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佐世保高1〈松尾愛和さん〉殺害事件.少女A、神戸連続児童殺傷事件.酒鬼薔薇と病理は類似 サイコパス

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専門医は"サイコパス"と分析 佐世保同級生殺人 少女Aと父の愛憎16年
 (週刊朝日 2014年08月15日号配信掲載) 2014年8月6日(水)配信
 長崎県佐世保市で少女A(16歳)が幼なじみのクラスメートを殺害し、遺体を解体した事件の衝撃が広がっている。エリート一家に育ち、東大を目指していた少女はなぜ、むごたらしい“猟奇殺人”を誕生日前日、決行したのか。その“鍵”は、最愛の母の死からわずか数カ月後、再婚した父への愛憎にあった。
 少女Aの一家と家族ぐるみで昔から親交がある男性が、本誌記者に声を潜めてこう打ち明けた。
「実は今年になって、Aちゃんが父方の祖母の養子になっているようだと聞いて、本当に驚きました。実母が昨年10月、がんで亡くなって数カ月後に父親が若い女性と交際し始めた。Aちゃんは今年3月、金属バットで父親を殴り、ケガをさせるという事件を起こした後、不登校になった。そんな状態なのに5月、父親が年の離れた若い女性と再婚したので、子育てを放り出したんじゃないかとずっと気になっていた。そしたらとんでもない事件が起こってしまった」
 少女Aの父親の仕事関係の知人も、このように証言する。
「実母が亡くなった後、Aちゃんはおばあさんの籍に入ったと聞いたことがあります。相続税対策などもあったのかもしれないが、Aちゃんにはショックだったと思います」
 母の死、父の再婚など激変する家庭環境の中で少女が選んだのは、あまりに破滅的な行為だった。
 7月26日、少女Aは幼なじみのクラスメート、松尾愛和さんと一緒にショッピングをした後、一人暮らししていた自宅マンションに寄るよう誘った。
 一緒にテレビを見ていた午後8時ごろ、被害者の後頭部を突然、ハンマーで何度も殴った上、犬用のリードで首を絞めて殺害。あらかじめ用意していたノコギリ、包丁などで遺体の一部を切断した。長崎県警関係者がこう言う。
「少女は別段、動揺もせず、淡々と取り調べに応じている。被害者に恨みはなく、『不登校の私をいちばん気にかけてくれた。一学期、ほとんど学校に行かなかった時も行こうと何度も誘ってくれて感謝している』などと供述しています。そんな友人になぜ、あんな残忍な行為をしたのか、さっぱり理解できない。遺体の首と左手首をノコギリで切断。腹部にも深い切り傷があった。刃渡り25センチほどの小さいノコギリでここまでやったのかと、ゾッとしました」
 少女Aは「人を殺し、遺体をバラバラにしてみたかった」とも供述し、殺害現場のマンションの部屋からは、人体の仕組みを描いた医学書が見つかっている。
 あまりにむごたらしい動機を知った同級生の保護者は動揺しながらこう言う。
「被害者のお通夜に行きました。お顔はちゃんと見られましたが、ご遺体の首には白い布が巻いてあり、生々しくて……。同級生の女の子らは見ていられないぐらい泣きじゃくり、過呼吸になって運ばれる子、泣き叫ぶ子などもいました」
 少女Aと被害者の幼なじみの男子同級生の証言。
「Aは小学校の頃、男の子と一緒によく遊んでいたが、気立てがよく、優しい被害者とは特に仲がよかった。小学6年生の頃、Aはクラスメートの給食に漂白剤などを入れる事件を起こし、不登校になった。その時も被害者が家に行き、『学校へ行こう』と誘っていた。理解ある友人を手にかけるなんて許せない……」
 関係者の衝撃がひときわ大きかったのは、少女Aの実家が、佐世保市内では名の通ったエリート一家だったからだ。
 53歳の父親は、早稲田大学卒。弁護士として市内でも最大規模の法律事務所を構える。地元に本社を置く「ジャパネットたかた」などを顧客に持ち、かつて全国高額納税者名簿にも名を連ねていた。現役のスピードスケート選手として国体の県代表に何度も選ばれるなど、スポーツでも名を知られていた。
「弁護士としては佐世保で一番のやり手。事務所にはイソ弁を何人も入れて、仕事は順調なようでした」(地元の自営業男性)
 父親が駆け出しの頃にイソ弁として働いたのは、元農水相で弁護士の山田正彦氏の事務所。山田氏はこう振り返る。
