小沢一郎 10・6初公判 「無罪請負人」スゴ腕弁護士の法廷戦略
日刊ゲンダイ2011年9月29日
ロス事件、村木事件も「無罪」に
<「会計学」の学者も証人に>
驚きの「有罪判決」が出た「陸山会裁判」。大新聞テレビは早速、10月6日に初公判が開かれる小沢裁判にも影響――などとあおっているが、大間違いだ。もともと、小沢裁判は「無罪」が確実視されているうえ、“無罪請負人”の最強弁護団がついているからだ。
「違法な取り調べが行われた」と、大量の供述調書が却下された「陸山会裁判」。フツーに考えれば、小沢の秘書だった3人の被告は「無罪」が確実だった。予想外の判決が下されたのは、裁判官にも問題があるが、弁護団があまりに稚拙だったという見方も根強い。元東京地検検事で名城大教授の郷原信郎氏も判決後、「政治資金規正法の解釈について弁護側がきちんと主張できていたのか」とクビをかしげていた。
「とくにヒドかったのは、石川知裕・衆院議員の弁護を担当したヤメ検の木下貴司弁護士です。普通は被告人が有利になるような証言を引き出そうとするものですが、彼はダラダラと持論をぶつけ、石川被告に向かって『答えんでもよろしい』『頭詰まってしもうたか』なんて言って勝手に締めくくるのです。石川被告はシドロモドロになり、裁判官の心証を悪くする始末でした。質問なのか、何が言いたいのかサッパリ分からない。検察側も木下弁護士が話し始めると、『また始まったよ』と苦笑する場面が目立ちました」(裁判傍聴者)
しかし、小沢裁判で弁護を担当するのは、「無罪請負人」と呼ばれる弘中惇一郎弁護士と喜田村洋一弁護士の2人だ。ともにロス疑惑銃撃事件などを担当し、検察のシナリオ捜査の矛盾を突き、次々に「無罪」を勝ち取ってきた。弘中弁護士は、村木厚子・元厚労省局長が無罪となった「郵便不正事件」も担当。前衆院議員の鈴木宗男受刑者は「1審から弘中弁護士に頼んでいたら絶対に無罪だった」と漏らしたという。
弁護団は小沢裁判をどう闘っていくのか。
「裁判の争点は『小沢と元秘書との共謀の有無』です。小沢の共謀をにおわせる証拠は、『小沢氏に報告、了承を得た』という石川供述の調書しかない。しかし、この調書は、陸山会裁判では『任意性がない』と却下されている。小沢弁護団も調書の任意性を否定するでしょう。調書が却下されたら、『無罪』はほぼ確実です。興味深いのは、弁護側の証人に会計学の学者も含まれていることです。会計上の観点から、そもそも問題とされた政治資金収支報告書には正当性があると主張する方針でしょう」(司法ジャーナリスト)
さすがに小沢裁判は奇怪な判決は出ないはずだ。
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〈来栖の独白2011/10/01〉
残念ながら、日刊ゲンダイさんの見立ては当たらないだろう。裁判所に「良心」も「司法の独立性」もないからだ。行政的、政治的になってしまっている。裁判官も人の子、「出世」の二文字に強く牽引される。小沢一郎氏に「味方」しても何の得にもならないと、「合理的な」判断をするだろう。
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◆『司法官僚』新藤宗幸著--裁判とは社会で周縁においやられた人々の、尊厳回復の最後の機会である2009-09-28 | 読書
『司法官僚』〔裁判所の権力者たち〕新藤宗幸著(岩波新書・819円)
---評者・梓澤和幸=弁護士(中日新聞読書欄2009/9/13Sun.)---
秩序維持へ判決に影響力
最高裁の建物の中には裁判を担当せずに司法行政に専念する裁判官が23名、その予備軍である事務総局付判事補が20余名いる。現場の裁判官も、どこか上(人事)を気にしながら仕事をしている。その空気をつくっている司法官僚の真実に迫った。実証的でしかも知的好奇心を誘う文体である。
最高裁長官、事務総長、人事局長などの人々は(法律の建前とは別に)結局申し送りという官僚システムで選ばれていく。現場と事務総局を往来するこのコースに乗るか否かは、司法試験合格後1年半の司法修習の間に決まる。頭がよく、素直で、上司に従順な人が選ばれる傾向だという。
司法官僚は全国の判決や訴訟指揮の情報を集める。それをもとに行使される人事権は全国3500名の裁判官たちに絶大な影響力をもつ。10年ごとの再任の有無、昇級、転勤を司法官僚が決める。事務総局が召集する「合同」と呼ばれる研究会も下級審の裁判内容を遠隔操作する結果を生む。労働事件や水害事件の事例が指摘される。次の指摘は本書の白眉である。「司法官僚として訓練された調査官が、最高裁判決に大きな影響力をもつとされ、しかも最高裁判事のうちの職業裁判官も司法官僚トップ経験者であるとき、(最高裁の)判決が秩序維持に力点をおくものとなるのも当然といえよう」
