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頑固になるオバマ? 米国防予算削減への正攻法

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世界潮流を読む 岡崎研究所論評集 頑固になるオバマ? 米国防予算削減への正攻法
WEDGE Infinity2013年03月12日(Tue)岡崎研究所
 ミシェル・フロノイ(Michele Flournoy)元米国防次官が、2月4日付WSJ紙で、予算の強制削減(sequestration)があろうとなかろうと、今後十年間の国防費の10%削減は避けがたいが、客観情勢はまだまだ軍事費の削減を許さないので、それならば、膨れ上がった非戦闘人員、医療費の公費偏重、不要の基地などを整理すべきである、と述べています。
  すなわち、3月1日に、強制削減を回避できるかどうかにかかわらず、今後十年間国防費が少なくとも10%削減されることは避けがたい。
  しかし、第二次大戦、ベトナム戦争、冷戦の終了の時に較べて、国際情勢は、中東、イラン、北朝鮮、アルカイダを見ても、まだまだ油断できる状況ではない。このような状況において、米軍の即応態勢を損なわないためには、次の措置を考えねばならない。
  まず、過去十年間で、国防省勤務のシビリアンの数が10万人増えている。90年代半ばには600人以下だったペンタゴンの政策スタッフが、私が国防次官に戻った2009年には、1000人近くなっていた。
  次にヘルスケアの経費が2001年に比べて倍増している。まだ働ける退役軍人の52%が民間の医療保険でなく、軍のトリケア(Tricare)計画に依存している。これは、このままでは持たない。
  第三に、不要な基地を整理しなければならない。 
  最後に、調達のシステムを改善しなければならない。
 それは易しい作業ではないが、そうしないと、一つ以上の危機に対応する能力が失われ、敵に対する抑止力が失われる。ヘーゲルの国防長官指名公聴会では、この点が詰められなかったのは残念である、と述べています。
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  フロノイは、一時、国防長官就任が噂されたことがありますが、結局、ヘーゲルの指名が承認されたので、その可能性は無くなりました。しかし、既に国防次官を経験しているので、今後ともオバマ政権の軍事、安全保障問題については、一定の発言力を保つと思われます。
  軍事費の削減は今や既定の事実となって来ています。強制削減も回避できませんでした。昨年秋までは、パネッタ国防長官自身それほどドラスティックなことは出来ないだろう予測していましたが、選挙後、オバマがますます自信を得て、頑固になっているように見受けられます。強制削減の発動も、オバマの頑迷ぶりの表れと言ってよいのでしょう。
  米国防費削減の影響を最小限に抑えようという場合、陸上兵力を削減して、海空戦闘能力を温存しようという議論が多いのですが、ここでは、軍事能力は温存したまま、過去十年で膨れ上がった、付帯経費を削減しようと提言しています。フロノイの言う通り上手くいくかどうかは分かりませんが、一つの具体的な前向きの提言と評価できます。
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『アメリカの新・中国戦略を知らない日本人』日高義樹著 PHP研究所 2013年2月27日第1版第1刷発行 2013-02-28 | 読書 


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