「彼は優秀で、4〜5年で独立した後も私の選挙を手伝ってくれていた。5年ほど前に市長選出馬を勧めたけど、『今はまだ考えていない』と断られました」
 一方、昨秋に51歳で病没した実母も、東京大学卒と高学歴。父は地元新聞社の幹部で、主婦として市の教育委員を務め、NPO法人の運営にも携わり著書も出版するなど、周囲に広く慕われる存在だった。
 教育にも熱心だったようで、長男は東京の有名私立大学に進学。少女Aも成績優秀で、父とともにスケートの県代表として国体に出場したり、版画やポスターのコンクールで入賞したりするなど、「文武両道」の才児だった。母方の祖父の知人がこう語る。
「Aちゃんは自慢の孫だったようで、『娘も東大だったから、孫も東大に行くと思う。勉強だけじゃなく、スポーツも万能』と嬉しそうに語っていた」
 また、同級生の母親もこう語る。
「小学校の時、先生が漢字の細かな点を間違ったら、即座に指摘していたそうです。成績はいつも満点に近く、自分から『東大に行く。お父さんが早稲田だったから、それより上は東大だけ』と言っていた。先生も『すごく頭の回転が速い。桁違い』と舌を巻いていました」
*二面性ある少女  不安漏らした母親
 口数が少なく、性格は物静かだったというが、多くの知人が指摘するキーワードが、少女Aの「二面性」だ。小学校時代に同級生だったという男子高校生は、こんな場面が印象に残っているという。
「運動会の練習でうまくやれない子を、できるまでずっと懸命に助けてあげていた。その時、Aちゃんと一緒に手助けしていたのが被害者でした」
 優しい一面の一方で、この男子高校生は、まったく別人のような少女Aも目撃している。
「足を踏まれたとか、水がかかったとか、ささいなことでぶちキレる。キレた相手の筆箱や鉛筆をゴミ箱に捨てたり、椅子に座っていると無言で机を押し付けたり、『なんでそこまで?』っていうところがあった」
 小学校の頃から小動物への虐待も目撃されていた。
「子どもから聞いた話ですが、小学校の時に公園のアリの巣に手を入れて、出てきたアリを一匹残らず踏みつぶそうと周囲が見えないほど夢中になっていて、怖かったそうです。トカゲの尻尾を持って木にぶつけて殺していたこともあったらしい。生き物に執着があったみたいですね」(前出の同級生の母親)
 そして小学校6年生だった2010年12月、前述した同級生の給食に漂白剤などを混入する事件を起こし、登校しなくなった。母親は関係者に土下座せんばかりに謝って回ったという。
 中学校では再び登校を始めたものの、生き物への残虐行為はエスカレートする一方だったようだ。前出の同級生の男子高校生は、こんなやり取りを振り返る。
「『ネコの目って知ってる? コロコロしているんだ』とAが言うので、なぜ、そんなことを知っているのかと尋ねたら、『ネコの首を掴んで、目をえぐって取った。足をナイフで切ろうとしたが、なかなか切れんかった』と表情一つ変えずに言った。ネコはエサを使っておびき寄せた、と説明し、頭のいいAらしいと思ったが、ドン引きした」
 少女Aの母親は生前、同級生の保護者にこんな不安を漏らしていたという。
「親でも想像できないいたずらをし、その度が最近、超えていて困っている。人にいたずらを見せて喜ぶようなところがある。私の前ではおとなしくしていたが、お友達にひどいことをしても、『それみたことか』と逆なでするようなことを平気で言う。うちの子は人の気持ちがまったく理解できないみたい」
 娘の行く末を案じていた母親に異変が起こったのは、Aが中学3年だった昨夏。すい臓がんで余命わずかと宣告されたのだ。
「亡くなる1カ月前、ご自宅に伺ったら、Aちゃんは一生懸命、お母さんの介護をしていました。『ありがとね』とお母さんは私にも気丈に言っていたのですが……」(母親の友人)
 母親は約100日の闘病生活の末、昨年10月28日に息を引き取った。会場に入りきらないほどの参列者が訪れた葬儀では、少女Aの父が約40分にわたって、涙ながらに妻との思い出を語ったという。
「旦那さんは『妻は本当に素晴らしい女性だった』と号泣していた。奥さんのこれまでの功績についての展示もあり、感動的な式でした。Aちゃんは少し看病疲れが見えたけど、しっかりしていた」(同)
 少女Aは目を真っ赤にして、涙をこぼしながら、母の棺にすがりついていた。
 ところが、母親の死を境に、父親との関係が急速に歪み始める。
