Quantcast
Channel: 午後のアダージォ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

再審開始決定:17年前の放火殺人事件/大阪地裁水島和男裁判長 /青木惠子受刑者と朴龍晧受刑者

$
0
0

大阪の放火殺人事件 再審開始決定
NHK 3月7日 11時40分
 17年前、大阪市で、自宅に放火し、長女を殺害したとして無期懲役が確定した母親ら2人が再審、裁判のやり直しを求めていたことについて大阪地方裁判所は、「自白の信用性に疑問が生じた」として再審を認める決定をしました。
“有罪の認定揺らぐ”
 平成7年、大阪・東住吉区で住宅が全焼し、小学6年生だった青木めぐみさん(当時11)が入浴中に逃げ遅れて死亡しました。
 母親の青木惠子受刑者(48)と同居していた朴龍晧受刑者(46)が自宅に放火し、保険金目当てにめぐみさんを殺害したとして殺人などの罪に問われ、2人は裁判で無実を訴えました。
 捜査段階で作成された自白の供述調書以外に犯行を直接裏付ける証拠はありませんでしたが、1審、2審とも「自白は信用できる」として無期懲役を言い渡し、最高裁判所で刑が確定し2人は服役しています。
 その後、弁護団が実施した鑑定や実験の結果、「火災は放火ではなく、自宅の車庫に止めていた車からガソリンが漏れて気化し風呂釜の種火が引火した事故の可能性が極めて高くなった」として平成21年、2人は、再審、裁判のやり直しを求めていました。
 これについて大阪地方裁判所の水島和男裁判長は、「弁護団の実験は火災を忠実に再現していて証拠価値が高く、自然発火による可能性を排除できない」と指摘しました。
 さらに、「朴受刑者の自白どおりに車庫にガソリンをまいてライターで火をつけたとすれば、やけどもせずに放火するのは不可能で、自白には重要な部分で不自然な点や不合理な変遷が多く見られる。2人の自白には疑問が生じ、もはや有罪の認定を維持できるほどの信用性はない」として、2人にいずれも再審を認める決定を出しました。
■最高裁判所で無期懲役が確定
 捜査段階では、犯行を認める内容の2人の供述調書が作成されました。
 裁判で、2人は「厳しい取り調べでうその自白に追い込まれた」と無罪を主張。
 自白以外に犯行を直接裏付ける証拠はありませんでしたが、1審の大阪地方裁判所は、「自白は信用できる」として無期懲役を言い渡しました。
 2審の大阪高等裁判所も同様に有罪と判断し、平成18年に最高裁判所で無期懲役が確定しました。
■弁護団の主張
 その後、弁護団は、大学の専門家に鑑定を依頼。
 鑑定書の中で専門家は、「自白どおりの方法で、本人がやけどをせずにガソリンに火をつけるのは不可能だ」と指摘しました。
 さらに、弁護団は実験を行いました。
 現場の車庫を再現し、コンクリートの床にガソリンをまきました。ガソリンは緩やかに傾斜した床を伝い、車庫の出入り口に向かって流れていきます。出入り口付近には風呂釜があります。およそ20秒後、気化したガソリンに風呂釜の種火が引火し、火災が発生しました。
 実験結果などから、弁護団は「火災は放火ではなく、車庫の車から漏れて気化したガソリンに風呂釜の種火が引火した事故の可能性が極めて高くなった」と主張しています。
 こうした新たな証拠を基に、平成21年、2人の無罪は明らかだとして再審、裁判のやり直しを求めました。
■2人の手記や手紙
 2人は刑務所で心情をつづった手記や手紙を書いていました。
〔朴受刑者の手紙〕「火災では子供を救助することができず」「恐怖や絶望が自分の限界を越えて理性を失ったために嘘の自白をしたのです」。
〔青木受刑者の手記〕「新証拠を真剣に検討して頂き、再審決定を言い渡してもらえることを強く、強く望みます」「一日も早く無実が証明されてめぐちゃんのお墓に報告したいです」。
■2人の近況
 青木受刑者は、和歌山刑務所に服役しています。
 支援者によりますと、本人は火災で娘を助けられなかったことを悔やみ、「刑務所を出られたら、まず娘の墓参りをしたい」と話していたということです。
 また、茨城県で男性が殺害されたいわゆる「布川事件」で、再審の結果、無罪が確定した桜井昌司さんとも面会して激励を受けていたということで、「朴受刑者の自白どおりの放火は不可能だ」とする実験結果が出てからは、裁判がやり直されることへの期待感を口にしていたということです。
