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「小沢一郎を狙っている」/ 「検察の現場が、旧日本陸軍の青年将校のようになって自分に向かってくる」

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警視庁に脅迫文「小沢一郎を狙っている」
 東京都千代田区の警視庁本部に14日朝、民主党の小沢一郎元代表に危害を加える内容の脅迫文が届いたことが捜査関係者への取材でわかった。
  同庁麹町署は威力業務妨害容疑で捜査している。
  同庁幹部によると、封筒の中に「重火器で小沢一郎を狙っている。周りに人を置くな」と書かれた紙が1枚入っており、差出人などは書かれていなかった。消印は今月12日で、都内で投函されたとみられるという。
  小沢元代表に対しては、昨年6月、議員事務所に千枚通しが同封された脅迫文が送り付けられたほか、2010年1月にも同事務所に銃弾が送りつけられていた。
 (2012年3月14日18時48分 読売新聞)
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〈来栖の独白2012/3/14Wed.〉
 憂慮した以上に時代は先に進んでしまっているのだろうか。報道(警視庁に脅迫文「小沢一郎を狙っている」)に接し、太平洋戦争開戦前夜を連想してしまった。
 脅迫とは、卑劣だ。いかなる場合にも武闘はいけない。武力に訴えてはいけない。世に閉塞感は満ちており、橋下大阪市長グループ「大阪維新の会」との名称も、なにやら戦前の匂いが重なってしまう。昭和維新を叫んだ2.26事件の将校みたいだ。
 小沢一郎氏は「検察の現場が、旧日本陸軍の青年将校のようになって自分に向かってくる。連中は諦めないだろう」と語ったと云われる。検察の動きはそのように推移してきたが、もとより一人検察だけが動いた(暗躍した)わけではない。さきの戦争の折も、軍部だけが動いたのではなかった。国民の生活の困窮が上げ潮となり、大本営(メディア)が国家の走狗となって戦争推進のキャンペーンを張った。本日の「脅迫」も、無論軍が検察がやったわけではなく、恐らく小沢氏の「政治とカネ」イメージ(虚像・メディア)に騙され絡め取られた個人がやったのではないだろうか。
 このように、国民は権力の中枢に踊らされてゆく。
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◆ 『小沢革命政権で日本を救え』〔1〕このまま「霞が関」が勝利すると、日本はファシズム国家になる2010-07-01 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア  
           

『小沢革命政権で日本を救え』副島隆彦×佐藤優 日本文芸社
p1〜
 はじめに---小沢一郎が「平成の悪党」になる日 佐藤優
 「霞が関」とマスコミによって潰された鳩山・小沢政権
 2010年6月2日、鳩山由紀夫首相が辞意を表明した。同時に民主党の小沢一郎幹事長も幹事長職を退く意向を表明した。
 マスメディアの報道だけだと、普天間基地移設問題の処理を鳩山首相(当時)が誤ったため、社民党が連立を離脱し、これでは7月に予定されている参議院選挙で民主党が惨敗するという危機感が高まり、内閣が崩壊した、というストーリーしか見えてこない。もちろん、情勢論で見るならば、そのとおりである。
 しかし、それでは問題の本質が見えない。
 霞が関(中央官庁)官僚による“静かなるクーデター”が行われたことが問題の本質なのに、報道からではその姿がなかなかわからない。
 2009年8月30日の衆議院議員選挙(総選挙)による政権交代は、日本の歴史において画期的な出来事だった。国民の手によって、政権交代が実現した初めての出来事なのである。その後、わが日本では、目に見えない2つの政府が激しい権力闘争を展開している。
 第1は、国民の選挙によって選ばれた「民主党連立政権による政府」だ。
 第2は、明治憲法体制下からの連続性が強い「霞が関官僚による政府」だ。
 私自身、元外務官僚だったので、官僚の内在的論理が皮膚感覚でわかる。「存在が意識を規定する」というが、官僚の身分を離れ、文筆で生計を立てるようになってから、官僚時代の私の意識が、いかに普通の国民の意識から遊離した頓珍漢なものであったかを深く反省している。その反省の意味を込めて、官僚の国家観をここで端的に述べておく。
 官僚は国民を無知蒙昧な有象無象と見なしている。
 もちろん狡猾な官僚は、そんなそぶりは見せずに「全体の奉仕者」というような顔をしているが、腹の中では、普通の国民を「お前たちは手足だ。われわれが頭脳なのだから、手足は余計なことを考えずに、一生懸命働いて税金を差し出せ」と考えている。そして有象無象の国民から選ばれた国会議員は、無知蒙昧のエキスのようなもので、こんな連中の言うことをまともに聞く必要はないと思っている。
 それでも「全体の奉仕者」である官僚は、主権者である国民に忠誠を誓っているのではないだろうか?少なくとも、国民に奉仕するという建前を尊重しながら職務を遂行しているのではないだろうか?