裁判とは社会で周縁においやられた人々の、尊厳回復の最後の機会である。必死の訴えをする人々に遭遇したとき、裁判官は全人格的判断をもって救済に当たるべきだ。しかし、人々の目にふれぬところで、裁判官の内面までゆがめ、その存在理由をあやうくしているシステムがあるのだとすれば大問題である。
政権交代とは闇を打破る時代のことであろう。本書の提言にかかる裁判所情報公開法などによって司法の実態にも光が当てられ、真の改革が着手されるべきだ。
◆「広島女児殺害事件」司法官僚によって行使される人事権は全国の裁判官たちに絶大な影響力をもつ2010-08-07 | 死刑/重刑/生命犯 問題
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◆小沢一郎を落ち目と見切った登石裁判長/財務省首領 勝栄二郎が、内閣に「大増税」へと舵を切らせている2011-09-30 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
◆登石郁郎裁判長の判決文(要旨) この矛盾に満ちた文章がこの国の司法の場で通用することに唖然とする2011-09-28 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
◆陸山会・西松建設事件判決に見る危うさ 調書主義を転換、裁判官の印象・推認で黒白を決するようになった2011-09-27 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
◆政治資金規正法を皆さん勘違い。小沢さんがいなくなることはプロの政治家がいなくなること=安田弁護士2011-01-08 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
7/19緊急シンポジウム!! ''ニッポン''は何を守ろうとしているのか!H.22-06-08
「唯一はっきりしている条文があるんです。政治資金規正法で処罰されるのは、会計責任者だけなんです。政治家は処罰されないんです。政治家は処罰の対象から外れているんです。始めから、そういう法律なんです。そもそも法律の目的というのは、会計責任者が責任を持って会計の結果について報告する、ということが義務付けられているんです。ところが皆さん、勘違いしている。小沢さんが秘書と一蓮托生で処罰されるべきだと。これほど法律違反、法律の主旨に反することは、ないんです。つまり、どこかで法律が歪められて、トリッキー歪められて、つまり、政治資金規正法は政治家取締法なんだというふうに完全に勘違いしている。この勘違い、実は検察審査会も、まったく同じ評決をしているわけですね。小沢さんは、これだけ権力を持っている人間が、小沢さんの指示なしに物事が行われるはずがない、と。しかし法律の枠組みは、およそそんなことは無いんです。もし小沢さんが有罪になるとすればですね、責任者との共犯なんです、あくまでも。単に、知っていたとか、報告受けていたとか、そんなことでは共犯になるはずありませんね。これは、税理士さんが「これで申告しますよ」と言って「ああ、はい、どうぞ」って言ったら共犯になるか、といえば、そんなことはないわけなんです。ですからもし小沢さんが共犯になるとすれば「おい、石川、こうやれ」という形ですね。「こうやらんと許さんぞ」と、指示・命令、絶対的に服従させたと、そういう場合に初めて共犯として存在する。それを皆さん、完全に誤解している。大変な誤解(笑)。それで、皆さん、恐らくテレビなどで論評していらっしゃる。
次の問題です。政治資金規正法の中に、何を記載せよとか、どのような会計原則に則れとか、何一つ書いてないんです。ですからたとえば、ちょっとお金を借りましたとか、立て替えて貰いましたとか、或いは、今日帳簿に載せるよりは来年のほうに載せとこうか、というような話は、本当に虚偽記載になるのかどうか、或いはそれを載せなければならないのかどうか、それさえもあの法律の中には書いてないんですよ。つまり、虚偽を記載してはいかん、という話だけなんですよ。何が虚偽なのか、さえ書いていない。しかしそれを検察が勝手に解釈してですね、例えば今回の場合の、今年載せずに来年載せたということが犯罪だと、虚偽だと、やったわけです。或いはAという政治団体からお金貰った、それを実はこうだった、違う人だった、と言って、それは虚偽だというわけですね。しかしAという政治団体を通して貰ったんだから、それを記載するのは当たり前の話でして、それを虚偽といえるかどうか、それこそ大変大きな問題なわけです。ですから小沢さんの一昨年の問題、或いは今年の問題、いずれも法律の解釈を彼らがやって初めて有罪に出来るだけの話でして。ですから立法者の条文とは違うんですね。