 去年11月に裁判所に提出した意見書の中では、「ひどい取り調べを受け、身に覚えのない罪を着せられ、うその自白をさせられたうえ、最後には犯人に仕立て上げられている。新証拠を真剣に検討していただき、一日も早く再審開始決定を言い渡してもらえることを強く望みます」とつづっていました。
 一方、大分刑務所に服役している朴受刑者も実験の結果を基に裁判のやり直しが認められることを期待しているということです。
 去年10月には母親に宛てて、「裁判官には全く無実を信じてもらえず、本当に悔しい思いをしてきました。心がモヤモヤしてばかりで、重くて濃い霧に覆われていたのです。それを実験が吹き払ってくれた。希望でいっぱいです」とつづっていました。
 母親が先月21日に本人に面会した際には、布川事件や足利事件など再審で無罪となるケースが相次いでいることにも触れて、「再審が認められると自信を持っている」と話していたということです。
■再審を認める地裁の決定を受けて
 青木受刑者には担当の弁護士から再審を認める決定が伝えられました。
 弁護士によりますと、本人は決定を聞いて、「ありがとうございます。16年半にしてようやく真実を分かってもらえる裁判官に出会えてうれしいです。早く家に帰って、息子と一緒に亡くなった長女の墓参りをして、無実を分かってもらえたと報告したいです」と涙を浮かべながら話していたということです。
 また、朴受刑者は、弁護団を通じてコメントを出し、「逮捕から6024日にしてついに鎖を断ち切るスタートラインに立つことができました。英断を下された裁判官や支援をして下さった方々に感謝の気持ちでいっぱいです。うその自白をさせられたことが悔しくてならないが、僕が無実であることを改めて訴えたいと思います」と述べました。
 さらに、朴受刑者の母親は支援者への報告集会で、「先月21日に面会したとき、息子はいつものように冷静で、『実験結果には100%自信をもってる』と話していた。きょうの決定をきっと息子も青木さんも喜んでいると思う。裁判所に信じていただけたことを本当にうれしく思います。これからは検察が抗告しないようまた戦いたいと思います」と話していました。
■弁護団の記者会見
 今回の決定を受けて弁護団は記者会見し、喜びを語りました。
 このうち朴受刑者を支援する乘井弥生弁護士は、「これまでの裁判では、私たちが申請した証拠に対して、自白があるからという理由で、おかしいところに目を全く向けてくれなかった。やっと常識的な判断をする裁判官に出会えたというのが正直な気持ちだ」話しました。
 また、青木受刑者の齋藤ともよ弁護士は、「16年以上拘束されている状態が続いているので、検察には裁判所の決定に従って、すぐに再審の手続きに入るようよう求めたい。いったん自白をしてしまうと覆すことがどれだけ難しいか最後まで不安は残っていたが、きょうの決定は、裁判所が証拠を科学的、具体的に検討した結果で、立派な判断だと思う」と話していました。
■今後の手続きは
 7日の決定に対して、検察は「即時抗告」を決定の翌日から数えて3日以内に行うことができます。
 今回は土曜、日曜を挟むため今月12日までとなります。
 即時抗告があった場合、大阪高等裁判所が判断することになります。高裁の決定に不服がある場合はさらに最高裁判所に特別抗告することができます。最高裁でも再審が認められれれば、大阪地方裁判所でやり直しの裁判が始まります。
==========================
産経ニュース 2012.3.7 19:20
【東住吉放火殺人】再審開始決定の要旨 「放火方法の自白に疑問」
【主文】
 青木恵子元被告、朴龍晧(たつひろ)元被告について再審を開始する。
【理由】
■第1 再審請求の概要(略)
■第2 確定判決の証拠構造(略)
■第3 再審請求審の審理(略)
■第4 裁判所の判断
▽1 証拠の新規性と明白性(略)
▽2 新実験関連の証拠
 弁護側の主張・立証の中心は事件当時の車庫内の状況を可能な限り忠実に再現し、朴元被告の自白に基づく方法で放火を試みた燃焼再現実験にある。
 車庫内にある風呂釜が当時は種火状態だった点を再現したのは新実験が初めてで、火災状況をより忠実に再現しており証拠価値も高いと認められる。この結果を検討すると、放火方法に関する朴元被告の自白に以下のような疑問が生じる。
