珍協議会(地球の裏とは何処や)、そして、救国の新党 西村真悟
眞悟の時事通信 2014年6月9日月曜日
時々思い出して、笑うことがある。それは、自民、公明の「安全保障法制整備に関する与党協議会」に関すること。
この名前が仰々しい「協議会」は、自衛権に関する議論をしているのであるが、以前、このメンバーは、我が国は自衛権を「地球の裏側」で行使することはない、ということで妙に一致した、と報道されていた。
この報道を観て、思はず笑った。こいつら、アホか、と。地球は、丸いんだ。裏も表もあるものか。
まして、先端に核を搭載したICBM(大陸間弾道ミサイル)は、地球上の何処からでも我が国に向けて飛ばすことができる。
赤道上の地球の周囲が四万キロメートルだから、我が国から二万キロメートル彼方が地球上で一番遠いのだが、そこにICBMを配備し、十日後の現地時間午前十時に我が国目がけてICBMを発射して三十分後に東京に着弾させる、と某国が宣言しても、そこは「地球の裏」だから座して死を待つらしい。あきれた連中である。
その他、珍協議で気付いたことを述べておく。
「集団的自衛権を行使する」ことを、憲法解釈の「変更」とか「解釈改憲」だとか言っている。
しかし、言葉は正確に使わねばならないとするならば、これは「是正」とか「正常化」と言わねばならない。
何故なら、「我が国は集団的自衛権は保有しているが、行使できない」という憲法解釈は「間違い」であり「異常」である。
従って、その「間違い」や「異常」を正すのは「是正」であり「正常化」である。
法解釈の間違いによって、国家と国民に惨害が及ぶならば、その解釈を「是正」するのは、政治家の責務ではないか。
よって、「地球の裏」と言っているレベルの与党のなかで、法解釈の「是正」に動いた安倍総理は、よく其の責務を果たそうとしていると賞賛すべきだ。
なお、「あるが行使できない権利」などない。権利は「あれば行使できる」。これ、当たり前、ではないか。
警察は「犯罪」に対処し、自衛隊は「国家主権の侵害」に対処する。
前者は、国内法に基づいて任務を果たす。後者は、国際法規及び慣例に基づいて任務を果たす。
よって、前者は、法律に書いてあることはできるが(ポジリスト)、
書いていないことはできない。
後者は、法律に書いていないことはできるが、
書いていること(禁じた事)はできない(ネガリスト)。
与党の「協議会」の面々は、ポジリストとネガリストの区別がつかないので、警察と軍隊の区別がつかずに議論を迷走させているのではないか。
グレーゾーンは、法律の欠落部分だから、何もできない、などど議論していると、相手は、「グレーゾーンを偽装して」攻めてくる。
歴史を振り返れば、隣国の常套手段は、便衣兵を繰り出して攻勢をかけてくることではないか。なお、便衣兵とは、平服を着た漁民や農民を装った兵士で、武器を隠し持つ群れ。
グレーゾーンは、ネガリストで対処する領域である。即ち、「国家主権の侵害」だ。
警察が「犯罪」として裁判所の逮捕状や捜索差押令状をとって「捜査」し裁判所に「起訴」して解決する領域ではない。
そこで言っておく。
北朝鮮による日本人拉致は、グレーゾーン事態である。即ち、「国家主権の侵犯」なのだ。
ところが、我が国政府は、「犯罪」として対処している。従って、百名を超える日本人が拉致されているのに、政府は十七名しか拉致被害者と認定していない。
その理由は、警察が刑事司法手続き上、証拠等を検討して裁判で「有罪」と認定されえるかどうかを点検して「拉致と認定」しているからである。
拉致犯人は、北朝鮮の金正日から、日本人拉致の指令を受けて日本に潜入してきた特殊訓練を受けた北朝鮮の工作員である。従って、余り証拠を残さず、任務を遂行している。だから、十七名しか拉致被害者と認定できないのだ。
従って、北朝鮮の日本人拉致は、「国家主権の侵犯」という次元で対処すべきである。
与党内の「協議会」が続いている。
この際、この珍協議を切っ掛けとして、抜本的な国防思想の転換、コペルニクス的転換、を実行しなければならない。
それができなければ、迫りくる危機を克服できず、我が国は、亡国に至る。このことに関しては、次回発売の雑誌「正論」からの要請により、少々長文の拙稿を本日「正論」編集部に送信した。ご購読いただければ幸甚である。
また、この度の、石原慎太郎さんと平沼赳夫さんを中心とする真の保守勢力結集の旗揚げは、この危機克服の為の歴史的使命を果たさんとする日本に残された最後のチャンスである。
もちろん私は、前航空幕僚長の田母神俊雄さんと共に新党結成に参加する。
来る六月十五日に堺で開催する田母神俊雄さんとの時局講演会において、諸兄姉に私らの志をお伝えしたいい。
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◇ 『帝国の終焉』(「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ)日高義樹著 2012年2月13日第1版第1刷発行 PHP研究所
〈抜粋〉
p173〜
ヨーロッパで言えば、領土の境界線は地上の一線によって仕切られている。領土を守ることはすなわち国土を守ることだ。そのため軍隊が境界線を守り、領土を防衛している。だが海に囲まれた日本の境界線は海である。当然のことながら日本は、国際的に領海と認められている海域を全て日本の海上兵力で厳しく監視し、守らなければならない。尖閣諸島に対する中国の無謀な行動に対して菅内閣は、自ら国際法の原則を破るような行動をとり、国家についての認識が全くないことを暴露してしまった。
日本は海上艦艇を増強し、常に領海を監視し防衛する体制を24時間とる必要がある。(略)竹島のケースなどは明らかに日本政府の国際上の義務違反である。南西諸島に陸上自衛隊が常駐態勢を取り始めたが、当然のこととはいえ、限られた予算の中で国際的な慣例と法令を守ろうとする姿勢を明らかにしたと、世界の軍事専門家から称賛されている。
冷戦が終わり21世紀に入ってから、世界的に海域や領土をめぐる紛争が増えている。北極ではスウェーデンや、ノルウェーといった国が軍事力を増強し、協力態勢を強化し、紛争の排除に全力を挙げている。
p174〜
日本の陸上自衛隊の南西諸島駐留も、国際的な動きの1つであると考えられているが、さらに必要なのは、そういった最前線との通信体制や補給体制を確立することである。
北朝鮮による日本人拉致事件が明るみに出た時、世界の国々は北朝鮮を非難し、拉致された人々に同情したが、日本という国には同情はしなかった。領土と国民の安全を維持できない日本は、国家の義務を果たしていないとみなされた。北朝鮮の秘密工作員がやすやすと入り込み、国民を拉致していったのを見過ごした日本は、まともな国家ではないと思われても当然だった。
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珍協議会(地球の裏とは何処や)、そして、救国の新党 [眞悟の時事通信]
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