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朝日新聞 調査報道の花形「特報部」解体か 安保闘争の頃から反体制でごりごりに凝り固まってしまった

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朝日、誤報の“エリート集団”解体か 調査報道の花形「特報部」
 zakzak 2014.09.13
 朝日新聞が、東京電力福島第1原発事故の「吉田調書」をめぐる報道を誤報と認めたことで、関係者の処分に注目が集まっている。朝日社内では、吉田調書報道を行った「特別報道部」(特報部)幹部の更迭だけではなく、同部の解体まで浮上している。「調査報道の朝日」を掲げる同社において、特報部は各部のエース級が集まる花形部署だったが、“誤報製造機”の烙印を押されてしまった形だ。
 「吉田調書に関する処分に関しては杉浦の解任。それから、関係者の処分、処罰は厳正に行います」
 朝日の木村伊量(ただかず)社長は11日夜の記者会見で、杉浦信之取締役編集担当の解職を明らかにするとともに、吉田調書の報道に関わった関係者を「厳正に処罰」する考えを示した。
 処罰される関係者として、社内で取り沙汰されているのが特報部だ。ある朝日記者は「特報部の部長とデスクが更迭されると聞いている」と明かす。別の同社記者は「特報部の解体もあり得る。現在所属している記者は全員、もともといた部署に戻されるのではないか」と語った。
 特報部は、隠された事実を独自に発掘する調査報道の専門部署だ。2006年に「特別報道チーム」として発足し、11年に部へ昇格した。政治部や社会部など、各部署の優秀な記者20人前後が集められているという。13年には、国が福島第1原発付近で進める除染作業の手抜きをスクープし、新聞協会賞を受賞した。
 朝日関係者は、特報部の特色について「ひたすらホームランを狙う。言い訳みたいなバントヒットは狙わない」と解説する。同社のホームページでも「主体的にテーマを決め、納得のいくまで調べるオフェンス専門の記者集団です」と説明されている。
 所属記者は出社義務をほとんど課されず、自由に取材することが許される。経費も余裕があり、「京都で湯豆腐なんか食べたいね、という話になって京都で会議をやったこともある」(同部OB)という恵まれた環境だ。
 更迭が噂される特報部デスクは「手抜き除染」報道でも代表者として新聞協会賞を受賞している。政治部時代は、菅直人元首相や細野豪志元環境相に食い込み、菅氏が野党時代に衆院予算委員会で質問する前には、質問内容のアドバイスをするほどだった。
 このエリート集団が「手抜き除染」報道に続くホームランとして打ち上げたのが、吉田調書報道だった。
 今回の報道に関わった記者の人数について、前出の杉浦氏は「非常に流動的な取材班なので、何人と特定して人数をあげることはできない」と説明しているが、記事を書いた記者の署名の数をみると4、5人程度。中には福島第1原発事故時から一貫して取材に関わり、著書を出しているベテラン記者も含まれている。
 「取材にあたった記者たちは福島原発事故の取材を長く続けている、いわば専門的な知識を有する記者でした。その結果、取材班以外の記者やデスクの目に触れる機会が非常に少なく結果としてチェックが働かなかった」
 杉浦氏は11日の記者会見でこう説明した。ベテラン記者やエース記者が集まる精鋭集団であったがゆえに、編集幹部のチェックが行き届かなかったとすれば、朝日は「関東軍」の暴走を止められなかったことになる。同社全体の構造的、組織的問題が浮かび上がる。
 社長ポストに居座った木村氏は「編集部門の改革を行い、速やかに進退について判断します」と強調しているが、外部の視線は極めて厳しい。
 時事通信でワシントン支局長や外信部長などを歴任した田久保忠衛・杏林大名誉教授は「朝日をまともな新聞の原点に戻すべきだが、改革は難しい。安保闘争のころから反体制でごりごりに凝り固まってしまった。だからこそ、反原発のイデオロギーに染まって今回の誤報になった」と語る。
 朝日がその特異な体質を見直さず、特報部解体という“トカゲの尻尾切り”だけで事態を収拾しようとするなら、再生への道は絶望的だ。
 ◎上記事の著作権は[zakzak]に帰属します
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【良い、悪い集団的自衛権】反対論者たちは個別のケースごとに国会で堂々たる論陣を張れ 岡本行夫 2014-09-08 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉 
 【人界観望楼】良い、悪い集団的自衛権 MITシニアフェロー・岡本行夫
 産経ニュース 2014.9.8 03:13
 集団的自衛権に対しては、まっとうな反対論もあるが、「戦争の足音がひたひたと迫っている」という、例によっての巻き込まれ論も多い。1960年の日米安保条約採択の際にさんざんなされたあの議論だ。平和国家日本が米国の戦争に巻き込まれると。当時、ソ連のフルシチョフ首相は、安保条約を結べば日本は核攻撃を受けても文句を言えないと恫喝(どうかつ)した。しかし、岸信介首相が政治生命と引き換えに安保条約を成立させて以降、日本は戦争に近づいたか? 事実は逆だ。日本への攻撃は米国への攻撃と見なすという安保条約に守られて日本は稀(まれ)にみる平和の中に繁栄してきた。
 巻き込まれ論者は、今や国民の8割が支持する日米安保条約を読み返してほしい。条約は、日本は極東の平和のために、「米国に巻き込まれる」どころか米国を積極的に後方支援するという取り決めだ。台湾や朝鮮半島有事の際には、米軍機が日本の基地から発進して侵略国を攻撃することも想定されている。こうして極東に平和が50年以上も前から保たれてきた。
 一部マスコミの情緒的な反対は相変わらずだが、一方、政府も国民に無用の心配を与えなかったか。青竜刀でヒゲをそるようなことはなかったか。
 57年の最高裁大法廷は、日本が自衛の権利を有していることを明確にした。しかしその後の政府は、日本に認められている自衛権は「個別的」なものだけで「集団的」なものはダメと、作らなくてもよい区別を作り、その際「集団的自衛権」とは「他国の防衛をその内容とする」行為だと定義した。つまり、「日本が単独で自衛する以外の行為は、すべて他国を守る行為」と決めつけたわけだ。法制局の荒っぽい議論であった。
 憲法が認める日本の自衛行動の中には、単独ではなし得ないものもある。その場合には他国の支援を得るより仕方ない。例えば87年にイラン・イラク戦争でペルシャ湾通航が危うくなった際の日本タンカー群の防護。米国は大半が日本の船である民間船団の警護のための国際艦隊の編成を提唱した。しかし日本は、「集団的自衛権にあたるから無理」と断り、結局、他国の海軍に警護させた。この国際艦隊への日本の参加は「他国を守る」ためのものなのか? 日本タンカー群の中に1隻の外国船が混じれば、自衛隊は近寄ってはならないのか?
 これまで一律に排除されてきた集団自衛権の中には、このような「良い集団的自衛権」もある。その行使を可能にする今回の閣議決定は立派だ。しかし武力行使の中には憲法が認めない「悪い集団的自衛権」もある。日本の自衛とは呼べない武力行使の場合だ。例えばコソボやアフガニスタンでの地上戦争への参加だろう。つまり「集団的自衛権」には2種類あることを十分に国民に知らせたか?
 「良い集団的自衛権」と「悪い集団的自衛権」の区別は、誰がするのか。最終的には国会だろう。反対論者たちは、個別のケースごとに国会で堂々たる論陣を張れ。(おかもと ゆきお)
 ◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します *強調(太字・着色)は来栖
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