 新実験では、ガソリン約7リットルの全量をまき終わらない段階で、ガソリン蒸気が種火に引火した。自白通りにガソリンをまけば、ライターで点火する余地はないのではないかとの疑問が生じる。
 また、新実験では点火後ただちに炎が上がり激しく燃焼した。朴元被告がパンツ1枚の状態で点火し、頭髪を焦がす程度にとどまることがあり得るのか、自白が真実なら何らかのやけどを負う方がむしろ自然ではないかとの疑問が生じる。
 さらに新実験では黒煙が小屋内に充満したが、自白では触れられていない。
 新実験の結果に照らして検討すると、朴元被告の自白には科学的見地からして不自然不合理なところがあり、実験時の燃焼状況は自白と矛盾する。
▽3 検察官の主張
 検察官は床面の傾斜や気温や湿度などの条件が当時の車庫内の状況を忠実に再現したとは認められないと主張するが、再現忠実性に問題は見当たらず、自白の疑問点は払拭されない。
▽4 自白の信用性
 確定判決では2人の自白が唯一の直接証拠で、特に放火の実行行為者とされ、放火行為を詳細に供述した朴元被告の自白の信用性に重点を置いて検討された。新証拠によってその信用性に疑義が生じれば、確定判決の有罪認定もまた動揺する構造になっている。
 新証拠によって、朴元被告の自白は科学的見地から不合理で、火災の客観的状況ともそぐわないことが明らかになった。放火方法という自白の核心部分で信用性に疑義が生じた以上、自白全体の信頼性も揺らいでいると言わざるを得ない。
▽5 自白の主な疑問点
 朴元被告は、事件の1カ月くらい前に青木元被告から金が足りないと責められ、「生命保険があるやん」と言うのを聞いて死亡保険金のことを言っているのだとすぐに分かったと供述している。
 しかし、漠然とした発言のみで青木元被告の意図が分かったというのは不自然だ。その際の青木元被告の様子について供述が大きく変遷もしている。
 また動機に関する自白は、通常の社会生活を送っていた2人がわが子を殺すという重大犯罪に及ぶものとしては飛躍があり、不自然な感が否めない。
 確定審は朴元被告の頭髪に焦げがあったことや、ライターを所持していたことを自白の信用性を支える事情の一つと指摘している。
 しかし頭髪の焦げは消火活動の際に生じたとしても説明がつき、ライターは火災後見つかっていない。自白中には秘密の暴露というべきものはない。自白の信用性を高度に保障する客観的裏付けは存在しないと言わざるを得ない。
▽6 自然発火の可能性
 何らかの原因でガソリンが床面に漏れた場合、風呂釜の種火に引火する可能性は否定できない。全証拠を検討しても火災の原因を自然発火と認定するまでには至らないが、その可能性を積極的に排斥する証拠はない。
■第5 結論
 新証拠を中心に検討したところ、朴元被告の自白は放火方法という核心部分で科学的見地から不自然不合理な点があり、信用性は大幅に減殺された。自白の重要部分には不合理な変遷も多くみられ、信用性を容易に肯定できないことが明らかになった。青木元被告の自白も同様で、2人の自白はもはや有罪認定を維持しうるほどの信用性はない。
 以上によれば、自白の任意性や弁護側のその他の証拠の新規性・明白性について検討するまでもなく、有罪認定に合理的疑いが生じたと認められる。
===============================================
「集団強姦罪」/大阪地裁 水島和男裁判長 無罪事例など 2011-12-23 | 死刑/重刑/生命犯 問題 
 集団強姦罪2被告に無罪判決…被害者供述に疑問
 集団で女子高生に暴行したとして集団強姦ごうかん罪に問われた29歳と23歳の男性被告に対し、大阪地裁(水島和男裁判長)は21日、「被害者の供述の信用性に疑問が残る」などとして、いずれも無罪(求刑・懲役6年、同5年)とする判決を言い渡した。
(2011年12月21日20時02分 読売新聞)
======================
「大阪母子殺害事件」差し戻し審初公判 大阪地裁 水島和男裁判長2011-10-20 | 死刑/重刑/生命犯 問題
 大阪母子殺害:弁護側、改めて無罪主張 差し戻し審初公判
 大阪市平野区の母子殺害放火事件で、殺人などの罪に問われた大阪刑務所刑務官の森健充(たけみつ)被告(54)=休職中=に対する差し戻し審の初公判が20日、大阪地裁(水島和男裁判長)であった。検察側は「被害者の生活状況を知る近しい者の犯行で、その機会があるのは被告だけだ」と述べ、改めて有罪を主張。弁護側は事件当日にマンションを訪れていないとして無罪を訴えた。
