小沢元代表に9日論告求刑 検察官役、状況証拠重ね立証へ
河北新報2012年03月07日水曜日
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる収支報告書虚偽記入事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表小沢一郎被告(69)の論告求刑公判が9日午前10時から、東京地裁で開かれる。求刑は午後になる見通し。法定刑は、5年以下の禁錮または100万円以下の罰金。
大善文男裁判長は公判で、元私設秘書の石川知裕衆院議員(38)=一審有罪、控訴=が元代表に虚偽記入を「報告し、了承を得た」と認めた検察官調書を全て採用しないと決めた。
共謀を示す直接証拠の中で最も重要な柱を失ったことで、指定弁護士は状況証拠を積み上げ、論告で有罪の意見を述べる予定だ。
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◆小沢強制起訴裁判は120年の議会史で最悪の事件/笠間検事総長が日本の統治機構を建て直す鍵をもっている2012-02-29 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
〈抜粋〉
では「小沢事件」はどうか。元秘書3名が一審判決で「有罪」とされた。政治資金報告書の出納帳への記載時期がずれていたことを「虚偽記載」とされたのである。日本を代表する会計学の権威が、実務としては「これは虚偽ではなく、むしろこの記載時期の方が正しい」と証言したにもかかわらずである。
さらに驚くべきは、水谷建設からの裏金について証拠も示さず「あったと推認される」と判示した。おかしなことに、それに対する罪は問わなかった。ちなみに、この「裏金」については特捜部でさえ立件を求めていない。
これに対し、多くの国民から「法と証拠にもとづかない裁判」で「裁判官の暴走」との批判が噴出した。当然、3名は直ちに控訴した。
小沢氏の強制起訴裁判は、昨年10月6日から公判が始まり、3月9日論告求刑、3月19日最終弁論、4月26日判決の予定である。
公判の中で、我々が想定した以上の検察の不祥事が判明した。
大善裁判長は2月27日の公判で石川元秘書の供述調書の大半を証拠として採用することを却下した。その中には田代検事が捏造した疑惑のある検察審査会の強制起訴の前提となる資料があった。
「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」(代表・八木啓代氏)の告発もあり、検察側が田代問題を調査中である。
大善裁判長をして、田代検事らの取り調べに、利益誘導や不適切なものがあり、「個人的なものではなく、検察の組織的なもの」と断定している。
また、応援捜査で参加していた大阪地検特捜部の前田元検事は、この公判において「非常に重要な証言」をするに至る。「小沢氏への裏金提供の事実はない」と証言しているゼネコン関係者の調書、捜査報告書、捜査メモなどがあったとしたのである。さらに当時、東京地検特捜部の検事たちの大勢は、「小沢事件に関して厭戦ムードが漂っており、上層部だけが立件へ強い意欲を示していた」。つまり「検察上層部からの強い圧力」があったことを示唆したのである。小沢弁護団は公訴棄却を主張している。
しかし、前田元検事の証言は、帝国人絹事件における藤沼庄平警視総監ほどの重みを持つまでに至っていない。
「小沢事件」の公判を通じて噴出した検察や裁判所のあり方について、国民的批判が沸き上がる中で、最高裁事務総局が発注した「検察審査員選定ソフト」の談合疑惑や、裏金づくりが報道されるようになってきた。
本来であれば、その権能を発揮すべき国会が機能不全に陥っており、国民はわが国の統治機構に強い不信を持つまでに至っている。
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小沢一郎氏 裁判/論告求刑公判 3月9日午前10時〜/ 最終弁論 3月19日/ 判決 4月26日 予定
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