大飯再稼働、滋賀県知事ら反発「関西のこと見えてない」
日本経済新聞 2012/4/13 22:24
野田佳彦首相らが、関西電力大飯原子力発電所3、4号機(福井県おおい町)の安全性を最終確認し、再稼働に向け地元への協力要請を決めたことについて、おおい町の時岡忍町長は13日、「ずっと待っていた。(安全性が)確認されたということは歓迎する」と政府の対応を評価した。町役場で記者団の取材に応じた。
一方、滋賀県の嘉田由紀子知事は同日夜、「政府は関西のことが全く見えていない」と反発。「地元としては絶対の安全性を担保するように求めたい」と表明した。京都府の山田啓二知事も「大飯原発を視察したが、いろいろな面で安全上の懸念が残っている」と指摘。「政府の判断は正直言って、早いと思う」と述べた。
関電の筆頭株主である大阪市の橋下徹市長も13日、「政治家が安全なんて確認できるわけがない」と批判。「ストップをかけるなら国民が民主党政権を倒すしかない。次の選挙の時に民主党政権には代わってもらう」と語った。
橋下市長は大飯原発の再稼働について「手続きに欠けている民主党の再稼働のプロセスは、統治のやり方として本当に危険だ」などと指摘した。
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大飯原発再稼働:ナンセンスな結論 原発の地元反発
毎日新聞 2012年04月13日 21時58分(最終更新 04月13日 23時28分)
「安全と言われても信用できない」「再稼働ありきの結論でナンセンスだ」。政府が関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を決めた13日、原発立地自治体のトップや反原発団体からは反発の声が相次いだ。夏場の電力不足を想定した野田政権の「現状追認路線」。再稼働には今後、「地元の理解」がハードルとして立ちはだかる。
●おおい町
福井県の西川一誠知事は13日も、報道陣の取材に応じなかった。石塚博英・安全環境部長は同日、「明日、知事が枝野大臣から直接話を伺って、内容をしっかり聞く。(その上で)知事が会見する」と述べ、政府判断への評価を保留した。
おおい町の時岡忍町長は町役場で記者会見し、「まだかまだかと待っていたものが確認され、結論が出たことは歓迎したい」と述べ、今後、国から住民に対して説明が行われることに期待感を示した。
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◆大飯原発再稼働を「チーム仙谷」は決めた/北朝鮮のミサイル発射に国民の注意を向けさせ、その隙に 2012-04-13 | 地震/原発/政治
大飯原発の再稼働「妥当」=安全性確認、電力不足懸念―福井に協力要請へ・閣僚会合
2012年4月13日20:46 JST
野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚は13日、首相官邸で原発の再稼働を協議する6回目の会合を開き、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転再開を「妥当」と判断した。会合では、関電が安全対策の工程表を提示した同原発の安全性を最終確認。大幅な電力不足が懸念される今夏の需給状況を踏まえ、福井県に再稼働への協力を早期に要請することを決めた。
枝野経産相は会合終了後の記者会見で「大飯3、4号機の安全性について最終的に確認した」と語り、同原発の安全を宣言。さらに「(今夏は)非常に厳しい電力不足に直面している」と説明し、「(同原発の)再稼働には必要性が存在する」と強調した。
さらに「地元をはじめとする国民の理解をお願いするプロセスに入りたい」とも述べ、福井県の西川一誠知事らを早期に自ら訪ね、再稼働を認める方針を説明して理解を求める考えを示した。
[時事通信社]
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〈来栖の独白 2012-04-13 21:20:17 〉
相も変らぬ北朝鮮のミサイル発射のニュースをメディアに流させ(国民の注意をそちらに向けさせ)、目を盗むようにして「チーム仙谷」は、大飯の再稼働を決めた。もう少し手間暇かけてアリバイ作りをし、5月5日ぎりぎりに決めるのかと私は思っていたが、内閣としては「大飯」ばかりやっているわけではないので、可及的速やかにケリをつけたかったか。
しかし、大阪の橋下氏は「大飯の『地元』は100?圏」とも云い、闘志満々。橋下氏は、「大飯」を国政への強力なカードに使う。
この世は、いつも、そのようだ。最も尊重されねばならない「いのち」、懐かしい「山河」、そして生きとし生ける総てのものの「未来」が、出世や利権のカードとなる。そういう処だ、この世は。
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◆大飯原発 100?圏 広がる「地元」 大阪府市/滋賀県/京都府/三重県/〜足元の福井県 2012-04-13 | 地震/原発/政治
大飯原発 広がる「地元」 100?圏同意 関西の首長支持
中日新聞《 特 報 》2012/4/12Thu.