 検察側は事件翌日に現場マンションの階段踊り場の灰皿から採取した吸い殻72本のうち、DNA型鑑定で1本を森被告のものと断定。この日の審理でも「被告は事件当日の02年4月14日、現場のマンション階段踊り場の灰皿に吸い殻を捨てた」と述べた。
 最高裁は吸い殻が変色していたことから事件以前に捨てられた可能性があるとし、無期懲役とした1審・大阪地裁判決、死刑とした2審・大阪高裁判決の認定を事実誤認としたが、検察は「短時間で変色することもある」と強調した。
 一方、森被告の靴の中から採取した犬の毛を新証拠として提出し、DNA型鑑定の結果、被害者宅の犬の毛の可能性があると主張。更に、森被告自身が捜査段階で描いた現場室内の図面にある五月人形のかぶとは事件当日に飾られたものだとして、被告がその日に現場へ行ったことは明らかだとした。
 これに対し、弁護側は吸い殻について「被告が被害者夫婦に自分の携帯灰皿を渡したことがあり、被害女性が事件より前にその中の吸い殻を踊り場の灰皿に捨てた可能性がある」と反論。「あまりにも早く被告を犯人と絞り込みすぎた。関係者へのアリバイ捜査が十分ではない」と指摘した。
 また、最高裁が鑑定を促した残りの吸い殻71本が誤廃棄されたことに触れ「これこそが被告の無実を証明する機会だったが、吸い殻は消えた」と述べた。【苅田伸宏、村松洋】毎日新聞 2011年10月20日 11時42分(最終更新 10月20日 14時16分)
..................................
寝坊で開廷35分遅れ…裁判長ザンゲ
裁判長の寝坊で開廷が遅れ、裁判員が約35分間待ちぼうけを食わされるという珍事が8日、大阪地裁であった。
 前代未聞の事態は、殺人未遂罪などを審理する裁判員裁判の法廷で発生。開廷予定時刻の午前10時、検察官と弁護人が所定の位置に着席しても、裁判官や裁判員が姿を現さなかった。
 地裁職員から「30分ほど遅れます」と案内があり、傍聴人らはいったん、退廷した。
 異例の「開廷時間延期」の理由は、水島和男裁判長の寝坊だった。まさかの「法の番人」の遅刻により、裁判員も待合室で待機を余儀なくされた。
 ようやく、同10時35分になって裁判長と裁判員が入廷し、裁判がスタート。
 水島裁判長は、着席すると気まずそうに「開廷が遅れましたが、わたしの個人的な事情です。今後はこういうことがないようにしたいと思います」とざんげ。
 地裁は、理由を「寝過ごしたため」としたが、裁判長本人は、さすがに法廷内の空気では言い出しにくかったのか「個人的な事情」という守備範囲の広い表現で幅を持たせていた。
 審理そのものは順調に進行。水島裁判長は、途中の休廷時にも「すみませんでした」と謝罪を繰り返し、証拠調べを進めた検察側に「もしかして、急いでやってくれました?」と声をかけていた。
(スポーツ報知2009/12/9)
..............................
死亡事故の被告に無罪 「事故回避できず」 大阪地裁
(asahi.com 2006年10月26日14時22分)
 大阪府門真市の交差点で03年、信号無視の車と衝突して2人を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた会社員男性(35)=同府豊中市=の判決が26日、大阪地裁であった。水島和男裁判官は「男性の車は制限速度を超えていたが、仮に速度を守っていても信号無視の車との事故を回避できる可能性はなかった」として無罪(求刑禁固1年6カ月)を言い渡した。
 判決によると、男性は03年2月16日未明、門真市内で乗用車を運転中、制限速度を約20キロ超える約80キロで交差点に進入。右方向から赤信号を無視して走ってきた別の乗用車と衝突し、この車の会社員2人が死亡した。男性は04年12月に在宅起訴されていた。
 判決は、科学警察研究所の鑑定結果などから、死亡した2人の車が速度31キロで赤信号を無視して交差点に入ったと指摘。「男性が速度を守っていたとしても、2人の車を発見した時点ですでに急ブレーキをかけて事故を回避できる状態ではなかった」と判断した。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

Trending Articles