「寂しさを紛らわすためなのか、父親は若い女性と頻繁に食事するなど夜の街を出歩く機会が増えた。今年初め、お見合いで知り合ったという東京在住の30代前半の女性が佐世保に来るようになりました」(一家の知人)
 親子関係は次第に悪化していく。今年1月末に開かれたスケート競技に父子で出場した際、二人は激しくぶつかったという。
「会場でAちゃんとお父さんは大げんかして、周囲の人が『何があったのか』と振り返るほどでした。Aちゃんは『足が痛い』と試合を棄権し、お父さんの言うことをまったく聞かなくなった」(前出の知人男性)
 確かに当時の報道を見ると、前日には出場していた少女Aは2日目の種目を足の故障で棄権している。
 少女Aは3月、そんな父親を金属バットで殴り、負傷させる事件を起こす。
「2月にAちゃんと父親と食事した時は普通の親子関係に見えた。だが、父親への暴力が激しくなり、家族は身の危険を感じていたようです。『9月からオーストラリアへ留学する』というAちゃんにその準備のためと、一人暮らしをさせたと聞いた」(前出の一家の知人)
 今年4月、少女Aは中学と一貫校の県立高に進学したが、1学期はほぼ不登校状態で、3日間しか登校していない。進学を機に、事件の現場となったマンションの一室で、一人暮らしを始めたのだ。
*キムタク髪の父 一周忌前に再婚
 少女Aと入れ替わるようにやってきた、芸能関係の仕事にもかかわっているという華やかな女性と、父親は5月に結婚。地元繁華街を2人が一緒に歩く姿を周囲はとまどいの目で見ていた。
「奥さんの誕生日に合わせて結婚して、新妻のプロフィルを書いた紙を周囲に渡していた。『ピアノが得意』とか、『ソフトバンクのCMの犬の演技指導をしている』とか誇らしげに書いてありましたが、まだ前妻の一周忌も済んでいないのに早すぎではないかと、周りは心配していたんです」(前出の知人男性)
 さらに、知人女性はこう語る。
「ピアノや乗馬など共通の趣味があるので交際に至ったと聞きましたが、『自分の子どもが欲しい。だから、年齢が若い子が良かった』とも言っていた。新しい奥さんとの子どもを待望していたようです」
「前妻の一周忌を終えた秋にはハウステンボスの高級ホテルで結婚式を挙げる」と妻は待ち遠しそうに知人に語っていたという。
「新しい奥さんは、家の地下にあるピアノ部屋で、何度か父親と一緒に連弾していたそうです。地下室はAちゃんの実母のリクエストでピアノ部屋にし、夫婦で連弾をしたり、実母がAちゃんにピアノを教えていた思い出の場所。Aちゃんからしたら複雑な思いだったのでは」(前出の知人)
 父親はもともと活発な人物だったようで、長男の受験と同時期に10代の受験生が通う佐世保市内の学習塾に通い、11年には九州大学を受験し、入学したという。
「学内に茶髪の中年男性がいて、リアル『ブラック・プレジデント』(ワンマン企業の中年社長が大学に通うテレビドラマ)だと話題になっていた。ピアノ、トライアスロン、ゴルフのサークルに入っていて、ゴルフのスコアは100を切っているから断トツにうまかったと聞いています」(九大の学生)
 多忙な弁護士業をこなしながら、サークル活動にいそしむキャンパスライフ。周囲には「若い人と交流して、自分をリフレッシュできた」と語っていたという。前出の知人女性が語る。
「茶髪にロン毛で、片目にかかるように流す髪形はキムタクにそっくり。実際、キムタクがサーファー風の髪形になった時期は本人もそうなったし、『似ていますね』と言うと喜ぶから、意識しているのでは。体も鍛えていて若々しいから、普通の50代とはかなり違いますね」
 母の死後、少女Aは英語のスピーチ大会で「マイ・ファザー・イズ・エイリアン」と語り、周囲を驚かせたという。
 そして7月26日夜、悲劇は起きた。少女Aが凶行に及んだ同じ時間帯、父親と妻の姿は、取引先の納涼会の場にあった。
「その夜、父親は人前で新しい妻とベタベタし、周囲の顰蹙(ひんしゅく)を買っていたそうです」(知人)
 娘の凶行について知り得る術はなかったとは言え、皮肉な巡り合わせである。
 本誌は父親の法律事務所に少女Aの養子縁組や事件当日の父親の行動について確認したが、「何もお答えできません」と話すのみ。
 一方、少女Aに接見した弁護士は7月31日、「父親の再婚について、初めから賛成していた」「父親を尊敬している」など、これまでの報道への反論を各報道機関に配布した。捜査関係者はこう言う。
