小沢一郎元代表の「暗黒裁判」は、米CIAと東京地検特捜部、マスメディアの共謀共同事件だ
板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」2011年10月06日20時54分13秒
小沢一郎元代表の政治資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書に記載した記述が、「虚偽記載ではないか」として政治資金規正法違反(虚偽記載罪)に問われた刑事裁判(別名「暗黒裁判」)の初公判が10月6日、東京地裁104号法廷で開かれ、人定質問、起訴状朗読、冒頭陳述が行われた。
この裁判の核心は、政治資金収支報告書への「記載」は、総務省や都道府県選挙管理団体の指導により許されている「簡略記載」と「政治資金の実際の動き」とのズレを証拠に基づいて証明できるか否かにある。通例では、「ズレ」が発見されれば、「修正すればよし」とされてきた。しかも、「簡略記載」と「政治資金の実際の動き」を完全に一致させるのは、極めて難しい。小沢一郎元代表のように、巨額の資金を個人的に保有し、出入りが激しい政治家の「個人的な資金の動き」と「政治資金の実際の動き」とを峻別しにくい場合があるからである。外部の者が、これを見極めるのは、至難の業でもある。
ところが、東京地検特捜部は、「陸山会」の政治資金収支報告書に正確に反映されていない「資金の動き」があったのではないかという「疑い」に基づき、確たる証拠もないのに、「見当」をつけて、小沢一郎元代表の周辺捜査と強制捜査を展開した。
この捜査の最大の問題点は、「中国寄りの小沢一郎潰し」に懸命になっていた米CIA(米国大使館内「日本管理委員会の対日工作担当者マイケル・ジョナサン・グリーン戦略国際問題研究所日本部長)から強い働きかけを受けて着手された。
米CIAの背後には、小沢一郎元代表を敵視する米国最大財閥のディビッド・ロックフェラーがおり、「小沢の政治生命を断て!」と狂ったように命令していたという。小沢一郎元代表が、英国財閥ジェイコブ・ロスチャイルドやバチカンとの緊密な関係を持ち、しかも、中国共産党1党独裁の北京政府の胡錦涛国家主席をはじめとする首脳陣と親密に交流し、「日米中は、正三角形の関係にある」と豪語していたことが、気にいらず、目障りだった。
そのうえ、小沢一郎元代表が、米国政府(背後にディビッド・ロックフェラー)に、いちいち物申すことに、強い警戒心を抱いていた。「敗戦国の政治家は、米国の言うことに素直に従っていればいい」という態度である。
そこで、マイケル・グリーンは、小泉純一郎元首相、竹中平蔵元総務相と蜜某し、小沢一郎元代表を東京地検への告発者として、いわゆる正体不明の「市民団体」を仕立てて、東京地検特捜部内の米CIA要員(駐米日本大使館1等書記官経験者)である副部長検事らに捜査させたのである。
だが、いくら小沢一郎元代表を尋問しても、有罪を立証できる証拠が得られず、2度にわたり「不起訴処分」にせざるを得なかった。
このため、マイケル・グリーンは、小泉純一郎元首相、竹中平蔵元総務相は、次なる作戦の乗り出した。怪しげな「市民団体」に東京検察審査会に「不起訴処分を不服」とする申立てをさせたのである。
そのくせ、マイケル・グリーンはもとより、カート・キャンベル国務次官補らは、米国が経済的にピンチに立たされると、小沢一郎元代表を必要と感じて、ネコ撫で声でにじり寄ってきては、「裁判をクリ−ンしてやるから、日本政府にカネを出させろ」と要求してきているという。
しかし、これらの一連の動きに対して、マスメディアは、一斉に「小沢一郎潰し」の論調を強めた。とくにワシントン特派員として在米中、米CIA要員にされて帰国した「ワシントン帰り」の記者たちが、「反小沢一郎」の急先鋒として、世論を煽り立て、主導したのである。怪しげな「市民団体」の正体を暴こうともしないのは、これ自体が、マスメディアの怪しさを証明している。
