【秋場所】怪物・逸ノ城、昭和以降最速タイで大関戦!「胸を借りる」
スポーツ報知 9月24日(水)7時2分配信
*大相撲秋場所10日目 ○逸ノ城(はたき込み)嘉風●(23日・両国国技館)
新入幕の東前頭10枚目・逸ノ城が、西同3枚目・嘉風をはたき込みで下し1敗を守った。優勝戦線に残り、11日目は割り崩し(番付上、通常では対戦しない力士同士の取組)で、西大関・稀勢の里との一番が組まれた。初土俵から所要5場所目の11日目での横綱、大関との上位戦は昭和以降では最速タイの記録。全勝は東横綱・白鵬、1敗で西横綱・鶴竜と逸ノ城が追う。
逸ノ城は前日に金星を獲得して勢いに乗る嘉風を退け、初の大関戦に弾みを付けた。まわしを取れずに後退したが、土俵際で左に回り込んではたき込み。引いたことを後悔しながらも「慌てたら自分の負けだから焦らなかった。自分の正面に引かなかったのが良かった」と小さくうなずいた。
押し込まれても土俵を割らない粘り強さは、92センチもある丸太のような両太ももが支えている。モンゴルの移動式住居「ゲル」での生活で自然と鍛えられた。水道がなく、13歳頃から毎日のように500メートル先の川まで行って水をくんだ。家族を助けるため、両手に10リットルのバケツを1つずつ持ち、何度も往復した。少しでも水がこぼれると母のボロルトヤさん(43)に怒られ「毎日、泣きそうだった」という。
快進撃が優勝争いに変わり、審判部は11日目、21歳の怪物に大関以上と当たる上位戦を用意した。相手は稀勢の里。初土俵から5場所目での上位戦は、昭和以降では1999年春場所11日目の雅山)に並んで最速だ。「(大関戦は)うれしい。胸を借りるつもりで、何も考えず思い切っていくだけ」。勝てば昭和以降最速の上位戦白星となる。
全勝の白鵬を1差で追い、賜杯の行方を占う存在になった。北の湖理事長は「逸ノ城は優勝の鍵を握る。審判部の判断だが、12日目に鶴竜、1敗を守れば白鵬との対戦もあり得る」と再度の割り崩しを示唆。3敗以上している大関陣を差し置いて、秋場所の台風の目となった。「優勝? いやいや、全然(考えてない)。まずは10番勝ちたい」。新入幕Vを果たせば、1914年5月場所の両国以来100年ぶり2人目。ざんばら髪の怪物は歴史的快挙さえ視界に捉えた。(安藤 宏太)
*逸ノ城が勝てば
▽初土俵からの最速上位戦白星 所要5場所目で記録更新。昭和以降では、1940年5月場所で横綱・双葉山に勝った桜錦の所要6場所目が最速。年6場所制となった58年以降でも、長岡(大関・朝潮)が79年初場所で大関・貴ノ花に勝った6場所目が最速。
▽初土俵からのスピード2桁白星 58年以降では遠藤、長岡、豊山(後の大関)の所要6場所目を抜いて最速に。
▽新入幕での上位戦白星 栃乃花が2000年夏場所で千代大海、貴ノ浪(ともに大関)を破って以来14年ぶり。昭和以降6人目の快挙。
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〈来栖の独白〉
モンゴルの遊牧民出身という逸ノ城。初入幕だが、すごい底力を感じさせる。遠藤の存在がかすんでしまった。
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大相撲秋場所 怪物【逸ノ城】新入幕の東前頭10枚目 昭和以降最速タイで大関戦!
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