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認知症男性の列車事故死でJR東海が上告 約360万円の支払い命令を不服として

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認知症男性事故死でJRが上告
 NHK NEWS WEB 05月08日 19時28分
 7年前、愛知県の91歳の認知症の男性が、電車にはねられて死亡した事故をめぐり、JR東海が、遺族に賠償を求めた裁判で、2審の名古屋高等裁判所が、長男の責任を認めず、85歳の妻の責任を認めて賠償額を、1審の半額にした判決について、JR側は不服として最高裁判所に上告しました。
 平成19年、愛知県大府市のJR共和駅の構内で、近く住む、認知症の91歳の男性が電車にはねられて死亡し、JR東海が事故で生じた振り替え輸送の費用など、約720万円の賠償を遺族に求めました。
 1審は、遺族である、男性の長男と当時85歳の妻の責任を認めて、賠償を命じましたが、4月、2審の名古屋高等裁判所は、長男について「20年以上、別居して生活しており監督義務はなかった」として責任を認めませんでした。
 妻については「配偶者として男性を見守り、介護する、監督義務があったが監督が十分でなかった」として責任を認めたうえで、JR側にも監視が十分でない点があったなどとして、賠償額を、1審の半分に減額して、約360万円の支払いを命じました。
 この判決を不服として、JR側は8日、最高裁判所に上告しました。
 一方、遺族側の上告の期限は5月12日となっています。
 ◎上記事の著作権は[NHK NEWS WEB]に帰属します
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〈来栖の独白〉
>賠償額を、1審の半分に減額
 高裁判決のおりも、「減額」といった言い回しで報道するメディアがあった。が、これはどうか。問われているのは賠償額ではなくて、「介護」の問題ではないのか。凄まじい勢いで進む高齢化、社会(人間のありよう)・・・といった、優れて人間存在の深いところに根差す問題だ。賠償額を言うなら、「360万円程度なら」と受け止める人たちも居よう。が、360万円は92歳の妻に、そしてこの家族に、どうか。360万に窮しない境遇であったなら、在宅で男性を看るという生活を採らなかったのではないだろうか。昨日も今日も新聞紙上には、金さえ出せば本人も家族も楽にやっていける高級老人ホームの広告が躍っている。
 現在92歳の妻に支払いを命じる裁判官も現場(人間の困窮)を知らぬ「お坊ちゃんボケ」裁判官なら、上告するJR東海も「人間音痴」だ。判例というものは、当該案件のみならず、今後の裁判や世の中の動向に影響を及ぼしてゆく。暗澹たる思いに閉ざされる。
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認知症男性の列車事故 妻(92歳)に360万円損害賠償命令 名古屋高裁 長門栄吉裁判長 2014-04-24 | 死と隣合わせ/life/高齢者 
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