全国紙のいわゆるスター・ライターの大半は、米CIA要員とみてよい。読売新聞は、「米CIA広報紙」と言われてきただけに、ある意味で非常に分かりやすい新聞である。また、米国に嫌われた政治家は、「駐日米大使館発、週刊文春の記事」により、「政治生命を絶たれる」とさえ言われてきたのは、有名である。
こうしたマスメディアの世論操作が、こうも簡単にできるのは、日本国民の大半が、ズバリ言えば、「愚民」なるが故にである。この論調に易々と乗ってしまうのが、あの「みのもんた」(敬称略)らの軽薄キャスターや司会者、あるいは訳知り顔のコメンテイターであった。唯一まともなのが、ジャーナリストの江川紹子さん(神奈川新聞記者出身)であると言える。
小沢一郎元代表が、初公判後の記者会見で、「怒り」を露にしていた。記者のなかから、「国会での説明責任」を聞かれて、質問者があまりにも無知なのに怒ったのである。「君はどう考える? 三権分立が分かっているのか」と。弁護士でありながら法廷に立った経験がほとんどない自民党の谷垣禎一総裁ら野党党首が、「国会での説明責任を果たせ」と述べていたが、逆に言えば、野党は、まさしく、日本国憲法の遵守義務に違反する発言をしているのである。
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小沢一郎元代表「23年の死闘」は、「ウォール街デモ」と「小沢一郎暗黒裁判」で結末を迎えるのか
板垣 英憲(いたがき えいけん)「マスコミに出ない政治経済の裏話」2011年10月06日 00時09分27秒
小沢一郎元代表「23年の死闘」の結末がいま、2つの現象として、私たちの眼前に現出している。その1つが、「小沢一郎元代表の刑事裁判=暗黒裁判」(東京地裁104号法廷で6日午前10時から初公判)であり、もう1つが、「米国最大財閥のディビッド・ロックフェラーの没落」とこれを背景とする「ウォール街などで発生した各地の大規模デモや暴動」である。
この2つの現象の元凶は、「強欲資本主義」を主導した「ディビッド・ロックフェラー」による「大博打の大失敗」にあった。このことに早くから気づき、「日本の資産防衛」に懸命になったのが、小沢一郎元代表であった。
要するに、「ディビッド・ロックフェラーに日本の国民の血と汗の結晶である資産が食い物なされる」と警戒し、ディビッド・ロックフェラーを「最大の敵」と見做して、徹底的に抵抗してきた。これに対してディビッド・ロックフェラーは、黙っていなかった。手下たちに「小沢一郎元代表を叩き潰せ」と命じたのである。
ロックフェラー財閥は、米国GDPの60%を担ってきた文字通り、巨大財閥である。そのディビッド・ロックフェラーは、ソロモン・ブラザーズが1980年代に開発した「モーゲージ債」や高度の金融工学と情報機器の発達を生かした「株式の裁定取引」などで、傘下の証券会社メリルリンチを参戦させて、巨利を得てきた。しかし、ソロモン・ブラザーズが2000年代に開発した「モーゲージ債」技術が高度化した「サププライム・ローン」組み込み証券を、自らがオーナーの国際金融機関である「シティグループ」に購入させたのが、運のつきになってしまった。やはり傘下のリーマン・ブラザーズがサブプライム・ローンの破綻により発生したいわゆる「リーマン・ショック」(2008年9月11日)が原因で、倒産寸前に追い込まれたのである。幸い、ゴールドマンサックス社(ジョン・デビッドソン4世がオーナー)のヘンリー・ポールソンCEOが、ブッシュ政権2期目最後の財務長官に引き抜かれていたので、「公的資金の投入」措置を受けて、辛うじて、一瞬、救済された。これにより、米国経済は、再生に向かうと思われたけれど、これは、焼け石に水だった。
然るにシティグループ以下、傘下の企業の経営は、経営難から再生することはなく、悪化の一途を辿った。その果てに、困ったときの「悪の戦争経済」というように、「第3次世界大戦」に向けて、傾斜し始めたのである。
