Quantcast
Channel: 午後のアダージォ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10101

埼玉・祖父母強殺:被告少年は「居所不明児」 無援の年月 / 裁判長「大人は助けられなかったのか」

$
0
0

埼玉・祖父母強殺:被告少年は「居所不明児」、無援の年月
 毎日新聞 2014年12月24日 07時03分(最終更新 12月24日 11時59分) 
*25日判決、裁判長「大人は助けられなかったのか」
 埼玉県川口市で今年3月、少年(18)が祖父母を殺害し金銭を奪った強盗殺人事件の裁判員裁判の過程で、少年が社会問題化している「居所不明児」として学ぶ機会を奪われ、暴力やネグレクトなど虐待を受けてきた生い立ちが浮かんだ。公判で裁判官が「大人は救いの手を差し伸べられなかったのか」と発言する一幕もあった。判決は25日、さいたま地裁(栗原正史裁判長)で言い渡される。【山寺香】
 少年は初公判で、殺害行為を認めつつ「母親の指示だった」と述べた。弁護側も、強盗罪などで服役中の母親(42)らの虐待が背景にあると訴えた。
 弁護側の主張では、少年の父母は就学前に別居し、その後離婚。引き取った母親はホストクラブに通い続け、少年は毎晩家に来て酒を飲むホストに付き合わされ、小学4年からほとんど学校に通わなくなった。
 母親はホストを追いかけ1カ月ほどいなくなったこともあった。母親は再婚し、一時は元ホストの義父と母親と3人で静岡に暮らし、2〜3カ月間は静岡の小学校に通った。その後、住民票を残したまま埼玉に戻り、小学5年からは学校に通っていないという。
 日雇い仕事で義父に収入がある日は3人でラブホテルに宿泊し、仕事がない日は公園で野宿した。ささいなことで義父に殴られ、前歯が4本折れたこともあったという。
 少年は母親と義父の指示で、親類らに金銭を無心していた。弁護側証人として出廷した父方の祖母の姉は「約4年間で振り込んだ金は400万〜500万円。借金して調達した」と証言した。
 その後、義父は塗装会社に就職し、会社の寮で暮らした。間もなく義父は失踪し、少年は16歳から代わりに働いた。母親は少年に給料の前借りを強要し、金が尽きた直後、事件が起きたという。
 少年を精神鑑定した精神科医は公判で「少年は、虐待する母親の言う通りにするしかない『学習性無力感』の状態にあり、仮に母親の(殺害)指示がなかったとしても、(金を必要とした)母親の言葉の意図を察知して殺害に至った可能性がある」と分析した。
 公判では、裁判長が検察側証人の被害者遺族として出廷した少年の母の姉に「決してあなたを非難しているわけではないが、周囲にこれだけ大人がそろっていて誰か少年を助けられなかったのか」と尋ね、裁判員がため息をつく場面もあった。
 弁護側は「親類などは少年が金を借りに来させられたと気づきながら、母親から引き離さなかった。児童相談所もケアできず、事件を防げなかったのは社会の責任でもある」と主張。検察側は「母親は相当悪いが、それと少年の刑を軽くするのは別で、事件の実態を無視した乱暴な論法」と反論している。
 2人を殺害していることもあり、検察側は「大人なら死刑相当」と無期懲役を求刑。弁護側は少年院送致などの保護処分を求めている。
 ◎上記事の著作権は[毎日新聞]に帰属します
-----------------------------------------------------
祖父母殺害:少年起訴内容認める 母親の殺害指示巡り対立
 毎日新聞 2014年12月15日 20時56分 
 埼玉県川口市のアパートで3月、無職の小沢正明さん(当時73歳)と妻千枝子さん(同77歳)が殺害されキャッシュカードなどが奪われた事件で、強盗殺人などの罪に問われた孫の少年(18)は15日、さいたま地裁(栗原正史裁判長)の裁判員裁判の初公判で「間違いありません」と起訴内容を認めた。
 その上で、少年は「前日に母と話し合った」として、強盗殺人は母親(42)=強盗罪などで服役中=と共謀したと主張した。