 違う。断じて違う。刑事憲法下の「官吏服務令」を少しだけ変形させたルールで官僚は動いている。
 恐るべき検察官僚と外務官僚の「集合的無意識」
 官吏服務令において、官僚は国民でなく、天皇に対して忠誠を誓っていた。あの戦争に大日本帝国が敗北したことによって、天皇は国政に対する権能を失った。それにともない官僚は、天皇なき抽象的日本国家に対して忠誠を誓って行動している。官僚は、国家のために必要と考えるとき、国民を平気で切り捨てる。そのことに良心の痛みなど、まったく感じない。
 官僚は、国家公務員試験、司法試験などの難しい国家試験に合格した偏差値エリートによって日本国家が支配されるべきと考える。そうでないと、「食うか食われるか」の激しい競争が展開される国際社会で日本が生き残っていくことはできない。結果として、偏差値エリートによる支配のほうが下々の国民にとっても幸せなのだと思っている。(略)
 自民党政権時代には、名目的権力は政治家、実質的権力は官僚という棲み分けができていた。しかし民主党連立政権は、本気で政治家が日本国家を支配することを考えている。この「暴挙」を、ありとあらゆる力を結集して阻止するというのが官僚の「集合的無意識」だ。
 集合的無意識だから、特定の官僚が鉛筆をなめて、鳩山首相や小沢幹事長(当時)を失脚させるシナリオを書き、そのシナリオに基づいて謀略工作を行ったということではない。無意識のうちに、検察官僚は腐敗政治家・小沢一郎を叩き潰す役割、外務官僚と防衛官僚は日米同盟を破壊する鳩山由紀夫を封じ込めるという役割をそれぞれ分担して戦った。
 インターネットにおける「炎上」に近い現象が官僚の世界で起きて、「霞が関」が鳩山・小沢政権潰しに走ったのだ。
 マスコミも、この炎上に意図的もしくは無意識のうちに加担している。そして、日本全体が催眠術にかけられたような状態になっている。催眠術をかけることは、素人にでもできる。難しいのは、催眠術を解くことだ。
 このまま「霞が関」が勝利すると、日本はファシズム国家になる
 私と副島隆彦氏は、「日本国家を誰が支配すべきか」をめぐって、鳩山・小沢政権と霞が関官僚の間で、深刻な、生死を賭した権力闘争が展開されているという見方で一致した。
 副島氏が、共謀理論に基づき、官僚・政治家・財界人・アメリカの特定の有力者の自覚的な連携によってこの権力闘争が展開されていると考えるのに対して、私はそれぞれの利害関係者の集合的無意識を重視する。
 特にアメリカに関しては、実際の米国政府の動きよりも、日本の外務官僚や、日米安保利権屋が、実際には存在しない「アメリカの意向」を煽動し、情報操作を行っているという点を重視する。
 いずれにせよ、私と副島隆彦氏は、「この闘争で官僚が勝利すると、日本にファシズム(コーポラティズム)国家が生まれる」という危機感を共有している。この危機感に基づき、私たちは討論を積み重ねてきた。
 当初、私たちはこの本を2010年の秋に出版する予定にしていた。7月に予定されている参議院選挙で、民主党が大敗し、検察官僚が小沢一郎氏を政界から放逐し、外務官僚が鳩山由紀夫氏を統制下に置くクーデターを今年末(特に11〜12月に予定される沖縄県知事選挙をにらんで)に行うと見ていたからだ。
 目に見えない権力闘争の姿を、普通の国民に伝え、日本がファッショ化することを何としてでも阻止したいと思い、本書を準備していた。
 しかし、事態は予定よりも早く進捗している。そこで、本書を緊急出版することにした。菅直人氏が第94代目の内閣総理大臣に就任し、闘争はますます深刻化している。
 現在、官僚たちは、菅直人氏が合理性を重視する構築主義者なので、うまく操ることができると考えている。「政治とカネ」や、「党と政府の二重構造」という問題を打ち出すことによって、小沢一郎氏の息の根を止めることが官僚たちの最優先課題だ。