そうしたなかで、米国経済は悪くなる一方で、失業率は9・1%と高水準で推移しており、オバマ大統領は、ついに「私は負け犬だ」と弱音を吐き出し始める始末である。このため、ディビッド・ロックフェラーから「世界銀行総裁になれ」と言われて、一時は、政界引退を申し渡されていたヒラリー・クリントンが、2012年秋の大統領選挙に立候補するという噂まで、飛び出してきている。これもディビッド・ロックフェラーが失脚したことから、強力な後ろ盾を失ったがための新たなる動きの1つである。
こうした政治状況のなかで、毎日新聞毎日jpが10月3日午前10時58分、「米国:『ウォール街デモ』各地に飛び火」という見出しをつけて、以下のように報じた。
「【ニューヨーク山科武司】世界金融の中心地、米ニューヨーク・マンハッタンのウォール街周辺で経済格差の拡大に抗議する若者らのデモは700人以上が逮捕された翌日の2日も続き、1500人以上が集会に参加した。行き過ぎた市場主義に異を唱える運動はボストンやシカゴ、西海岸ロサンゼルスなど全米各地に拡大中で、海外に飛び火する可能性も浮上している。抗議運動はインターネットの会員制交流サイト・フェイスブックや簡易ブログ・ツイッターなどを通じて賛同者を増やしている。デモ参加者の一人はAP通信に『私たちの活動を伝える動画を見ている視聴者は3万人以上いる』と語った。ボストンでは、バンク・オブ・アメリカ前で約1000人が抗議、24人が逮捕された。共同通信によると、ロサンゼルスでは数百人が市庁舎近くに集まり、経済政策の恩恵を受けているのは人口の1%にすぎないとして『我々が99%だ』と書かれたポスターを手に大通りを練り歩いた。サンフランシスコ、シアトルなどでも抗議運動が行われたという。デモを展開する抗議団体のウェブサイトによると、デモ計画は全米50州のうち44州の計115都市で進行中。抗議団体はフェイスブックなどを通じて、東京やロンドンなど海外でも同様の抗議行動を繰り広げるよう呼びかけている。抗議団体の拠点であるマンハッタン南部のズコッティ公園は2日、警官が取り囲み、通行人が様子をうかがおうとして立ち止まろうとすると「交通の邪魔になる」と立ち去るよう促した。集会の参加者は『たとえ1人が逮捕されても、2人が(運動に)参加する」などと書かれたプラカードを掲げ、警官と無言でにらみ合った。周辺では、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルをもじったミニ新聞「オキュパイド・ウォールストリート(占拠されたウォール街)・ジャーナル」が配られた。『革命が始まっている』との見出しの記事は、今回の運動を1960年代の平和運動や中東の民主化運動『アラブの春』になぞらえ、『米国も歴史の節目にある』と指摘。『2500万人以上が無職で、5000万人以上が健康保険に入っていない』『我々のシステムは壊れている』と訴え、大企業や富裕層による富の独占を批判した」
米国では、最近、全国的に暴動が頻発しており、大袈裟に言えば、「内乱」に発展するのではないかと憂慮されてきた。中国と違い、民主的なルールが普及しているので、「暴動→暴動→革命」というような極端なことは起きにくいと思われてきた。しかし、今回の社会不安は、相当に異常である。
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◆マイケル・グリーンという後ろ盾を失い、支離滅裂の小沢報道を続ける日本マスメディア2010-09-07 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
『小沢革命政権で日本を救え』日本文芸社刊
p82〜
前原誠司や長島昭久はマイケル・グリーンの忠実な子分
副島 (前部分略)民主党の“黄門さま”の渡部恒三議員(元衆議院副議長)の息子である渡部恒雄氏の経歴と正体もばらしてしまいました。
渡部恒雄はマイケル・グリーン前東アジア上級部長の忠実な教え子であり、CSIS(戦略国際問題研究所)非常勤研究員を名乗っています。それだけでなく、オヤジの渡部恒三議員の頭をおかしくしています。このバカ息子と同じく小泉進次郎・衆議院議員もCSISの大学院を出ており、マイケル・グリーンが論文を書かせています。
