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【教科書検定見直しへ】自虐史観記述の源流「近隣諸国条項」撤廃も

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【教科書検定見直しへ】自虐史観記述の源流「近隣諸国条項」撤廃も 
産経新聞2013.4.11 09:50[歴史認識]
 安倍政権が、教科書検定制度の見直しを目指す。その背景には、現行制度では社会科を中心に多くの教科書にはびこる自虐史観の記述に歯止めをかけることができず、改正教育基本法に掲げた愛国心の育成を阻害しているとの考えがある。その源流ともいえるのが、近現代史の教科書記述で近隣アジア諸国への配慮を求めた「近隣諸国条項」だ。
 条項導入のきっかけは昭和57年の高校教科書検定で、当時の文部省が、中国華北への日本の「侵略」を「進出」に書き換えさせたと報道されたことだった。実際には誤報だったが、中国と韓国が強く反発して外交問題に発展したため、沈静化を図ろうと検定基準に付け加えた。
 これを機に、「慰安婦問題」や「南京事件」など主に歴史認識の問題について、自虐史観の記述が急増していく。
 当時、文部官僚として条項導入に携わった元愛媛県知事の加戸守行氏は「条項導入で、省内は中国と韓国に関する記述はアンタッチャブルですべて認めざるを得ないという雰囲気に陥った。一方の教科書会社側は『削れるものなら削ってみろ』という勢いで自虐史観の記述を強めていき、明らかに条項導入前より過激になった」と振り返る。
 先月公表された高校教科書検定でも、慰安婦について「日本軍に連行」「強いられた」といった自虐史観を強めた表現がみられたほか、南京事件の犠牲者数については「誇大」とされる30万人説が当たり前のように掲載され、文部科学省の検定を合格している。
 領土に関する記述も、自国より中韓の主張を強調する教科書が目立ち、中韓への過度な配慮がみられる。
 文科省は「学説状況などを考慮して検定意見を付けている」と説明するが、ある元文科官僚は「外交問題に発展しかねない案件については、よほどのことがない限り検定意見は付けない。近隣諸国条項の呪縛だ」と打ち明けた。(河合龍一)
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これでいいのか自虐史観入試問題 フェリスや立教女学院 伊藤博文暗殺犯を“英雄扱い” 2013-04-12 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉 

     

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『日本人の誇り』藤原正彦著(文春新書)2011年(平成23年)4月20日第1刷発行
p58〜
 「明治・大正・昭和戦前は、帝国主義、軍国主義、植民地主義をひた走り、アジア各国を侵略した恥ずべき国。江戸時代は士農工商の身分制度、男尊女卑、自由も平等も民主主義もなく、庶民が虐げられていた恥ずかしい国。その前はもっと恥ずかしい国、その前はもっともっと・・・」
 占領後、アメリカは米軍による日本国憲法制定を手始めに、言論統制、「罪意識扶植計画」等により、日本をアメリカに都合の好い属国に造り替えてゆく。
p63〜
 GHQすなわちアメリカはまず新憲法を作り上げました。GHQ民生局が集まり1週間の突貫工事で作ったのです。憲法の専門家はいませんでした。まず前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書きました。アメリカは他国の憲法を自分達が勝手に作るというハーグ条約違反、そしてそれ以上に恐るべき不遜、をひた隠しにしましたが、この文章を見ただけで英語からの翻訳であることは明らかです。「決意した」などという言葉が我が国の条文の末尾に来ることはまずありえないし、「われら」などという言葉が混入することもないからです。いかにも日本国民の自発的意志により作られたかのように見せるため、姑息な姑息な偽装を施したのですが、文体を見れば誰の文章かは明らかです。そのうえ、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と美しく飾ってみても、残念なことに「国益のみを愛する諸国民の権謀術数と卑劣に警戒して」が、現実なのです。
 ともあれこの前文により、日本国の生存は他国に委ねられたのです。
 第9条の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」は前文の具体的内容です。自国を自分で守らないのですから、どこかの国に安全保障を依頼する以外に国家が生き延びる術はありません。そして安全保障を依頼できる国としてアメリカ以外にないことは自明でした。すなわち、日本はこの前文と第9条の作られたこの時点でアメリカの属国となることがほぼ決定されたのです。この憲法が存在する限り真の独立国家ではありません。中国に「アメリカの妾国」と馬鹿にされても仕方ないのです。(〜p64)
p104〜
 南京大虐殺の不思議
 「南京大虐殺」も実に不思議な事件でした。1937年12月13日に南京を陥落させた日本軍が、その後6週間にわたり大規模な虐殺行為を行ったというものです。
