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「ハート(心)レス」な出来事 視覚障害者にとって、歩きスマホもまた大きな脅威ではないか

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【産経抄】「ハート(心)レス」な出来事 9月11日
 産経ニュース 2014.9.11 06:54
 エッセイストの三宮麻由子(さんのみや・まゆこ)さんは、小学2年のとき、先生から初めて白い杖(つえ)を渡された。幼い頃、病気で視覚を失った三宮さんにとって衝撃的な出来事だった。手を使わなくても前方が分かる。人に手を引いてもらわずに歩ける。「失った視力を取り戻したかのようにうれしかった」と振り返っている(『感じて歩く』岩波書店)。
 ▼以来、三宮さんは白杖(はくじょう)を使い続けている。もはや、単なる道具ではなく、体の一部といっていい。そんな大切な杖が、自転車や車と接触して折られることがある。相手が謝ってくれるのはまだいいほうで、「気をつけろ」と捨てぜりふを残して立ち去る輩(やから)もいるそうだ。
 ▼視覚障害者にとって、街中をスマートフォンに夢中になりながら歩く、歩きスマホもまた大きな脅威ではないか。彼らは当然、相手が道を開けるものと、心得違いをしている。埼玉県のJR川越駅構内で8日朝、何が起こったのか、詳しい状況は分からない。
 ▼県内の盲学校に通学していた全盲の女子生徒の白杖が、正面から歩いてきた人物にぶつかった。相手が転倒し、立ち上がる気配を感じた直後に、背後から右膝の裏を強く蹴られたという。女子生徒は、全治3週間のけがを負った。
 ▼7月には、さいたま市に住む全盲の男性が連れていた盲導犬が、何者かに刺される事件があったばかりだ。そのとき、「犯人は一体、どんな心のささくれの持ち主なのか」と書いた。もはや心そのものを失っている、人物の仕業としか思えない。
 ▼三宮さんは、全盲の自身の状態を、「シーン(風景)レス(無い)」という美しい造語で呼んできた。ちなみに「ハート(心)レス」という言葉は、辞書に載っている。「(人に)冷酷な」という意味である。
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します *リンクは来栖
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盲導犬刺され怪我、鳴き声我慢か 埼玉県警が捜査 2014-08-29 | 社会 
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