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TPP交渉参加「苦境にあるオバマ大統領にAPECで花を持たせたい」/問題はデメリットを報道しないメディア

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TPPの決断期限迫る−さてどうする野田首相
WSJ Japan Real Time 2011/11/1 16:12
 環太平洋経済連携協定(TPP)へ参加するのかしないのか、日本としての姿勢を決めなければいけない期限が近付いた。震災の影響もあって、菅直人前首相が今年6月としていた結論が先送りされ、つい1カ月前にようやく議論が本格化した。野田佳彦首相は今月12、13日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向けて7日ごろに民主党の意見を集約すると国内メディアが報じている。
 衆議院で演説する野田首相(28日)昨年10月に菅前首相が突然、TPP参加を検討する方針を表明。それ以降、推進派は「早く、早く」と急かし、反対派からは「日本の農業に致命的なダメージになる」と強く反対し、推進派と反対派がてんでに遠距離砲を撃ちあうばかりで、ほぼ1年が過ぎた。この数週間にTPPをめぐる報道は爆発的に増えたが、議論は深まっていない。
 経産省はTPPに参加しなければ、日本の工業製品が競争力を失い2020年に実質国内総生産(GDP)が10.5兆円減少し、81万2000人の雇用が失われるという試算を発表。一方、農水省はTPPに参加するとGDPが7.9兆円減少し340万人の雇用が失われるとしている。しかし、どちらの説明も得心のいくものではない。内閣府が先月25日になって、実質GDPは10年間で0.54%(2.7兆円)増えるという試算を出したが、まるでけんかの仲裁のようで、これも信頼が置けない。
 国民はどう考えているのか。先月31日に報道された日本経済新聞/テレビ東京の世論調査によると、TPP交渉へ参加すべきという意見が45%、参加すべきでないが32%だった。11日に発表されたNHKの調査では参加すべきが40%、参加すべきでないが9%、どちらともいえないが40%だった。また、9日に発表された読売新聞の世論調査では、参加すべきが51%、すべきでないが23%、回答なしが26%だったという。こうした世論調査の結果からは国民の約半分は参加すべきと考えていると推測できそうだ。
 都道府県レベルの反応も興味深い。ウォール・ストリート・ジャーナル日本版のコラムニスト、水野文也氏によると、千葉県の県議会では、TPP参加賛成の論陣を張った水野氏の演説の間、満場のヤジを浴び、表決の結果、94人中参加賛成はわずか22人、反対が72人だったという。
 朝日新聞の31日朝刊によると、全国47都道府県のうち44道府県議会が「反対」か「慎重」だという。明確な反対が17議会。「国民合意」といった条件を満たすまで参加しないことを求めている慎重派が27議会。東京都、大阪府を含めた3都府県は態度表明をしていないが、前向きな意見は1つもないということだ。日本の機械工業の大集積地で、TPPの恩恵が大きそうな愛知県ですら慎重派である。
 こうしたなか、TPPの第9回会合がペルーで先月19日から10日間にわたって開かれた。28日の読売新聞は、APEC首脳会議での大枠の合意に向け前進した、と伝えている。
 日本の参加の是非の決定が、大枠合意のタイミングであることが気になるが、この機会を逃しては、参加9カ国の乗った列車は飛び乗ることができないぐらい遠くに行ってしまうことは確実だ。
 国内メディアによると、与党民主党内にも強硬な反対派が多く、先月JAグループが衆参両院の議長宛てに提出した不参加を求める請願書には、民主党からも120人が署名したという。野党自民党からも166人。両党ともに執行部には賛成派が目立つが、両党とも反対派は強硬で党として党内意見の取りまとめには苦労しそうだ。
 それにしても、TPPは5年前にシンガポール、ニュージーランドなど4カ国の合意が発効、米国にしても2年前に参加を表明している。その交渉に、昨年秋から慌てて参加を検討し始め、それから結論を出すのに1年かかっている日本という国はいったい何なのだろう。
記者:竹内カンナ
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TPP参加って野田首相の対米サービス?…内閣府が大ボラ試算
J-CASTテレビウォッチ2011/10/27 16:36
   TPP(環太平洋経済連携協定)の交渉参加問題は賛成・反対で国論を2分しているが、いまひとつメリットとデメリットがよくわからない。笠井信輔アナが反対論を唱える京都大工学研究科の中野剛志准教授に話を聞いた。
■輸出増を狙う賛成派、第1次産業擁護の反対派
   まずTPPとは何か。太平洋を取り巻く米国、ペルー、チリ、豪州、ニュージーランド、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの9か国が参加し、関税を原則ゼロにして貿易を自由化するルール作りの交渉だ。交渉されるのはそればかりでない。金融、食品検疫、遺伝子組み換えなど食品などの安全規格、知的財産など21分野もある。
   そこに日本が参加するかどうか迫られているわけだが、もっぱら議論の中心は、工業製品の輸出増を狙う賛成派に対し、農家などが壊滅的な打撃を受けるという反対派で2分。民主党の前原誠司政調会長が外相時代に「GDPに占める第1次産業の割合1・5%を守るために犠牲になっているのではないか」と発言して賛成派を焚きつけた。野田首相が交渉参加に前のめりになっているのを受け、内閣府は25日(2011年10月)、「GDP2・7兆円増加」の効果があると試算を公表した。
   政府内で交渉参加への土壌づくりが進むなか、農業団体など反対陣営は26日、東京・日比谷の野外音楽堂で決起集会を開催。壇上で国民新党の亀井静香代表が演説し、「ここで間違えれば、この日本にドジョウ1匹といえども住めなくなる」と、反対ののろしをあげた。
■国民にとってのメリットデメリットはなに?