 1997年にアメリカで出版された五十万部を超えるベストセラーとなった、中国系アメリカ人アイリス・チャンによる『ザ・レイプ・オブ・南京』によりますと、「ヒットラーは6百万人のユダヤ人を殺し、スターリンは4千万以上のロシア人を殺したが、これらは数年をかけて行われたものだ。レイプ・オブ・南京ではたったの数週間で市民30万人を殺し、2万人から8万人の女性を老若かまわず強姦し豚のように殺した、という点で史上最悪のものだ。天皇を中心にした日本政府がこれを仕組んだ」という内容のものです。「日本兵は女性の腹を裂き、胸を切り刻み、生きたまま壁に釘づけにした。舌を鉄の鉤に吊るしたり、埋めてセパードに食い散らかせた」などとも書いてあります。
 私達の父や祖父達がこんなことを組織的にしていたとしたら、私たち日本人は百年は立ち上がれないでしょう。祖国愛や誇りを持つなどということもあり得ないことです。
 そのためにも事実を明らかにし、東京裁判史観に染まった国民にどうしても真実を知ってもらう必要があります。
 1937年12月、南京攻略を決めた松井石根大将はとても神経質になっていました。日露戦争に従軍したことのある松井大将は、かつて世界1規律正しいと絶賛された軍隊でロシアと戦ったことを誇りに思っていました。
 そこで攻勢前に兵士たちに、「首都南京を攻めるからには、世界中が見ているから決して悪事を働いてはならぬ」という趣旨の「南京攻略要綱」をわざわざ兵士に配り、厳正な規律を徹底させました。これ自体が稀な行為です。そのうえ、還暦を目前に控えた松井大将は、陸軍大学校を首席で卒業した秀才ですが、若い頃からアジアの団結を唱える大アジア主義に傾倒していて根っからの親中派でした。孫文の革命を支援したばかりか、若き蒋介石が日本の陸軍士官学校に留学した時は親身で面倒まで見てやった人です。運命のいたずらで愛弟子と戦わざるを得なくなり、せめて規律だけは保たせようと思ったのでしょう。そして、攻略を始める前日の12月9日、南京包囲を終えた松井大将は中国軍に対し、民間人の犠牲を避けるため10日正午までに南京を解放するよう勧告しました。蒋介石をはじめ政府と軍の首脳はすでに7日に首都を放棄していました。続いて役人、警察官、郵便局員と姿を消したため、水道は止まり電気も消え、無政府状態となりました。
p106〜
 ほとんどの戦争では、中国でもヨーロッパでも、市民を巻き添えにしないため軍隊は市内から出るものです。第2次大戦でパリはドイツに占領され、後に連合軍に占領されましたが、どちらの場合も軍隊は市街を出たので美しい町が保たれたのです。北京や武漢でも中国兵は町から出たので市民巻き添えという混乱はありませんでした。
 南京守備軍の唐生智司令官はこれを無視しました。「首都と運命を共にする」と広言していた彼は、日本軍の猛攻を受け陥落寸前というときに撤退命令を出すや、逃げ出してしまいました。指揮系統はすでに失われていたので数万の兵に撤退命令は伝わりませんでした。大混乱の最大原因です。降伏命令だったら何も起きなかったからです。
 『「南京事件」の総括』(田中正明著、小学館文庫)に、軍服を脱ぎ捨てた数千の中国兵が安全区に入ってきてからの混乱が詳述されています。南京市は首都といっても面積は世田谷区の3分の2ほどの狭さです。日本軍の攻撃の迫った12月1日、南京市長は全市民に対し、安全区、すなわち国際委員会が管理する地区に避難するよう命令します。安全区は、狭い南京の一角に作られた2千?四方程度の最小の地区です。日本軍が攻略を始めた12月10日には、すでに揚子江上流に避難した中上流階級の人々を除く、全市民がここ安全区に集まっていました。 資料により異なりますが、この段階における安全区人口は12万から20万の間です。「惨劇」があったとしたら、すし詰めとなったこの安全区で起きたはずなのです。
 ところが不思議なことに、南京に入城した幾万の日本兵も、共に入城した百数十名の日本人新聞記者やカメラマンンも誰一人そんな惨劇を見ていないのです。皆が一糸乱れぬ口裏を合わせているのでしょうか。こんな狭い所で大虐殺が行われたというのに、そこに住んでいた国際委員会の外国人や外国人記者も目撃していません。
 日本軍が入城した12月13日から翌年2月9日までに、国際委員会は日米英の大使館に61通の文書を提出しており、そこには殺人49件、傷害44件、強姦361件(うち被害者多数3件、被害者数名6件)などがありますが、大虐殺と呼べるものはありません。この数字自身も、国際委員会書記スマイス教授が認めたように、検証されたものではなく中国人からの伝聞によるものでした。また国府軍側の何應欽将軍が直後の1938年春に提出した大部の報告書にも、南京での虐殺を匂わせるものはいっさいありません。無論、市民虐殺を示唆する日本軍の作戦命令も存在しません。
 当時、中国に関して最も権威ある情報源とされていた「チャイニーズ・イヤーブック」と呼ばれる年鑑がありました。上海で英国系新聞が出版していたものです。これにも虐待の影はありません。
 一口で言うと、虐殺を示す第一次資料は何一つないということです。(〜p108)
p110〜
 東京裁判で再登場した
