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無罪獲得、一体改革法案を廃案で一気に野田を追い込み、総理就任まで狙う小沢一郎に立ちふさがる壁

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無罪獲得、一体改革法案を廃案で一気に野田を追い込み、総理就任まで狙う小沢一郎に立ちふさがる「話し合い解散」の壁
現代ビジネス2012年03月05日(月)田崎 史郎「ニュースの深層」
「小沢は消費増税法案に反対して野田佳彦首相を引きづり降ろした後、民主党代表選で自分が立つつもりじゃないのか。そんなこと、世間が許すはずがないが…」−。民主党の長老はこう言って天を仰いだ。
 この長老が懸念しているのは、こんな政局見取り図だ。
 《元代表・小沢一郎が4月26日ごろ下される政治資金規正法違反事件の東京地裁判決で無罪を勝ち取る。一転してえん罪の被害者となった小沢への支持が広がる。その流れに乗って小沢は5月、衆院本会議で消費増税を含む税と社会保障一体改革法案に反対して否決。野田を退陣に追い込み、その後の代表選で勝利する》
 この懸念が的中するなら、小沢は5月中にも民主党代表に、そして首相の座に就くことになる。そんなことがあるのか?
 ■衆院選挙前の政界再編にまで言及
  小沢は昨年11月中旬に、消費増税反対を打ち出し、戦いののろしを上げて以来、間断なくメディアへの露出を通じた情報発信と、夜の会合を重ねて身内を固める「両面作戦」を続けている。
 1月までは週刊誌やインターネットテレビ、衛星放送を舞台に、2月には共同通信、朝日新聞のインタビューに応じて大手メディアに登場。今月3日には、テレビ東京に出演し、今後も全国紙や地上波テレビへの出演が計画されている。
 小沢はメディアにおいて、依然として「売り手市場」だ。小沢が党内で大きな影響力を持っている以上、小沢の「ニュース価値」は高い。
 メディア側は小沢にインタビューや出演を申し込み、小沢が応じるとなれば小沢側が提示した条件をのんでも実現を優先させる。小沢も心得たもので、インタビューごとに発言のトーンを変える。先月22日の朝日新聞インタビューでは衆院の解散・総選挙に踏み切る場合、「民主党内閣、民主党自身の終わりだ。選挙前の再編を含め、国家が混乱しない方策を考えなければならない」と語り、衆院選前の政界再編に踏み込んだ。
  こうも強気になったのは、東京地裁が2月17日、資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反(虚偽記載)事件で、小沢に虚偽記載を報告し、了承されたとした衆院議員・石川知裕の捜査段階の供述調書を証拠不採用としたからだ。小沢は判決で無罪になる確信をますます強めた。
 その後の報道でも、東京地検特捜部が虚偽記載の捜査報告書を放置していたことが発覚。特捜部が小沢を強制起訴した検察審査会をだましたと受け取られかねず、裁判は小沢に優勢な展開となっている。
 ■小沢が恐れる「話し合い解散」
  小沢は無罪となれば、怖いものなしだ。周辺は「第2の村木厚子さんになるのではないか」という期待を込める。
 厚生労働省雇用均等・児童家庭局長だった村木さんは2009年6月、障害者割引郵便制度の悪用事件で、大阪地検特捜部によって虚偽有印公文書作成・同行使容疑で逮捕、起訴された。しかし、担当検事が証拠のフロッピーディスク(FD)を改ざんしていたことが発覚。10年9月、大阪地裁は村木さんに無罪を言い渡した。村木さんは犯罪者から、一転してえん罪の被害者になった。
 小沢と村木さんを同一視することは難しい。それは、秘書3人が有罪判決を受けているほか、小沢自身が国会での説明を拒んできたからだ。しかし、無罪判決が下されれば、小沢サイドが党の処分撤回を求めるなど勢いづくのは間違いない。
 一方、野田が政治生命を賭ける税と社会保障の一体改革法案の国会審議は、5月に大きなヤマ場を迎える見通しだ。法案審議は特別委員会を設置して行えば、3週間あれば足りる。委員会採決では、民主党が委員に賛成派を並べれば可決可能だが、衆院本会議採決で小沢サイドが52人以上反対するなら否決されてしまう。
 その時、野田は衆院を解散できるか、それとも退陣せざるを得なくなるか…。退陣ならば、後継を選ぶ代表選となり、小沢自身が出馬し当選する可能性は否定できない。