   司会の小倉智昭「反対の理由は何でしょうか」
   中野准教授「国民にとってメリットがない。メリットがあるというのは嘘っぱちでデメリットばかり。食の安全や環境、雇用などいろいろ問題があるにもかかわらず、全くマスコミが報道しない。最大の問題はマスメディア。
   環太平洋9か国というが、実質的にはアメリカがメイン。GDPで見ると7割がアメリカだし、日本は2割。アジアなんかではないんです。アメリカの自動車の関税は2・5%、テレビは5%ですよ。しかも、すでに日本はアメリカに自動車工場があり自由貿易なんですよ」
   フジテレビ解説委員の安倍宏行も「2・7兆円押し上げるというが、GDPベースでみると0・54%でしかない。TPPに参加したから輸出が増えるわけではない」という。しかも、この2・7兆円は10年間の累積数字というからメリットは確かになさそう。
   小倉「マイナスの面しかないと聞こえますが、なんで政府はTPPに目を向けるのですか」 安倍が「苦境に立たされているオバマ大統領にAPECの場で花を持たせたいこと。普天間問題の骨がノドに刺さっていることが先にあって、国内議論が進んでいないのに前のめりになってしまった」
   それにしても、厳しい反対意見を唱える中野准教授が、貿易振興を推進してきた通産省(現経産省)に入省した元官僚というから面白い。「TPP亡国論」の著書もある。 *強調(太字・着色)は来栖
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『TPP亡国論』 TPPで輸出は増えない!デフレが進むだけ!アメリカの仕掛けた罠に日本はまた、はまるのか!?(集英社新書)
 TPP(環太平洋経済連携協定)参加の方針を突如打ち出し、「平成の開国を!」と喧伝した民主党政権。そして賛成一色に染まったマス・メディア。しかし、TPPの実態は日本の市場を米国に差し出すだけのもの。自由貿易で輸出が増えるどころか、デフレの深刻化を招き、雇用の悪化など日本経済の根幹を揺るがしかねない危険性のほうが大きいのだ。
 いち早くTPP反対論を展開してきた経済思想家がロジカルに国益を考え、真に戦略的な経済外交を提唱する。
 [はじめに]
 この本を世に出すにあたっては、私は、何とも言えない漠然とした不安を感じています。といっても、私個人の身に何か危害が及ぶとか、そういった類の不安感とは違います。
 この本は、国家的機密情報をリークするとか、外国の陰謀をあばくとかいったものではありません。ここに書かれていることは、すべて、公開情報をもとにしています。そして、誰にでも手に入れられる情報をもとにし、誰にでも納得できるような論理を用いて、日本のTPP(環太平洋経済連携協定)への参加について反対し、その根拠を明らかにします。それだけのことです。
 では、何が私を不安にしているのでしょうか。それは、我が国における議論や物事の進み方の異様さです。
 まず一番怖いのは、農業関係者を除く政治家、財界人、有識者あるいはマス・メディアが、ほぼすべてTPPへの参加に賛成しているにもかかわらず、その根拠があまりに弱く、その論理があまりに乱れているという点です。この全体主義的な事態は、ただごとではありません。
 私は、TPPへの参加に賛成する議論を追っているうちに、ある共通する特徴に気づきました。それは、どの議論も、戦略的に考えようとするのを自分から抑止しているように見えるという点です。たとえるならば、戦略的に考えようとする思考回路に、サーキット・ブレーカーが付いていて、あるコードが出ると、それに反応してブレーカーが自動的に落ちて、思考回路を遮断してしまうような感じです。
 TPPをめぐる議論には、そういうブレーカーを働かせるコードが特に多いのです。いくつか例を挙げてみましょう。
「開国/鎖国」「自由貿易」「農業保護」「日本は遅れている/乗り遅れるな」「内向き」「アメリカ」「アジアの成長」「環太平洋」
