落合GMで塗り替えた“月間敗戦記録”20敗
子連れで球場に足を運ぶファンも多い8月に、中日は20敗を喫した。落合博満ゼネラルマネージャー(GM)の下で、球団の月間敗戦記録を塗り替え、いつの間にか5位である。
セの月間20敗以上は、阪神が1990年8月に20敗して以来。しかも本拠地ナゴヤドーム初の、6連戦6連敗の不名誉な記録だ。
「中日は世代交代の時期なんですが、若手選手が伸びていないんです」
と語るのはスポーツライターの美山和也氏。
「仕方なく49歳の山本昌を1軍に昇格させたり、一度はクビにした川上憲伸と再契約したりしている。中軸の和田(一浩)もケガで戦列を離れましたが、和田の穴を埋める選手が出てこない。盗塁阻止率が急激に落ちた兼任監督の谷繁(元信)の後を継ぐ若手捕手も育っていません」
谷繁の昨季の盗塁阻止率は1割7分4厘。今季は2割5分(31日現在)まで戻しているが、最盛期5割を誇った強肩は見る影もない。
さる中日関係者によれば、
「森(繁和)ヘッドコーチは、一度ボロボロになったチームを立て直すのは難しいと嘆いていました。オーナーから全権を任されている落合GMは、谷繁に監督をやらせたけど、やはりダメだった、と漏らしています。しかし、仮に今季不本意な成績に終わったとしても、谷繁監督の責任は問わないつもりのようですよ」
谷繁は、選手としての出場試合記録が2977(同)で歴代2位。1位の野村克也の3017まであと40に迫っている。
「谷繁の新記録達成も落合GMの既定方針」(同)
野球評論家の有本義明氏はこう言う。
「夏休みの書き入れ時に20敗では、さすがにファンが許さないでしょう。新記録達成のため、衰えた谷繁を出場させ続けるなどもってのほか。落合が監督に戻るわけにもいかないだろうが、谷繁が監督を続けるのは無理があります」
ヤクルトにも抜かれたら、17年ぶりの最下位だ。
週刊新潮 2014年9月11日号 掲載
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