こんなシナリオを突き崩すのが「話し合い解散」だ。野田が自民党総裁・谷垣禎一との間で一体改革法案を成立させる代わりに衆院解散を確約する合意ができれば、小沢の出番はなくなる。
  小沢が3日、テレビ東京の番組で野田・谷垣極秘会談で話題になった話し合い解散について、「マスコミ的な話題の話で、現実の政治の話ではないと思う」と不快感をあらわにしたのは、戦略が狂いかねない恐れの現れだ。
 どういう結末になるのか、まったく分からない。しかし、政局は「5月決戦」に向けて熱を帯びてきた。
 (敬称略)
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〈来栖の独白 2012/3/5 Mon.〉
 上のお気楽な「スケベ」記事、笑ってしまった。とりわけ、「第2の村木厚子さんになるのではないか」のセンテンス。
 どのメディアも<野田・谷垣極秘会談で話題になった話し合い解散について(中略)不快感をあらわにした>と言うが、私は見ていて、さほど(不快感)には感じなかった。取るに足りないことと流しているな、と感じた。小沢さんに「スケベ根性」はないのだから。
 私には、いつも思い出す小沢一郎さんの言葉がある。2010年民主党代表選での演説である。「私には夢があります」と話された。責任感あふれる内容であった。理を尽くして堅実な夢を語られた後で、「皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません」と云われた。「最後の機会になる」、この言葉に小沢さんは万感の思いを籠めておられたように思う。
 上の記事のように、軽薄なコメンテーターは、昨今の小沢氏のメディアへの露出をあれこれ言うが、小沢さんの願うものは「国民の生活が第一。」、その政策の実現以外にないだろう。
 かつてのロッキード事件では、田中角栄氏の裁判を1回も欠かさず傍聴した小沢一郎さんである。裁判の難しさ、不条理性を骨の髄まで知っている。そういう小沢さんだから、ご自身の強制起訴裁判でおいそれと無罪が取れるなどと楽観してはおられないだろう、と私は見ている。微罪で執行猶予付きでも、有罪は有罪である。
 ものごとの深奥を見ようとせずイメージで断じるこの社会ゆえ、有罪となれば、政治命は絶たれる。だからその前に、小沢さんは如何に「衆愚」のメディアであっても呼ばれれば応じ「国民の生活が第一。」の話をしよう、そう決心しているのではないか。「皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません」、こういった思いが、小沢さんを突き動かしているのではないか。小沢さんには、総理の座を狙うなどのスケベ根性はないのである。そんな野心があったなら、とっくに総理になっていた。自民党時代から、総理に最も近い所に居た。
 最後に・・・。無罪は難しいのではないか。4月ともいわれる判決公判が怖くてならない。元秘書3人が有罪だったからではない。池田秘書の調書が採用されているからだ。それと、大善氏が裁判長であること。また、小沢一郎氏という存在が、日本の既得権益を有するすべての権力者に大きな障害物であること。そして、日本の裁判所が、厳に官僚司法というシステムで保たれているからだ。これらを打ち壊すのは、正に革命である。政権交代である。
 ことほど左様に、小沢無罪は、難しい。
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小沢一郎氏裁判/有罪とするには、採用された池田光智被告の1つがあればよい/小沢氏の政治生命は断てる2012-02-19 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 

              

 「本日はたくさんのお祝い、本当にありがとうございました。水谷建設から5000万円を頂いていれば、ご祝儀をお断りするところですが、お許し下さい」
 石川知裕議員(38・'10年2月に民主党離党、'11年12月に「新党大地・真民主」に参加)が、こう?ブラックジョーク?を飛ばした。この日の会場(ANAインターコンチネンタルホテル)が、検察が、石川氏が水谷建設から5000万円のヤミ献金を受け取ったと主張しているホテルであることにひっかけたのだ。