 「南京大虐殺」が再登場したのは、南京戦後8年半もたった1946年、東京裁判においてです。証人となった中国人が次々に大虐殺を「証言」しました。日本兵は集団をなし、人を見れば射殺、女を見れば強姦、手当たり次第の放火と掠奪、屍体はいたる所に山をなし、血は河をなす、という地獄さながらの描写ばかりでした。
 この裁判は、通常の裁判とはまったく異なり、証人宣誓が求められず証拠検証もされませんでしたから、言いたい放題だったのです。殺害者数30万人という証言に疑念を抱いたロヴィン弁護人が「私の承知している限りでは南京の人口は20万ですが」と質問すると、ウェッブ裁判長は「今はそれを持ち出すときではありません」と慌ててこの発言をさえぎりました。
 中国人だけでなく金陵大学(のちの南京大学)のベイツ教授など数人の欧米人も証人として出廷しました。ベイツ教授は事件時に南京にいて国際委員会のメンバーであり、「戦争とは何か」を書いたティンパーリに、書簡で事件を教えた人です。「1万2千人の市民を含む非武装の4万人近い人間が南京城内や城壁の近くで殺されたことを埋葬記録は示している」という趣旨の証言をしましたが、やはり中国人からの伝聞のみです。
 埋葬死体が戦死者のものかどうかも確認していません。実はベイツ教授は、やはり国際委員会に属する金陵大学のスマイス教授と、1938年の3月から4月にかけて、多数の学生を動員して南京市民の被害状況を調査していました。スマイス教授は社会学が専門なのでこの種の調査には慣れていて、50戸に1戸を無差別抽出して、2人1組の学生がそこを訪れ質問調査するという方法でした。
 この日時をかけた調査結果は、日本兵の暴行による被害者は、殺された者2400人、負傷した者3050人でした。(「南京地区における戦争被害調査」)。ただし、調査は被害者救済のためのもので、誰も住んでいない家は調査対象となっていませんから、家族全員が犠牲になった家などは統計に入っていません。また死亡者の中に、南京に自宅のある兵で便衣兵(軍服を脱いで一般市民に混じった中国兵)として処刑された者もかなり混じっているはずです。この人たちは市民でもあります。というわけで実数はある程度上下するはずです。しかしこの調査はほとんど唯一の第1次資料と言えるものです。
 ベイツ教授はこの調査を知っていながら、東京裁判では大いに水増ししました。そればかりか、
 「日本軍侵入後何日もの間、私の家の近所の路に、射殺された民間人の屍体がゴロゴロしておりました。スマイス教授と私は調査をした結果、城内で1万2千人の男女及び子供が殺されたと結論しました」
 と述べたのです。一方のスマイス教授の東京裁判への出廷は、弁護側が要求したにもかかわらず認められませんでした。ベイツ教授は1938年と1946年に蒋介石より勲章をもらっていました。
 またマギー牧師は法廷で延々と日本軍による殺人や強姦の事例を証言しましたが、ブルックス弁護人に「実際に自分で見たのはそのうちの何件か」と問われ、「実際に見たのは1件だけ」と白状しました。しかもそれは、日本軍歩哨に誰何され逃げ出した中国人青年が射殺された件でした。当時、中国にいた宣教師たちが国民党におもねっていたことは、アメリカの上海副領事をしていたラルフ・タウンゼントが1933年に出版した『暗黒大陸中国の真実』(芙蓉書房出版)などに記されています。
p120〜
 私は大虐殺の決定的証拠が1つでも出てくる日までは、大虐殺は原爆投下を正当化したいというアメリカの絶望的動機が創作し、利益のためなら何でも主張するという中国の慣習が存続させている、悪質かつ卑劣な作り話であり、実際は通常の攻略と掃討作戦が行われただけと信ずることにしています。さらに事を複雑にしているのは日本国内に、大虐殺を唱え続けることこそが良心と平和希求の証し、という妄想にとらわれた不思議な勢力があることです。「南京大虐殺」は歴史的事実ではなく政治的事実ということです。事実であるという決定的証拠が1つでも出るはるか前に、「カチンの森」が事件発生50年後のソ連崩壊時に告白されたごとく、「南京大虐殺」の真実が、アメリカの情報公開で明るみに出るか、中国の一党独裁崩壊後に告白されるのではないかと考えています。
 ただし、アメリカは時が来れば何でも情報公開する公平でオープンな国のように見えますが、肝心のものは公開しません。真珠湾攻撃前1週間の暗号解読資料とかケネディ大統領暗殺犯などについては、今もすべてを出そうとしません。南京事件が原爆投下と関係しているとしたら容易には出さないでしょう。
 南京の話が長くなったのは、これが未だに日本人を委縮させているからです。中国に対して言うべきことも言えないでいる理由だからです。尖閣諸島が中国のものと言っても、自分から体当たりしてきて謝罪と賠償を高らかに唱えても、怒鳴りつけることもできず、下を向いたまま「領土問題は存在しません」とつぶやくだけの国となっているからです。
 20年以上にわたり毎年10%以上も軍事費を増加させるという中国の異常な軍備拡大に抗議するどころか、すでに6兆円を超すともいわれる巨額のODAを与え、さらに援助し続けるのも、自らの対中防衛力を高める努力もしないでハラハラしているだけなのも、中国の不当な為替操作を非難しないのも、「南京で大虐殺をしましたよね」の声が耳にこだまするからです。中国の対日外交における最大の切り札になっているのです。(〜p121) 
