控え、全国的に警戒が強化されていたなかで発生した。
 新疆ウイグル自治区はパキスタン、アフガニスタン、旧ソ連の中央アジア諸国と国境を接している。中国当局によれば、新疆ウイグル自治区の外で同自治区の分離主義者が起こした比較的複雑で周到なテロは、4カ月余りで2度目。
 中国現代国際関係研究院のテロ対策専門家Li Wei氏は「昆明の襲撃は、1カ月や2カ月で準備できるものではない」と述べ、「6カ月程度の期間が必要だっただろう」との考えを示した。
 新疆ウイグル自治区以外の地域での攻撃の例としては、昨年10月に北京の天安門広場前で分離主義者3人が自分たちの乗っていた自動車に火を付けたとされる事件がある。この事件では、3人のほか観光客2人が死亡した。
 それ以前は、新疆分離主義者によるテロはおおむね新疆ウイグル自治区に限定されていた。新疆ウイグル自治区ではイスラム教ウイグル人が何十年にもわたり中国人支配に抵抗している。
 中国は長年、このような分離派によるテロをアルカイダとつながりのある分離主義者集団の仕業だとしている。海外のウイグル人活動家はこれを否定し、暴力は宗教に対する制限政策と、中国系の漢族の大量移民に対する反発が原因だとしている。
 昆明は警察当局の出動などもあって2日までに平静に戻った。同日再開された昆明駅付近は自動ライフルを携えた部隊を含む警官隊が警備していた。
 前出のLi氏や他の中国専門家は、北京と昆明でのテロは、比較的粗雑で火器ないし爆発物を使用していないものの、一部の分離主義者はより過激で組織的になっていると指摘している。
 犯人たちが黒ずくめの衣服だったことは、彼らが組織化されており、心理的な効果を最大限にしようとしていることを示唆する、とLi氏は述べている。また同氏は、犯人に女が含まれていたことは、分離派集団がもはや男だけを募集していないことを示すと述べた。
 ◎上記事の著作権は[WSJ Japan Real Time]に帰属します 
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