もう一人彼らの育ての親はコロンビア大学のジェラルド・カーティス教授です。日本研究の大家でテレビによく出てきます。
前原誠司・国交大臣と長島昭久・防衛大臣政務官もマイケル・グリーンの忠実な子分です。長島政務官は、何の臆することなく、「鳩山政権は、アメリカの言うことを聞くべきだ。今の対立的な日米関係は、危険である」と、アメリカ側の代言人(スポークスマン)のようなことを連呼しています。
検察・警察と国税庁という二大実働部隊が鳩山民主党政権に対する反政府クーデター計画を立てて動いていると私は考えています。検察・警察は30万人、国税庁・税務署は20万人の実働部隊を持っている。公務員組織ですから恐ろしいのです。彼らがやがて統制経済体制(コントロールド・エコノミー)になったら、資産家と経営者層に襲いかかっていくのです。私はこのことを心底、恐れています。
この反政府クーデター計画のもう一つの勢力が、アメリカの手先となっているNHKを含むテレビ6社と、大手新聞5社の計11大メディアです。これらの大メディアは、「三宝会」という政治部長会議を密かに開いています。マイケル・グリーン前東アジア上級部長と長島昭久、渡部恒雄らも出席して、「小沢一郎を逮捕し、有罪として葬り去るための謀議」を企てました。
佐藤 そのマイケル・グリーン前東アジア上級部長やマイケル・シファー国防次官補代理たちは、いわゆるジャパン・ハンドラーズで安保マフィアですね。しかし、私は彼らの時代はすでに終わっていると思います。
p135〜
副島 (前部分略)そしてその娘さんがルイザ・ルービンファイン女史で、彼女は小沢一郎著『日本改造計画』の英語の元版を書いている。彼女はハーバード大学博士号を持つ女性で、国務省に所属しています。小沢はこのようにして育てられた男です。「日本改造計画」で小沢一郎が打ち出した案を、自民党が利用しながら日本は進んできました。
小沢一郎の親分はジェイ・ロックフェラー(ジョン・ダヴィットソン・ロックフェラー4世、ウエストバージニア州選出の上院議員で、現在73歳)です。小沢はこの人との盟約関係で生き延びてきました。
2009年3月1日に、政治資金疑惑で大久保隆規・公設第1秘書が逮捕されて、小沢攻撃が激化しました。小沢を逮捕するのを阻止するために動いたのは、私の考えではジェイ・ロックフェラーから頼まれたマイケル・アマコスト元大使と、かつて副大統領まで務めたウオルター・モンデール元大使だったでしょう。もう1人、トム・フォーレー下院議員だと思います。この3人の民主党の大物で、日本大使を経験した人たちが小沢を守ったのです。というのが私の考えです。(後部分略)
佐藤 検察は、小沢一郎に関するそのあたりの事情について気づいていない。ブッシュ時代のアメリカとのつながりで、自分たちの知らないアメリカの盾が、自分たちにまだあると勘違いして突き進んでいるということですね。
副島 そうです。検察には、恐らくもう、アメリカからの後ろの盾はないですよ。
佐藤 リチャード・アーミテージ元国務副長官とか、マイケル・グリーン戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問とか、カート・キャンベル元国防副次官補とか、このようなブッシュ政権時代の利権政治屋、いわば安保利権屋に、いい調子でやられているというのはおかしな話です。
その点、やはり鈴木宗男・新党大地代表は立派な政治家です。キャンベル元国防副次官補が会見を申し込んできたとき、鈴木宗男さんは、「僕はあなたと会いたくない」、「見苦しい」「目障りである」と、言いました。今、こんなことを言えるのは彼一人しかいないです。民主党側も自民党も、まったくだらしのない状態です。
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◆小沢一郎氏 初公判 全発言/『誰が小沢一郎を殺すのか?』2011-10-06 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