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民主政権は“日教組政権”だ 対談「中山成彬氏×伊藤玲子氏」 『WiLL』7月号/2009年 2013-03-25 | 読書 

       

中山成彬元文部科学大臣と伊藤玲子さんの対談【民主政権は“日教組政権”だ】「WiLL」7月号/2009年
伊藤玲子 日教組と戦って20年、私、もう82歳です。棺おけに片足突っ込んでますけど、日教組の息の根を止めるまでは死ねないんです(笑)。
中山成彬 伊藤さんとの出会いは私が文科相を拝命した平成十六年でした。
伊藤 私は平成6年から歴代文部大臣に教育現場の資料を持って「日教組支配を断ち切らなければ日本の教育はよくならない」と訴え続けたのです。ですが、どの大臣からもみんな無視されました。秘書で止まってしまったこともありました。10年続けて、中山先生が初めて真正面から受け止めてくださいました。
中山 いただいた資料を読んで、「これはひどい。本当にこんなことが行われているのか、もっと実態を教えて欲しい」ということで連絡をしたんです。
編集部 日教組の組織率はいまや全国で3割程度ですが、それでも脅威なんですか。
伊藤 組織率は関係ないんです。影響力の問題なので、声の大きい組合員が一人でもいれば、その学校は日教組の方針で動かざるをえないんです。学校は「事無く過ぎたい」が第一なのです。
中山 だから私は「日教組の強いところは学力が低い」といったんです。朝日新聞などは「組織率と学力は関係がない」と言ってデータを出して反論していましたが、それこそ論点のすり替えで、組織率は関係ないんです。確かに組織率は問題で、組合員が払った組合費は上納されて、やがては民主党の政治資金になります。それより影響力の強い過激な日教組の教師が学校に一人でもいれば、周りは腫(は)れ物に触るようにして言いなりになってしまうのが問題なのです。
伊藤 たとえばある学校を視察すると、何人もの先生が生徒にしっかり国歌を教えていて、生徒は歌詞をみなくてもちゃんと歌えるんです。教育長も「卒業式には国歌斉唱を」と指導していますから、これは安心かなと思って校長先生に「今年は斉唱出来そうですね」と言ったら、返事は「とんでもない」。
 聞いてみると、職員会議で校長が「国歌斉唱を……」と言ったとたん、組合のヒラの先生が「反対!!」と大声を出す。一人でも組合員がいたらこれですよ。彼らは教育の現場で「革命」をやっているつもりですから。
中山 大分県は、文科省には「国旗掲揚・国歌斉唱は100%やっている」と報告していますが、実際は1割に満たないくらいです。
伊藤 日教組と教育委員会は、虚偽、隠蔽は日常茶飯事です。
中山 大阪の中学校でも卒業式の国歌斉唱で起立したのが男子生徒一人だけだったことがありましたね。
 余談ですが、集会や公式行事などにマスコミも取材に来ていますが、国歌が流れても産経を除いて各社の記者達は座ったままですよ。優等生ほど先生の言うことを聞いて、教科書に書いてあることを信じるから、自虐教育を受けた人たちが高学歴になり、マスコミ、官界、政界に入り、偉くなる。これがまずい。
伊藤 「安保反対、岸殺せ」とやっていた連中が文科省にも入っていた。元文部科学事務次官の小野元之氏は新聞のインタビューに堂々と「学生時代に権力打倒のデモをしたが、世の中を変えるには内部に入らねばと思い公務員になった」と答えていますからね。こういう連中が日教組とつるんで、ゆとり教育を推進してきたわけです。
■日教組の圧力は桁違い
中山 とにかく日教組の教師達は、職員会議が最高の議決機関という考えですから、大声を出してでも自分の意見を通す。他の先生方は逆らえないんです。
伊藤 中には保守の先生方もいるんですよ。でも組合に入っていないと情報はもらえないし、意地悪される。「毎日顔を合わせるのにイヤな思いをしたくない」なんて言って、「反対!!」とやる教師に反論しないんです。「それでも教育者ですか」と私は叱るんですが、嫌がらせやいじめに耐えられないそうです。
 日教組の強い広島の世羅高校ではヒラの先生たちが卒業式、入学式の国旗掲揚、国歌斉唱の職務命令に反対し、校長が突き上げを食らって自殺に追い込まれた。全国でこれまでに20人あまりの校長が自殺しています。校長をとことんいじめるんです。
中山 一方、全日教連(全日本教職員連盟)というまともな先生方の組織もあります。次のような方針で活動を行っています。
 「特定のイデオロギーを教育現場から排し、教育専門職集団として『美しい日本人の心を育てる』教育活動を進めています。未だに国旗・国歌を否定し、日本という国を愛せない人間を育てる教育を行っている県があることは残念です。人が自分の家族を愛し、郷土を愛し、そして国を愛するのは自然なことだと考えます。
 今回の教育基本法の改定において、伝統・文化の重視など、これまで全日教連が提言してきた内容が盛り込まれ、教育正常化に一歩近づきました」(全日教連HPより)。
 この先生方の輪がもっと広がればいいのですが。
編集部 至極当たり前の内容ですが、日教組からすれば目の仇でしょうね。
中山 組合員数を見れば全日教連の方が組織率の高い県(山口、愛媛など)もあるのですが、日教組はとにかく圧力がものすごく強い。
