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映画「エクソダス 神と王」を観た。2015/2/3

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〈来栖の独白 2015.2.3 Tue.〉
 イオンシネマで「エクソダス」を観た。11時25分から14時10分。カナーンへ脱出する旧約聖書のエピソードは、日本のような島国で暮らす私の想像を遥かに遥かに超えていた。私たちカトリック信徒は「神は海を陸に変え 人は川の中を歩いて渡った」と典礼聖歌(45番)で歌うが、これもまた映画を観て、その光景は想像したものとは大きく違っていた。
 「過ぎ越し」の光景も、リアリティ、迫力満点だった。以下、「出エジプト記」12章より 

5 小羊は傷のないもので、一歳の雄でなければならない。羊またはやぎのうちから、これを取らなければならない。
6 そしてこの月の十四日まで、これを守って置き、イスラエルの会衆はみな、夕暮にこれをほふり、
7 その血を取り、小羊を食する家の入口の二つの柱と、かもいにそれを塗らなければならない。
8 そしてその夜、その肉を火に焼いて食べ、種入れぬパンと苦菜を添えて食べなければならない。
9 生でも、水で煮ても、食べてはならない。火に焼いて、その頭を足と内臓と共に食べなければならない。
10 朝までそれを残しておいてはならない。朝まで残るものは火で焼きつくさなければならない。
11 あなたがたは、こうして、それを食べなければならない。すなわち腰を引きからげ、足にくつをはき、手につえを取って、急いでそれを食べなければならない。これは主の過越である。
12 その夜わたしはエジプトの国を巡って、エジプトの国におる人と獣との、すべてのういごを打ち、またエジプトのすべての神々に審判を行うであろう。わたしは主である。
13 その血はあなたがたのおる家々で、あなたがたのために、しるしとなり、わたしはその血を見て、あなたがたの所を過ぎ越すであろう。わたしがエジプトの国を撃つ時、災が臨んで、あなたがたを滅ぼすことはないであろう。
14 この日はあなたがたに記念となり、あなたがたは主の祭としてこれを守り、代々、永久の定めとしてこれを守らなければならない。

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映画「エクソダス 神と王」は災厄のピタゴラスイッチ
 エキサイトレビュー  2015年2月2日 09時50分
 ライター情報:たまごまご
「エクソダス 神と王」は、共に育てられたラムセスとモーゼの兄弟関係と、ヘブライ人をエジプトから率いるモーゼの苦悩を描いた、聖書を題材にした映画。と見せかけて途中からディザスタームービーに一転。パニックの連続です。
 「エクソダス 神と王」。旧約聖書の「出エジプト記」を元ネタにした映画です。
 1956年、チャールトン・ヘストンとユル・ブリンナー主演の「十戒」と基本的には同じ。
 エジプトで奴隷として働かされていたヘブライ人たちを救出し、紅海を渡ってカナンに向かう物語です。
 監督は「ブレードランナー」や「グラディエーター」のリドリー・スコット。
 聖書の「出エジプト記」は、全く知らなくてOK。全然違うから。人が死にまくる、大規模パニック映画です。 たとえばエジプト人に「10の奇跡」が及ぶシーン。災厄のドミノ倒し。追い打ちに追い打ちを重ねます。
 一つ目は水が血にかわる。これをワニに食べられた人間の血で表現。人喰い映画ファン必見。ナイル川中、ワニだらけ。気づいたら川は真っ赤に。血に染まった川から逃げたきたのはカエルの群れ。道を歩けないくらい多い。寝ていたらベッド中カエルまみれになるシーンは見もの。カエルの死体が山になる。ここからぶよ爆弾が大量発生。さらに大きな虻が街中にあふれかえる。エジプト人たちが全身を虻に覆われ、死んじゃうくらい。虻が運んできたウイルスで家畜に疫病がはやって、バタバタと死亡。刺された人の身体にははれものが生じます。さらにでかい雹が降った上に、イナゴの大群が街中の食べ物を食いつくす。エジプト人、ふんだり蹴ったり。
 リドリー・スコット監督「(脚本を)完全に書き直した。劇中の出来事が本当に起きたかもしれないとか、起きなかったかもしれないといったことを考慮しながらね」
 『エクソダス:神と王』リドリー・スコット監督&クリスチャン・ベイル 単独インタビュー - シネマトゥデイ
 災厄のピタゴラスイッチは、自然現象としても捉えられるんじゃないか?カエルが腐ったら確かに虻が寄ってくる。イナゴが突然襲来することもあるだろう。……いや、あまりにも数が多すぎるけどさ。
 本来の「出エジプト記」13章では、神が光で照らして紅海まで民を導きます。ここを完全にカット。40万の民を従え、モーゼ自身が道を選択しないといけなくなりました。
 また、有名な紅海を渡るシーン。「十戒」と異なり、はっきりとは海が割れません。だから、モーゼは迷ってしまう。自分たちがエジプトを脱出できたのは「神の奇跡」だけなのか、「偶然」なところもあるのか。
 モーゼ役のクリスチャン・ベイルは「彼は完全に人間だった。とても情熱にあふれていて、気まぐれで、自分本位の考えをしがちで、人生を通して多くの間違いを犯す(中略)彼はその時点で、極端に矛盾を抱えた人物になるんだ」と語ります。
 神からの予言を受けたシーンはほぼない。むしろそりが合わず、自分で決断しようとしちゃって、大失敗ばかり。
 エジプト人がヘブライ人を奴隷として、残虐に扱うシーンが多々あります。でもそれ以上に、エジプト人がごみくずのように死ぬ。神にそこまで信仰もってないモーゼ。途中エジプト人側に同情してしまいます。いくらなんでもやりすぎですよと。
 一人の男が、とことんまで追い詰められた時どうなっちゃうのか。それを表現するには、もう手に負えないよーってなるくらい、とことんド派手なディザスター・ムービーじゃないといけなかった。
 「グラディエーター」でも男の苦悩を描いたリドリー・スコット。今回はモーゼをヒーロー預言者ではなく、厄介事に巻き込まれてしまい「選択しきれなかった人間」として描いています。
 矛盾とか丸無視で、面白いビジュアル作りにこだわるのも、なんともスコット監督らしい。紅海で、エジプト軍が海に飲まれる前。なぜかヒキの画面で誰も居ない中。小さく馬が一頭だけ走り抜けて、戻ってきた巨大な波に飲まれます。波のとんでもないデカさは伝わった。よく使うサイズ比較用の万年筆みたいに。
もその馬どこから走ってきたんだよー! 
 これでも飽きたらなかったのか、全く聖書にないパニックシーンが何度も出てきます。あんまりにも豪快すぎて、悲惨を通り越して気持いいのなんの。絵的な面白さへのこだわりが多すぎて、お腹いっぱいです。
 ぐーっとカメラを引いて撮影した荒野の壮大さ……の中でばんばん人が死んでくのが痛快になっちゃう映画。モーゼの悩みはとても大きい。でも虫の大群も人の群れも、スクリーンの中ではあまりに小さくて、なんだか同じに見えてしまう。
(たまごまご)

