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特養待機52万人 「椅子取りゲーム」状態…曖昧な要件が競争生む

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特養待機52万人 「椅子取りゲーム」状態…曖昧な要件が競争生む
 産経新聞 4月20日(日)8時0分配信
 特別養護老人ホーム(特養)の入所待機が全国で52万人に上ったとの報道を受け、読者からさまざまな手紙が届いた。今国会に提出されている法案が通れば、特養の入所は来年度以降、原則要介護3以上の人に重点化される。合わせてお伝えする。(佐藤好美)
*椅子取りゲーム
 特養の入所が「要領の良いもん勝ち」の競争になっていると感じている人は多い。
  西日本在住の女性(61)は「軽いうちから申し込んでいる人や、あっちこっちに申し込んでいる人もいる。『椅子取りゲーム』状態で、軽い人が入ると、後の人はなかなか入れない。要介護度が重く、今すぐにでも特養入所が必要な人が待たされるのは気の毒やと思う」と言う。
  女性の母親は80代で要介護3。今までは介護サービスもほとんど使わず、1人暮らしをしてきたが、最近、調子を崩して入院。生活の見直しをしなければならなくなった。
  当面は介護保険のサービスを使って1人暮らしの予定だが、不安は大きい。日中はリハビリの手厚い施設でサービス(デイケア)を受けて過ごしてもらおうと考えたが、施設側から「要介護3では毎日は使えません。デイケアの前後に訪問介護を組み合わせると、限度額をオーバーします」と言われた。在宅の生活も難しく、かといって、適切なタイミングで入所できる感じもしない。
  「虐待を受けた人はすぐに入所できると聞きます。でも、要介護度が軽いなら、そういう人が集まって暮らせる場所があれば、代わりに重い人が特養に入れるかなぁと思ったりします」と話す。
  京都市の男性(66)からは「希望があれば、軽い人でも重い人でも、すぐに特養に入所できるように施設整備をすべきだ」という声が届いた。10年ほど前に認知症の母親の介護をした。「軽い人でも入れるようにしないと、家族は働くこともできない。その結果、日本の経済も衰退する」
*必要性の高さとは
 特養は本来、「待ったら入れる」ものではない。必要性の高い人が優先的に入所するのが原則。自治体ごとに入所基準があり、要介護度や緊急性の高さで点数化されている。
 だが、施設側にも事情がある。「重い人ばかりだと、介護職が疲弊してしまう。手のかからない人も一定程度いないと運営できない」(ある特養の施設長)のも現実。また、「全く面識のない人よりも、できればデイサービスやショートステイで本人と家族の状況がある程度分かる人を入れたい」(同)という意向もある。
 このため、利用者や家族からは「顔つなぎのためにデイサービスやショートステイを使っている」「いざというときのために施設のケアマネジャーと親しくしておく」という声が絶えない。膨大な待機者リストの背景には、入所が激戦で、要件が透明化しきらないこともありそうだ。
*自治体で異なる整備率と入所状況
 厚生労働省の調査では、特養の待機者は全国で52.4万人。同省は特に「要介護度4、5」の重度で、自宅にいる8.7万人の待機が問題とする。
 「もっと特養を」との声もあるが、特養の整備率は自治体によって事情が大きく異なる。65歳以上の高齢者1人当たりの定員を見ると、不足が著しいのは、愛知、千葉、大阪、埼玉、東京、神奈川などの大都市が並ぶ。地価が高く、高齢化のスピードが遅い地域で施設整備が遅れたためだ。だが、この地域は今後、急速に高齢化する。
 都道府県によって、新規入所者に占める要介護度の軽い人の割合も異なる。奈良県や北海道では、要介護1、2の人が新規入所の2割を超えるが、富山県や愛媛県では5%に満たない。
 軽い人の入所で多い理由は、(1)認知症で常時の見守り・介護が必要(2)家族による虐待がある(3)老老介護で経済力がない(4)独居で孤独感があり、本人も家族も入所を希望する−などが挙がる。だが、地域差の理由ははっきりしない。
 厚労省はこうしたデータを踏まえ、特養の利用を要介護度が重い人に重点化したい考え。今国会に提出中の法案に、入所を原則要介護3以上の人に重点化する方針を盛り込んだ。ただし、「やむを得ない事情で特養以外での生活が著しく困難と認められる」場合は例外とした。具体的には先の(1)、(2)のような事例のほか、知的障害・精神障害などがあって地域での安定した生活が困難なケースなどを挙げる。今後、詳細を検討し、指針を作成する。
 法律が成立すれば、来年4月から実施されるが、既に入所している要介護度の軽い人に退所を求めることはしない。
 特養も変わりつつある。複数の利用者が交互に特養の1ベッドを使うことで家での生活を支える施設もあれば、大規模施設を分散化した所もある。在宅サービスの充実や低価格の住まいの整備に並んで、柔軟な施設利用も課題になっている。
 最終更新:4月20日(日)12時2分
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
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