伊藤 それに、組織率が低くなっても、彼らの方針は全く変わっていないんです。国旗、国歌反対、道徳教育反対で、自虐史観教育、平和人権と平等教育を子供に刷り込む。組合だけでやっている分にはいいけど、学校へそっくりそのまま持ち込むんですからね。
 平和教育なんてひどいですよ。子供が書いた授業の感想文を持っていますが、読むと本当にひどい教育をしています。
 「私は日本に生まれなければよかった。人殺しをした日本は大嫌い」
 「僕のおじいちゃんたちは人殺しをした。こんな日本の国は大嫌いだ」
 「中国の人たちはずいぶん我慢したと思う。かわいそうに思った」
 ほとんどこのような子供たちの感想文です。これを読めばどんな教育をしているかわかるでしょ。
■授業サボって組合活動
中山 そもそも教科書採択にも日教組が影響力をふるっていますからね。
伊藤 教科書採択の際、教科書を展示してある会場に、日教組サイドの人たちが大勢やってきます。そしてアンケート用紙に自分達の意に沿わない教科書に異議を唱える意見を書いてたくさん出していく。こっちも負けじとやりますが(笑)、数が断トツに違うんです。
中山 教科書採択の担当者にカミソリが送られてきたり、とにかく卑劣な妨害行為が行われるんです。
伊藤 今でもこの有様なのに、山梨県の日教組を支持基盤とする民主党の輿石東参院議院会長は「民主党が政権を取ったら現場主義の採択にする」と言っています。彼は元山梨県教組委員長で、現在の日教組の政治団体「日本民主教育政治連盟」の会長です。
 彼は「民主党ネクスト内閣」の副大臣ですから、もし民主党が政権をとれば、今以上に日教組の考えに沿った自虐教科書ばかり採択されるようになるでしょう。彼らは圧力も動員もすごい。
 教育基本法改正の時なんて、本当にすごかった。平成18年の11、12月は議員会館の前に朝から夕方まで大勢の教員達が押しかけ、座り込みや、マイクを使って大声で「教育基本法改悪反対!」と叫んだり、教組の幟を立てて抗議活動をしていました。これはみんな子供達の授業をほったらかしてきているんです。延べ1万6000人が活動に参加したといわれています。これが日教組職員の実態です。
中山 あれだけ毎日、議員会館の前で大騒ぎしていたのに、マスコミは報道しませんでした。子供たちをほったらかして何をしているんだと、本当に腹が立ちました。
■小学生が中絶手術
伊藤 マスコミも日教組と仲良しですからね。それから深刻なのは教育関係の人事権を日教組が握っていることです。教育委員会はすべて乗っ取られていて、教職員課長が指導課長などの要職はすべて日教組が人選して送り込んできます。そのポストに就いたものが、いずれは学校へ戻って教頭、校長になるのです。
 「教育委員会」というと5、6人の合議制のイメージが一般的でしょうが、そうではないんです。事実上、事務局が仕切っているようなものです。
 学校に抗議に行ってもラチがあかないので、教育委員会に行くと、「非常勤の正式な組織ではないので」などという。委員を任命したのは首長ですから、そこへ行くと、今度は「教育には不介入だから」と言って逃げるんです。つまり責任を取らない。
中山 そもそも教育委員会は戦後アメリカの設置勧告によって置かれているのですが、発足当時から委員選挙に教職員組合を動員するなど党派的な対立の問題が見られたので、廃止する意見も強かったんです。ひとまず委員長を指名制にしたのですが、基本的な性質は設立当初のままなんですね。本来であればもう少し知事や首長のコントロールが効くものでもいい。ただ、変な首長だとこれも困るんですが……。難しいところですね。
伊藤 歴史教育と同様に重大な問題があるのが、過激な性教育です。鎌倉で平成8年に実際にあった話ですが、小学1年生の女の子が家に帰ってくるなり、「お母さん、セックスしちゃイヤ!お父さん嫌い!」と泣き出したそうなんです。お母さんは何のことやら分からず、聞いても答えないので他の親に電話をしてみた。
 すると、そこの女の子が「お父さんとお母さんの秘密だから、家で言ってはいけないって先生が言った」というわけなんです。こんな教育がありますか。
 しかも、小学生だったら「お父さんとお母さんが愛し合って、神様が君達を授けてくれた。尊い命なんだよ」というのが普通なのに、「お父さんのペニスがお母さんのヴァギナに入って、そこには快楽があって、それで君達ができる」と教えている。「快楽」が先に立つので、親に対する尊敬も、自分達の存在に対する思いもなくなってしまうんです。
 私が主宰している「『建て直そう日本』女性塾」には神奈川、札幌、大分から女医さんが参加していますが、彼女達の話を聞いていると唖然とする。2、3年前から、小学生が中絶に来るというんです。
編集部 昨年、11歳の小学生が妊娠、出産する『コドモのコドモ』という映画が公開されて驚きましたが、現実の方が先だったんですね。
■日教組版「断種政策」
中山 それほど日教組の強くない宮崎でも2年ほど前、こんな事がありました。ある校長先生OBが私のところへ飛び込んでこられたんです。
 「大変なことが起こっています。うちの娘が小学3年生の孫娘を連れてスーパーへ買い物に行った。孫がそわそわしてどうも様子がおかしい。しばらくして『お母さん、私先に帰るね』と言って先に戻ってしまった。母親である私の娘はさすがに心配になって、買い物もそこそこに家に帰ってみたら、同級生の男の子とドッキングしていた。母親がびっくりして『何をしてるの!』と聞いたら、『学校で先生が教えてくれた。親には絶対内緒にしろって言われた』というんです」