 ◎上記事の著作権は[excite.ニュース]に帰属します
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リドリー・スコット監督&クリスチャン・ベイル『エクソダス:神と王』
 取材・文:細谷佳史
旧約聖書に登場するエピソードを最新VFXと3D技術を駆使して描く『エクソダス:神と王』。神の使命を受けた英雄モーゼが奴隷だった40万人のヘブライ人をエジプト王国から解放し、約束の地を目指して彼らを導く姿を追ったエピックアドベンチャーだ。強靭(きょうじん)な意志を持つ指導者モーゼを演じるのは『ダークナイト』などで知られるクリスチャン・ベイル。監督は、『グラディエーター』をはじめ、この手の超大作を撮らせたら右に出る者がない巨匠リドリー・スコット。初タッグを組んだ二人が、モーゼに対する見解や制作秘話を語った。
■肉体的な役づくりは不要だった!
Q:モーゼを演じる上で、どんな役づくりをされたのですか?
クリスチャン・ベイル(以下、クリスチャン):リドリー(・スコット)からこの役を頼まれたとき、最初にやったのは、(コメディー映画)『モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン』と『メル・ブルックス/珍説世界史PART I』を観ることだった。こういった真面目な作品は、下手したらこちらの意図に関係なく『ライフ・オブ・ブライアン』みたいに笑えるものになりかねないからだ。どちらも素晴らしい作品だけどね。ともかくそれが、この役の最初のリサーチだった(笑)。
Q:ベイルさんの起用にはどのような経緯があったのでしょう。
リドリー・スコット監督(以下、スコット監督):最初にクリスチャンに会ったのは6年前で、とても彼のことを気に入ったんだ。それ以来、何か一緒にできるものはないかと考えていた。彼とは、今までに仕事をした役者の中で、最高の関係を築くことができたと思う。とてもオープンな態度の持ち主で、頭が良くて、チームプレーヤーでもあるから、協力し合いながら仕事ができるんだ。(『グラディエーター』などでタッグを組んだ)ラッセル・クロウも同じだね。2人ともちゃんと宿題をこなしてくるし、すごく頭が切れる。
Q:体重を落としたり太ったりと、体を酷使した役づくりで知られるベイルさんですが、今回、肉体的には何かされましたか?
クリスチャン:いや。(この作品では)そういったことは必要ないと感じたんだ。実はリドリーに会った時、僕は前の映画(『アメリカン・ハッスル』)のため頭をそって、腹も出ていた。僕を見てリドリーは、「オーマイゴッド! 最近の姿を見ずに、君を起用してしまった。モーゼは長い髪の毛のはずなのに」と言っていたよ。
Q:それに対して、どう答えられたのですか?
クリスチャン:「モーゼは、実在したかどうかに関係なく、人類史上最も重要な人物の一人だ。大事なのは、彼が象徴として意味していることだ」と言ったよ。それに、モーゼが長いひげであるべき唯一の理由は、(『十戒』の)チャールトン・ヘストンがそうだったからだ。チャールトンは見事だったけど、僕は彼じゃない。だから、見た目はそんなに重要じゃなかったんだ。
■神話を信じるか
Q:モーゼの神話について、スコット監督は本当にあったことだと思いますか? それともおとぎ話だと感じていますか?
スコット監督:間違いなく(その当時)何かが起きたと思う。5,000年にもわたって、(人類史上)最大のホラ話なんてものを維持することはできないだろうからね。この場合は3,300年だけど。当初、僕に渡された脚本は、十分信じられる素晴らしい物語だと思ったけど、それを完全に書き直した。劇中の出来事が本当に起きたかもしれないとか、起きなかったかもしれないといったことを考慮しながらね。この出来事については、旧約聖書以外に書物として残っているものはないんだけど、それをやるのがフィルムメーカーとしての僕の仕事だよ。
Q:ではベイルさんにとって、モーゼという存在はどういったものですか?
クリスチャン:僕にとって、彼は完全に人間だった。とても情熱にあふれていて、気まぐれで、自分本位の考えをしがちで、人生を通して多くの間違いを犯す。彼は僕らが想像しうる中でも、最も甘やかされた環境で育ち、(エジプトでは)神に次ぐ立場だった。そこでの誘惑やライフスタイルがどんなものか想像できるよ。そして(神からの)呼び声を聞き、衝撃的な体験をした後、変わることになる。彼はその時点で、極端に矛盾を抱えた人物になるんだ。