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◆小沢一郎が語った「原発/国家のリーダー(衆愚の中からは衆愚しか)/マスコミは日本人の悪いところの典型」2011-09-19 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
『悪党 小沢一郎に仕えて』石川知宏 元小沢一郎秘書・衆議院議員著(朝日新聞出版)
--第3部〈対決〉より部分抜粋転写--
p220〜
小沢 役所は、クリーンで、コストの安い、安全なエネルギーであるみたいな宣伝文句を言っていたんだけども。いまの現実もその当時も、あまり変わりないのは、結果的に原発からできる高レベル放射性廃棄物の処理の方策が、いまだ適当な策がないんだよ。ボクは当初から、役所の宣伝文句は別として、過渡的なエネルギーとしては仕方がない。石油もないからね。石炭だってないし、事実上。だから過渡的なエネルギーとしては仕方ないけども、いずれ新しい、クリーンで、しかも日本で大量に生産できるエネルギーっちゅうものを考えなければダメだというふうに思ってきたし、オレは言ってきたんだ。
石川 はい。
小沢 だからいま、六ケ所村かな、ガラス固化で地中に埋めるという技術をフランスから導入したけどね、もう40年近く前から言ってきたことなんだ。だけどそれは技術として完成していないんだよ。ガラスに固めて埋めたってね、地震でつぶれっかもしれないしね。だから、高レベル放射性廃棄物っつうのはいまの事故でよくわかったけどもコンクリから鉄骨から、なにからみんななんだよ。だから本当は宇宙に飛ばすのが1番いいんだけども、とにかくこの処理はどこの国もまだ確実な方法は見つかっていないんだよ。まあ、見つかるわけないんだけどな。
石川 この間、三陸に被災地の慰問に行った時、三陸は地盤が固いと聞きました。津波被害を受けなかった地区では地震によって倒壊した家屋は少なかったそうです。岩手に原発がないというのは、先代(小沢佐重喜)だったり、ほかの岩手選出の政治家、小沢先生も含めて、誘致運動を止めたということでしょうか。当時は福島にあれだけ原発を持ってきているのに。
小沢 いや、止めたわけではない。結果として、だな。別に岩手がいいというオファーが強くあったわけでもなかったし、ぜひともほしいということもないし。だから、結果として何もなし。1つはね、むしろ電力会社の方がリアス式海岸があまり適してないと考えた節もあるな。オレも積極的にあれこれ運動はしなかった。
石川 やはり青森に六ケ所村があって、福島に原発があって・・・。
小沢 うん、岩手にはないわな。
石川 世間では「岩手は小沢一郎が思い通りに動かしている」と常に言われています。岩手に原発がないのは、「小沢先生ががんばったから」という都市伝説のような噂もあるらしいのですが、結果的には誘致する機運がなかったということでしょうか。
小沢 オレもあまり積極的に引っ張ってこようという気はなかったな。まあ、あの、みんなアレなんだよ。交付金狙いだから。だから、事故が起きない限りはカネをいっぱいもらうからいいっちゅうことになったけど、いまにして考えれば事故が起きて現地の人も大変だし、国全体が大変なんだ。
p226〜
石川 ロシアは北方領土、中国は尖閣諸島に目をつけています。歴史からいうと第1次世界大戦後に列強が中国に入り込んでいったように、いま日本が周辺諸国から攻め込まれようとしています。これだけ好き放題にやられてしまっているのは、やはりリーダーの責任でしょうか。
小沢 リーダーのせいではあるけれど、それ以前に日本人自身の問題だな。よく言うように、国民のレベル以上のリーダーは出ねえんだよ。衆愚の中からは衆愚しか生まれない。だから国民のレベルアップをしないとリーダーも育たない。その意味でどうしたらいいのか。そういうことをもう少し日本人は自分で考えなきゃいけないな。
石川 はい。
