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最高裁判所長官 竹崎博允氏が主導した司法制度改革の“利権″「裁判員制度が司法をダメにした」

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元最高裁調査官が暴露 「裁判員制度が司法をダメにした」
 日刊ゲンダイ 2014年3月1日 掲載
 元最高裁調査官で明大法科大学院教授の瀬木比呂志氏の著書「絶望の裁判所」(講談社)が話題だ。本書では、キャリア33年のベテラン裁判官だった瀬木氏が、3月末での退官を発表した最高裁判所長官の竹崎博允氏が主導した司法制度改革の“利権″をバクロしている。
 竹崎氏が主導した裁判員制度は、任命された人に拒否権がないことや法律の素人による量刑のブレといった問題が指摘されている。しかも、「評議の秘密その他の職務上知り得た秘密」を漏らした裁判員は懲役刑。米国の陪審員のようなある程度の自由も与えられていない。だが、瀬木氏は、「制度によって刑事裁判が脚光を浴び、刑事系の裁判官や書記官の増員につながったことにも注目すべきだ」と言う。
 実際、裁判員制度導入決定後、数の上では民事系より少ない刑事系の裁判官が重要ポストの多数を占めるようになった。導入の中心人物だった竹崎氏も14人の先輩最高裁判事を飛び越え、東京高裁長官から直に最高裁判所長官に出世している。その上、多くの幹部ポストはほぼ例外なく竹崎氏と関係の深い裁判官で占められるようになった。
 「04年5月の制度導入決定後はその傾向があからさまだったので、竹崎氏の人事に疑問を抱く裁判官は多かった。刑事系を有利に取り扱うばかりか、地裁や家裁の裁判長の人事にまでその方針が及んでいた。能力が乏しくても竹崎氏に近いと優遇される例もあった。こんな好き勝手ができたのは、個々の裁判官の能力やモラルが低下し、事なかれ主義が蔓延しているから。閉鎖された世界だから、内々の人事がメディアに叩かれることもない。だから、こうした人事に抵抗するどころか、迎合する傾向もあったほどです」
 確かに近年は児童買春や職員へのストーカー、電車内での盗撮など、裁判官の不祥事を耳にすることが多くなった。
「裁判官は全国に3000人しかいない。それなのに、問題が次々と起きている。表に出ないものもあるはずです。そもそもハラスメントに対するガイドラインもない組織。組織内のパワハラや嫌がらせがあっても訴える窓口がありません。ストレスから犯罪に走ったり、自殺するケースもあります」
 裁判の質の低下で被害を受けるのは国民。大手メディアは瀬木氏の主張を黙殺しているが、なぜ問題が起きているのか、しっかり監視すべきである。
 ◎上記事の著作権は[日刊ゲンダイ]に帰属します 
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『絶望の裁判所』瀬木比呂志著  一人の学者裁判官が目撃した司法荒廃、崩壊の黙示録 2014-02-14 | 

       

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