 これが日教組のやっている過激な性教育なんです。
伊藤 妊娠はまだ数が少ないにしても、性病にかかっている子供は年々増えているそうです。学校で「性交は自己決定だ」と教えられ、興味本位で行為に及んでいるのでしょう。性病は抗生物質で治るとはいえ、体が出来上がっていない小学生のうちから性病にかかってしまうと、将来的に妊娠しにくい体になる。こんなことでは民族滅亡に繋がりますよ。
編集部 中国共産党がチベット人に「断種」政策をしていますが、やり方は違っても結果は同じことですね。
中山 過激な性教育と絡むのがジェンダーフリーです。性差を否定し、男も女もないと教える。当然、端午(たんご)の節句や桃の節句を否定して、伝統文化も破壊する。小さい頃から男女を一緒にするから、お互いに異性を意識しないようになる。
伊藤 キャンプや修学旅行でも同じ部屋で寝かせるんです。鎌倉でも問題になって今は改善していますが、秋田や山形をはじめ、まだ同室宿泊のところはたくさんある。
中山 騎馬戦を男女混合にしたり。
伊藤 “いやしの体操”まで始まったんですよ。男女が輪になって、お互いの股の間に首を突っ込むんです。刺激され、火がつきますよ。
編集部 一体何のために……。
中山 幼い頃から慣らすことで、異性を意識させないためでしょう。その結果、結婚もしなくなる。
 韓国でも同じようなことが起こっているそうです。金大中、盧武鉉と左翼政権が10年続き、日本の日教組に当たる全教組(全国教職員労働組合)が力を得た。韓国はもともと儒教の国ですから家族を大切にしていたんですが、それを破壊しようとしていた。結果、結婚もしないし子供も産まない若者が増えたという。出生率は日本より低い。
 李明博政権になってかから、これではいかんということで教育改革に乗り出しています。全教組に対しても公的支援の打ち切りや団体協約権の無効の通達などを行っていますが、その中でも一番効果的なのは、全教組の名簿を公開したことで、それによって教員が組合を辞めていくんだそうです。
伊藤 日本でもぜひやっていただきたいですね。
■「輿石文科相」の悪夢
中山 本当なら親が「先生は日教組に入ってるんですか」と聞けるぐらいだといいんですが、不幸なことに今、学校の成績が絶対評価になっていて、先生の裁量で成績が決まってしまうんです。以前は「上位5%が『5』」などと決まっていたのですが、今はそうではない。「この子は出来ないなりに頑張ったから『5』」「あの子は勉強は出来るけど授業に集中していないから『3』」など、先生の主観が入りますから、内申書を気にする親としては子供を人質にとられているようなものです。
 すでに選挙運動に使われているケースもあります。一人5票などとノルマを課している。子供を人質に選挙を戦おうとするなんて、言語道断、許せません。
伊藤 組合の研修内容も見るに耐えません。「法律に従うな」「校長の言うことを聞くな」とやっている。輿石氏が1月14日、日教組の「新春の集い」で「教育に政治的中立はない」と発言していましたが、日頃の思いが口に出ちゃったんでしょうね。
中山 まだその頃は小沢代表の辞任問題もなく、民主党はイケイケだったから本音が出たんですね。
伊藤 輿石氏は「私も日教組とともに戦っていく。永遠に日教組の組合員であるという自負を持っている」とも述べました。もし民主党が政権をとることになったら大変です。
中山 輿石氏が文部科学大臣になるなんて、悪夢ですよ。
■「ネット世代」への希望
伊藤 今何とかそれだけは阻止したいと、中山先生や山谷えり子先生、義家弘介先生と学校現場の実態、日教組と民主党の関係について、各地を回って講演しているんです。世間の多くの人たちの認識は「日教組ってまだあるの?」といった程度。日教組を知っていても、共産党、社民党と繋がっていると思っていて、今民主党に入り込んでいることを知らない人はまだまだ多いんです。
中山 国民のほとんどが民主党の実態を知りませんね。
伊藤 だから私はいろんなところで、日教組が実権を握っている民主党が政権をとったら、日本の子供たちに未来はないと説いて回っています。先ほどの性教育のような実例を挙げて話をすると、多くの人は危機感を持ってくれます。会の後に回収したアンケートには「民主党には絶対入れない」と書かれていることが多い。
中山 講演の後で参加者の方に話を聞くと「今度は民主に入れようと思っていたけど、入れたらとんでもないことになると分かりました」と言ってくれる人が多い。しかしわれわれの活動はマスコミが取り上げませんからね。個別に各地を回って、何百人かずつ話をしてわかってもらうより他にないんです。地道な作業です。
 それでも最近希望が持てるのは、若いネット世代が日教組問題に強い関心を持っていることです。私が講演で地方を回っても、若い世代から声援をもらえる。テレビや新聞などの論調はどうもおかしいと感じているのは、ネット世代。彼らの意識がどれだけ選挙に反映され、「民主党じゃだめなんだ」と言ってくれるか。そこに日本の将来がかかっています。
 私が「日教組をぶっ壊す」発言で国交大臣を辞めた後も、「頑張れ」「応援します」というファックスやメールをたくさんいただきました。政治生命を賭けて訴えたことが、ずいぶん浸透してきたなと思います。
