最高裁「審理分かりづらい」 裁判員の無罪破棄確定へ
産経ニュース 2014.3.12 18:39
トルコから覚醒剤を密輸したとして、覚せい剤取締法違反(営利目的輸入)などの罪に問われたイラン国籍の無職、アブディ・スマイル被告(45)について、最高裁第1小法廷(横田尤孝(ともゆき)裁判長)は、被告側の上告を棄却する決定をした。横田裁判長は補足意見で「1審が不合理な判断をした原因は、公判前の争点整理が不適切で審理全体が分かりづらくなったためだ」と指摘した。
決定は10日付。アブディ被告を無罪とした1審大阪地裁の裁判員裁判判決を破棄、審理を地裁に差し戻した2審大阪高裁判決が確定する。今後、裁判員を選び直して審理が行われることになる。
横田裁判長は1審の公判前整理手続きについて「判断の分かれ目を意識した争点整理を行わなかった」と指摘。公判では漫然と主張・立証が行われ「裁判員が法廷で見聞きしただけで理解できる審理計画だったか疑問に残る」とした。
その上で、間もなく施行から丸5年を迎える裁判員制度を定着させるため、法曹三者に分かりやすい審理に向けた工夫と努力を求めた。
アブディ被告は日本人の男ら数人と共謀し、平成21年7月、覚醒剤約4キロが入ったスーツケースを関西空港に密輸したとして起訴された。
1審は関係者の通話記録などから、被告に密輸を指示されたとする男の証言は信用性が低いなどとして共謀を否定、無罪を言い渡した。
2審は、通話内容の多くは密輸に関する連絡であることが強く推認されるなどとして、1審を破棄。最高裁も「1審の認定が経験則に照らして不合理であることを具体的に示している」として2審を支持した。
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