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佐世保高1〈松尾愛和さん〉殺害事件 囁かれる「性的サディズム」…惨劇を防ぐことはできなかったのか

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【衝撃事件の核心】少女の凶行に囁かれる「性的サディズム」…人体を解体したかったという異常欲求、長崎同級生殺害の惨劇を防ぐことはできなかったのか
 産経ニュースwest 2014.8.12 07:00 
 15歳の女子生徒は背後から殴られ、倒れたところで首を絞められ、窒息死した。両親は「自分の身に何が起こったか分かっていないだろう娘が、ただただかわいそう」と涙を流した。長崎県佐世保市で起きた同級生殺害事件は、遺体を切断するという凄惨さに社会が震撼した。「ネコを解剖するうち、人で試したくなった」。殺人容疑で逮捕されたクラスメートの少女(16)の供述はにわかには信じがたく、精神鑑定を受ける見通しだ。ただ、少女の凶行は「予想外」の行動だったのか。専門家は「性的サディズム」の可能性も指摘するが、問題行動は小学生時代からすでに始まり、周囲もそれに気づいていたという。惨劇を防ぐ手立てはなかったのか、大人たちがその可能性を今になって問うている。
*優しく、明るい女子生徒が犠牲に
 「娘を忘れないでほしい」。佐世保市内の斎場で7月28日夜に営まれた通夜で、女子生徒の父親は涙ながらにあいさつした。夏用の制服に身を包んだ同級生たちの姿を見た両親は声を上げて泣き始めた。愛娘の姿が重なり、こらえていた悲しみがあふれ出たかのようだった。
 文学部を志望し、中高一貫校でまじめに勉強していた女子生徒は、歴史上の人物が好きで、戦国大名の本をよく読んでいた。話し始めるとにぎやかで明るく、所属していた写真部では後輩の面倒もよくみる優しい性格だったという。
 「決して許せない」。娘の命をまるで“人体実験”するかのように奪った犯人に対する両親の峻烈な思いは当然だ。
*がまんできずに犯行
 これまでの捜査で明らかになった事件の流れはこうだ。
 7月26日午後3時ごろ、約1週間前に少女に誘われた女子生徒は待ち合わせ場所で少女と会うため、自宅を出た。2人はファストフード店に立ち寄り、少女が一人暮らしをしていたマンションの部屋へ。
 テレビを見たりするうち、「我慢できなくなった」少女が、事前に購入していたハンマーやのこぎりを使って、午後8〜10時ごろ凶行に及んだ。
 遺体はあおむけにベッドに横たわった状態で発見された。ハンマーはベッドの脇、のこぎりはベッドの上でそれぞれ見つかった。人体図を載せた医学書が部屋から押収された。
 少女は女子生徒のスマートフォンをマンション敷地内の人目のつかない場所へ捨てた。
 そして翌27日午前3時20分ごろ、部屋を訪ねて来た捜査員に女子生徒の居場所を聞かれ、「えっ、知らんけど」ととぼけてみせた。
 服はきれいな状態で、返り血を浴びたであろう服から着替えていたとみられる。
 しかし、少女は任意同行された長崎県警佐世保署であっけなく殺害を認め、緊急逮捕された。「すべて私がやりました」。
*衝撃の供述、その心理の解明は
 逮捕後、衝撃の供述が次々と明らかになった。
 「ネコを解剖したり、医学に関する本を読んだりしているうちに、人間で試したいと思うようになった」
 「中学生のころから人を殺したい欲求があった」
「人体に興味があった。殺すために自分の部屋に2人で行った。遺体をバラバラにしたかった」
 少年犯罪に詳しい精神科医の町沢静夫氏は「『性的サディズム』の傾向がある」と少女の心の状態を分析する。性的サディズムとは、人や動物を殺したり、遺体を損壊したりする残虐な行為で快感を得る病的な気質神戸・児童連続殺傷事件で逮捕された当時14歳の少年の犯行に至った原因とされたことで、一躍知れ渡った言葉でもある。
 「今回の犯行には心理的な背景があり、その解明が捜査には欠かせない。精神鑑定をしっかり行うべきだ」と南山大法科大学院の丸山雅夫教授(少年法)は主張する。
 長崎地検は少女の精神鑑定を行う方針だ。
*異常行動、小学6年の頃から
 確認されている少女の最初の異常行動は小学6年生だった平成22年12月に起きていた。クラスメートの女児と男児の給食に計5回、異物を混入させたのだ。