 その後、小沢一郎氏の下でつくられた民主党という「権力の器」を官僚階級が奪取する。その役割を進んで引き受ける官僚的体質の民主党国会議員は、山ほどいる。
 しかし、そうした官僚の目論見はうまくいかないと私は見ている。それは、沖縄問題に関して、菅直人新首相が官僚の思惑と異なる方向に動き始めているからだ。そのヒントがある。
 6月4日、国会における首相指名後の会見で、菅直人氏は「数日前から『琉球処分』という本を読んでいるが、沖縄の歴史を私なりに理解を深めていこうとも思っている」と述べた。
 明治初期に琉球王国が日本に強制的に統合された「琉球処分」を基点に、菅直人新首相が普天間基地移設問題の解決に取り組めば、沖縄の人々の理解を得られる道が必ず生まれる。
 しかし、そのとき菅直人政権を打倒すべく、官僚の集合的無意識が再び動き出す。5月28日の日米合意だは、名護市辺野古における海兵隊新基地の具体的姿が8月末までに決定されることになっている。これに沖縄の人々は猛反発する。
  〈以下略〉
 2010年6月6日  佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

p247〜
 終わりに---国民民主革命を妨げる官僚とアメリカに抗して 副島隆彦
 鳩山・小沢の「差し違え失脚」報道は、官僚、マスコミの捏造か
 佐藤優氏と私の、この緊急出版の本は、前者『暴走する国家 恐慌化する世界』(日本文芸社、2008年12月刊)に続く2冊目の対談本である。
 この本の「はじめに」で、佐藤氏がいみじくも書いてくださったとおり、現在、日本で繰り広げられている「この闘争で官僚が勝利すると、日本にファシズム(コーポラティズム)国家が生まれる」という危機意識を、佐藤氏と私は強く共有している。
 私たちは、なんとしても卑劣きわまりない日本官僚機構(驚くべきことに、民主党若手議員の形で政権の内部に多数潜り込んできている)との闘いに勝たなければならない。鳩山政権を打ち倒したのは、アメリカと深く連携する売国若手官僚たちである。
 佐藤氏が書くごとく、2010年6月2日に起きた鳩山辞任は、まさしく「霞が関(中央官庁)官僚による“静かなるクーデター”が行われたことが問題の本質」である。この事実を他の理屈にすり替えるいっさいの言論は虚偽である。撃滅されなければならない。
 そして2010年の年初の緊迫の事態へとつながった。1月15日深夜に、国民政治家・小沢一郎の元秘書で現職の衆議院議員の石川知裕氏らへの、東京地検特捜部による突然の違法で邪悪な逮捕・起訴という事件となり、「小沢(および日本国民VS検察(オール霞が関官僚)の熾烈な闘いとなった。まさしく「政治主導か、官僚主導か」の闘いだ。
 2月4日に、“違法集団”検察庁は、小沢一郎を逮捕・起訴することを断念した。その2日前の2月2日に、カート・キャンベル米国務次官補とジョン・ルース駐日大使は、国会内の小沢幹事長(当時)との会談で「米側はお前を投獄の危機から救ってやった。だから、以後、アメリカの言うことを聞け」と迫った。しかし小沢一郎はこの恫喝に屈しなかった。
 アメリカに対して、我が身を滅ぼす覚悟でここまで浩然と刃向かい、豪胆にして悠然たる態度をとった日本の指導者は初めてである。
 小沢一郎は、「検察の現場が、旧日本陸軍の青年将校のようになって自分に向かってくる。連中は諦めないだろう」と、2月25日に、佐藤優氏と鈴木宗男氏に語ったと、本書の37ページにある。要するに小沢一郎は、自分が検察に逮捕されることを覚悟していたのである。これはのちのち歴史の証言に属する驚くべき事実であり、本書の価値を高くするものだ。