 2月4日の午後2時頃、このホテルの地下1階には、政治家やそのSP、着物姿の晴れやかな女性たちなどが続々と集まっていた。この日行われたのは、石川氏の結婚披露宴。石川氏といえば、小沢一郎元民主党代表(69)の元秘書で、東京地検特捜部に政治資金規正法違反で逮捕され、昨年9月に有罪判決を受けて控訴中の身。にもかかわらず、小沢元代表をはじめ、新党大地・真民主の鈴木宗男代表(64)や、同党の松木謙公代表代行・幹事長(52)、民主党の東祥三衆議院議員(60)らが出席した。他にも、歌手の松山千春(56)や元外務官僚・佐藤優氏(52)など錚々たる面々がずらり。総勢約300人の盛大な宴となった。
 新婦の阪中香織さん(27)は、日本BS放送の元アナウンサー。二人は昨年5月に友人のホームパーティで出会い、交際を開始。昨年10月に入籍している。
「新郎には私のことで大きな荷物を背負わせてしまっている。一緒になる決断をしてくれた花嫁には感謝しています」
 小沢氏は、資金管理団体「陸山会」が'04年に行った土地購入を巡り、強制起訴されている。'11年10月の初公判以降、13回の公判が開かれてきた。裁判の最大の焦点は、石川氏を含む3人の元秘書が一審で有罪判決を言い渡された、政治資金収支報告書の虚偽記載に小沢氏が関与していたのかどうか。
 石川氏と小沢氏は現在、裁判で対面しても、お互い目も合わさず、挨拶もしない微妙な関係と言われる二人。確かにこの日、小沢氏は宴の最中も心なしか不機嫌そうではあった。では、そんな関係の中、なぜ出席したのか。
「元秘書で家族同然だった人間の晴れ舞台なのですからね。無視しているわけではないと、スピーチまで引き受けてアピールしたのでしょう」(永田町関係者)
 小沢氏のスピーチ中は会場全体に妙な緊張感が漂っていたが、宗男氏が登壇すると雰囲気は一変。ブラックジョークのオンパレードとなった。
「ご紹介に与りました、前科1犯の鈴木宗男です。石川さんの結婚の知らせは塀の中で知りました。彼は以前『宗男さんの後ろをしっかり歩いて行きます』と言っていたが、しっかり逮捕されている。ちゃんと私の後ろを歩いていますよ」
 その次の、松山千春も負けていない。
「入籍前だったら、香織さんのご両親に、『正気ですか』とアドバイスしますよ。彼は足寄町立小学校、足寄中学校の後輩ですが、高校はなんと函館ラ・サールに進んだ。ラ・サールに行く奴なんていうのは?紙一重?なんです。分かってるか、石川。政治資金規正法も?紙一重?なんだよ(笑)」
 仕上げに、石川氏まで、冒頭の自虐ジョークで宴を締めくくったのだった。
 新婦の香織さんは会社を退職し、地元選挙区の帯広市に居を構え、石川氏をバックアップしていくという。だが、政治評論家の有馬晴海氏はこう話す。
「裁判の流れは有罪で推移しているので、次の選挙は厳しいでしょう。小政党なので比例ではまず無理ですから、何としても小選挙区(北海道11区)で勝ちたいでしょうね。有権者に理解してもらえるような政治活動を、続けていけるかが重要でしょう」
 石川氏にとっては、厳しい新生活のスタートになりそうだ。
「フライデー」2012年2月24日号より
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〈来栖の独白2012/02/19 Sun.〉
 裁判とは、怖いものだ。石川知裕議員の披露宴に出席している鈴木宗男氏の顔(画像)を見ていて、ふと小沢一郎氏の裁判、裁判長大善氏の目論みを思った。
 そもそも小沢氏の強制起訴は、愚かな市民(委員)を操って、国と検察、そして政界が既得権益を守らんがために小沢氏を葬ろうとでっち上げたもので、メディアを走狗としてフルに使った。
 今月17日金曜日、東京地裁大善裁判長は、検察側証拠書類の大半を信用できないとして却下。しかし、楽観できない。小沢無罪を言い渡すことは、検審会の存在意義が問われることであるし、司法官僚の受けも決してよいはずはない。大善氏の将来(出世)を考えれば、氏の得点になるとは考えにくい。
