岩手・達増知事、未来支援に奮闘 「小沢王国」の主役に
河北新報2012年12月06日木曜日
岩手県の達増拓也知事が、衆院選(16日投開票)で存在感を増している。4日の公示日には岩手1、2区で、全面支援する日本未来の党の公認候補の出陣式や第一声に駆け付けた。今後も積極的に応援していく考えで、同党の小沢一郎氏が全国遊説で地元岩手を留守にする中、「小沢王国」の主役になりつつある。
「支持団体、後援会、応援してくれる皆さんにおすがり、お任せ、お頼み申します」公示直前に1区から立候補表明した妻の陽子候補の出陣式。
達増知事はあいさつを終えると陽子候補と抱き合い、夫婦二人三脚で戦う姿勢を強調した。
未来県選対本部の幹部は「(妻が立候補した)今回の選挙は達増知事自身が立候補したと言っても言い過ぎではない。(選対本部も)それだけの危機感を持って戦う」と話す。
民主党から離党後、小沢氏は国民の生活が第一を結成。達増知事らも後を追ったが、新党が乱立する中で埋没感は否めなかった。浮上を狙い未来に合流したが、はっきりと支持が拡大しているとはいえないのが現状だ。
別の選対関係者は「県政と国政、表裏一体となって(政策を)実行していくという、絶妙な体制が整うことになる」と知事効果に期待を寄せる。
4日、達増知事は2区の未来前議員の第一声にも駆け付けマイクを握った。衆院議員(1区)を4期務め、現在は知事2期目。抜群の知名度を生かすため、露出度を増やす一方、組織固めでも一役買う。
陽子候補の選挙事務所には、達増知事が衆院議員時代に公設秘書を任せた女性スタッフが張り付く。対立候補の民主前議員から離れた男性スタッフもおり、2人で達増後援会を切り盛りする。
政党支持を鮮明にし、それを実行する県政トップの動きに対し、他党は神経をとがらせる。
5日にあった県議会12月定例会の一般質問。自民党県議は、未来代表の嘉田由紀子滋賀県知事を引き合いに、「被災していない県のリーダーが国政の動きに関わるのは分かる。だが岩手は被災地。今は復興に専念すべきだ」と指摘。達増知事は「県組織を主導しながら復興を進めていくことについては、何らもとることはない」と答弁した。
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