 検察側は冒頭陳述で「母親から殺害の指示はなく事前の共謀はなかった」と指摘。「重大な事件で(懲役刑などの)刑事処分が相当」と主張した。弁護側は「すべて母親の指示でやった」と反論し「母親から虐待を受けており、指示を断れなかった」として、裁判を家裁に移し(少年院送致などの)保護処分とするよう求めた。
 その後、証人として出廷した母親は「(殺害を)指示していない」と検察側の主張に沿う発言をした。
 起訴状によると、少年は3月26日、電気コードや包丁を使って小沢さん夫妻を殺害。夫妻の次女にあたる母親と共謀し、キャッシュカード4枚や現金約8万円を奪うなどしたとされる。【山寺香】
 ◎上記事の著作権は[毎日新聞]に帰属します
----------------------------------------------------
所在不明の子:全国141人、虐待の恐れも…厚労省調査
 毎日新聞 2014年11月13日 
 住民票があっても自治体が居場所を特定できない「所在不明の子供」は22都道府県で計141人いることが、厚生労働省の全国調査で分かった。このうち海外に出国したとみられる子供を除いた69人は、国内にいるはずなのに所在が分からない状態だ。所在不明は虐待につながるおそれがあり、自治体などは安否を確認するため調査を続けている。【金秀蓮、桐野耕一】
*半数は国内居住か
 調査は、所在不明の子供の実態を把握し、対策を検討するため、同省の指示で全国の自治体が一斉に行った。神奈川県厚木市で今年5月、当時5歳とみられる男児が白骨化した遺体で見つかるなど所在不明の子の虐待死事件が発生しており、虐待の防止も調査の狙い。18歳未満のすべての子供を対象に同省が初めて実施した。
 今年5月1日を基準日とし、この時点で乳幼児健診を受けていなかったり、学校に来ていなかったりして連絡が取れない2908人について、居場所の把握を進めてきた。その結果、10月20日までに2767人の所在が確認され、141人が所在不明として残った。
 141人の年齢別の内訳では、就学前の子が61人、小学生40人、中学生27人、義務教育期間を終えた子は13人。都道府県別では大阪府27人、兵庫県26人、神奈川県16人、東京都14人−−の順で多かった。
 国内にいるはずの69人のうち4人は、調査を開始した時点で虐待の可能性を自治体が把握しているという。保護者がドメスティックバイオレンス(DV)や借金の取り立てから逃れるため、住民票を移さないまま転居したケースもあるとみられる。
 調査で所在が判明した2767人のうち、6割の1582人は国内で見つかった。乳幼児健診で連絡が取れない子供について、児童手当の支給を担当部署に問い合わせた結果、所在が確認されるなど、同じ自治体内の情報のやりとりで見つかるケースが多かった。残り4割は海外に出国していた。所在不明のままの141人のうち72人も、親族などの情報から海外に出た可能性が高いという。厚労省の担当者は「市町村間で情報共有するなど、所在を把握するように引き続き自治体にお願いしたい」とする。
*自治体連携の徹底指示
 今回の調査を受け、厚生労働省と総務省、文部科学省は、住民票を移さないまま転居した世帯の子供を転居先の市町村が把握した場合、住民票が残る市町村にそのことを連絡するよう各自治体に通知することを決めた。子供の安否確認を徹底するため、自治体間の情報共有が必要と判断した。
 所在不明の子供のなかには、住民票を移さないまま他の市町村に転居した可能性が高いとみられるケースがあった。
 DVからの避難など特別なケースでは、被害者の安全を守るため、住民登録の手続きがなくても、転居先の地元の学校に転校したり、児童手当の申請をしたりすることができる。文科省は、こうしたケースで子供が転校の手続きをした場合、住民票が残る市町村に連絡するよう全国の教育委員会に通知している。今回の通知では、乳幼児健診や生活保護などすべての福祉サービスに範囲を広げ、子供の所在を把握した部署が情報共有に対応することを求める。
 ◎上記事の著作権は[毎日新聞]に帰属します
-----------------------


Viewing all articles
Browse latest Browse all 10101

Trending Articles