オウム高橋被告公判:検察、6死刑囚の証人申請
毎日新聞 2014年10月12日 08時42分(最終更新 10月12日 08時42分)
オウム真理教による地下鉄サリン事件(1995年3月)など5事件で計30人への殺人、殺人未遂罪などに問われた元信者、高橋克也被告(56)の裁判員裁判で、東京地検が、死刑囚6人を含む元教団幹部ら20人近くの証人尋問を申請したことが、関係者への取材で分かった。審理日程は3〜4カ月程度の見込みで、東京地裁と検察、弁護側は初公判を来年1月にも開けないか調整している。来春にも判決が言い渡される可能性がある。
高橋被告は5事件とも否認する意向。膨大な証人尋問で、審理が「超長期化」する懸念があったが、裁判員の負担を考え、検察、弁護側とも審理を長引かせない配慮を示している。公判は、過去最長の裁判員裁判と同程度にとどまりそうだ。
関係者によると、検察側は9月、地下鉄サリン事件で▽総合調整役とされた井上嘉浩(44)▽サリン製造役の中川智正(51)▽散布実行役の林(小池に改姓)泰男(56)、豊田亨(46)、広瀬健一(50)▽送迎役の新実智光(50)−−の6死刑囚の尋問を申請した。
高橋被告は他に神経剤VXを使った襲撃2事件と目黒公証役場事務長監禁致死事件、東京都庁爆発物事件でも起訴され、検察側は全体で20人近くの証人尋問を求めた模様だ。弁護側も他の元信者らの尋問を検討している。
高橋被告は地下鉄サリン事件では豊田死刑囚を送迎したが、「教団幹部と共謀しておらず、殺意もなかった」などと起訴内容を否認する見通し。
VX襲撃や都庁爆発物事件でも共謀を否認する意向で、検察側は事件に深く関わった死刑囚らの証人尋問を通し、高橋被告がサリン散布計画などを認識していたと立証する方針。
過去最長の裁判員裁判は、首都圏連続不審死事件で殺人罪などに問われたさいたま地裁の木嶋佳苗被告(39)=上告中=の100日間。政府は「著しく長く裁判員の確保が難しい場合」など「超長期裁判」を、裁判員裁判から除外する裁判員法の改正を目指している。【島田信幸、吉住遊】
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