 いや、そのようなことよりも何よりも気になってならないのは、証拠却下されたのが「大半」であって、「全部」ではないということだ。池田光智被告の調書は採用されている。被告人を有罪とするに証拠は多くは要らぬ。1つあればよい。池田光智被告の1つによって有罪になれば(微罪で執行猶予でも)、その瞬間に(確定の瞬間に)小沢一郎さんの政治生命は断たれる。選挙権及び被選権が停止される。鈴木宗男氏がそうだ。「微罪でよい。執行猶予も付けてやろう」、大善氏は有罪の青写真を描いたうえで---小沢氏の息の根を止める手はずを整えて---大半の証拠を却下、身内同然の検察に「これからは気をつけなさいよ」と余裕で、たしなめて見せたか。
 振り返ってみれば、このようにして(特捜)事件は造られ、権力の側に好いように判決されてきた。小沢排除を狙って、このこと(〜強制起訴)を仕掛けた検察が、最後の矢を外すとは思えない。小沢無罪は奇跡に近い。胸が騒ぐ。騒いでならない。
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現金授受現場に同席者…「紙袋渡すの見た」 水谷建設裏献金疑惑2010-01-27 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 現金授受現場に同席者…「紙袋渡すの見た」 水谷建設裏献金疑惑
産経ニュース2010.1.27 01:45
 民主党の小沢一郎幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で、水谷建設元幹部が、平成17年4月に小沢氏の公設第1秘書、大久保隆規容疑者(48)に裏献金5千万円を渡した際、共通の知人が同席していたと東京地検特捜部に供述していることが26日、関係者への取材で分かった。知人も同席していたことを認めているという。大久保容疑者は否定しているが、特捜部は現金授受を裏付ける重要な証言とみて、さらに詳しく調べている。
 元幹部が17年9月に盛岡市内のホテルで、同月11日に投開票が行われた衆院選の陣中見舞いとして、大久保容疑者に現金2千万円を渡したと供述していることも新たに判明。この場にも、5千万円授受のときと同様、この知人が同席していたという。
 水谷建設元幹部は特捜部に対し、16年10月、東京都港区の全日空ホテル(現ANAインターコンチネンタルホテル東京)で、紙袋に入れた現金5千万円を当時陸山会の会計事務担当だった民主党衆院議員、石川知裕容疑者(36)に渡したと供述。さらに、17年4月にも同ホテルで大久保容疑者に5千万円を渡したと供述しているとされる。
 いずれも裏献金は国発注の胆沢(いさわ)ダム工事受注の謝礼だったとしている。
 関係者によると、元幹部は1回目の5千万円の授受の際は石川容疑者と2人だけだったと説明したが、2回目の5千万円の際は共通の知人が同席していたと供述したという。知人も特捜部の任意聴取に「17年4月の全日空ホテルと、9月の盛岡市内のホテルで、元幹部と大久保秘書の3人で会い、元幹部が現金が入っていたと思われる紙袋を渡すのを見た」と証言したとされる。
 知人は平成20年までの6年間に個人と会社名義で、小沢氏が代表を務める「民主党岩手県第4区総支部」に計70万円を献金していた。大久保容疑者とは以前からの知り合いで、知人が元幹部に大久保容疑者を紹介したといい、元幹部が東京・向島の高級料亭で大久保容疑者を接待した際、同席することもあったとされる。
 このため、特捜部は、現金受領の有無について大久保容疑者を重点的に取り調べているが、大久保容疑者は「元幹部からは料亭で2回程度接待を受けたが、5千万円や2千万円は受け取っていない」と否定しているという。石川容疑者も現金受領を否認しているとされる。
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「被災者のため役立ちたい」仮釈放の鈴木宗男元議員/松木謙公・石川知裕両衆院議員などが駆けつけた2011-12-06 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 「被災者のため役立ちたい」 仮釈放の鈴木宗男元議員が会見
産経ニュース2011.12.6 15:47
 受託収賄など4つの罪で服役し、仮釈放された新党大地代表・鈴木宗男元衆院議員が6日午後、国会内で記者会見を行い、今後の活動について「東日本大震災の被災者のために私の立場で少しでもやれることをやっていきたい」と述べた。