「Aは、父はとんでもない人で嫌いだと言うこともあれば、優しいと言うこともあり、揺れている。父に面会に来てほしいという話はしていない」
*元医療少年院院長ら語る「親ができること」
 小学校時代から次第にエスカレートする少女Aの攻撃性を亡き母など家族や周囲は危惧。6月には相談を受けていた精神科医が県の児童相談所に「放っておけば、人を殺しかねない」と相談したが、放置され、事件は起こった。
 危険を親が事前に察知していた点では、2000年に当時17歳の少年が引き起こした「西鉄バスジャック事件」に類似している。佐賀市から福岡市に向かう高速バスに牛刀を持って乗り込み、女性1人を刺殺し、女性2人に重傷を負わせた事件だ。当時、少年の母親から助けを求められた精神科医の町沢静夫氏はこう言う。
「母が『鍵をかけてあった息子の部屋に入ると、包丁、ナイフ、牛刀が並べてあって、殺せ殺せと聞こえると記された紙があった』と相談を受けた。家庭内で解決できる問題ではないと捉え、入院治療を勧めました。今回も前兆があったのだから、時間をかけた入院治療が理想的だったと思う」
 町沢氏は、神戸で当時14歳の少年が男児の首を切って中学の校門の前に晒した酒鬼薔薇事件と少女Aの病理は類似しているとも言う。
「動機は殺して遺体をバラバラにし、快感を感じているので、『サイコパス(精神病質)』と言えます。極端に冷酷で感情が欠如しており、他人に対して思いやりが乏しいことが特徴。先行して動物を虐待している点も共通しています」(町沢氏)
 少年犯罪で多くの精神鑑定を手がけた上智大学名誉教授の福島章氏(犯罪精神医学)はこう指摘する。
「思春期の女の子が、母親の死を理解するには時間がかかるのに、父親は数カ月で再婚してしまい、その事実についていけなかったのではないか。父の愛情を失い、感情の動きが激しくなったため、事件の引き金になったと考えられます」
 長崎地検は少女Aの精神鑑定を実施するため、今後、鑑定留置する方針だ。少年犯罪に詳しい関西学院大名誉教授の前野育三氏は言う。
「解剖への興味が強くて人格的に大きな歪みがあるようなので、医療少年院に送致される可能性が高い。神戸の事件でも、医療少年院送致になり約7年の矯正教育が行われました」
 神戸の事件で少年の矯正教育に携わった関東医療少年院元院長で精神科医の杉本研士氏はこう言う。
「人はまず、生理的欲求を満たそうとし、次いで承認され愛されることを求めます。ケンカなど人間関係の程よさというものは原則、家庭で学ばなければならない。少女Aは複数回、小学生時に漂白剤を給食に混ぜ込んだというが、家庭で徹底的に問題を掘り下げただろうか。家庭が機能不全のまま、少女はグロテスクな欲望を発展させたのだろう。模擬家庭なりを作って何年もかけて“育て直し”をするしかないと思う」
 少女Aのようなモンスターを育てないため、まず、ものの善悪、他人に共感するという情緒を幼い頃からしっかりと教えることが重要だという。だが、少女Aは数年後には社会復帰するが、その一方で殺害された被害者の命は二度と戻らないという不条理がある。
「私達の最愛の娘の命と将来をうばった犯人を決して許すことはできません」(被害者の両親のコメント)
 少女Aの父親は被害者の両親に謝罪を申し出たが、「お断りしています」(弁護人)という状態が今も続いている。
  本誌・今西憲之、上田耕司、山岡三恵、小泉耕平、牧野めぐみ
 ◎上記事の著作権は[@niftyニュース]に帰属します *リンクは来栖
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【「少年A」この子を生んで…】神戸連続児童殺傷事件・酒鬼薔薇聖斗の父母著 文藝春秋刊1999年4月 2014-08-09 | 本/(演劇)  

      

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佐世保・高1女子殺害:容疑の少女「人を殺してみたかった」/ 「お母さんの事、どうでもいいのかな」 2014-07-28 | 社会  
佐世保高1〈松尾愛和さん〉殺害事件:加害少女の狂気を強めた父親の素行/「報道は事実と異なる」と弁護人 2014-08-01 | 社会 
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