Q:この作品では今までにないモーゼ像が見られるのでしょうか?
クリスチャン:それについては、今までに描かれたものと比較してみないとわからない。けど僕の役へのアプローチは、今までに見たものに縛られないということだった。結果、今まで以上に、とても人間的なアプローチをした作品になっていると思う。それと、時代物というのは、スクリーンの外でもその世界が続いているという感覚がないといけないんだ。カメラを動かしたら、そこにクルーが座っていると感じられるようでは駄目なんだよ。だから僕は、目に見える物以上にもっと大きな世界があると考えることを心掛けているよ。
■役者として築いたキャリア
Q:長年映画作りを続けている監督ですが、最近のテクノロジーの進歩についてどのように感じていますか?
スコット監督:今の方が興奮させられるね。今は自分が描いたものをリアルに見せることができる。この作品で一番大変だったのは水の表現だった。この映画で観客が目にする波は、とてもリアルに見えるよ。
Q:そして、『プロメテウス』に次ぐ3D作品となりますね。
スコット監督:3Dは大好きだ。この作品も(後から変換したのではなく)3Dカメラで撮影したんだ。3Dで撮影するのは何の問題もない。大事なのは、それを扱う人がちゃんとわかっているかどうかということだよ。
Q:またスコット監督は、本作のような歴史大作を作る名人でもあります。
スコット監督:この映画は大きな挑戦だったよ。作るのはとても楽しかったけどね。スケールが大きくなると、それだけ作るのは大変になる。普通なら130日や140日くらいかかるところを、この作品は74日間で撮影したんだ。一定の予算内でやらなければいけなかったから、そのスケジュールでなくてはならなかった。ロケーションを見つけるのも大変だったよ。予算内に収めることができて、十分にエピックで壮観な景色を持った場所を見つけなくてはいけなくてね。そういう意味で、スペインは素晴らしかった。スペインではこれまで3回、自分の映画を撮影している。『キングダム・オブ・ヘブン』と『1492・コロンブス』とこの作品だ。
Q:こういった超大作の主演を務めるプレッシャーはありましたか?
クリスチャン:スペインのアルメリアの現場に着いたら、1キロの長さの巨大セットが用意されていた。それを作るのに何百人という人たちが何か月にもわたって仕事をしていたんだ。彼らはそこで、僕が現場に入るのを待っていたわけで、それを見たら、「何てこった。彼らは僕がどんなに愚か者か知っているのだろうか? 僕にはとてもやれない」っておじけづいたりする。そういった不安を乗り越えるために、自分がすべきことをわかっていないといけないし、演技で自分とは全く違うキャラクターを作り出さないといけない。僕はそれが映画スターと役者の違いだと思う。「オレ様がこれを演じるんだ」って態度ではとてもできないよ。そういったことをするのは、世界で最も尊大で、不快で、我慢できない人たちだ。僕はそういった映画スターとは違う形でキャリアを築いてきた。彼らはカリスマ性があって、みんなにいつも愛されているけど、僕にはそういったことはやれないね。
 
 クリスチャンをはじめとする俳優陣の申し分ない演技、クライマックスでの息をのむ大津波や『アラビアのロレンス』を彷彿(ほうふつ)させる戦闘シーン、バッタやカエルの群れの襲来、血で真っ赤に染まるナイル川、さらに古代エジプトの世界を見事に再現した美術や衣装など、全編見どころ満載の『エクソダス:神と王』。巨大スクリーンでしか味わえない、スコット監督が手掛けた美しいスペクタクル映像の素晴らしさを十二分に体験できる作品となっている。
(C) 2014 Twentieth Century Fox Film Corporation All Rights Reserved.
 (c) Armando Gallo / Corbis / amanaimages / (c) Armando Gallo / Retna Ltd. / Corbis / amanaimages
 映画『エクソダス:神と王』は1月30日より全国公開

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