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐり、野田政権と関西の首長たちの対立が際立ってきた。大阪府市が提示した「再稼働の八条件」の他の首長も同調。国民的人気の高い橋下徹大阪市長の動向には中央政界も無視はできない。同意が必要な「地元」の範囲は政治的には拡大しつつある。(秦淳哉・中山洋子)
再稼動 政府との対立鮮明
■大阪「8条件」
「効力はない。選挙で国民がどっちを取るか判断してもらう材料だ」。橋下大阪市長は、大阪府市統合本部が了承した大飯原発再稼働の八条件について、こう言ってのけた。「独立性の高い原子力規制庁の設立」などの条件は法的拘束力はないが、次期衆院選に向けた「政治的メッセージ」だというのだ。
八条件を記した文書には刺激的な言葉が列挙されている。
前文で「『原子力ムラ』と呼ばれる、推進と規制の一体体制から生じた安全軽視の文化と社会構造の一掃」と明記。「原発事故『A級戦犯』ともいえる原子力安全・保安院や原子力安全委員会」、「この国の原発事故への緊急事対応は、まったくの無為・無策・無能」。使用済み核燃料については「消費税増税のときは将来世代にツケを回さないといいながら原発はそれ以上のツケを回している」と野田政権の姿勢を批判している。
八条件は、いずれも大阪府市の特別顧問で、元経済産業省官僚の古賀茂明氏とNPO法人「環境エネルギー政策研究所」の飯田哲也所長の二人が中心となってまとめた。飯田氏は「再稼働のプロセスがいかにナンセンスか浮かび上がらせる」と強調する。
八条件には「百?圏内の住民の同意を得て、府県と安全協定を締結する」という項目も含まれる。政府にとっては極めて高いハードルで、事実上、早期の再稼働は不可能になる。
藤村修官房長官は、橋下氏の発言に対し、「支離滅裂なところがある」と切って捨ててみせたが、内心は穏やかではない。
もともと橋下氏率いる地域政党「大阪維新の会」は、大阪都構想実現を図るため、地方自治法改正を主要政党に働き掛けてきた。大阪都実現が聞き入れらない場合、次期衆院選で三百人の候補者を擁立する意向を示している。
各種世論調査で国民的人気が高い橋下氏。次期衆院選でも台風の目になろうとしている。
ここで、橋下氏を無視して敵に回せば、政権は大きなダメージを受けることにもなりかねない。政権にとっては、対立が鮮明になるのは避けたいのが本音だ。
橋下氏と歩調を合わせる大阪府の松井一郎知事は「安全性を担保する設備が完成する前に、工程表というペーパーだけで再稼働を承認するのは問題だ」と政権の手続きに強い疑問を呈した。
「本当に電気が足りないのか。情報開示なしに再稼働したら民主党政権はもたない」。再稼働に関する橋下氏の野田政権批判は激烈だ。橋下氏にとって、「脱原発」の姿勢を示すことは、民主党や自民党との「違い」を国民にアピールできるという計算も見え隠れする。
橋下氏 民自打倒の好機に
■衆院選の争点
大阪発の「八条件」には、関西を中心に同調する自治体が広がっている。
滋賀県の嘉田由紀子知事は十一日の記者会見で「大阪は核燃料サイクルの問題まで含めて(条件を)出している。中長期的にはあの通り」と評価した。
滋賀県は大飯原発の百?圏に全域が入る。独自に放射性物質拡散シミュレーションも試算。関西の水源である琵琶湖も含め、三十?を超える地域でも屋内退避が必要なレベルの汚染が予測されており、県内の危機感は強い。今後、滋賀県独自で、福井の原発の安全性を協議する専門委員会も設置するという。
三十?圏内に六万八千人が住む京都府の山田啓二知事は「政府は急ぎ過ぎている」と拙速な再稼働の動きを批判してきた。十一日には大飯原発の再稼働を判断するための専門家会議を開催。政府が示した新安全基準について検証を始めた。
県北部が百?圏にかかる三重県の鈴木英敬知事も「百?圏内の自治体と協定を結ぶというのは、同調できる」と話した。
再稼働に前のめりな政府の姿勢に、批判的なのは関西の自治体だけではない。とりわけ、藤村官房長官の「再稼働には必ずしも地元同意が必要ではない」とした発言への反発は大きく、新潟県の泉田裕彦知事は六日の会見で、定期点検中の東京電力柏崎刈羽原発について「新潟では必ず地元の同意を取ってもらう」と念を押した。
一方で、沈黙を守っているのが、大飯原発の足元の西川一誠福井県知事。政府が示した新安全基準への評価も含め、コメントを避けている。
大阪府市統合本部は、六月の株主総会で関西電力に「脱原発」を提案することも決めた。速やかに全原発を廃止することや、国などからの天下り禁止、発電又送配電部門の売却などを求める。
定款を変更するには、株主総会で三分の二以上の賛同が必要。大阪市は株式の約8・9%を持つ筆頭株主。同じ関西電力管内の京都、神戸両市の保有株式を含めれば約12・5%に上る。
橋下氏らは両市と共同で提案したい考えだが、三分の二を超えるには、両市だけではなく多くの個人株主らの協力を得ることも必要で、成立までは見通せていない。
NPO法人原子力資料情報室の西尾漠共同代表は、近隣自治体などの動きについて「再稼働に前のめりになっている政府のブレーキになり、判断が注目されている福井県にも影響するだろう」と指摘する。「福島第一原発事故の実態を踏まえると、大阪が示した八条件には極めて真っ当な内容だ。現実的には原発から百?圏内の全住民の同意を得るのは難しいが、それぐらいでないと運転再開に納得できる住民はいない」
政治評論家の森田実氏は「関西の大多数の住民は、安全対策を厳しくしないうちの再稼働に反対している。橋下市長にとって、大飯原発の再稼働に反対する以外の選択肢はない」とみる。次期衆院選では、消費税増税と原発の是非が、二大争点になると指摘。「橋下市長にとっては増税と再稼働に賛成する民主と自民の二大政党を倒し、政局を握る好機。民主党政権の危機感の薄さは驚くほどだ」と説明し、予測した。
「関西で、福井の原発再稼働に賛成する候補は、間違いなく落ちる。民主、自民両党の候補全滅も有り得る」
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