 そして、6月2日(水)午前9時半に、鳩山由紀夫首相が突然の辞任を発表した。アメリカ海兵隊(マリーン・コー)の普天間基地の「県外・海外への移転」の外交交渉に失敗して膝を屈しての引責辞任だったろう。
 鳩山前首相にかけられた多くの苦難と理不尽な各所からの重圧に、私は深く同情申し上げる。鳩山由紀夫をいじめ抜いた日本のテレビ(6局)・新聞(大手5社)は、やがて日本国民から正しく裁かれるだろう。
 これほどの偏向報道の嵐を執拗に続けて、今や日本国民に向けられた“刃物”になっている新聞・テレビ(マスゴミ)が、鳩山と小沢の「差し違え(道連れ)」での「2人ともども失脚」への筋書きを官僚たちと連携して深く企てた。さらに大きく上からアメリカの対日本謀略部隊が指揮している。私はずっとこのように自著の諸本やインターネット上で書き続けてきた。
 小沢一郎を指導者として目下、推し進められている「国民民主革命」(別名、無血革命)を妨害し破壊しようとしている、オール霞が関官僚たち(1.特殊な宗教勢力に操られた法務・検察官僚たち。2.普天間基地問題で首相を封殺した、アメリカの手先となって動いた防衛・外務官僚および官邸のスパイ高官たち。3.そして日本国民の大切な資金をアメリカに貢ぎ続ける財務省、総務省、金融庁の官僚たち)の政権打倒のクーデターの企てが、今度の鳩山辞任で一旦は成功したかに思われた。(以下略)
 2010年6月6日  副島隆彦
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特捜検察と小沢一郎/誰が日本国家を支配するか/拡大する検察権力 
特捜検察の預言〈佐藤優〉政治家あるいはエリート官僚のどちらが日本国家を支配するかの権力闘争 
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特集「死刑100年と裁判員制度」
拡大する検察権力
岩井 安田さん、今の件についてはどうですか。
安田 お聞きして、なるほどなとすごく納得していたんですけど、戦後の歴史を見ると、ロッキード事件、そしてこれに続く金丸事件で、政府あるいは国会が検察に全く刃向かうことができなくなってしまった。その結果、日本の国家権力で一番強いのが検察になってしまったと思います。そして、その内実は、徹底した保守主義なんですね。
 僕なんかは、検察官に将来なっていく人たちと司法研修所で一緒だったわけですけど、そういう人たちの多くは政治的なんですね。検察官という職業に対して、政治的な意味づけをしている。腐敗した政治や行きすぎた経済を正さなければならない。それができるのは自分たちだけだという感覚を持っている人がわりあい多くて、もっと言ってしまえば、実に小児的であったんです。
 たとえば、ある特捜部長は、就任の際、検察は額に汗をかく人たちのために働かなければならないという趣旨の発言をするんですね。青年将校なのか、風紀委員なのか、実に幼いんです。こういう青年将校的な発想しか持ち合わせない寄せ集めが、今の検察の実態ではないかと思うんです。
 しかもそれがすごく大きな権力を持っているものですから、これは警察と一体となって行っているのですが、対処療法的に次々と治安立法を作り上げていく、たとえばオウム以降、破防法がだめだったら即、団体規制法を作る。あるいはサリン防止法を作る。あるいはその後に少年法を変えていく、内閣に犯罪防止閣僚会議というようなものを作って、刑罰を1、5倍に重刑化して、刑法全体の底上げをやるわけですね。
 彼らは、社会の実態をほとんど知らない、犯罪の原因も知らない、あるいは相対的な価値観や複眼的な視点もない、というのが正しいんでしょうけど、どんどん風紀委員的に対応するんですね。


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