 TPP賛成論には、こういったお決まりのセリフがよく出てきます。そして、こういったセリフが出てきた瞬間、論理が飛んで、TPPに参加すべきだという結論へと着地するのです。どれほど論理が矛盾していようが、どれほど現実に起きていることと反していようが、「TPPに参加するしかない」となり、他の結論を許さないようになっているのです。
 私は、TPPをめぐる議論を検証しながら、日本人の思考回路がたくさんのブレーカーでがんじがらめになっていることに気づきました。この本は、TPPに関する是非そのものを議論するというだけでなく、それを通じて、日本人の思考回路を束縛し、戦略的に考えられないようにしているブレーカーの存在を明らかにするものと思います。
 戦略的に考えられないということは、今の世の中、致命的な問題です。
 二〇〇八年のリーマン・ショック以降、世界は激変しつつあります。かつての世界恐慌がそうでしたが、世界的な大不況では、各国とも生き残りのために必死になります。そのためには手段を選ばず、武力衝突も辞さないでしょう。
 こうした中、さまざまな国が、日本に対して、うまい話やきれい事を並べながら、えげつない計略をいろいろと仕掛けてくるでしょう。私は、TPPもそのひとつだと思っています。いや、TPPなど序の口なのかもしれないのです。
 このように言うと、「排外主義的だ」「感情論だ」「内向きだ」と批判されるかもしれません。しかし、二〇一〇年の環太平洋地域に限っても、すでにいろいろとキナ臭い事件が起きました。特に目立った動きだけでも、例えば、中国漁船による尖閣沖の領海侵犯事件とそれをめぐる中国の対応、ロシア大統領による北方領土訪問、北朝鮮による核開発や韓国への砲撃などが挙げられます。予測不能の事態がいつ起きてもおかしくはない世の中になっているのです。
 これほど厳しい世界になっているのに、ちょっと戦略的に考えようとするや否や、すぐにブレーカーが落ちて思考回路を遮断してしまう。そのような頭の構造をしているようでは、あまりにも危な過ぎます。私たちは、そんなブレーカーを一刻も早く取り外して、まずは戦略的な思考の回路を取り戻さなくてはなりません。
 この本は、TPPという具体的な問題の検証を通じて、日本人の戦略的思考回路を回復させようという試みです。ですから、これからTPP以外の問題が日本に降りかかったときにも、この本に書かれた戦略的思考回路が役に立つことを狙って、私は書いています。
 実際、TPPというアジェンダが浮上した背景、そしてそれに対する政府、財界、知識人、マス・メディアの反応を解明しようとすると、農業や貿易はもちろん、世界経済の構造変化、アメリカの戦略、金融、財政、グローバリゼーション、政治、資源、環境、安全保障、歴史、思想、心理、精神と多岐にわたる論点に考察を及ぼさなければなりません。しかも、これらすべての論点が、TPPを中心にして、相互につながり、絡み合っているのです。
 言い換えれば、TPPという穴をのぞくことで、リーマン・ショック後の世界の構造変化、そして日本が直面している問題の根本が見えてくるのです。ですから、それらを頭に入れておけば、今後、TPP以外の政治経済的な問題に対処するにあたっても、きっと役に立つことと思います。
 TPPとは、それだけ根の深い問題なのです。
*中野 剛志(なかの たけし)
  一九七一年、神奈川県生まれ。京都大学大学院工学研究科助教。東京大学教養学部(国際関係論)卒業。エディンバラ大学より博士号取得(社会科学)。経済産業省産業構造課課長補佐を経て現職。専門は経済ナショナリズム。イギリス民族学会Nations and Nationalism Prize受賞。主な著書に『国力論―経済ナショナリズムの系譜』(以文社)、『自由貿易の罠―覚醒する保護主義』(青土社)など。
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『TPP亡国論』/怖いラチェット規定やISD条項(毒まんじゅう)/コメの自由化は今後こじ開けられる2011-10-24 | 政治(経済/社会保障/TPP)
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