小沢 いまの震災を例にすると、マスコミを含めてバカみたいに、やれ挙国一致だ、やれいま政権を変えるのはどうだ、ってアホみたいな議論をしている。これは日本人的な議論だ。欧米では違うんだよ。危機だからこそ強力な政権とリーダーを作らなければならないっちゅうのが彼らの考え方だよ。日本人はみんな丸く丸くなろうとする。丸くなって、談合ばかりしていたって解決しねえんだよ。原発事故にしても誰も責任をとらない。誰が責任者なのか、誰が決めているのか。わけがわからない。そこをマスコミが一緒になってもっと仲よくなれって。何を考えているんだよ。
石川 まあ、そうですね。
小沢 マスコミは日本人の悪いところの典型なんだ。国家の危機を経験してきた欧米人は、危機のときだからこそ強いリーダーを選ぶ。第2次大戦前のイギリスはチェンバレンという首相がいて、ヒトラーと妥協して「チェンバレンの平和」と言われたんだな。それが結局はヒトラーの勢力を増大させてしまった。そのときにイギリス人は最も批判の多かったチャーチルを首相に選んで、チェンバレンを降ろした。危機だからこそ変えた。危機じゃなかったらチャーチルは総理にならなかった。発想が違うんだよ、ゆでガエルみたいな日本人とな。
(中略)
p229〜
石川 産経新聞には私も先生もたたかれてきましたが、小沢一郎が総理にふさわしい人1位になっていました。国民の期待が高まれば、先生はそれに応える思いがあるのでしょうか。
小沢 おう、そういや、この言葉が好きで机に取っておいたんだ。「人事を尽くして天命に遊ぶ」。「天命を待つ」「天命に従う」が普通の言葉なんだよ。これは自分で自分に期待感がこもるだろ。自分のいいように天命が回ってくりゃいい、と。それじゃ、本当のアレじゃない。「天命に遊ぶ」ってのは、確か戦前の左翼が言ったんだよ。だからあまり言うなと忠告する人もいるけど、オレは最高に気に入っているんだ。期待するでも何でもない。待つんじゃねえんだよ。
石川 では、チャーチルのように70代でも総理に・・・。
小沢 そんなスケベ根性を起しちゃダメだっつってんだよ。人事を尽くすことが大事。それぞれが自分の立場、職責で全力を尽くせば世の中はよくなるんだよ。見え透いた根性を起すからみんなおかしくなるんだよ。
石川 なるほど。私も政治家として肝に銘じます。
小沢 お前も、まだまだだな。いまの民主党の欠陥は、俗に言う「雑巾がけ」、基礎的な鍛錬、基礎的な勉強もしないで偉くなっちゃったヤツばっかなんだよ。だから危機が起きるとどうしたらいいかわからなくなるんだよ。基礎的な修行を積み、経験を積み、知識を積み、そしてこういう時はこう、ああいう時はこうと、自分の価値判断基準、政策判断の基準っつうのが自然と作られてくる。それがピョンと偉くなっちまったもんだから。
石川 福田康夫政権で大連立騒動の時に私は先生に反対しに深沢まで行きましたけど、あの時は「先生は何でそんなことするんだ」という考えでした。
小沢 そうだったかな。
石川 でも、先生の言うとおりに「やっぱり大連立にしておけばよかった」と書く報道機関が最近になって多くなった気がします。
小沢 いい加減だからな。マスコミが時代遅れなんだよ。マスコミがダメだから日本がおかしくなっている。もっと合理的に論理的に、先見性を持ったオピニオンリーダーじゃなくちゃダメなんだよ、マスコミは。逆だもん。官僚と一緒になって足引っ張っているだけだから。意見を封殺する。
石川 大連立は、やはり民主党に経験を積ませないといけないと思ったからでしょうか。
小沢 うん。それが大きいね。それと政権交代への近道でもあった。わからねえんだからしょうがねえ。だからちゃんと相談したんだから、役員会で。1人でやっていて、誰も文句言わなかった。菅なんか何も言わなかったよ。
石川 そうでした。
小沢 これが権力の差よ。オレが総理だったら、あの時、誰も文句言わないよ。当時は野党の党代表だったから、みんな後になってワーワー言いだして。
石川 はい。
小沢 その程度だ・・・みんな。はあー(大きくため息)。
石川 歴史が動こうとしているときにお時間いただいてありがとうございました。あしたも裁判です。
小沢 そうか。
(2011年5月31日、チュリス赤坂内の小沢一郎事務所にて)