 服役中は「永田町の動きが気になった」と告白。刑期を終えてから5年間、選挙に出ることができないが、「政治は国民の気持ちを正直に体現するのが基本だ。政権交代で国民の理解を得られるように、私の経験を少しでもいかせることがあればと考えている」と述べ、新党大地代表として民主党政権に協力していく意向を示した。
 収監からちょうど1年の仮釈放について「1年ぶりに自由な空気を吸えた」と笑顔をみせたが、被災者について語るときは涙ぐむ場面もあった。会見には無所属の松木謙公、石川知裕両衆院議員や民主党議員も駆けつけた。
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小沢一郎氏裁判/司法官僚によって行使される人事権は全国の裁判官たちに絶大な影響力をもつ2012-01-19 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 小沢強制起訴“黒幕”は最高裁事務総局
日刊ゲンダイ2012年1月18日 掲載
日本の司法を牛耳るエリート集団
 小沢強制起訴を主導したのは、検察ではなく最高裁だった――? 本当ならば仰天する話だが、ブログを中心に検察審査会のデタラメを追及してきた匿名ジャーナリストの「一市民 T」氏がこう告発する。
「最高裁の中に事務総局という組織があります。ほとんど表に出てくることがなく、秘密のベールに包まれた組織ですが、実はここが小沢元代表をめぐる一連の裁判の“司令塔”なのです」
 事務総局に配属されるのは、将来を約束されたエリート裁判官ばかりだという。トップの事務総長は、ほぼ例外なく最高裁判事になり、「三権の長」の一角をなす最高裁長官にも、これまで6人が就任。現在の竹崎博允長官も事務総長経験者だ。T氏が続ける。
「私はこれまで何度も検察審の事務局に足を運んで情報開示を求めてきましたが、最高裁事務総局からの通達で情報は公開できないという。そもそも、検察審の規定を作ったのも事務総局だし、検察審の人事や予算の管理、使用機材の選定なども事務総局が行っている。要するに、全国に165ある検察審は手足にすぎず、頭脳は事務総局なのです」
 岩波新書の「司法官僚〜裁判所の権力者たち」(新藤宗幸著)には、こんな記述がある。
〈日本の司法は、最高裁判所の内部に、巨大な権限を実質的に持つ司法行政機構=最高裁事務総局を整備してきた。そして一般の職業裁判官とは別に、一部のエリート職業裁判官を選別し司法行政に当たらせてきた〉
 戦後日本の司法行政を牛耳ってきたのが、事務総局のエリート集団だというのである。最高裁(広報課)はこう説明する。
「確かに事務総局で検察審査会などの組織管理や、裁判所の人事管理は行っておりますが、エリート集団といわれても……。部署によっての優劣はありません」
 小沢公判は誰が見たって無罪確実の不毛裁判だが、最高裁が当初から関わっているとなると、話は別だ。
「陸山会裁判で“ミスター推認”こと登石裁判官を裁判長に指名したのも事務総局だし、もちろん、小沢氏本人の公判判事も事務総局の差配です」(司法関係者)
 最高裁と検察が結託すれば、どんな人間でも塀の中に落とせてしまう。
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小沢一郎氏「お見舞いに歩くのが政治家の仕事なのか?お悔やみを申し上げるのが政治家の仕事なのか?」 2012-01-05
 〈来栖の独白2012/01/05〉
  〈前段略〉ところで、ここからは余談になるので後日に稿を改めたいと思うが、昨年より深く憂慮している一事がある。4月にも判決といわれている、小沢一郎さんの裁判である。
 陸山会事件登石郁郎裁判長の判決で思い知らされたが、裁判長には裁判長で、縛りがかけられているということだ。登石裁判長の下した判決は、郷原信郎氏のような専門家は無論のこと、私のような素人がみても、おかしな判決だった。なぜ、このような恥ずべき判決文を書かなければならなかったのか。まかり通ったのか。
 新藤宗幸氏はその著『司法官僚』〔裁判所の権力者たち〕(岩波新書)の中で、次のようにいう。
“司法官僚は全国の判決や訴訟指揮の情報を集める。それをもとに行使される人事権は全国3500名の裁判官たちに絶大な影響力をもつ。10年ごとの再任の有無、昇級、転勤を司法官僚が決める。事務総局が召集する「合同」と呼ばれる研究会も下級審の裁判内容を遠隔操作する結果を生む。