 最初の4回は学習態度をめぐり口論になった女児への「憂さ晴らし」が動機で、水、ベンジン、液体漂白剤、靴用の洗濯洗剤を混入させた。最後の5回目は衣服用の洗濯洗剤を使ったが、なぜ男児を狙ったのか不明のままだ。
 まるで実験するかのように毎回、薬剤を変える一方、分量は0・3ミリリットルずつ同じ量を使っており、混入を繰り返すうち、憂さ晴らしから人体への影響に関心が移り、女児から男児へ標的を変えた可能性がある。
 小学生の“イタズラ”としては度を超しているようだが、佐世保市教委の担当者は「当時は問題意識を持てなかった」と話す。
 当時、少女は中学受験を控えており、心理面でストレスがかかっていたとみられるが、問題が発覚して学校側の指導が入ったことで、問題行動はいったんはおさまった。
 だが、それは表面上のことにすぎなかったのかもしれない。進学先の中学で、「少女が小動物の解剖をしている」との噂が広まったのだ。
*激変した生活環境
 中3だった昨年10月、少女は実母を膵臓がんで亡くした。母の死に際して感情を表に出すことはなかったが、落ちこんでいる様子だった。父親はまもなく再婚した。
 今年1〜2月には、父親とともに3歳から始めた冬季スポーツの全国レベルの大会に出場した。笑顔で取材に応じる父親のそばで、少女は無表情にカメラを見つめていた。
 3月、少女は父親を金属バットで殴り、重傷を負わせた。
 高校へ進学した4月、佐世保市内を一望する丘の上に建つ豪邸を出て、繁華街近くのタイル張りのマンションで一人暮らしを始めた。
 実母の死、父親の再婚、一人暮らし…。少女を取り巻く生活環境は昨年10月以降、激しく変化していた。
 「女性で性的サディズムの傾向がある場合、思春期に家族や友人など環境的な要因が加わると刺激されることがある」と町沢氏は分析する。教育評論家の尾木直樹氏も、少女の1人暮らしについて事件への影響を示唆する。「誰も話す相手がいないため悩みのはけ口がなく、孤独を深めてしまったのではないか」。
*少女の父親の「反論」
 こうした見方を否定するコメントを、少女の父親側は知人の弁護士を通じて発表している。7月31日の接見で「少女は父の再婚に賛成だった」「母が亡くなって寂しく、新しい母親が来てうれしかった。すぐに慣れ、仲良くしていた」という少女の思いを直接聞いたとしている。
 また、父親側は少女が一人暮らしを始めた理由については、3月に金属バットで殴られた後、精神科医に「同じ家に寝ていると、命の危険がある」と助言されたからだとしている。
 精神科医をめぐっては、事件前の6月10日、県の児童相談所に「このままいけば人を殺しかねない」と通報し、県側が相談を放置していたことが判明した。
 法律上、他人を傷つける恐れのある患者は指定医2人の診断に基づき、知事が措置入院させることが可能だ。緊急時には指定医1人の診断で72時間の緊急措置入院をさせることもできる。
 今後の捜査や家庭裁判所の調査で、少女をめぐる関係者らの対応の詳細が明らかにされるかもしれない。
 父親側の弁護士や書面によると、少女は7月23日、精神科に向かう途中、ネコを殺すのが楽しいという話を母親にした後、「人を殺したい」と打ち明けた。母親は精神科医にも伝えた。さらに、事件前日の7月25日、両親は入院措置を取れないか頼んだが、精神科医に難色を示され、実現しなかったとしている。
 精神科医は事件の約20日前に女子生徒がネコを殺していると両親に伝え、警察への相談も打診したが、25日の話し合いで警察への相談は見送り、児童相談窓口に連絡をとることで意見がまとまった。父親は県の児童相談所に電話したが、勤務時間外で対応を受けられなかったという。
 ただ、こうした内容は「あくまで父親本人が書いていること」(弁護士)といい、精神科医に裏付けを取っていないという。
 7月31日、弁護士を通じて少女の父親から面会や手紙で謝罪したいと伝えられた両親は短く答えていた。
 「お断りします」
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します  *リンクは来栖 
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【「少年A」この子を生んで…】神戸連続児童殺傷事件・酒鬼薔薇聖斗の父母著 文藝春秋刊1999年4月 2014-08-09 | 本/(演劇)  

      

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