ですからこの間(かん)も法律が守られずにどんどんどんどんきている。今回典型的なことはですね、石川さんが逮捕されました。しかしその2日後、3日後ですかね、3日後には国会が開かれるわけです。国会が開かれた場合、国会議員を逮捕するためには国会の議員の議決の承諾がないといけないわけなんです。それを抜き打ち的に、先達する形で石川さんを逮捕する。これは立法権に対する侵害じゃないですか。つまり憲法違反の事を彼ら、やっているわけです。つまり憲法に違反している行為に対する批判がどこにもない。これは、私ももう、大変びっくりしたわけです。
検察はしっかりと政治をやっている、というふうに私は理解しているんです。例えば今回、石川さんの弁護をやっていて3日目か4日目ですかね、あ、検察はこれを狙っているな、というのは大体、私も、石川さんが検察にどういうことを言われているかというのを聞いて分かるんです。
つまり検察は小沢さんを逮捕することは恐らく不可能だろうと最初から思った。しかし検察審査会で勝負をかける、ということを彼らは考えている。彼らのやり方はこうだな、と。検察審査会で起訴相当を取ることによって小沢さんの政治生命を奪う、と。そのシナリオ通りに見事に小沢さんの政治生命はなくなってしまった。ま、これが今回のシナリオでですね。小沢さんを直接起訴すれば当然全面戦争になってしまうわけでして。むしろ国民を総動員して、或いは市民という名を、怒れる11人の市民を使って小沢さんの政治生命を奪うという戦術に彼ら、でてきた。
で検察審査会も、トリック、ま、検察審査会には助言者といってですね、弁護士がその場に同席していろんな助言をするわけです。法律の解釈とかそういうものを。恐らくその助言者がとんでもない助言をしたんだろうと思うんです。どういうことかというと、政治資金規正法は政治家の犯罪、取締法なんだという解説をしたんだと思うんです。
ですからとんでもない、検察でさえ起訴しなかったものを検察審査会が起訴相当という結論をだしたんだろうと、そしてそのことを検察は最初から予想、予定していたんだろうと、そう思うわけです。
先に、情緒的な風潮の中で有罪無罪が決まっていくと、そういう話がありましたけど、私は思うんですね。弁護士は弁護士として、政治家は政治家として、メディアの人間はメディアの人間として、それぞれの人間がプロ的な精神を持ってそれぞれの職責を全面的に発揮すれば、おそらくこんな体たらくな状態にはならんだろうと思うんです。法廷でも、捜査段階から弁護士が弁護人として責任をしっかりと果たせば、恐らく情緒的な社会の動きに対してたえることが出来る、或いは十分に弁護して勝つことが出来るだろうと思うんですね。
プロ性がどんどん抜けていく、今回の政権交代でも、ま、アマチュアの集団というか、益々プロがなくなる。小沢さんがいなくなることは、プロがいなくなる、そういうことだろうな、と。崩壊の社会が来たな、と。プロが居なくなるということは、結局情緒的なものに流されるし、或いは、世間の風潮に流される、とこういう時代に益々突入したな、と思っているんです。
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有罪判決…控訴中の石川知裕議員、11歳下の女子アナと交際5カ月スピード婚!
産経ニュース2011.10.1 08:56
民主党の小沢一郎元代表の政治資金団体「陸山会」の土地購入などをめぐる事件で、1審・東京地裁で有罪判決を受け、控訴中の石川知裕衆院議員(38)=北海道11区、無所属=が10月3日に結婚することが9月30日、分かった。
相手はBS11(日本BS放送)の阪中香織アナウンサー(27)で、今年5月に知り合ったばかりという。石川氏は30日夜、産経新聞の取材に対し「地元の選挙区でもある帯広市に10月3日、婚姻届を提出いたします」と答えた。挙式などの予定はまだ決まっていない。
阪中アナは聖心女子大文学部出身で、BS11では硬派の報道番組を担当していた。
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小沢一郎氏裁判 10月6日初公判 「辣腕」弁護人だが、法廷は「正義・良心・独立」の失われている所だから
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