 裁判とは社会で周縁においやられた人々の、尊厳回復の最後の機会である。必死の訴えをする人々に遭遇したとき、裁判官は全人格的判断をもって救済に当たるべきだ。しかし、人々の目にふれぬところで、裁判官の内面までゆがめ、その存在理由をあやうくしているシステムがあるのだとすれば大問題である。
 政権交代とは闇を打破る時代のことであろう。本書の提言にかかる裁判所情報公開法などによって司法の実態にも光が当てられ、真の改革が着手されるべきだ。”
 ここでも“官僚”である。上の文脈によれば、小沢氏裁判で「無罪」と書いて大善文男裁判長個人に利するところがあるか。無い(だろう)。地方の簡裁か家庭裁判所へ飛ばされるのがオチであろう。
 前田元検事は「主任検事から『この件は特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢をあげられなければ特捜の負けだ』といわれた」と証言している。裁判所にとって、被告人に利するか、はたまた長く利益を分かち合ってきた検察との仲を保つかを天秤にかけるなら、答えは歴然としていよう。
 そのことは、検察と一体となり走狗となって「小沢 クロ」と書いてきたメディアとっても同様である。ここで「小沢 無罪」が出たなら、メディアは、どう書けばいいのか。
 ことほど左様に、司法には司法の事情があり、裁判所と検察には判検(一体)の、検察とメディアには検察とメディアの、それぞれ譲れぬ事情がある。
 深く憂慮に堪えない。小沢氏無罪は、難しい。
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民主党大会 小沢氏演説=この理念に沿った政治をこの国が渇望しないはずがない2010-09-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 民主党代表選に於ける小沢一郎氏演説
〈前段略〉
 私は40代でたまたま国務大臣、自民党幹事長に就任するという機会があり、国家はどう運営されているのか、その実態を権力の中枢でつぶさに見続けて参りました。そこで見た官僚主導の、例えば予算作りでは、各省のシェアが十年一日のごとくほとんど変わることがありませんでした。官僚組織というのはそういうものであります。
 その中で私は、自民党の中にいながらこの改革は無理であることを骨身に染みて分かりました。だからこそ、政権与党である自民党を飛び出して、真にしがらみのない政党を作り、政権を変えるしかないという決意をもってこの17年間、政治活動を続けて参りました。
 改めて申しあげます。昨年、政権交代が実現したのは、こんな日本を何とか変えてくれ、という国民の悲痛なまでの叫びからだったはずであります。この声に応えようと、菅総理大臣始め閣僚の皆さんが一生懸命に取り組んでおられることを否定をするものではありません。
 しかし、政治と行政の無駄を徹底的に省き、そこから絞り出した財源を国民の生活に返すという、去年の衆院選挙マニフェストの理念はだんだん隅においやられつつあるのではないでしょうか。実際に来年度の予算編成は、概算要求で一律10%カット。これではこれまでの自民党中心の政権と変わりません。財政規律を重視するという、そういうことは大事なことではありますけれども、要は官僚の抵抗で無駄を削減できず、結局マニフェストを転換して国民に負担をお願いするだけではないでしょうか。これでは本当の意味で国民の生活は変わりません。
 私には夢があります。役所が企画した、まるで金太郎あめのような町ではなく、(※)地域の特色にあった町作りの中で、お年寄りも小さな子供たちも近所の人も、お互いがきずなで結ばれて助け合う社会。青空や広い海、野山に囲まれた田園と大勢の人たちが集う都市が調和を保ち、どこでも一家だんらんの姿が見られる日本。その一方で個人個人が自らの意見を持ち、諸外国とも堂々と渡り合う自立した国家日本。そのような日本に作り直したいというのが、私の夢であります。
 (略)
 官僚依存の政治に逆戻りさせるわけにはいきません。それはとりもなおさず、政治の歴史を20世紀に後戻りさせることになるからであります。私は代表になってもできないことはできないと正直に言うつもりであります。しかし、約束したことは必ず守ります。