 初めは自民党内も「何を言ってるんだ」という冷たい態度でした。「俺の支持者にも“先生”はいるんだ」なんていう人までいた。しかし、本気で訴えたことが少しずつ浸透して、先ほど伊藤さんがふれた「日教組究明議員連盟」 が出来て、80名を超す自民党議員が加入してくれ、全国の集会に呼ばれるところまで来ました。使命を果たしつつあるのかな、と思います。
伊藤 自民党は中山先生の発言があったとき、後押しをすべきでした。
中山 自民党の議員でもほとんど日教組の実態を知らなかったんですよ。
■政権に目がくらむ民主党
伊藤 私はその様子を見て、「これはもう国民が立ち上がらなければダメなんだ!」と思ったので、直後に「日教組を糾弾する緊急国民集会」を開いたんです。300人集まりました。国民の方が強い危機感を持っているんですよ。
中山 日教組だけではなく、民主党は自治労とも繋がっています。これが仕事もせずに選挙運動をやっている。前回の参院選の比例代表のトップ当選は社保庁の民主党の組合員でした。組合員は1万人ちょっとしかいないのに、50万票もとったんです。年金処理をほったらかして民主党の選挙運動をする。そして民主党の議員が年金問題で自民党政府を攻める。おかしな構図ですよ。
伊藤 自民党はそこを指摘すべきでしたよね。
中山 現在、教職公務員の選挙活動について罰則規定を設ける法案を検討しているところです。民主党は必ず反対しますから、「なぜ反対するんだ」というところから、自治労、日教組と民主党の繋がりをあぶりだすことができる。
 民主党にも話の分かる“仲間”がいますから、「日教組と自治労という官公労の組合を切れ」と言ってるんです。小沢代表だって日教組の思想は本意ではないはずですが、票が惜しくて、政権交代に目がくらんでいて、輿石氏を重用するなど左にスタンスをとっている。
編集部 国民が日教組に対してなにかできることはありますか。
伊藤 私は教職員が勤務時間中に組合活動に使った時間分の給与の返還を求める裁判を起こしました。これは半分勝って半分負けましたが、校長が組合主催の教研集会を出勤扱いにすることは違法だと断定されました。今はこのように法律で足を切っていくより他ないと思っています。そのための法整備は先生方にお任せして……。
中山 私は現場主義で、文部科学大臣になった時も、教育改革をするに当たって、まず学校現場の視察に行こう、と考えました。全国に公立の小中学校は3万3000校ありますから、1%くらいは自分達の目で見て確かめよう、ということで、私も48校、副大臣、政務官と一緒になって全体で約400校を視察しました。その後も多くの学校現場を回っています。
 しかし、国会議員はなかなか時間がとれない。そこで地元の議員に地元の学校を視察に行ってもらいたいのですよ。どういう授業が行われているか、実際に目で確かめて実態を知ってもらいたい。
■イギリス方式で自虐なくせ
伊藤 市町村議員は、家から歩いて数分のところに小学校があるくらいですから、一番視察しやすいはずなんですよ。現場を見に行って、問題があれば議会で取り上げるのが一番効果があるんです。まずは校長に言って、教育長に言って、それでもだめなら本会議で言う。本会議ではみんな聞いているし、議事録にも残る。
 他の地方議員にやってもらいたいので「どうか学校を見に行ってください」とお願いするんですが、「何を見てきたらいいんですか」なんていうんですよ。そこでチェックリストも作りました。子供達の姿、先生の姿、学校の姿を見てもらいたい。それでもまだ見に行く議員は少ない。
 私があんまりしつこく学校へ行くもんだから、共産党が先回りして「伊藤玲子がくるから気をつけろ」なんて言いに行く始末。地方議員たちにもっと頑張ってもらいたいと思います。
中山 あとは地域の方々ですね。すでに子育てが終わった世代の方も、学校でどういう授業が行われているか、関心をもって目を光らせて欲しい。
 イギリスのサッチャー首相は、偏向教育を行う教師達に対抗して、「教育水準局」(OFSTED)を設置しました。女王陛下から任命される「認証官」が15人くらいのチームになって、現場をパッと見に行ける権限を持った組織です。
 授業、教科書、プリントなどを抜き打ちで徹底調査をして、カリキュラムに従わないものには是正勧告し、それでも従わない場合はネットで公表し、最悪の場合は学校を取り潰す。そこまでやって、やっと自虐史観にまみれていた歴史教育や「イギリス病」と言われた学力低下を改善することができた。私は日本ももうそれしかないんじゃないかと思っています。
伊藤 学校という囲いの中で行われていることで、子供は口止めされていますからね。
■日教組の因果応報
中山 文部科学大臣のときに、「甦れ日本」と題しまして、教育改革試案を公表したんです。教育基本法の改正、ゆとり教育の見直し、全国学力テストの復活、教員免許更新制の導入などがそのおもな内容です。子供に対しては「負けるな、ウソをつくな、弱いものいじめをするな」、親に対しては「(子供を)叱ろう、褒めよう、励まそう」というスローガンも掲げました。
