「菓子盗み食いした」4歳長女縛る…大人になりきれない親たち
産経デジタル 2014.7.11 12:00 【衝撃事件の核心】
4歳の女の子に自分のお菓子を食べられ、腹が立った−。子供同士のけんかの理由かと思いきや、そうではないという。長女の両手足首を結束バンドで縛ってけがを負わせたとして、大阪府警が今年5月、傷害容疑で大阪府東大阪市の母親(22)と内縁の夫の男(22)を逮捕し、同6月に大阪地検が同罪で2人を起訴した。ポテトチップスにチョコレート、クッキー…。自分たちが買い込んでいたお菓子をたびたびつまみ食いされ、注意をしたが言うことを聞かないため、2人は「しつけ」の一環として長女を縛ったとされる。
どんな動機であれ虐待は許されないが、まるでペット感覚の発想だ。しかし、過去には育児放棄の動機が「義母に似てきたから」と指摘されたり、「彼氏に会いたい」と子供をトイレに置き去りにしたとして逮捕されたりした母親もいた。大人になりきれていない親が多くなってきたのだろうか。
■両手足を緊縛し全治3週間
「子供の具合が悪い」。昨年7月、府内の病院に、母親と内縁の夫の男に伴われて4歳の女児が訪れた。診察にあたった医師は、両手首と両足首にくっきりと浮かんでいたひも状の皮下出血を確認すると、すぐに虐待を疑ったという。
母親と男の起訴内容は、当時4歳だった長女が2人のお菓子を食べることなどに立腹。平成25年7月初旬〜同19日ごろ、同居する大阪府東大阪市内の自宅マンションで、長女の両手首と両足首をプラスチック製の結束バンドできつく緊縛する暴行を加え、手と足に全治約3週間の外傷性皮下出血の傷害を負わせたとしている。
捜査関係者によると、被害にあった長女は、母親の連れ子。母親と男は24年夏、飲み会で出会って親密になり、昨年2月から3人で暮らし始めた。
当時、男は工場勤務をしていたが、同居から数カ月後の昨春、バイクを運転中に事故を起こして退職。それ以降は保険金を切り崩して生活するように。同年夏ごろには、自宅マンション前の路上に軽乗用車を止め、車内で3人が寝ている様子も目撃されており、近所の住人は「車内でエアコンをかけて涼んでいるのか」と感じたという。
■「お菓子を食べられ腹が立った」
生活が一変し始めたこのころから、夫は長女を殴るなどの暴力を振るい始めた。 母親が加担することもあったといい、保護されたとき、長女の腹部には数カ所にわたってあざが残っていた。
一家の異変は周辺住民も感じ取っており、マンション近くに住む40代女性は、深夜に何度か女の子の悲鳴を聞いていた。「お腹が痛い」と叫ぶこともあったという。
こうした変化の延長線上にあったのが、子供の手足を結束バンドで縛るという行動だったのか。だが、事件でもっとも奇異だったのは、虐待の動機だった。
「昼寝をしている間に自分たちのお菓子を食べられた。注意したが、何回も繰り返されたので、縛った」
逮捕後、大阪府警の調べに2人はこう供述した。
元々、お菓子が好きだったという2人。自宅にポテチやチョコなどを大量に買い込んでいたが、長女が食べてしまうため、子供が届かない棚の上などに保管していたという。
しかし、2人が昼寝しているときや不在のとき、長女は棚によじ登るなどしてお菓子を取り出し、こっそりつまみ食いしていた。このことに気付いた2人は、自分のお菓子を食べられたことに立腹し、長女の両手を結束バンドで拘束。最初は緩めだったが、長女がつまみ食いを繰り返すたびにエスカレートし、両手、両足ともに縛るようになったとされる。捜査関係者によると、長女は長い場合で30分以上緊縛されていたという。
■「彼に会いたくて」「義母に似てるから」
わが子にお菓子をつまみ食いされたから−。大人げない物言いは驚くばかりだが、同じような幼稚な動機で子供を虐待したりするケースは、ほかにもある。
今年3月、JR新大阪駅(大阪市)のトイレに1歳の長女を置き去りにしたとして、母親が保護責任者遺棄容疑で逮捕されたが、調べに「彼氏に会いたくて置いて行った」と供述。その後、不起訴になったが、女児と離れて暮らすことを余儀なくされたという。
また、奈良県では平成22年3月、当時5歳の男児を餓死させる事件があった。両親が保護責任者遺棄致死罪に問われたが、母親の裁判員裁判の公判では検察側が冒頭陳述で「男児の表情や声が、折り合いの悪かったしゅうとめに似ていると感じたため、十分な食事を与えなくなった」と主張。母親は懲役9年6月の実刑判決を宣告された。
なぜ、こうした親が後を絶たないのか。子供を襲う虐待をどうすれば防げるのだろうか。
関西学院大の才村純教授(児童福祉論)は前提として「昔と違って今の家庭は地域的に孤立している」とした上で、「昔は子供がいたりすれば、近所の人が集まり、あやしたりしつけたりした。しかし、今はそういう機会がないので、子供のしつけ方を学ぶ経験が少ない」と指摘する。
こうした状況を改善するためとして「ペアレント・トレーニングなどが必要」と提言。才村教授によると、ペアレント・トレーニングは、親に子供への正しいしつけを身に付けさせるもので、子供のほめ方や自身の感情をコントロールする方法などを学ぶ。海外では虐待をしてしまう親の更生プログラムにも取り入れられているという。
一方、大阪市の児童相談所長を務めたことのある花園大の津崎哲郎特任教授(児童福祉論)も同様の意見だ。「十分に親になるためのプロセスを積まないまま、育児を始めた未熟な親があまりにも多い」と分析し、「学校で乳児とふれあう体験学習を充実させるなどの対策を取ることが必要ではないか」と話している。
◎上記事の著作権は[ iZa ]に帰属します *リンクは来栖
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〈来栖の独白〉
体は大人でも、心は子ども。戦後、アメリカによりおかしな教育が施され、間違った個人主義(自分中心)、権利主張のみが突出した。隣人のために、国家のために、なんていうと、右翼と揶揄される。「グルメ」だの「・・・女子」だのと、獣や幼児ばかりが横行する。「ゆるキャラ」も、幼児性の象徴。かくて、日本はアメリカの思惑通り、平和ボケ国家となった。
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