 こう断言できるのは官僚の壁を突破して、国民の生活が第一の政治を実行するのは、最後は政治家の志であり、改革のきずなで結ばれている皆さんとなら、長い時代の壁を突破できると信じるからであります。そして私自身は、民主党の代表すなわち国の最終責任者として、すべての責任を取る覚悟があります。
 今回の選挙の結果は私にはわかりません。皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません。従って最後にもう一つだけ付け加えさせてください。
 明治維新の偉業を達成するまでに多くの志を持った人たちの命が失われました。また、わが民主党においても、昨年の政権交代をみることなく、志半ばで亡くなった同志もおります。このことに思いをはせるとき、私は自らの政治生命の総決算として最後のご奉公をする決意であります。そして同志の皆さんとともに、日本を官僚の国から国民の国へ立て直し、次の世代に松明を引き継ぎたいと思います。
 そのために私は政治生命はおろか、自らの一命をかけて全力で頑張る決意であります。皆さんのご指示、ご理解をお願いいたしまして、私のごあいさつといたします。ありがとうございました。
...........
 ※憲法第13条
 「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」
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私の面倒を見てくれた政権の座にある人物が1日中、椅子に座らされて、1人でいるのは耐えられなかった2011-10-04 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 フラッシュバック:小沢氏、再び法廷に
WSJ Japan Real Time2011/10/3 16:48.
政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された小沢一郎・民主党元代表の初公判が6日、東京地裁で開かれるが、同氏が師と仰いだ田中角栄元首相の裁判が改めて思い出される。田中元首相は国防関連最大手、米ロッキードからの収賄罪に問われた。
政治資金規正法違反罪で強制起訴された小沢一郎・民主党元代表の初公判が6日、東京地裁で開かれる。当時まだ若かった小沢氏は、1977〜83年にわたった191回の公判全てに出席した。審理の結果、田中元首相には有罪判決が下った。田中派議員のなかでも、毎回公判に出席したのは小沢氏1人だけだった。
小沢氏は毎回終了までとどまり、田中元首相と目が合うのを待って深くお辞儀をしたと伝えられる。
政治ジャーナリスト渡辺乾介氏が執筆した1992年の本のなかで、小沢氏は心情的にそうした、と述べたと引用されている。この本の出版に当たり、小沢氏は渡辺氏と長時間にわたり会談したという。「あの人〜ひとつの小沢一郎論〜」と題するこの本の中で、小沢氏は私の面倒を見てくれた政権の座にある人物が1日中、椅子に座らされて、1人でいるのは耐えられなかった、と語ったと記されている。
政治資金規正法違反の嫌疑について、小沢氏は自身の不正行為を否定している。田中元首相も収賄罪で不正行為を働いたことを否定し、有罪判決を受けた後も陰の実力者の地位に君臨した。
小沢氏はその後何年にもわたって田中元首相を擁護し、不当に罰せられたと指摘した。小沢氏は2006年に出版された別の本のインタビューで、田中のオヤジが完璧だと言っているのではない、と語ったという。田中さんだけじゃなく、国民も政治家も官僚もみなやっていたことだと述べ、田中元首相はスケープゴートにされたと言及した。
小沢氏は自身の裁判でも同様の弁護を行っている。田中元首相の裁判の最中でさえ、小沢氏は法廷に立つことを予想していたかのようだ。小沢氏は、政治家として裁判で同じ立場に置かれたら、どうすべきかと考えていたと、1992年の本の出版に際しての渡辺氏とのインタビューで語っていた。自分だったらどうするかと、公判の間、ずっとそういったことを考えていた、と語っていた。
記者:Jacob M. Schlesinger *強調(太字・着色)は来栖
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