 皆さんには子供だけではなく孫の世代、その先のことまで考えてもらいたいし、自分の子だけじゃなく、よその子も「子供は国の宝、社会の宝」という気持ちで学校や子供達を見守って欲しいですね。今は自分の子供だけしか眼中にない、いわゆる「モンスターピアレンツ」といわれる親も出現してきましたから。
伊藤 学校へ行くと「伊藤さんはわれわれ教師ばかり責めますが、今の親たちはみんな学校のせいにするんですよ」って言うんです。だから私は「その親を育てたのは、あなた達日教組でしょ」って言い返してやったら黙ってましたけどね(笑)。
中山 それは因果応報ですね。自由と権利だけを教えて、その裏にある義務や責任を教えない教育が続いてきた。
 私が国交大臣を辞任したとき、大阪の橋下知事が私にエールを送ってきた。それは大阪は日教組が強く、学力も低く、いろいろ問題があるからです。大阪はひき逃げ事件も多い。運悪く交通事故に巻き込まれてしまうことは起こりうるのですが、負傷した人がいたらその人を病院へ連れて行くのが人間として最低限の義務でしょう。それをしないでとにかく現場から逃げ出す。これは本当に情けないことです。
 人間、自分ひとりでは生きていけないのだから、周りの人と協力し助けあうことを教えてこなかったことの結果がこれです。
■「当たり前」が通用しない
伊藤 私は昭和63年から10年間、パラオの慰霊に行っていて、パラオのクニオ・ナカムラ大統領とも親しくさせていただきました。パラオは親日国家で、今も「昔は日本はよく教育を施してくれた」と言って感謝しています。それが、戦後はすっかりアメリカナイズされてしまって、風紀が乱れたそうです。そこで何を必要としたか。ナカムラ大統領から「日本の修身や道徳の教科書を持ってきてほしい」と言われました。
 でも今は日本にも修身はない、と言うと、「それなら伊藤さんが道徳教材を作ってください」と言う。私は自分で考えて、「人として行なうべき15のこころ〜人はよく生きなければならない」という冊子を作り、平成12年に大統領に500冊差し上げました。この冊子をパラオで小学校の道徳の副読本として使っているそうです。
 「親に孝行せよ」「正直な心」「人に迷惑をかけない」「誠実」「約束を守ること」など、人として行うべき15項目をイラスト入りの小冊子にまとめたものです。
 私はこれを鎌倉の教育委員会や学校長に持っていき、「日本でもこのようなものを是非教育に取り入れて欲しい」とお願いしましたが、校長も教育長も「これは強制だから日本の学校ではやりません」と返されました。
中山 私達から見ればこれらの内容は人として当たり前のことばかりなんですがね。自由も権利も大切だ。しかし人として、最低限守るべきことがある。人に迷惑をかけない、できれば世の中の役に立つ人間になる。これが基本だと思います。
 今心配しているのは、不景気で仕事がなくなって、すぐに生活保護を受ける人が増えていることです。
 大阪には「府営外車・市営外車」という言葉があるそうです。府営住宅、市営住宅に住み、生活保護をもらいながら、外車を乗り回している人たちがいる。
 本当に困っている人には出さなければなりませんが、そうではない人に安易に支給してはいけない。一旦もらい出すと、そこからなかなか抜け出せない。結果的に真面目に働いて納税している人達の負担が増え、「真面目に働いたらバカを見る」ような世の中にしてはいけないんです。
■国の未来は教育にあり
伊藤 すべて教育ですね。これは鎌倉市の実例ですが、真面目な先生が不登校の生徒を何とか学校へ連れてこようと努力すると、日教組の教師が妨害するんです。「学校に来るか来ないかは生徒の自由だ。決定権は生徒にある」という。こどもの権利条約を批准しただろうというのが論拠のようですが、おかしな論理ですよ。学校に来るのも来ないのも自由、援助交際するのも自由、これでは教育なんて成り立ちません。
中山 昨年、輸入資源価格の高騰が起こり、資源小国日本の悲哀を感じました。資源の乏しい日本では何よりも人材が宝です。教育が大切なんです。
 先日、藤原正彦先生の講演を聞きましたが、「今の大学生は10年前よりひどい。20年前よりもっとひどい。これで本当に日本は科学技術立国としてやっていけるのか」とおっしゃっていました。全くそのとおりです。
 子供にとっては1日1日が本当に大事なんです。今日できなかったことが、明日はできるようになる。子供の可能性は無限です。1日もおろそかにできません。私自身、小学校入学時に自分の名前を平仮名で書けなかったような環境でしたので、余計にそう思うんです。
 日本を立て直すには、もう一度教育をやり直さなければなりません。サッチャーの改革も、効果が出始めたのは10年後からです。今すぐ始めなければ間に合いません。
伊藤 かつて日本人は道徳を重んじ、伝統、文化を大切にし、親孝行で礼儀正しく、正直で勤勉で優しい心の持ち主でした。しかし戦後教育がこれらを全て捨て去った結果、その心は奪われてしまった。その結果が家庭崩壊、学校の荒廃、公共心の欠如、社会秩序の乱れとして現れています。今、日本国家は崩壊の危機に瀕しています。これに歯止めをかけるのは教育しかない。教育こそが国家の盛衰を左右するんです。
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日本維新の会 綱領 平成25年3月30日
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